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呟怖は、Twitterでハッシュタグ『#呟怖』をつけてツイートすれば誰でも参加、投稿できる140文字以内の創作・実話の怖い話です。呟怖.ORGには、日々投稿される呟怖から転載または朗読やイラストなど二次利用を許可されたものが集まっています。作品の二次利用に関する約束は掲載作品の転載、二次利用についてをご覧ください。自分の呟怖作品も、他の掲載作品同様に読んでいいよ・描いていいよという方は、ぜひ参加ボタンから呟怖作家としてご参加ください。その他ご不明なことはガイドをご覧ください。

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呟怖.ORGと参加について

冬は晴れの日が怖い。正確には晴れの日の前日が。

冬は家鳴りが増える。家族は雪が屋根に積もるせいだと言うが、部屋に私一人のときは異様に鳴る。
家鳴りが増えたらカーテンをしっかり閉める。窓の外の氷柱に首を刺された小動物がぶら下がるから。速贄だと思いたい。
その翌日は必ず晴れる。
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神ってのはどこにでもいる。八百万ってんだからな。社ってのは言うなりゃ油田や温泉を探す穴みてぇなもんだ。建てた場所の神を起こしちまう。社が朽ちるにゃ理由がある。神が人に益を与えなかったっつうな。

血塗れの白無垢を被った女のようなナニカが微笑むのを見て、祖父の言葉を思い出した。
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クリスマス直前の薄暗い日曜日、ママが死んだ。
でもクリスマスにはママにあえた。夢の中でだけど。
目覚めたら靴下の中にママの骨壺が入っていた。
お葬式の帰り道にパパが言っていた「大丈夫だよ」の意味がようやく分かった。
クリスマスの奇跡。
パパはママに殺された愛人の夢を見たみたい。
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燃えるような紅葉の季節になると私は母校を訪れる。
「久しぶりだな。元気してたか?」
この時ばかりは恩師も後輩たちも懐かしい笑顔を見せてくれる。
「そろそろ最終の時間なので」
「そうか。ありがとうな」
暮れる前に紅葉のトンネルを抜ける。
振り返り、焼け焦げた校舎へ頭を下げた。
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「お返死ください」
その声を夢に聞いたならば私は慌てて娘のもとへ走る。
寝ようとしない娘をベッドに寝かせ瞼を閉じさせる。
娘は死体へと戻り、今度は妻が蘇る。
死神の手違いで死んだ二人。七日間だけ生き返る魂を六日で抜くとカウントがリセットされる。この裏技は死神のせめてもの償いか。
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「人がいないのにトイレの水流れるんだ」
「人がいないのに冷蔵庫が開くんだ。あ、閉まった」
「人がいないのにコンロに火が点くんだ。うわ、お湯まで沸くの」
「人がいないのにカップ麺できるのか」

そんな声がずっと聞こえてくるんだよ、この部屋。俺以外には人がいないのに。
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このへんで家を建てたり工事をするときは注意が必要だ。
コンクリートやアスファルト、あと壁の漆喰なんかもそうなんだけど、いつの間にか裸足の足跡がついている。指が六本ある奇妙な足跡。
ついているとホッとする。ついていないときは剥がしてやり直す。
足跡は御守りみたいなものだから。
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村外れの「根の国へ下る階段」は禁足地へと致る。
階段自体は神域の外にあるのだが「立入禁止」の札の向こうということで子供たちにとっては格好の度胸試しスポット……のはずなんだけどな。実際に札を越えた人を一人も見たことがない。

夏が近づくと知らない兄弟や幼馴染たちと遊ぶ夢を見る。
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ある日、突然だった。
手を繋いだ娘の手が大きく膨らみ私の体よりも大きくなった。人の体の一部とは思えぬほど肥大化した娘の手の向こうで娘は泣くが、どうにもできない。
何事かと見に来た夫にすがった途端、夫の腕や肩も同様に膨らみ玄関を塞いだ。
私は思わず頭を抱えてしまった。
#呟怖

