呟怖.ORG | 呟怖

呟怖は、Twitterでハッシュタグ『#呟怖』をつけてツイートすれば誰でも参加、投稿できる140文字以内の創作・実話の怖い話です。呟怖.ORGには、日々投稿される呟怖から転載または朗読やイラストなど二次利用を許可されたものが集まっています。作品の二次利用に関する約束は掲載作品の転載、二次利用についてをご覧ください。自分の呟怖作品も、他の掲載作品同様に読んでいいよ・描いていいよという方は、ぜひ参加ボタンから呟怖作家としてご参加ください。その他ご不明なことはガイドをご覧ください。

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呟怖.ORGと参加について

高い空に

祭囃子が響く

真新しいしめ縄を

君と手を繋ぎくぐった

参道を挟み立ち並ぶ屋台

誰もが 素顔を半分隠す

頑なに面を取らぬ君と

隠れずに逢える 特別な日

いつからか見えなくなった

たった一人の友

朱塗りの剥げた鳥居を見上げ

一人懐かしむ

#呟怖 https://t.co/YJlx2PFBlK

今日でやっと百日目だ

蒸し暑かった風は乾いて冷たくなった

響く虫の音も

この場迄は届かない

闇が口を開け

私の決断を揺らがせる

庶幾うその先に

代償を払う覚悟はあるかと

突きつけるのは

神か

それとも…

#呟怖 https://t.co/YJlx2PWEnK

枕木に背を預けて空を見上げた

曇天の夜空は星もないのに薄明るい

振動と轟音を合図に

僕は宙へ飛び上がり

落下しながら目的地を見据える

錘が取れた僕は自由で

なんでも出来る

そう、なんでも、だ

ヒュウと掠れた笑い声が

喉から漏れた

#呟怖 https://t.co/0rsfzPPG6V

『無い…』

夜ごと彼女はそう呟きながら地を這う

『無い…無い…』

彼女は上体を起こして詰め寄ってきた

『無い!私の目が無いの…』

僕は嘆息しながら答える

『いつ言おうか悩んでいたんだけど、君は毎夜這うごとに削れてる。今の君は体の前面も「無い」よ』
 #呟怖 https://t.co/vJLJHNC8pc

遮断機の前にぼんやりと立っていると、警報音に混じり誰かの声がした

「あの、すみません」

振り向くが背後には誰もいない

「拾って頂けますか?」と声は続ける

声の方を見遣ると、困惑した女性の首が僕を見上げている

足元に落ちていた右手がゆらり、と僕を手招いた

#呟怖 https://t.co/0rsfzPPG6V

山間の廃線路
夜霧を裂いて汽笛が響く
青白い人影が群れをなし連なる
夜明け前迄しか この駅は開かない
しんと凍る最後の息を吐き
明け六つを待つ
今生の離別は
来世を別つものでないと
信じて 皆 月の道を逝く
#呟怖 https://t.co/0rsfzPxwSN

日暮れ時、交差点に立ち行き交う人と車を見つめる。
手を握っていれば、あの子は走り出さなかったかもしれない。
貴方が通らなければ、或いは。
後悔はいつも後に立つ。
信号機の前で、私は目を瞑り耳を澄ます。
夕占を聴く私の足元に、赤い花が揺れていた。#呟怖 https://t.co/ePQqFzVlxT

やっと見つけた非常電話

小刻みに震えながら扉を押し開けた

受話器さえ上げれば、きっと助けが来てくれる

期待を込めて腕を伸ばし受話器に触れた時

手首が落ちた

次に右眼が、両脚が、左肩が、首が、そして心臓が

崩れた僕は影に溶け、また救いを探して夜に流れる

#呟怖 https://t.co/o7OjcEoj1u

潮風に吹かれ、砂防林をそぞろ歩く。
イカ釣り船に照らされて岬の隅が赤く瞬いた。
近寄ると、流木に寄り添う様に彼岸花が揺れていた。
ふっ、と海から灯りが消える。
そうだ、九月にイカ釣り船なんて出ないのだ。
誰かが嗤う声がして。
私の体は、海に舞った。
#呟怖 https://t.co/ePQqFzVlxT

