呟怖.ORG | 呟怖

呟怖は、Twitterでハッシュタグ『#呟怖』をつけてツイートすれば誰でも参加、投稿できる140文字以内の創作・実話の怖い話です。呟怖.ORGには、日々投稿される呟怖から転載または朗読やイラストなど二次利用を許可されたものが集まっています。作品の二次利用に関する約束は掲載作品の転載、二次利用についてをご覧ください。自分の呟怖作品も、他の掲載作品同様に読んでいいよ・描いていいよという方は、ぜひ参加ボタンから呟怖作家としてご参加ください。その他ご不明なことはガイドをご覧ください。

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呟怖.ORGと参加について

走る
吐く息が白い
走る
吐く息が靄になり
走る
追って来るから
走る
ゴールを目指して
走る
絡れる脚を誰かが掴む
走る
走ればきっと
逃げられる?
なにから?
走る
そうしなければ
ならないから
走る
そうして
白いそれを
突き破る
それでも まだ
走る
誰か
助けて…

#呟怖 https://t.co/K5bjHWmcor

夢を見ていた
動かない身体
動かない空気
何もかもが硬質な夢の中

ふいに空から大きな手が
私をつまみ上げる
爆音が響いたのち
暗い穴の底に
叩きつけられ目が覚めた

溜息を吐き
汗を拭おうとする
手が 上がらない?

蒼いジオラマの上から
『廃棄処分で』と音がした
#呟怖 https://t.co/K5bjHWmKdZ

寒い夜
風の音だけが
僕らの間に立っていて
他には何も無かった
世界には僕らだけだった
「どうした?おい?」
吹き荒ぶ風の中
君が問う
向こう側との
境界線が白く立っていた
『こうする』
僕の声にナニカの声が重なって
君は揺らいで消えた
「あぁ、せいせいした」
#呟怖 https://t.co/K5bjHWmKdZ

どうして…

何故答えなければならないの?

どうして…

泣く君は嫌いだよ

どうして…

確かなものなら

きっと君が持っている

君は知っている

どうして…

どうしても。

煩く喚く君を

穿ち 刻み 丸め 硬め

雪達磨にした

溶けるまでなら

愛してあげる

#呟怖

あかいそら

あかいやね

あかいあかい

かあさんのおかお

かあさんのおててに

あかいほうちょう

どくどくと

わたしのかけらが

ながれてく

わたしは

とうさんじゃないよ

さいごにみえたの

かあさんのうしろのまど

しろいかみさまが

てをふりながら

わらってた

#呟怖 https://t.co/IUAzkameCj

顔に触れる柔らかな布の感触
目隠しをされている様だ
「見えると迷う人が多いのだけど」
構わず布を取ると
眼前に薄明るく滲んだ穴が空いていた
「皆此処を通るのよ、さようならの時には」
冷たい声と同時に背を押された
最後に見たのは確かに
遺影の中の、笑顔の母だった
#呟怖 https://t.co/vG1oO3EdbW

黙っていろと言われたので縫い留めた
聞き耳をたてるなと言われたので貫いた
見るなと言われたのでくり抜いた
動くなと言われたので埋まることにした
穴から見上げた世界は
たぶん明るかったのだと思う
僅かに空気に触れた
視神経の先が
確かにぼんやりまるかったから
#呟怖 https://t.co/vG1oO3EdbW

もうすぐだ…
ほら、そこ
すぐ、そこだよ
枯れた手を伸ばし
祖父が笑った
そのまま
綺麗な笑顔で
祖父は逝った
うちの男連中は
と祖母が吐き捨てる
僕もいつか
祖父のように
妻では無い何かに
見送られて
霞む夜に
逝くのだろう
#呟怖 https://t.co/vG1oO3EdbW

ここ良い所ですね
はい?あぁなんにも
ええ、はい、そうですね
静かですね
はい?僕ですか?
えぇ…僕は可笑しいらしいので
え?聴きたいですか?
うーん…うるさい、ですね
行き交っていますからね
はい?あぁ…
えぇ…
きっと
知らない方が
よい、です、よ?
#呟怖 https://t.co/mM6Cj1284v

