呟怖.ORG | 呟怖

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呟怖.ORGと参加について

僕は途方に暮れていた。ワインを飲んだグラスと空いた瓶、脱ぎ捨てられた紅いワンピース、床に散らばる長い長い髪の毛。そのどれもが、君がこの部屋にいた証明。

それらを捨てるのは容易いことだ。だが、僕が後頭部を殴った君の抜け殻だけは容易く捨てられない。
さて、これは由々しき問題だ。

#呟怖

午後三時。町を歩いていると、既に開店しているバーを見つけた。入店すると、マスターと思しき男と、1人の男が親しげに話していた。
聞けば、今日は彼のために早く店を開けたらしい。俺も酒を何杯か酌み交わし、店を出た。

翌日、マスターが友人を殺害したと、二人の写真が新聞に載っていた。

#呟怖

帰り道。普段は通らない高架下を歩くとコンビニがあったので、立ち寄った。

お気に入りのメロンパンを手にレジへ。
不意に「温めますか」と問われた。
驚く俺に、温めると美味しいですよ、と話す店員。喧騒で冷えた俺の心も温かく感じた。

次の日。昨日と同じ高架下に、コンビニは無かった。

#呟怖

「面白い蛙がいるから見にこいよ!」
友人の家に呼ばれたので、遊びに行ってみた。

そこには、頭に草のようなものを乗せた蛙が。
「宿り木、って奴を蛙に乗せたんだ。今じゃメシ抜きでも光合成だけで生きていけるぜ」

友人を見ると、深く被った帽子の隙間から蛙と同じ葉がちらと覗いていた。

#呟怖

昔、怪我をしたヒキガエルを数日保護してやったことがある。

いま、玄関の前にいる美しい女は、そのヒキガエルの生まれ変わりと言う。
これは鶴の恩返しのように、ガマの油でも売らせてくれるのかな、と待っていると。

差し出されたのは、鶏の足のような肉の塊。見ると、女の右足はなかった。

#呟怖

帰り道。道の傍らに、ランドセルを背負い座る男の子がいた。近所のK君だ。
「何してるの?」
「蛙捕まえてる」
手には蛙が一匹。
「見てて」
彼は蛙にストローを刺し、勢いよく息を吹き込む。

ぱぁん。

蛙が風船のように弾けた。
呆然とする私を笑うK君の横には、無数の蛙の残骸があった。

#呟怖

「兄ちゃん、いつまで寝てるんだよ」
朝、弟に叩き起こされた。足元には眠る前と同じく枕があった。
「枕返し対策は完璧だったようだな」
俺はほくそ笑む。
「ああ、さっき変な夢を見たんだ、妖怪が俺の頭に枕を…」
「どっちが夢なのかな」
ニタリと笑う弟。そういえば、俺に弟は…

#呟怖

枕返し、という妖怪がいるらしい。本来頭の下にあるべき枕を足元に置いていくイタズラをする奴らしい。
そんなイタズラをされたら悔しいので、最初から足元に枕を置いてみた。

「あら珍しい、この子がちゃんと寝てるなんて」
母の去ったあとには、枕を頭の下に敷いた息子が眠っていた。

#呟怖

貴女と私は結ばれぬ運命。私は所詮は異形であり、人の死体を喰らうことで生き長らえるのであります。
愛する者の亡骸を前にして、悲しみよりも先に食することを考えたのです。
煌々と輝く満月の下、喰らう貴女の亡骸はとても美味でございました。

