呟怖.ORG | 呟怖

呟怖は、Twitterでハッシュタグ『#呟怖』をつけてツイートすれば誰でも参加、投稿できる140文字以内の創作・実話の怖い話です。呟怖.ORGには、日々投稿される呟怖から転載または朗読やイラストなど二次利用を許可されたものが集まっています。作品の二次利用に関する約束は掲載作品の転載、二次利用についてをご覧ください。自分の呟怖作品も、他の掲載作品同様に読んでいいよ・描いていいよという方は、ぜひ参加ボタンから呟怖作家としてご参加ください。その他ご不明なことはガイドをご覧ください。

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呟怖.ORGと参加について

「最近、耳が遠くなってきた気がする…」
「耳かきしてるの?」
からかうように言うと、友人は指を耳に入れてぐりぐりと回し出した。冗談で言ったのにマジかよ…

すると、彼は耳の中から入れ物のようなものを取り出した。ポケットから未開封ボタン電池を取り出し、交換して耳の中にしまった。

#呟怖

祖父が大事にしていた壺を割ってしまった。古臭く汚い壺であったが、どうしたものか…
ふと割れた壺から何かが聞こえた。声のような…
「オマエノ、イヤナヤツ、ダレダ」
嫌な奴? 壺を割ったことが見つかったらまずいのは…
「じいちゃん」
「ワカッタ」
その日から、祖父は家に帰ってこない。

#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1094431764653649920 

震える私の指で、私の血で書かれた文字を見て、全てを察してくれるのだろう。

母に、ありがとうと伝えて。
父に、親不孝でごめんと伝えて。
大好きでした。
さよなら。

#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1094475269920874496 

最近のお気に入りは鷺のクッキーだ。鷺を捕まえると、パリパリのクッキーに変わる。真っ白なそれを口に運ぶと、パキッと気持ちのいい音とともに、香ばしい風味が広がる。

あれ、あそこにいるのは僕の友達。
彼に駆け寄り、その手を掴むと、彼の体はパリパリのクッキーになった。

#呟怖

ああ、まただ。俺のそばを霊が通ると、いつも耳鳴りがする。
最近、俺の部屋の机に座っていると、よく鳴るようになった。チッ、また耳鳴りが…

「ママ、兄ちゃんが死んでから、今日で38日目だね」
「偉いわね、お兄ちゃんのために毎日花を替えてあげるなんて」
「49日まで毎日替えてあげる!」

#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1093708755554824192 

いつ産まれるやも知れぬ新しい星を抱えた月と、いつ咲き誇るやも知れぬ大輪の花を抱えた蕾は、お互いに恋い焦がれた。
やがて、月は星を産む事なく砕け散り、花は咲く事なく首から落下した。

「だから将来性に掛けるのは愚策よ」
月の無い夜空を見上げ、夢追い人の父を殴り殺した母が呟いた。

#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1091880353050947584 

先日、猫に噛まれてから頗る体調が悪いと思っていたら、どうやら猫になりつつあるらしい。
尻から尾が生えたり、指が短くなって肉球ができていたり、ひげが伸びてきたり。

お陰で彼女とキスをすると、舌がざりざりして嫌がられるようになってしまった。
体毛のお陰で撫で心地は良いようだが…

#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1092983133123764224 

暗闇に浮かぶ自分の顔を見つめる。母に似た唇、瞳、長い睫毛。貴女の形見の鏡越しに見る私の顔は、まるで貴女のよう。
汚らわしい女だった貴女とは違うの。知らない男と交わりながら私を一人にした貴女と。
鏡を壁に叩きつけた。

