呟怖.ORG | 呟怖

呟怖は、Twitterでハッシュタグ『#呟怖』をつけてツイートすれば誰でも参加、投稿できる140文字以内の創作・実話の怖い話です。呟怖.ORGには、日々投稿される呟怖から転載または朗読やイラストなど二次利用を許可されたものが集まっています。作品の二次利用に関する約束は掲載作品の転載、二次利用についてをご覧ください。自分の呟怖作品も、他の掲載作品同様に読んでいいよ・描いていいよという方は、ぜひ参加ボタンから呟怖作家としてご参加ください。その他ご不明なことはガイドをご覧ください。

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呟怖.ORGと参加について

卒業式の日。僕の下駄箱に、君からの手紙が入っていた。
ほんのり痛む胸を抱えて、体育館裏へ向かう。

そこに、君はいた。あの時と変わらない面影で。
漆黒に染まった君の瞳。口から零れる黒い液体。
もう死んだはずの君から、伸ばされる右腕、指先。

繋ごうとした、君の指が、崩れていく――

#呟怖

家のチャイムが鳴らされた。玄関に出てみると、宅配便のようだ。
「こちら、お届け物です」
すると、彼はおもむろに箱を開ける。私は声にならない悲鳴を上げて立ち尽くした。そこには、干からびた赤子のようなものが。
「貴女が堕胎した子供が産まれる頃合いになりましたので、お持ちしました」

#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1105758699467898880 

欲しい商品が品切れだった。近く店員に話しかけると「在庫を確認します」と返答がきた。店員の名札を見ると、名前の横に15%オフと書かれていた。彼の月給だろうか? 世知辛い世の中だ。
くるりと後ろを向いた彼の後頭部は、何かで切断されたように、ちょうど15%ほど切り落とされていた。

#呟怖

「返事をしたら怖がられるし、返事をしないと呆れられる。どうしたらいいかな」
友人の悩み相談だ。
「面白がってるだけでしょ、反応しないのが一番」
私はアドバイスするが、
「忘れられるのが一番怖いよ…リカちゃん」
泣き始める花子さん。私は自分の3本目の足をどかし、優しく抱きしめた。

#呟怖

「あの」
甘い声に呼び止められる。そこには学生服の少女が佇んでいた。
「見えますか」
脈絡のない言葉に戸惑う。
「私が、見えるんですね」
不思議に思いつつ首を縦に振る。
「うふふ。良かった」
少女は踵を返す。
彼女の背後には大きな大きな首。彼女は嗤いながら言った。
「さあ、ご飯よ」

#呟怖

そこには巨大な白猫がいた。香箱座りで道を塞ぐそいつと目が合う。が、猫は意に介さず大きく欠伸をした。道を譲る気はないという主張らしい。
猫の巨体を押す。が、びくともしない。悔しいので猫にもたれながらもふもふを堪能する。私が無事帰宅できるかはこの猫の気紛れに掛かっているようだ。

#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1103853475203440640 

新しいゲームを始めた。黒いパネルを上下左右にスライドさせ、人体を模したマークを重ねていくものだ。重ねるたび、マークは徐々に欠損していく。やがて、私は全て重ねることができずゲーム終了した。数日後、私は事故に遭い最後のマークそっくりの姿になった。
あのマスを全て重ねていたら……

#呟怖

Hが家で闇鍋しようと言い出したので、俺とH含む男4人で鍋を囲んだ。真っ暗な中、皆で具材を入れ煮込み、真っ暗な中で皆で食べた。たまに固い肉が混ざったりしていた。
食後、皆で談笑していると、Hが言った。
「実は、俺の彼女が行方不明になってて」
知ってるさ、肉を入れたのは俺だからな。

#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1103492224786952193 

君に嘘を吐いた。
「一生、君と一緒に居るよ」
屋上に置いた花束が、風に揺れる。紅色に塗れた服を着て、青白い顔をした君が、嬉しそうに笑った。
僕は一歩踏み出した。嘘を本当にするために。僕の身体は重力に引かれ、雲一つない青空が足元に広がった。