#月が綺麗ですねを1番ホラーに書いた人が優勝
#呟怖

いつ以来だろう、君に花束を渡す日がまた来るなんて。
君の為選んだ花束を、そっと手渡す。
「ありがとう」と涙を流す君は、空気に溶けるように消え去った。

死亡事故現場、と書かれた看板が夕日に照らされ橙色に輝いていた。

#君・涙・花を使って文を作ろうそれがお前の求めているシリアスだ
#呟怖

君はどこから来たんだい?…そう。僕? 僕は待ってるのさ。誰かがここを降りていって、帰ってくるのをね。どうしてって? …ふふっ、君もここを降りれば分かることさ。

そう言うと、彼は階段の奥に続く闇を見つめた。闇の底から、唸るような音が微かに響いてきたーー気がした。

#呟怖 https://twitter.com/chai_chanko/status/1079048887669645312 

初詣に、近くの寺へと来た。
万年肩凝り持ちなので、常香炉にて、型に向かい煙を浴びようと、立ち上る煙をふわりふわりと手で流す。
見ると、流した煙が人型の何かを避けるように左右へと流れ消えていっていた。

#呟怖

新年にはイクラを食べるのが家の習わしだ。スプーンで一掬い、炊きたての飯に盛る。つやつやと輝きを放つイクラをじっと見つめる。

イクラの中にある紅い点が、すべてこちらをじっと見ているように感じた。

私は、イクラごと飯をペロリと平らげた。

#呟怖

今年もあと少し。あとは年越しそばを食べれば終了だ。

そばを茹で、器に開ける。箸を両手に持ち「いただきます」と呟くと一気に啜った。
啜る。啜る。…切れない。啜る。啜る。…切れない。どれだけ長い麺なんだ。
時計を見ると、秒針はピタリと静止していた。

しまった、今年が終わらない。

#呟怖

木を隠すなら森の中、白猫を隠すなら白の中。
白に身を潜めた猫は機会を伺う。彼がそうっと進む先には、黒の獲物が。

不意に獲物が振り向いた。
ピタリと動きを止めた猫、しかし身体は黒の上。
刹那、猫は黒の獲物に食い散らかされた。

#呟怖 https://twitter.com/vivalajunkpiles/status/1078202531841400832 

夜中、お手洗いに行こうと月明かりの中立ち上がると、私の部屋の隅に爪が赤く塗られた足を見た。
明らかに脛の毛が濃そうなので男性かと思ったのだが、爪がすべて真っ赤に塗られていた。

久々の休暇、たまにはお洒落しようと思い立ちマニキュアを取り出すと、真っ赤なそれが幾分か減っていた。

#呟怖

最近、幽霊に付き纏われて困っている。俺の背後をひたすら付いてきて、恨めしそうな目で俺を見てくるのだ。

今日も一人で部屋にいると、幽霊の女が俺を見つめてくる。
だが、今日は策がある。俺は便秘がちなのだ。部屋の中で、俺は特大の屁をかました。

女の霊は、床に転がり気絶していた。

#呟怖

時々、記憶にない時間が過ぎている。それは学校で、家で、朝に、夜に、と突然起こる。気が付くと、一時間くらいの記憶が抜け落ちているのだ。

休みの日に、親のビデオカメラを定点で自分の部屋に設置した。
私の記憶がない時間を確認すると、そこには私の体から抜け出た黒い影が映っていた。

#呟怖 https://twitter.com/STR_reo8/status/1076708294306148352 

私は貴方を愛していたのに。
貴方が悪いのよ、他の女に唆されるから…!

私は無防備に眠る貴方の胸を、何度も何度もナイフで突き刺した。血に染まるベッドと、徐々に冷たくなる身体。

死に際、貴方は美しく微笑った。

何故そんなに綺麗に微笑うのよ。
また、貴方に惚れてしまったじゃない…

#呟怖 https://twitter.com/tsubukowa/status/1076752003965931520 

クリスマスの夜、私は物音を聞いて目を覚ました。
「サンタさん…?」
私が呟くと、見知らぬ男がゆっくりと部屋に入ってきた。
おじさんは、大きな大きな袋を枕元に置き「朝になったら開けてね」と言って去っていった。

次の日、袋を開けると、そこにはバラバラになった両親が入っていた。

#呟怖

PCのディスク取り出しが唐突に行われる瞬間がある。PCがそのディスクを気に入らないと吐き出しているのだろうか?
昨日は激しいパンクロックのバンドCD、おとといは数字ばかりが羅列されたデータCD。
今日のこのAVは取り出ししないでくれよ……!

