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呟怖は、Twitterでハッシュタグ『#呟怖』をつけてツイートすれば誰でも参加、投稿できる140文字以内の創作・実話の怖い話です。呟怖.ORGには、日々投稿される呟怖から転載または朗読やイラストなど二次利用を許可されたものが集まっています。作品の二次利用に関する約束は掲載作品の転載、二次利用についてをご覧ください。自分の呟怖作品も、他の掲載作品同様に読んでいいよ・描いていいよという方は、ぜひ参加ボタンから呟怖作家としてご参加ください。その他ご不明なことはガイドをご覧ください。

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呟怖.ORGと参加について

僕の造った宇宙船が空へ昇ってゆく。
何度も計算したし何度も試作した。そして今日初めてアレを乗せて飛ばしたのだ。
晴れ渡った青空へ、その向こうの藍色へ、もっと向こうの闇色へ――宇宙船が視界から消えたそのとき、どさりと落ちてきたのは棄てても棄てても戻ってくる人形。
宇宙でもダメか。
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瀬戸内海に面した小さな港の外れに夢船頭の碑がある。
海の一族に盲いた子が生まれたとき、ある育て方で夢船頭に至るという。
夢船頭はお宝の夢を抱いて眠り沈没船の在処を探り当てられるという。
しかし壇ノ浦の後、草薙の剣を探すために大勢の夢船頭が即席で作られた。そして禁止された。
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人が死ぬ物語ばかり書く僕には気をつけていることがある。
登場人物の名前だ。
君だって自分と同じ名前の登場人物が酷い死に方したら嫌だろ?
だから絶対に居ない名前ばかり使ってきた……はずなんだ。
でも今、僕の目の前にいる宇宙人っぽいヤツは「名前!」と叫びながら僕の皮膚を剥いでいる。
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酔っ払って自転車に乗ると飲酒運転になるのは自転車が軽車両だから。
馬や牛、橇や白粉様も軽車両になる。
白粉様は夜中に若い女が一人で歩いているとついて来る。白いぼんやりとした人型の神様だけど足音が馬と同じ。
白粉様に見初められた女は病気にかからなくなるが、男と付き合うと死ぬ。
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本家にお泊まりの際は玄関で髪を切られる。切った髪は和紙に包んで名前を書き、神棚の黒いお重にしまう。
発つ時に返してもらえる。
分家筋の従兄が野球部ゆえの丸刈りで切る髪がなかったとき、なぜか翌朝居なかった。そのことに誰も触れなかった。
伯父も一人失踪してるからヅラもダメらしい。
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夜が明ける――ことに違和感を感じた、そのことにも不自然さを感じた。
おかしい。
昼前に山に入って間もないはず。
見覚えのない場所、全身の疲労感、あまつさえ裸足。
黎明に辿り着いた山小屋――初めて見るはずなのに悪寒が走る。
とにかく一息つきたいと開けた扉の内側に、俺の靴を見つけた。
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あんたこの辺は初めてかね。
膿霧っつってね。細かくまとわりつく脂の霧なんよ。
あんたの車もそんで滑って、ほら、皆であんたを引きずり出したんだ。
臭い?
そりゃそうさ。大勢の人が焼かれて散った脂だ。
理由?
そりゃあんたのご先祖に訊いとくれ。
膿霧が出るのは見つけたときだけだから。
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ためいきが白い。
見ているだけで嫌な気分になる。
その「白」は周囲にも舞い散り、ベンチを、地面を、辺りを、無情に侵食してゆく。
乾燥した冬ですらこれだ。
ミダス王の気持ちがよくわかる。
絶望はためいきを呼び、また周囲を白くする。
なぜか私ひとりだけ耐性のあるこの殺人カビが世界を。
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嫌な夢を見た。
クラス全員に無視される夢。先生にまで無視される夢。どうしても無視される夢。
翌日はもっと酷い夢。
無視どころかそもそもいない。家にも通学路にも学校のどこを探してもどうしても誰もいない夢。
悲しくて怖くて学校に火をつけた。空のパトカーに追われ透明な何かに捕まる夢。
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見慣れ過ぎていて最初は誰もソレを疑わなかった。
自ら動き人の皮膚を喰い破って潜り込む生態が明らかとなり、ソレがひっつき虫、いや植物ですらないと判明した。
寄生虫の一種で、被害者内部の細胞全てを壊死(アポトーシス)させる。残され捩れた皮膚とソレの卵はコセンダングサにしか見えない。
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叔父の遺品整理中に見つけた漆黒の寝袋。手触りがよくて撫でまくっていたら形見分けにといただいた。
早速その晩使ったら深夜にゴミ捨て場で起こされた。
目撃者の証言によると夢遊病のように這って来たらしい。
枕にしていたゴミ袋は破け、中からバラバラ死体が発見された。
そんな事が続いた。
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その学校の職員室は月曜日の昼休みになるとなぜか無人になる。
どの教師もなんだかんだ用事を作り職員室からいなくなるのだ。
理由を知りたければ行ってみるといい。
「先生、返してください」と絞り出すような声が聞こえてくるから。
イジメを苦に自殺した生徒の未来を返せと恨む声が。
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「ねぇママ聞いて!」
娘が帰宅するなり学校で天使くんを呼んだ話を始めた。
どうやらコックリさんの類で、好きな人を尋ねたら「トオル」と答えたという。
「私、パパを好きなのかな」
徹を好きなのは私。ということは君の天使は私の悪魔みたいね。
私が昔呼び出した悪魔ちゃん、まだ居るのか。
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カバは口を開く大きさで平和的に争いを解決する。