まだ足りない

もっと鮮やかに

色付かなければ

合図にならない

もう一人は嫌 

来て 

連れて行って

願いを込めて

また 一雫

想うは貴方ひとり
#呟怖 https://t.co/ePQqFzVlxT

風邪を引くと何時も祖母が百合根を甘く煮てくれた。
私は微睡みながら甘い根を喰む。
「狐花は食べんようにね」
何で?と夢現に私は問うた。
「まぁ連れて行きたい時には良かろうともさ」
祖母が綺麗に微笑った。

今、横には彼が眠っている。
鍋には狐花が煮えている。
#呟怖 https://t.co/ePQqFzVlxT

背後からの視線が鬱陶しくて話しかけてみた。
「なぁに?文句でもあるのかしら?」
視線が少し怯んだので、私はくちり、とアメダマを噛む。
ふと、背後の視線が途切れた。
「意気地無しねぇ」
溜息と共にもう一つアメダマを摘む。
これの持ち主の視線は、感じなかった。
#呟怖 https://t.co/ghdjgzVJg0

生ぬるい風に吹き上げられ、僕は首筋から滴る汗を拭った

足を止めたら捕まってしまう

強張る筋肉を叱咤しながら階段を駆け上がった

幾つもの足音が背後に迫る

震える手で扉を押し開け一歩踏み出す

妙な浮遊感

迫るアスファルト

やっぱり、にげきれなかった
#呟怖 https://t.co/zOAMrw3wX6

友人に無理やり連れて来られた肝試し

凍りついた様に動かない僕を見て、びびってんのかよと彼が嗤う

立ち竦む僕に、至る所から視線が刺さる

石塀の様に積み上げられた顔・顔・顔

帰ろうと言いかけた僕に彼は笑顔で言った

「ほらあそこ。お前に丁度良いだろう?」

#呟怖 https://t.co/zH3rSHxx5j

「ほらもうすぐよ」と妻が微笑む。

「名前はどうしようかしら?」

答えられない僕に笑顔のまま妻が言った。

「お義母様も、あの女ももう居ないのよ?貴方には私とこの子だけが家族でしょう?」

焦る僕の前。食卓の茹で卵。

「また裏切るの?」と幼い声がした。

#呟怖 https://t.co/bfqXR8Wr3V

ある日、空に大きな穴が開いた。
皆が一斉にスマホで空の写真を撮る。
やがて穴は当たり前になった。
今度は誰かが「いかなくちゃ」とビルに登った。
誰かは空を舞って地面に穴を開けた。
また皆が一斉にスマホを向ける。
その日から地面にもぽっかりと大きな穴が空いた。#呟怖 https://t.co/sgx11VSqm6

靴紐を直そうとしゃがみ込む僕の背後から「交代しないか?」と声がした。

好奇心に負け振り返った僕の足を誰かが掴む。

一瞬の後、視界が反転した。

月明かりに照らされ、僕の靴を履いた誰かが去って行く。

嗤い声と靴音だけが路地に響いた。

#呟怖 https://t.co/DhcVow3IaM

あれ、乗りたかったの?残念だったね、今日はもう満員だよ。

ほんと、残念だなぁ。

最近、一人分だとお腹いっぱいにならないんだよね。

#呟怖 https://t.co/YUoktBHmNT

無理やり連れて来られた肝試し。
立ち竦んだ僕を見てびびってんのかよ、と友人が笑った。
足が震えて一歩も動けない僕に、あらゆる所から視線が刺さる。
石塀の様に積み上げられた顔、顔、顔。
帰ろうと言いかけた僕に友人が言う。
「ほらあそこ。お前に丁度良いだろう?」
#呟怖 https://t.co/zH3rSHxx5j

