呟怖.ORG | 呟怖

呟怖は、Twitterでハッシュタグ『#呟怖』をつけてツイートすれば誰でも参加、投稿できる140文字以内の創作・実話の怖い話です。呟怖.ORGには、日々投稿される呟怖から転載または朗読やイラストなど二次利用を許可されたものが集まっています。作品の二次利用に関する約束は掲載作品の転載、二次利用についてをご覧ください。自分の呟怖作品も、他の掲載作品同様に読んでいいよ・描いていいよという方は、ぜひ参加ボタンから呟怖作家としてご参加ください。その他ご不明なことはガイドをご覧ください。

参加メンバーはこちら

呟怖.ORGと参加について

この目と

この鼻に

この口を

この頬と

この髪

そうして肌はこれ

そしてこの心臓ね

綺麗にその人は嗤い

去っていく

選別されたこの命

半身たちは

捨てられて

拾う誰かが来る前に

朽ちないことだけ

月に祈った

#呟怖 https://t.co/A7kDzCcNVg

何処にも逝けない僕にも
迷う事のできる夜がある
代用品のカボチャの灯りにも
幾つかは本当が混じる夜
笑い声が痛い
笑顔が憎い
杖に縋らなくては立てない身体を
包んでくれる本物はどれ?
…見つけた
君を幾つ目かの代わりにしても
向こうに行けたのは下半身だけだった
#呟怖 https://t.co/yGBFAdhPAk

夜の帳が下りた
願うもののみ辿り着けると言う
伝承を頼りに 山道を歩く
荒い息遣いだけが耳に響いた
「絶対に」
その思いだけで歩む
徐々に脚が重くなり
汗が固まる 冷えていく
正面すら霞み
音は消えた
夜の果て
石像の群れに辿り着いたとて
果たして願いは叶うのか
#呟怖 https://t.co/A7kDzCcNVg

「許してください」
平伏して懇願する男を見下ろし
顔を見合わせる
「どうか…どうか…」
男はまだ伏している
目前の供物の山は
今にも雪崩を起こしそうだ
やがて男は重い足取りで去っていった
何故私達に許しを乞うのだろう
害した誰かに乞うのが
筋ではなかろうか?
#呟怖 https://t.co/A7kDzCcNVg

あなたも?

えぇ

いつからです?

随分立っていますね

すすみませんね列

暇ですね

どうします?

次に来た人間に決めさせましょう

つまらない答えだったら業腹ですね

面白くなければ、並ばせましょう

そうしますか

翌朝そこには真新しい像が並び立っていた

#呟怖 https://t.co/A7kDzCcNVg

乞われれば許さねばならぬのか
願われば叶えねばならぬのか
そんな人の澱を煮詰め
削り出した我等である
ありがとうと言われても
感謝の念を捧げられても
どうしろと?
凝り固まった我等にまだ願うのか
望むのか
來るべき時を待ち侘び佇む
影に何を
人は望むのだろう
#呟怖 https://t.co/A7kDzCtQXg

現世の業を雪ぐ為に
我らは立っている
移り変わる世に打ち捨てられ
忘れられても
定めが変わる事はない
彼等の業を禊ぐたび
私達は削れ欠けていく
欠片になり砂になるまで
立たねばならぬ
故に願う
現世に業が満ち満ちるように
審判の時に備え
積み上げろ
罪 重ねよ
#呟怖 https://t.co/A7kDzCtQXg

昼の暖かさとは裏腹の寒さが身に沁みる
足速に進む私の耳に耳障りな音が響いた
吸い寄せられるように折戸を押し受話器を取る
痛いほどの静寂が狭い空間に満ちた
何故か震える手で受話器を置く
踵を返そうとして、誰かが後ろにいるのに気付いた
『今日一人目の戦利品』
#呟怖 https://t.co/AW7lzsDesq

昔は良かったよ昔はさ
俺らを知らない奴なんか誰もいなかった
縁結びに人助けに…数えきれない程してやったさ
だのに今じゃ「何アレ」だぜ?
あんまり頭にきたもんで仲間と一緒に落としてやったよ
だからあんたも来たんだろ?
#呟怖 https://t.co/AW7lzsDesq