#君・嘘・青で文を作ると好みがわかる
#呟怖

新しい日焼け止めを買った。容器から出そうとすると、毎回透明な液体が分離して出てくる。よくあることと思い、特に気にせず使っていた。
昼休みを少し早めに取ろうと更衣室に行った日。私のロッカーの前に立つ部長が、私の日焼け止めの先を口に含み、ちゅうちゅうと吸っていた。

#呟怖

心霊スポットに行こう。そう言うKの提案に乗っかり、僕とMは車に乗り込んで、有名なトンネルへと向かった。到着すると、Kはトンネルの奥へ走りだした。早くこいよ、と叫ぶK。するとMの携帯が鳴った。電話を取ると、Mの顔がみるみる青ざめる。
「Kが心霊スポットに行こうって電話してきた……」

#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1102403738503770113 

お雛様を早く片付けないと婚期が遅れる、とは誰が言い出したのか。ずらりと並べた雛飾りを眺め、溜息を吐いた。
「君たちのこと、早く片付けていたのになあ」
雛飾りの前に並べたお膳を下げる。と、心なしかご飯が減っているような気がした。内裏雛を見ると、男雛の口元に米粒がついていた。

#呟怖

お蔵入りさせた呟怖に、覚えのない物があった。朝、外出しようと家の戸を開けると町中の人が爪楊枝のようになっていた、というもの。折角なので加筆しツイートした。
次の日確認すると、その呟怖の評価は上々だった。浮足立ちつつ家の戸を開けると、町中は爪楊枝のような人で溢れかえっていた。

#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1100953375963676672 

僕の目の前には白い躰がある。頭を切り落とし、足の根を切り落とし、きれいに皮を剥いたそれを次々と箱詰めしていく。粘性のある液体が流れるときは、しばらく水気を切ってから作業していく。これが僕の仕事だ。
何を処理しているのかって? 君がここに就職したいなら、特別に教えてあげるよ。

#呟怖

古本屋で手に取った本に、赤い線が引いてあった。前の持ち主が後学のために印を付けたのであろう。少し微笑ましく思った。
読み進めていると、なぜか文の最初の一文字に赤線が引かれていないことに気づいた。試しに、全ての赤線の最初の一文字だけ読んでみる。
「たすけて ちちに ころされる」

#呟怖

道端に捨ててあったダイヤル式のテレビを拾ってきた。電源を入れると砂嵐が流れる。まだ使えるのかと思いつつ、チャンネルを切り替えていく。と、画面に白い顔が映り込む。不思議に思い覗いていると、その顔がぐにゃりと笑った。
「オマエノ カオ オボエタ」
俺はテレビを元の場所に捨てた。

#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1100155633637027840 

隣に新しい人が引っ越してきた。薄い壁越しに聞こえる声は、どこの国の言葉かさっぱり分からない。挨拶もなく、会う機会もないが、ずうっと彼の早口な声が聞こえてくる。
ぼうっと天井を見つめていたその時、気付いた。

隣から漏れ聞こえる声は、とても早口に私の実家の住所を唱え続けている。

#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1097730021999820806 

一ヶ月前に死んだ飼い猫が、部屋をうろついているようだ。姿は見せないが、お気に入りのベッドが凹んでいたり、残してある餌が散らかされていたり。愛い奴、と思いながら餌を山盛りにした。
部屋の隅を見ると、すらりと長い尾が机の陰に消えていった。

私の猫は団子のように短い尾だったーー

#呟怖

「行こう」
赤い子はそう言って私の手を引いた。

母は知らない男と裸で絡み合うばかり、知らない男は私を裸にした。
母に生理が来たと告げたが、知らん顔をされた。
私に与えられたものは使い古した人形。母にとっての私と一緒。