大笑い大会で優勝した。
表彰式の後、村長に勝てば屋敷が手に入ると言われ冗談半分で挑戦した。
屋敷の奥、既に大口を開けた村長――のミイラ?
その口の中から這い出す黒い狂気から視線を感じる。
鍵の閉まる音と声。
「これでしばらく平和だ」
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『いっそ生まれて来なければよかった』
その呪文は私を呼び出す。
私が手伝うか訊ね、「はい」と答えれば魂は私のもの。例え確認の「はい?」であろうとも。
趣味の長文や恋人との秘め事を上司や取引先に誤送信させ、呼ばれるのを待つ。
能力を悪戯にしか使わぬ兄ティティヴィラスとは違うのだ。
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妻が失踪した。
一つの大きなドライフラワーを残して。
何よりも妻の捜索を優先したため家のことは全て後回しで、ソレはリビングに在り続けた。
やがてソレは音を立てて割れ始めた。卵の殻のように崩れたソレはドライフラワーでないのは明らかだった。
その晩、妻の顔をしたナニカが私を噛んだ。
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「絶品のカキ氷?」
そう誘うとかなりの割合でついてくる。
見た目はシロップなど何もかかっていない素かき氷だが、その氷に秘密がある。スポイト一滴分の涙。
その味は筆舌に尽くしがたく後を引く味。
そして涙に込めた感情を食わせた相手から何倍にもして取り立てられる。さあ、私を愛して。
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大勢の悪党どもが逮捕された。
犯罪の証拠は匿名の密告通り。だが彼らの隠し財産は根こそぎ行方不明。
やがて金遣いの荒い小学生が補導された。蛇口の水を飲んだら悪党から盗む方法を思いついたと主張。
当初『蛇口の上のマリア』と呼ばれたその都市伝説は今『蛇に乗ったイブ』と呼ばれている。
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幾つかの駒を盤上に並べると、マーライオンは理解したかのように足下の海水を尾で叩き、窓の鉄格子の隙間から外海へ。
この並べ方ならばまた食べ物を持ってきてくれる……はず。
マーライオンの来訪は一日に二回、昼と夜との境目だけ。
今までの結果からルールを予想しつつ次の一手を模索する。
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その奇病は「血の染み」と呼ばれる。
皮膚に赤みがかった水膨れができ、潰れると血飛沫のような痕が残る。その痕は服にまで染み、凄惨な外観を演出する。
痕が消えるまでの期間、患者は激昂しやすくなり、返り血を浴びる事態に陥りやすい。
ただ、返り血がかかる場所はなぜか必ず痕の上である。
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「食事は家族団欒でって言ってたけど、皆さんはどちらに?」
彼女はソワソワしている。
僕の家族を紹介するって言ったら、そう思うよね。
「皆で囲炉裏を囲んでいるよ。さあ君も一緒に」
実家では先祖代々継ぎ足されてきた遺灰の囲炉裏を囲んでいた。
ここは僕の家だから、僕のお嫁さんたちを。
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今朝はやけに冷えた。
外へ出てみると、朝の澄んだ空気の中に凛とした氷の粒がキラキラと残っていた。
ああ、イルミネーションに惹かれたのかな。