やけに身体が重い
やっと持ち上げた指でボタンを押し込んだ
持ち上げるべき左手はそこに無く
喉は溢れる液体で満ちる
空気の流れは遮断され
ゴボゴボと奇妙な音がした
辛うじてぶら下がる右耳に
響く音を理解すべき脳の半分が
道の向こうで地面に長い線を描いていた
#呟怖 https://t.co/AW7lzsDesq

「あれ何?」
散歩中息子が聞いてきた
「電話よ」
笑う息子に自宅の番号を暗唱させた
「怖いことがあったらいつでも電話するのよ」
自宅の電話が鳴る
「もしもし、こちら警察ですが…」
あの日から何度もかかる無言電話
私がなんと答えたら
あの子は怖く無くなるのだろう
#呟怖 https://t.co/AW7lzsDesq

ようこそ

歪んで佇む鏡から声がする

おいで

誘われるように背が伸びた

お先に

子猫が脇をすり抜けて

指して

横断歩道のチェス盤上

さぁ

鬼百合と薔薇が手招いた

名無しの森で彷徨って

逆さまの世界で未来を刻む

溶けた鏡の

その中で

卵と共に塀から落ちた

#呟怖 https://t.co/TtjoVLLMdF

ようこそ

歪んで佇む鏡から声がする

おいで

誘われるように背が伸びた

お先に

子猫が脇をすり抜けて

はやく

横断歩道のチェス板に

さぁ

鬼百合と薔薇が呼んでいる

名無しの森で彷徨って

逆さまの世界で未来を刻む

溶けた鏡の

その中の

卵と共に地に落ちた

#呟怖 https://t.co/TtjoVLLMdF

親友と二人ヒッチハイクで旅をした
世は善意に溢れていると彼女は笑う
山で 海で 街で
その笑顔を独り占めする算段をたてる
一段 二段 三段
相対したそれに醜く歪む私が映り込む
円に首を通して 空を蹴る
反転する世界から彼女を見上げた
もう 誰にも 渡さない
#呟怖 https://t.co/TtjoVLLMdF

深夜のドライブ中

目に着いたカーブミラー脇の空き地に車を停める

車から降り煙草を咥え火をつけた

なんだか会社の連中が言っていたような…

そう確か…

灰が地面に落ちる

バンッ

音と共に意識が霧散した

知ってる?

あそこで火をつけると

爆ぜるんだって 

#呟怖 https://t.co/TtjoVLLMdF

いきますか?

祖母の家に泊まるたび毎夜それは問うてきた

月明かりすらない田舎の夜に

声と共に闇は薄く白く浮き上がるのだ

幼い私は震えて布団に潜り込み固く目を閉じる

いきますか?

二度問うて声は聴こえなくなる

もし、三度問われていたら…

私は…きっと…

#呟怖 https://t.co/TGS1zECB2v

「こんにちは」
その人は何時もそこに立って微笑んでいる
母も祖母もその人に微笑まれたと聞いた
兄と二人の帰り道に声をかけられた
「こんにちは」
背筋に悪寒が走り兄の手をひき駆け出した
次の日兄は消えた
そう言えば父も祖父も
私の街に成人した男性は亡いのだ
#呟怖 https://t.co/JyloRuvgOn

広域農道に立つカーブミラーは、田舎の若者達の格好の心霊スポットになっている。
それは行き止まりに立っているにもかかわらず、道が続いて映るという。
煩いマフラー音が空気を揺らしたのち、静寂が満ちた。
どうやら彼らもまた、向こう側に走り去ったらしい。
#呟怖 https://t.co/TtjoVLLMdF

車を買った途端付き合いの悪くなった親友
久々にあった彼が嬉しそうに一枚の写真を見せてきた
「彼女が出来たんだ」と幸せそうに話しながら手渡されたそれには、人ひとり写ってはいなかった
数日後、彼の訃報を耳にした
カーブミラーを抱くように、彼の車はひしゃげていたという
#呟怖 https://t.co/TtjoVLLMdF