右足の親指に人面疽が現れた。
落ち窪んだ眼窩からは時々砂の涙を流し、ひび割れのような牙を持つ口で他の四本の指を全部喰らった。
「何考えてんのかな? あ、これもカニバリズム?」
「直に訊けよ。行動パターンがお前と全く一緒だからすぐに喋りだすだろうし」
僕は左足の親指を睨みつけた。
#呟怖

いつの間にか私のPCにヘンナノが棲みついていた。
ヘンナノって何なのと聞かれてもヘンナノとしか答えようがない。強いて言うならば触手っぽいやつ。
でね、SNSで本人が自分の画像をあげてると、たかるの。
しかもヘンナノにたかられた人は全員、海に行くって投稿の後ぷっつり更新しなくなるの。
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早起きは三文の得ってな、ありゃ奈良が始まりなんだ。昔、玄関先に鹿の死体があると三文の罰金でな。早起きすりゃその死体を隣へ移すことができて、三文払わなくて済むっつーな。
だからか知らんがこの辺じゃ死体に六文と三文で九文添えとくだけで朝にゃ片付く。ほら、用意してた古銭出せ。
#呟怖

彼岸花の群生地で白骨死体が見つかった。
失踪届けから一日と経っていない少女の、頭蓋骨近くに落ちていたスマホ内の動画により真実が明らかになった。
自撮りする少女の頭近くに咲いていた一輪の花が茎から離れ蜘蛛のように動いて少女の首を噛み、驚くべき早さで少女の肉を溶かして啜ったのだ。
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「向日葵が俺の噂話をする」などと分けのわからん言い訳で高原の別荘から戻ってこない友人を迎えに行った。
確かに多くの向日葵が不自然に向かい合っている。
「こいつら俺が妻を殺したことを知っているんだ」
とんでもないこと言い出した友人の背後に横たわる友人夫婦の死体。
お前、誰だ?
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「あっ! 影が!」
両手でスマホを構えてうろつく私の肩に、人の手の影が増えた。
「本当だ。画面の方だけ手が余計に……あれ? これ頭からもなんか生えてる?」
「なんかって……梅?」
「埋められているのか! おーい! こっち掘り起こせ!」
死体の在り処がわかる謎アプリ、半端ない。
#呟怖 https://t.co/pNxt4j5k74

「これサラダ? 大葉?」
「ううん。モロヘイヤだって」
「へー。体によさそーだね?」
「そうみたいなの。たくさん食べてね」
夫はモリモリと食べている。その茎に毒性があるとも知らず。
ちょうどいいのよね。簡単に入手できるし知名度ないから私も知らずに調理したって言い張れるし。
#呟怖 https://t.co/pNxt4j5k74

テレビを観ていたら突然画面がセピア色になり、変なモノが映った。
昨晩、飲み屋で俺が頼んだモノが。
何? ドッキリ?
慌てはしたけど画面を観てると自然とヨダレがわく。あのチャーシューは絶品だった。うわ、動いた。動画?
俺の前から厨房へ、その調理過程へと逆再生。
え? 人の腕なの?
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嫌な夢を見た。
クラス全員に無視される夢。先生にまで無視される夢。どうしても無視される夢。
翌日はもっと酷かった。
無視どころかそもそもいない。家にも通学路にも学校のどこを探してもどうしても誰もいない夢。
悲しくて怖くて学校に火をつけた。空のパトカーに追われて最後に捕まる夢。
#呟怖 https://t.co/c7ZpoGgZZn

最初は乱暴な言葉ばかり。
次第に「助けてくれ」が混ざり、その後ほぼ「助けてください」になった。
今は「殺してください」だけ。
あと時計をすごく気にしている。
伝えておいた終わりの時間にもうすぐなるから。
ここで時計の針を戻した。この人もものすごい顔になった。
『夏休みの自由研究』
#呟怖 https://t.co/tBnxxwHLli

お盆は落とし穴の季節。
梅雨明けと共に掘り始め、お盆の頃に深い落とし穴となるよう毎日少しずつ掘る。声を聞きたい人の顔を思い出しながら。
深いほど聞きたい声がはっきりと聞こえる。
お盆の夜はそこに入って一晩を過ごす。幸せな夜。
本来は「お通し穴」と書くらしい。お通夜の「通」ね。
#呟怖 https://t.co/HZfb8x8JNp