フィンランドに旅行してから僕はどうやらアイツにつきまとわれているらしい。
おかげで今日もまた新雪に足跡をつけて遊べる。
さく、さく、さく。
#呟怖 https://t.co/ssjG0oXilA

気がつくと仮面以外何もない密室に居た。
仮面に近づくと突如、六本の足と二本の触角を出して動き出す。
『新種のカメムシだよ』
謎の声と同時に凄まじい臭いがした。涙が出るし顔も引きつる。
『笑い模様なのに獲物が泣くのは滑稽だな』
獲物?
全身が引きつった私にカメムシが近づいてくる。
#呟怖 https://t.co/S5kooErQGg

@molmol299 体を張って「共通の敵」になることで、共闘からの和解に導いたのですね。
でも無謀ですよ、先輩。
先輩が呑んだ寄生蟲は、指定地球外来種。
先輩の奥様やお母様ばかりではなく人類すべての敵なんですよ。
ということで焼き尽くされてください、先輩。
その笑顔だけを遺骨のように遺して。
#呟怖 #返怖

彼は昔から「肉体がない霊にお供えなど不要」と主張してきた。
特に道路脇の花束やらは「ゴミを片付ける者の身にもなれ!」と怒りあらわに撤去する。
そんな彼だったが最近「お供えは欲しいよね」と自分で買ったお供えを置くように。
すぐに「誰が置いた!」と怒鳴りながら片付けるのだが。
#呟怖 https://t.co/lUwiKC4dOO

その遊歩道は団地から駅への抜け道だったので、最初に立入禁止のテープが張られたときは多くの苦情が寄せられた。
しかしそんな声もすぐになくなった。テープを無視して人々は次々と遊歩道へと入り、どこかへと消えたからだ。
後日、テープを外していた男が「笛よりよほど集まる」と笑っていた。
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「泊死帳? 何それ!」
三人で集まるの久しぶり過ぎてエミが興奮してる。
「死人がまた泊まりに来るのを防ぐためなの」
温泉宿に嫁いだ諒子が泊死帳を取り出す。
「ほら、ここにエミの名前もあるでしょ」
エミが消える。
私も新聞記事を取り出すと諒子も消えた。
縁の焦げた泊死帳だけが残った。
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黄泉比良坂とか小野篁の井戸とか、あの世に通じる道というものはそこいらにある。
うちの村にもある。
ヤミノヒ。
年に一度のその日には灯りをつけることが禁じられている。街灯すら全て。
数年前、約束を守らなかった家の者が消えた。遺された点きっぱなしのスマホ画面の明るさが眩しかった。
#呟怖 https://t.co/3pzroGCtje

凍える夢で目が覚めた。
庭に出て、薄く積もった雪の中から落ちていた椿の花たちを拾い上げ家の中へ。
金魚鉢に水を張り、拾った椿の花たちを浮かべると嬉しそうに揺蕩った。
あとは……もう一度庭へ。
蔵で眠り続ける姉さんに傍らの打ち掛けを羽織らせて抱き締める。
何回目の初雪だろうね。
#呟怖 https://t.co/7CoHdD7Lws

バイトから帰宅するとお袋がセーラー服姿で出迎えた。
「今夜はお父さんアレだから」
俺は察して奥の部屋へ。

親父は時々不安定になる。
そんなとき両親は二人して学ランにセーラー服で庭に深い穴を掘る。
青春時代を思い返すと安心できるらしい……実際はそこにまだ白骨があることで、かな。
#呟怖 https://t.co/UDI9VeZqTL

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