仄暗い空間に同形の柱が立ち並ぶ。足元から微かに煙が香った。
ずっと待っているが、此処には誰も来ない。
仕方なく踵を返そうとした時、全く身動きが取れない事に気が付いた。
叫ぼうと開けた口から肺へどろりとしたものが満ちていく。
そうだ…私は。#呟怖 https://t.co/OfGSI6OiaT

手が震える。これは初めての症例だ。誰も解決策を知らぬ病に思う様、小さな銀を振るう。新たな術式を、私が創るのだ。
#呟怖 #即興呟怖 https://t.co/B0wuFALTjz

「おぉーい 出ておいでー」
地下と言うのは何故こうも音が反響するのか。
震える手で息の一欠片も漏らさぬ様に口を強く押さえた。
すぐ脇を靴音が通り過ぎ安堵に手が緩んだ時だった。
耳元に生暖かい息遣いを感じて振り返る。
「みぃつけた」
それが、私の最後にみた景色。#呟怖 https://t.co/OfGSI6OiaT

干上がった水底に規則的に四角柱が並ぶ。
累々と人々が訪れカメラを向けた其処は音を飲み込む程に広かった。
「ここになにか描いてあるぞ」
「不思議な形だ!何かの予言だろうか?」
見当違いな解釈が虚空を飛び交う。
数日後には豪雨の予報だ。
謎は再び沈み逝くだろう。#呟怖 https://t.co/OfGSI6OiaT

#呟怖 を時々書く際には136様をはじめとする怪談朗読を聴きながら書いています。普通より怪異寄り?の生活をしてきた事もありますが、死を覚悟してからは怪異が怖くなくなった感じがします。淵に立つと、ちょっとは怖く無くなるものですねぇ。

古い軽自動車を運転しながらエアコンを弄るが一向に涼風は吹かない。
単調な直線の向こうが揺らめき、思わず目を眇める。
不意に影が差し瞬くと地鏡に知らない筈の、でも何処か懐かしい景色が浮かんだ。
耳元で誰かが「お帰り」と囁いた。
ハンドルはもう、動かなかった。
#呟怖 https://t.co/TlZrRfjpbK

なんだって病院ってのはどれも墓標見たいな形なんだろうな?

求められる機能が似通ってるからじゃないかな

ふーん、でも此処使ってないんだろ?

使って無くても集まってきて溜まるからだよ、澱みたいに

暇なんだな、人間って

本当、仕事を増やさないで欲しいよね。
#呟怖 https://t.co/TlZrRfjpbK

歩を進める毎に咽せるような草いきれが濃くなっていく。
頬を生温い風が撫でて行った。
汗を拭いながら、僕は記憶にあるより燻んだ建物を見上げる。
懐かしい日々が喧騒と共に脳裏に溢れ、溺れそうだ。
記憶の中の君に笑いかけ僕は携行缶の蓋を開けた。
「待たせてごめん」#呟怖 https://t.co/TlZrRfjpbK

会って欲しい人がいるんだ、と言われ二つ返事で了承した。
何時間車に揺られても苦痛では無かった、筈だった。
二度と見ることは無いと誓った景色が眼前に広がる。
あの日此処で全て捨て、新しい人生を始めたのに。
震える私に彼は薄く微笑んで言う。「久しぶり、お母さん」#呟怖 https://t.co/TlZrRfjpbK

給与の高さに釣られ離島に着任したのは誤りだった。あと3年の辛抱と唱えるが精神が持ちそうにない。前よりよく見えるナニカ。囁きは日常に侵食してくる。ナースコールは生きている人のもんでしょう!と深夜の詰所で吐き捨てて私は寮へ歩を進める。今夜も眠れそうにない。
#呟怖 https://t.co/TlZrRfjpbK

職員室から最も遠い此処には最初に夜が訪れる。
踊り場の鏡も、3番目の扉も未だ黙している。
恐らくは喧騒の残滓を警戒しているのだろう。
出鱈目に奏でられた鬱憤を晴らすべく私は嗤う。
これからは私達の時間だもの。紛れ込んだ君達を脅かすくらい、構わないでしょう?
#呟怖 https://t.co/i5bmnc9iSV

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