スーッ ズッ べチャリ
暗い
狭い
細長い
寒い
箱の中に
ぺらり
ぺらりと
削られながら
降り積もる
人間が
形作られていくのを
じっと
見ていた
あなたも
わたしも
ずっと昔は
そこにいました
#呟怖 https://t.co/mM6Cj1284v

見たことのない場所だ
不思議な色合いの光だな…
光源を探して視線を彷徨わせると
目があった
右には紺色の 左には紫色の
それぞれと交互に見つめ合う
手を差し伸べると
それらは掌に乗ってきて
つるり、と一回転した
闇の先を一瞥し踵を返す
帰らなくても、まぁいいか
#呟怖 https://t.co/mM6Cj1284v

『これ、どう見えた?』
にやにや笑いながら先輩が写真を渡してきた。
真っ直ぐな廊下ですねと答えると、先輩は舌打ちしながら写真を引ったくった。
『階段に見えたやつは先週首を吊ったんだがなぁ』
…金を返したく無いとは言え、なんてものを見せやがる。
#呟怖 https://t.co/mM6Cj1284v

むかし
怖いものと
恐ろしいものは
違うと知っていた
いつからだろう
怖い
と恐ろしいの
境目が
分からなく
なったのは
影も
闇も
人よりは
怖くないと
知ってしまったから
恐ろしく
美しい
親友が
見えなくなった日
僕は
大人になった
#呟怖

断罪の時
雷鳴が響く
遠くに落ちた雷が
瓦斯燈を灯した
無関心は罪か
無感動は罰か
無慈悲は
それでも
愛なのか
終わり逝く君を
救うべく
奔走しない
僕は罪人か
自問自答に声は無い
どうせ
自分以外愛せないと
火を放ち
僕は嗤った
#呟怖 https://t.co/HOToS5R1qh

頭が朦朧とする

行ってはいけないと

本能が警笛を鳴らし続けているが

何故か身体は前進をやめない

地面がぬらぬらと朱に染まり

するすると身体が滑る

闇の中 大きく開いた鳥居に

白い牙が光る

あっと言う間に長い舌に絡められ

びちゃり、と私は噛み砕かれた

#呟怖 https://t.co/HOToS5R1qh

毎夜此処を散歩するのが日課だ
偶然に必然が重なる時にだけ
ソレは現れる
足音も呼吸音も
心臓の鼓動さえ消える黄昏時
静まり返るその時に
薄玻璃のグラスを虚空に掲げるのだ
とろり、と光の残響が満ちる
熱を帯びない陽光の欠片
全てのものの命の一片が
臓腑に染み渡った
#呟怖 https://t.co/HOToS5R1qh

なんだ…ただの参道と鳥居の写真じゃあないか。で?これがなんだって?

無神論者の先輩は、僕が写真を見せた翌日に帰らぬ人になった。

#呟怖 https://t.co/HOToS5R1qh

ごめんなさいも

ありがとうも

さようならも

またいつかも

あいしているも

ころしてやるも

ゆるさないも

しかたがないも

なんにもなくなるこのみちを

すべてのいきものは

さいごに あるくのだ

#呟怖 https://t.co/HOToS5R1qh

示された道
予定調和のその先へ

握る手指が白くなり
冷たくなるが
足は何故だか止まらない

赤く染まった道よりも
紅に染まったこの両手

真実を知った時
僕は後悔するだろうか

温度も湿度もない
翳った空気を吸い込んで

待ち望んだ
終わりに向かい
独り 只 歩く
#呟怖 https://t.co/HOToS5R1qh

人影の無い参道
いつから歩いていたのだろう
燃え落ちる陽の光の
残滓を追って歩く
石畳を踏む靴音が反響し
耳朶を撫で付けた
見上げた空は黒く染まり
瓦斯灯が道行を照らす
まだ歩かなくては…
それだけは分かる
それだけしか
分からない
それ以外
分かっては
いけない
#呟怖 https://t.co/HOToS5R1qh