粉々に散った鏡に映るのは、私に首を絞められ悶える貴女の顔。

#呟怖 https://twitter.com/mamemaki_00125/status/1091636181870141440 

スーパーで、人がいない隙に、陳列されていたガムをポケットにしまった。一つくらい、盗ったってバレやしないだろう。

足元の、己の影に目がいく。先ほどはこんな角度にあっただろうか?
だんだんと真正面に影が移動してきて、そこから伸びる手に首が絞められる。徐々に意識が落ちてゆく……

#呟怖

帰宅途中、横断歩道を渡っている小学生を轢いてしまった。慌てて車を降りる。車の下から伸びる足に赤い血溜まりがゆっくりと拡がる。

早く逃げなければ。

急いで車に乗り込み、出発しようとする。と、横断歩道を渡る小学生の列が、俺をじいっと睨みながら、途切れる事なく後から、後からーー

#呟怖

「社長、新しい『呪い』の依頼がきました!」
「よし、さっそく貞子くんの力を見せてもらおう! まずはこの呪いのビデオを…」
「社長、今どきビデオデッキを置いてる家なんてないですよ?」

社長と社員はしばし顔を見合わせた。

「…ブルーレイにしてもらおうか」
「…そうですね、社長」

#呟怖

「御社を希望した理由は?」
「お客様の顔が見えるからです」
「貴方の特技は?」
「呼び出しにすぐ応じられることです」

白いワンピース、長い黒髪、青白い肌。

「社長…彼女、貞子じゃないですか? 住所、井戸の中ですし」
「採用」
「ええっ!?」

幽限会社『ノロイ』は彼女を採用した。

#呟怖

夜の公園を歩いていると、ブランコに乗る君を見つけた。
こんな時間に出歩くと危険だよ、と言うと君は、大丈夫、貴方と一緒だから、と笑った。そうか、と僕も一緒に笑い合う。そして僕は、手に持った鉈を君の脳天めがけ振り下ろした。

残念だね、君にとっては僕が一番危険な存在だったようだ。

#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1090609531745255424 

僕の上着が雪上に落ちた。
「ありがとう。…さよなら」

雪の上には小さな足跡がついていく。姿は見えないが、雪の上を進む彼女を見た気がした…

その瞬間、彼女の絶叫と地震のように激しい揺れと音。巨大な獣のような足跡が現れ、彼女の断末魔と共に雪上にバケツを返したような鮮紅が散った。

#呟怖

悲しそうな声で呟く彼女に、どうしてあげればいいのか分からない僕。おろおろしていると、彼女は立ち上がった…ようだ。僕の上着がすい、と上がる。

「もう戻らなきゃ。迎えが来てしまう前に」
「迎え…?」

そう呟く僕に、彼女は優しく話し掛ける。

「君を巻き込む訳にはいかないからね」

#呟怖

昔は、姿が見えていたらしい。
成長とともに段々と透けていき、そして完全な透明人間になった。
僕のダウンジャケットに包まりながら、彼女は自身の半生を語る。

「姿が見えなくなると、気味悪がられるから、友達とも会えなくなるじゃない? ……怖いよ、みんなの記憶からも消えていくのは」

#呟怖

突然の事に吃驚した僕は、後ろ向きに走り出そうとし、躓いて転んでしまう。
あまりの恐怖にわなわなと震える僕に、ざくざくという音は一気に距離を詰め…

「ごめん、お願いがあるんだ! 君の上着、一枚貸してくれない? いま、寒くて寒くて…」

姿の見えない人間は、僕の上着を求めてきた。

#呟怖

立派な門構えの奥には、ヒビだらけの窓ガラス、蔦に塗れたレンガ造りの外観。どうみても廃墟だ。
しかし、洋館の入り口から真っ直ぐに伸びる足跡がある。それは、洋館の中から出てきたあと、門の前で立ち消えていた。

突如、足跡がこちらへ、ざくざくという音と共に向かってきた……

#呟怖
#怪談オチhttps://twitter.com/kwaidanbattle/status/1089341564038467584 

「はあい」
聞き慣れた声。母の声だ。久方ぶりに聞く声に、一気に懐かしさが募る。扉を勢いよく開き、
「ただい…」
「あら!アンタ、帰ってきたの?」
背後から素っ頓狂な声がした。振り向くと、それは、買い物袋を両手に携え、白髪が少し増えた母だった。

じゃあ、さっきの声は?