うちの娘にはもう本当にまいっているんですよ。
毎日のように犬だの猫だの変なのだのを拾ってきて――そうそう先生、動物にお詳しいんでしょう?
こないだ拾ってきたのを見ていただこうかと――ほら、こちらへ連れておいで。
包丁?
いえ形は似ているんですが、脈があるし温かいし鳴くんですよ。
#呟怖 https://t.co/umU2Z3G9kx

雪を見ると今も思い出す。
あの日、一面の新雪に夢中で足跡絵を描いていた僕は、祖父に突然肩をつかまれた。
祖父が指差す先には僕以外にもう一つ、山からの足跡。
「雪渡りの足跡に触れると縁ができる。これは俺が引き受けるからお前は俺の足跡をたどって帰れ」
祖父はその晩亡くなった。
#呟怖 https://t.co/5WfgA72iWA

@Hinata_Motthi 「今から宇宙人の干物食べまーす!」
コメント欄に並ぶ『わらすぼじゃなくない?』を無視してソレを口に入れる配信者。
直後、配信者の腹部が縦に裂け、内臓のない配信者の開きだけが残った。
動画のタイトルもいつの間にか『キャトルミューティレーションされてみた』に変わっていた。
#呟怖 #返怖

久々に新しい教材が届いた。
田舎の分校は小学校から中学まで一つの校舎。校内のものは備品の一つに至るまで全て仲良く使い回す。これもまた全員で。
「また目玉ないね」
七人で目玉が一組だけってのはけっこう難儀する。
「でもようやく内蔵が揃ったよ」
僕は理科室の人体模型へ心臓を返した。
#呟怖 https://t.co/M8sjwGUUTp

大勢の悪党どもが逮捕された。犯罪の証拠は匿名の通報の通り。だが彼らの主張する隠し財産は必ず行方不明だった。
やがて金遣いの荒い小学生が補導された。蛇口の水を飲んだら色々と思いついたと主張した。
当初『蛇口のマリア』と呼ばれたその都市伝説は今『蛇に乗ったイブ』と呼ばれている。
#呟怖 https://t.co/MDCaSdPEBp

@AtsushiOgita 「変なこと言うのやめてください!」
私が死を伝えた男の家族が間に割って入ってきた。
「山から帰ってきてからこの人はマトモになったんです! 私たちは今幸せなんです! 金輪際うちには関わらないでください!」
しかもそういう反応が一回や二回じゃないんだ。
#呟怖 #返怖 #返返怖

普通はさ、冬の行方不明は雪解け後に見つかるでしょ。でもここいらの山は逆なんだ。他のシーズンに死んだ奴らが、大雪の日に見つかる。
一面の銀世界に不自然に盛り上がった天然の雪だるまがな、妙に目を引くんだ。
そしてその下を掘ると必ず亡骸が見つかる。空の眼窩に雪玉を詰められた状態で。
#呟怖 https://t.co/TYlgb9PFqR

本家の奥座敷牢には一匹の大きな毒蟲がいた。
活き餌を与えると時折、人に似た何かを産む。
それを少年になるまで育てると、年齢の十倍保つ人柱になる。
しかし本家の一人娘がこの養殖少年たちを逃してしまった。
次々と災害が起き、私たちは今までどれほどの人柱を用意してきたかを思い出した。
#呟怖 https://t.co/8HeM4EOpRj

通勤中、ふいに線香の臭いがして何気なく見回すと、排水溝の蓋をつつく烏を見つけた。
隙間から餌でも落としたのだろうかと特に気にせず立ち去った。
だが翌日からそこを通るときは必ず線香の臭いと烏が。
あるとき気づいた。烏がつつくその蓋に顔が彫られつつあることに。それも俺の顔っぽい。
#呟怖 https://t.co/SjxZTzYsp4

その螺旋階段を降りると、夢の中で自分の身体に刻まれた螺旋の元を辿れるという。
実際、僕は太古の昔を夢に見た。
え? みんな自殺する?
そりゃ階段を上って降りるからだよ。夢でまず最初に人類の行く末を見ちゃったら……死にたくなるような未来なんだろうね。
僕は階段以外を登ってる。
#呟怖

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