友が消えた

知らぬ誰かと消え去った

裏切り者の人

笑った日も泣いた日も

共にあった唯一を

誰も覚えていない彼の人を

白い部屋で私は笑う

思い出し 思い至り やっと笑う

あの日あの場所あの夜に

私が殺めた片割れを

合わせ鏡の親友を

愛した私の、その影を #呟怖

潮騒が耳鳴りの様に鳴り響く
仕方なくカーブミラーに攀じ登る
見下ろした海は何処までも広く暗い
ここで死んでも誰の記憶にも残らぬだろう
仕方なくナイフを携え街に出る
一人で逝くには寂しいが
寂しいモノなら街には掃いて捨てる程居る
誰かどうか聴こえていますか?#呟怖 https://t.co/TtjoVLLMdF

祖母の家には鳥居があった
すぐ後ろは黒塗りの板塀で
通る事すら出来ない不思議なそれ
通れるようになったらわかるよと
いつも祖母は笑っていた
寝ずの番に飽き 一人裏庭へ行く
…あぁ成程
向こうで手を振る祖母の姿に
いつか行くよと手を振った
#呟怖 https://t.co/YJlx2PFBlK

鬻ぐたび涙を流すあの人を
抱きしめる毎に溜まる澱

いなければ良かったの?
毎夜言葉を飲み込んだ

あの人が今日も欠けていく
貴女が笑って暮らせる為に

飢えた身体を引きずって
石の鳥居をくぐり抜ける

どうか笑って 忘れてください
幸せに なってください
#呟怖 https://t.co/YJlx2PFBlK

歩を進める毎に音が消えていく
綺麗だと純粋に思えたのは
はじめの1時間だけだった
いつからか どこからか
登っているのか 降りているのか
この道は何故こんなに真っ直ぐなのか
どの道もどうして景色が変わらぬのか
息の上がらぬ不可思議を
素知らぬふりで また 歩く
#呟怖 https://t.co/dMGAVAXS19

声がした
祈り泣き希う
哀れな声に涙して
私は指を切り落とす
一時満ちる笑い声
再び泣き祈る声がして
私はまた指を切る
果てる事のない声の波
与えるものに限りがあると
知らぬ声はやがて呪詛に変わりゆく
そうして私は朽ち果てて
抜け殻だけが立ち尽くす
声はもう無い #呟怖 https://t.co/YJlx2PFBlK

幾つもの足が通り過ぎるが
求める誰かはまだ来ない
待って待って まだ待って

役に立ってくれるかと
あの手が掬い上げてくれた日を
忘れる事が出来なくて
入れ物が変わっても
きっと見つけるから

ずっとずっと 待っている
変わらぬ姿で 待っている

#呟怖 https://t.co/W3emxq9U17

動かないソレを見下ろし嘆息する

面倒だが行かなくてはならない

深夜、荷を背負い鳥居をくぐる

やり直す術は知っている

目を閉じて鈴緒を引いて二拍置く

瞼を開ければ元通り…あれ?

何時もなら動きはじめる筈なのに

ソレは変わらず転がっていた

#呟怖 https://t.co/YJlx2PFBlK

はいっちゃだめといわれてたけど…

そーっと引き出しを開けた

大人はみんな集まって何か話してる

きっと今日は痛くない

だってママは眠ってる

ママがこわい顔じゃなくなる日

いつも見ていたきらきら越しに

やさしい手に包まれる

うしろの人が、ほんとのママよ

#呟怖 https://t.co/TWNbxLn1jl

二日月の照らす闇
鈍く石肌が揺らぐ
神気途切れた参道に
濃く苦く
懺悔が滲む
堕ちたあの子と
落とした私
悪いのは自分じゃないと
逃げる人
重石抱えて
二人振り子に
時を巡らし
いつの日か
黄昏時に
誰そ彼を
並べ絡めて
三つ振り子にと
お百度を踏む
鬼母のお社
#呟怖 https://t.co/YJlx2PFBlK

おはいんなさい
さぁどうぞ

向こう側から楽しそうな声がする
聞き覚えのある 沢山の笑い声

おはいんなさい
さぁどうぞ

ふらふらと 声に誘われ鳥居を潜る
見覚えのある あの子が手を取る

おはいんなさい
かえりはないよ
さぁ どうぞ

#呟怖 https://t.co/YJlx2PFBlK

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