#呟怖
#怪談オチhttps://twitter.com/kwaidanbattle/status/1088904509256916992 

「すてないで みんながきみを みているよ」
そんな標語と沢山の目が描かれたポスターが道端に貼られている。
クレヨンで小学生が描いた絵のようだ。

……下らない。
俺は飲み干した缶を道端へ適当に放り投げた。
ふと下を見ると、足元のアスファルトに無数の目が開き、俺を凝視していた。

#呟怖

インフルエンザに罹ると、ウイルスの影響で人混みに行きたくなるらしい。
まだ症状もない潜伏期間、ウイルスに塗れた身体で人混みへ行き、それを辺りに撒き散らすよう、ウイルスによって人間の身体が操作されているのだ。

あたかも、それが自分の意思であるかのように。

#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1088017582769168385 

妻が夜食を作ってくれた。卵を乗せた月見うどんだ。ふうふうと冷ましながら、ずずっと一気に啜る。妻の手料理はいつも美味しい。
「貴方が私を殺した日も、月が綺麗な晩でしたね」
隣に座る妻を見る。ぱっくり割れた彼女の頭から、白い頭蓋が見えている。空には、白く輝く満月が浮かんでいた。

#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1087775025061457920 

しまった……これで何回目だろうか。息子がまた人を殺めてしまった。私が《欠陥品》としてこの世に生み出したばっかりに。

彼が人を殺めるたび、私はこの石垣の向こうに死体を隠している。
日に日に、石垣には顔のように見える石が増えていく。

ああーーまた息子が罪を犯してしまった。

#呟怖 https://twitter.com/suika_sheep/status/1086934461533511680 

友人の結婚式。眩しいほどの純白で歩く彼女は、バージンロードをゆっくりと進む。その歩みはどこかたどたどしく感じる。
それもそのはず、無数の元彼の腕が、彼女のドレスの裾を掴んで妨害するように生えている。それらを蹴散らしながら夫となる人の元へ歩く彼女は、或る意味で頼もしく見えた。

#呟怖

毎晩、午前一時に階段で何かを打つような音が響く。その音が気になって目覚めてしまい、その後は眠れなくなる。

今夜こそ正体を暴こうと、音がしはじめると同時に、そろりそろりと階段へ向かう。
そこには、外れかけた板をトントンと直している、三年前に亡くなった元大工の祖父がいた。

#呟怖

学校帰り。公園に遊びに行くと、近所のカフェで必ずお茶を飲んでいるお姉さんがいる。
僕は彼女に惚れていた。

彼女の帰宅を追いかけ、家を突き止めると、彼女の外出を待って侵入する。彼女の部屋を物色していると、扉が開く音。慌てて僕はベッド下に隠れた。

僕の隣には、男の死体があった。

#呟怖

ある国で保険に入り、高級腕時計と共に腕を切り落とし、賊に奪われたことにすると、高額な保険金が貰えるらしい。
そう聞いた私は、海外へ行くと、自分の持つ一番高級な腕時計を左に付け、勢いよく切り落とした。

腕から覗く骨には、「まいどありがとうございます」とぐるりと書いてあった。

#呟怖

窓にぽつり、と俄雨が当たった。俺は緩やかにワイパーを動かす。
助手席から外を見る君は何も語らない。
無機質な車内は、揚羽蝶を閉じ込める籠の中のよう。

俺は山中の祠の前に車を停めた。
雨の中、花を手向け、手を合わせる。
「連れてきてごめん」
彼女は俺の横を通り過ぎ、消えていった。

#呟怖

船上で、4人は脅えていた。
過去にも彼らは漂流した。食料難に晒され、彼らは仲間の1人を食べた。
今、かつて食べた1人が異形として目の前にいた。怯える彼らに言う。
「1人を選べ」
一番気弱そうな男が選ばれる。異形は、その男以外の3人をぺろりと平らげた。
「選んだのはこいつら自身だ」

#呟怖

真夜中。固く閉じた鎖と南京錠を外しながら、閉鎖中のプールに入る。

かつて、憧れの人がいた。記録では到底敵わない、水瓶座のネックレスをいつもしていた先輩。それはいま、私の手にある。

先輩を思い出しながら手を合わす。帰ろうとすると、プールから腕が伸びた。

「ネックレス カエセ」

#呟怖

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