――おや、見終わったのに取り出されないぞ?

#呟怖

俺は万年頭痛持ちだ。いつも頭がキリキリ痛む。
だが、この頭痛が消える時がある。それは、祖母や近所のおばさんなど、俺の身近な人物が亡くなった時。
高校受験の時は、事故で偶然亡くなった友人のお蔭でスッキリと受験に臨めた。

今年は俺の大学受験だ。
――さて、誰に手伝って貰おうかな?

#呟怖

私の友人が列車に飛び込み一家心中した。
友人の葬儀に参列した後、ニュースサイトでその心中が取り上げられていた。私は書き込む。
「友人でした。亡くなるなんて悲しい」

匿名の誰かが書き込む。
「友人がこんなところに書き込むなんておかしい。嘘っぱちだ」

私はますます悲しみに暮れた。

#呟怖

今日は12月24日。枕元に靴下はセット済みだ。今年こそサンタの正体を暴くと奮起し、ベッドに潜り込みサンタの到来を待つ。

物音が聞こえ、がばりと身を起こす。開け放たれた窓の向こうに、彼女は立っていた。
軽い身のこなしでこちらを見ると、彼女は笑顔で言った。

「いらっしゃい、天国へ」

#呟怖 https://twitter.com/magma_maniac/status/1074938930779250688 

「知ってるか?某唐揚げ屋で使われてる鶏って、三本足らしいぞ。何でも、モモ肉を沢山取るために品種改良されてるって噂だ」

なんという流言飛語だ。私は厨房でふふと笑った。
カウンターで鶏を焼くマスターにバレないよう、笑い声を抑えながら、俺は八本足の鶏肉の足を削ぎ落とす手を早めた。

#呟怖

「今日からアイドル頑張ります!」
SNSで呟く友人。毎日、彼女は呟く。
「レッスン中」「ライブ出ます」

しかし、日に日にそれは酷くなる。
「お金ない」「生きられない」

「私を探して」
それを最後に、彼女は呟くのをやめた。
ーー呟かない貴女は探せないよ。
私は彼女のフォローを外した。

#呟怖

男は歓喜した。結婚式前に死んだ花嫁が帰ってきたのだ。
棺桶に入れる際に着せた衣装も美しい。滴る赤が、彼女の青白い肌を華やかに飾る。
喜び勇んで家から出ようとする男を、家族が止めた。
「あれはもうお前の知る花嫁ではない」
女はニィと笑い、足元に転がる齧りかけの隣人を蹴飛ばした。

#呟怖 https://twitter.com/magma_maniac/status/1074226484036792321 

「勉強しなさい」
母さんは昔からそればかり口煩く言ってくる。
母さんの言う通り、ちゃんと勉強したよ。だから、座学の次は実践が必要だよね?

俺は、本棚にずらりと並んだ『殺人』の本を眺め、これから行う『実践』に心躍らせた。

#呟怖

あるブランド芋は、選別の基準がとても細かい。太さ、長さ、形を見ながら選り分けてゆく。

今日も仕事が始まる。
これは太すぎるが、食べたら美味そうだ。これは…ヒョロヒョロで捨てるしかないな。
これはとても美しい。高値になりそうだ。

コンベアには、次々と死体の足が流れてきていた。

#呟怖

洗濯物が乾かない。ずっと軒下に干しているのに。昨夜、雨が降ったからだろうか?
乾いたかどうか、干した靴下を触る。まだ水分が抜けない。午前中より少し紅色が強くなったような気がする。気のせいだろうか? 地面も黒っぽいので、水分が多いのだろう。

そういえば、朝から父を見ていない。

#呟怖

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