私は赤い子と歩き出す。人形のように動かない母を残して。

#呟怖 https://twitter.com/astrono77153462/status/1099332033967517696 

街中の一角に、人だかりができていた。彼らはスマホを片手に集まっている。1人に尋ねると、「これから始まるイベントを待っている」と答えた。

不意に、拍手が沸き起こる。ビルの屋上に現れた人影は、喝采の人だかりの中へとダイブした。ひしゃげたその肉塊を、人々はカメラに収めていた。

#呟怖

まるまると腹の膨れた三毛猫がいた。三毛猫は毎日、人間から貰う餌を食べては遊び、鼠を捕まえて食べては眠る。日が経つにつれ、ますます膨れていく腹。
それはどんどん膨らみ続け、そしてある日ーー弾けた。

弾けた後には、まるまると異様なほど大きく膨らんだ鼠がそこに居た。

#呟怖

電車内。窓に映る自分と目が合う。毎日、朝から晩までの労働で疲れ切った顔をした自分。やつれて希望が見出せない瞳をした自分。溜息を吐いた。

窓の向こうに座る女性と目が合った。綺麗な人だ。私が見惚れていると、その女性は微笑んだ。そして、大きな口を耳まで割いてにっこりと笑った。

#呟怖

僕たちの中で、あの場所の話は禁忌になった。
弾けた蛍に触れたYが、死んでしまったからだ。

あの時、蛍はYの首にぶつかり弾けた。そして、Yが死んだ時は首が弾け飛んでいたらしい。

布団の上で寝ていただけらしいのに、と親たちが口々に噂するのを耳にしながら、僕たちは口を固く閉ざした。

#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1097725408194179072 

ちゃぷ、と天井から風呂桶に滴が落ちる。充満した湯気で、室内は白い幕を張ったようだ。私は無音の時間に身を委ねた。こうして何も考えずに過ごすのは至福である。
湯が少し冷めてきたようだ。追い焚きのスイッチを押し、耳元で囁き続けるソレに気づかぬ振りをしながら、私は静かに目を閉じた。

#呟怖

息子がインフルエンザに感染し休んだ。一週間は出席停止になる。
「じゃあ、お母さんはうどんを買ってくるから、いい子にしてなさいね」
そう言い残し、買い物に出かけた。

帰宅すると、苦悶の表情を浮かべる息子が寝ていた。
慌てて布団を剥ぐと、息子は腹を無数の鼠に食いちぎられていた。

#呟怖

貴方と出会ったのは水底。昏い世界を青白い顔でふわふわと漂う貴方に、私は恋をした。
手を繋いで、ハグをして、キスをした。
話し掛け、歌い掛け、共に眠った。
少しずつ貴方の面影は消えていく。抗えぬ変化に涙し、私は貴方を抱いて自害した。

ーー古より伝わる人魚の伝承のひとつである。

#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1089935051624607744 

気付くと僕はここにいた。この先13段の下り階段がございます、と無機質な文字。階段を一歩、一歩と下り始める。この先には何があるのか……
ふと振り返ると、そこには僕の後ろにぴったりついてくる大きな壁があった。どきりとして前を向くと、奥からは無数の黒い手が。

そうだ、僕はもう――

#呟怖 https://twitter.com/kurohacci/status/1095234537452298240 

仕事の帰りに通る寂れたトンネル。橙に照らされる道に、小さな影を見つけた。
車を停めると、そいつはニャア、とか細い声を上げながら寄ってくる。つい遊んでいると、猫の向こうから黒く伸びる影が、俺の顔に重なった。向こうを見るが、誰もいない。

猫を置き去りにし、俺は慌てて帰宅した。

#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1095634599936372736 

万引きをした。
足元に沼ができた。

バイクを盗んだ。
足首まで沼に浸った。

ひったくりをした。
膝まで沼に沈んだ。

麻薬を売買した。
腰まで沼に沈んだ。

コンビニで金を奪った。
胸まで沼に沈んだ。

金属バットで親を殺した。
頭まで沼に沈んだ。

沼から脱けるため、
俺は首を吊った。

#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1095976968250507264 

ここは幽霊が出るんです、と営業先の会社の人に言われた。なんでも、先代の社長が未練を残しているのか、社内に出るとのこと。壁には、その社長の写真が飾ってあった。

担当に促されるまま、廊下に出る。すると、お尻に何かが触れる感覚。
…ああ、色欲が強いから成仏できないんですね。

#呟怖

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