視界の端を
白いふわふわしたものが横切った
遠目にみても柔らかそうで
触れてみたい衝動だけで追う

ふと、自分の足音以外
何の音も聞こえない事に気が付いた
あれだけいた人は影すら無い

ごくり、と唾を飲む
茜色の石畳の向こう
鳥居の下で
白い尾が 誘うように揺れた
#呟怖 https://t.co/HOToS5R1qh

通りゃんせ 通りゃんせ

この道を歩くのは三度目だ

三つの時は手を引く影が

七つの時は結髪の乱れを撫でてくれる手があった

数え十三の私の隣りには

誰もいない

泣く父母を

置いて静かに私は歩む

通りゃんせ 通りゃんせ

天神様の御許への

片道切符の秋の夜

#呟怖 https://t.co/HOToS5R1qh

夜が満ちると
昼間には見えなかったものが
街に溢れ出す
街灯の下に
窓枠の影に
そして赤色灯の灯るこの場所も
そっと潜んでいたのです
そこの貴方
帰り道知っていますか?
道、本当に尋ねてみますか?
帰れると 思っていますか?
#呟怖 https://t.co/Jgunp2d6h5

明るい光の中に兄はいた
仕事帰りの愚鈍な妹を可愛がる
優しい顔を貼り付けて
気遣うように手を掲げていた

本当は遊びで私を突き飛ばし
殴り蹴り『どうしたの』と嗤う人の
裏側さえ制服は隠すのだ

ぼんやり照らされた手配写真のほうが
兄より余程人間らしい顔をしていた
#呟怖 https://t.co/Jgunp2d6h5

足音が追って来る
付かず離れず
同じ歩調で靴音が重なる
そっと足を早めた
あの角を曲がれば…
赤い光にほっと息を吐き
希望を求めて走り寄る
が、そこは無人だった
脇腹が、熱い
ざらりと地面が頬を擦る
案内板から白茶けた顔の群れが
じっと私を見詰めていた
#呟怖 https://t.co/Jgunp2d6h5

空と海との境目は
君と僕の間より近いだろう
風に混じる砂に目を細める
瞬きすれば無くなる約束に縋り付き
あの日も此処に登った
ずっと一緒だと言ってくれたね
君の声に背を押され
君の背中を押した場所
また来るよ
足を掴む手を そっと解く
今度は僕が 置いていく番
#呟怖 https://t.co/Qs3UuCrOmg

かつて此処には命が満ちていた
昼夜区別なく皆船を出した
灯る標を頼りに糧を得て
皆最後は此処に眠る
誰ともなく言い出す者が現れた
「私くらいは…」
小石が波紋となるように
いつか天秤は傾いて
負債だけが積み上がる
海鳴りは地響きを呼んだ
さぁ 返してもらおうか
#呟怖 https://t.co/Qs3UuCrOmg

泣き声が頭に響く
反響し四方から皆が責め立てる
駄目だ屑だと
訳知り顔の人の群れ
すやすや眠る子の寝顔が
歪み私を嘲笑う
夫は今頃誰かを抱いているだろう
頑張ってと他人事で
連れて逝こうと思ったけれど
最後くらいは独りが良いわ
波の花 今日だけ赤い 花吹雪
#呟怖 https://t.co/Qs3UuCrOmg

あぁ明日は雨だね
彼は笑う
対岸が間欠的に浮かび明滅する
じゃあ帰るね
ぬるりと影が滲み
海面にひとつ浮かんだ気泡が割れた
新月の夜に
潮騒とともに現れる
名も知らぬ友は
今日は妹を連れて逝った
仏間には六つ目の遺影が並んだ
君は駄目だと ソレは嗤った 
#呟怖 https://t.co/Qs3UuCrOmg

「やまびこはあるのにさ」
白いワンピースからのぞく頸
彼女が振り返る
「波の音だけじゃ寂しいね」
細い足が貝殻を蹴飛ばした
赤茶けた螺旋階段
ひらひらと裾が踊る
「聴いてる?」
「うん」
「じゃ、さよなら」
「…さよなら」
泡立つ紺に白い手首が揺れた
#呟怖 https://t.co/Qs3UuCrOmg

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