呟怖.ORG | 呟怖

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呟怖.ORGと参加について

眼鏡が無い
ぼやけた視界で
ごそごそ棚をまさぐると
眼鏡らしきものが手に触れた

急に視界が輪郭を持つ
窓硝子に写った顔には
棺桶に納めた筈の祖母の遺品が

そして隣の空き地には
数年前に燃え尽きた親友の家が

それぞれ薄っすらと灰色に
夜を照らして
影に滲んだ

#呟怖 https://t.co/570EWKOplx

@suika_sheep 誰も人がいないので
最新の脅かし方を
学びに映画館へ
誘い合わせて
来たのだが
一人だけ
生身の
体が

…羨ましいな、どうしてやろうか。

#呟怖 #返怖

三歳になる娘は散歩中、必ずここで立ち止まる。
笑いながら繰り返しジャンプするのだ。
ついに日に何度も散歩したがるようになった。
空き家になった夫の生家の前で、娘は二階の窓を見上げながらジャンプする。
「お婆ちゃんの真似っこよ」と、姑そっくりの笑顔で。

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祖父母に父母
兄と二人の姉と私
家の前で撮ったんです
季節はいつだったかな
でも、普通の家族写真だったんですよ

人ひとり映って居ない家の写真を手に
Aさんは呟いた

なんででしょうね
皆、私を
皆が
家族が…私を

彼の瞳孔いっぱいに
モノクロの民家が写り込んでいた
#呟怖 https://t.co/570EWKOplx

何の変哲もない民家
住人は老衰で亡くなり
管理すべき子らは遠方の為
必然的に廃屋になった
だけ、だったのに
今日もまた
肝試しにきた人間が
迷い込んだ野良猫が
その家の庭の木の下で
白骨になり
手入れもされていない庭木は
健やかに
枝葉をのばしている

#呟怖 https://t.co/570EWKOplx

見てるよ

見えてる

見てますからね

ほら?

そこ

隙間?スキマですよ

ね?

見て?

みて、

みてみてみててててテテて?

ホら、

そう

そこ。

そうソウそウそそソそう

ね、ねねね?

わかりわか、りる

そう。

それが、あなたの。

ね?

#呟怖 https://t.co/570EWKOplx

『各部屋に荷物を運ぶ仕事です。荷物は郵便受けから入れてください。何が聴こえても扉を開いてはいけませんし、何か見ても決して声をあげてはいけません』

毎回きちんと忠告しているのに
またアルバイトがいなくなった
急いで新しく募集しなくては

部屋が煩く鳴いている

#呟怖 https://t.co/BnlL1mYm4R

風もないのにハンガーが揺れた
誰も住んで居ない部屋の前に
置き捨てられたそれは
小刻みに震え私を誘う

一歩また一歩
吸い寄せられる様に動く体
手に温い温度と質感が伝わる
ハンガー?違う…これは

震える腕の中から
大きな黒い眼球が
瞬きもせずに
私を見据えていた

#呟怖 https://t.co/BnlL1mYm4R

隣の部屋に
誰が住んでいるか
本当に知っていますか?

今朝すれ違ったあの女性
はにかみ笑った少年
隣室から聞こえる生活音

本当に
人がそこにいると示す
根拠は何でしょう?

で、貴方は?

生きていると
誰が証明してくれますか?

あなた

本当に

生きていますか?

#呟怖 https://t.co/BnlL1mYm4R

不意に辺りが白く浮き上がる

驚いている筈なのに

顔は表情を変えなかった

悲鳴が喉元まで迫り上がるが

声は思ったようには紡がれず

ギチギチと四肢に絡まる糸が

ゆっくり僕を動かして

『ヨウコソ』

終わりない悪夢へ

あなたを

あなたも

ワタシになりますか?

#呟怖 https://t.co/t3I87FCQ43

友達の声に重なるように
雷鳴に似た音が響く
歌う彼の後ろから
忍び寄る何かの影
生暖かい空気が辺りを包み
ハミングの最後の音が
硬く柔らかく
咀嚼音を残す

まるで最初から終わりまで
僕ひとりだったとでも言うように
夕闇色の猫が
はたり尾を振り
夜に溶けた
#呟怖 #返怖 https://t.co/tJ3FT03OGG

「スポットライトの当たらない人生にうんざりしていたのよ」
顔?体?
基準が無ければいけないの?
と、喚くソレを打ち付けた

散る赤
漏れる灰色
割れる白
覆う黄色
染みる茶色
こんなにも人には
秘められた色がある

「まだ。もっと」

色を探して
男は歩く
#呟怖 https://t.co/t3I87FCQ43

白いワンピース
想像に違わぬ幽霊がそこにいた
剥き出しの柱に添うように
恨めしい目つきで立つその影は
義兄と共に笑顔で我が家を離れた
姉の、成れの果て
「仕方ないのよ。お姉ちゃん」
生身でなければ出来ぬ事を
為さぬままで
この人を、私を
置いていった癖に
ね…?
#呟怖 https://t.co/8uQ2cAOBon

白く細く
柔らかで
匂い立つ様な人

朱に染まる視界の中
微笑うその人に
縋り付き
泣き喚き
無様に体液に塗れ
伏した私を
微笑いながら
抱く人

道具でもいい
飾りでもいい
抱きしめて
偽りでも泣き
可愛そうと
撫でられれば
貴女の為に

なんでもします
なんでも、します
#呟怖

眠りにつく頃になると感じる
ずしりと肺を押し
生温い呼気と共に
臓腑を圧迫する重み
掠れて響くのは
私とも母とも似ない生き物の声
「産め…孕め…」
幾つもの声の反響が
脳を犯す
この島で生きる限りずっと
この声と同じ声を
私達は聴き続け
産み続けるのだ
#呟怖 https://t.co/AloYxY50rg

目が乾ゐて仕方なゐ
また目医者に行つた
看護師が「一回一滴ですよ」と喚く
が、私のやうな図体のものの
適量とはどの位だらうか
問ふが彼女は憮然と「適量です」
と吐き捨てる
海原でも渇ききつた私を潤す
適量などあるのだらうか
仕方なく流れつゐた人を
瞼で噛み碎ゐた
#呟怖 https://t.co/AloYxY50rg

誰かを悼む時だけ
海面から浮かぶその島は
人々に崇め畏れられていました
1日なら一人
1週間なら七人が…と
言い伝えられていたその島は
今では地図に載っているのです
ねぇどう思います?
ずっとずっとこの島は見えています
健康でお若い貴方も
ほらこうして船の上に…
#呟怖 https://t.co/AloYxY50rg

昔より長い脚
薄紫の爪
瞳は黒く
唇は薄く
鼻は祖父に似て
耳は祖母に似て
写真で見た父に
僕はよく似てきているらしい
もっと父になるように
毎夜母は探して歩き
付け替え
縫い合わせ
飾られる
ずっと此処に
深い森の奥の
この小屋で
母が満足いく
父になるまで
僕は…
#呟怖 https://t.co/dSyBMYDD9X

わからないものは
怖いからと
押し込めて
わからないからと
そっと隠して
見ないふり
音すら聴いては
いけないと
分かる大人は子に伝え
子は盲目に信じ込み
分かるはずの声を
黙殺する
綿々と積もる
誤解の果てに
悲しみが
憎しみが
谺になり
やがて里を
覆うのです
#呟怖 https://t.co/dSyBMYDD9X

奪われるための
何もかもを
産むための場所
隠されているが
誰もが知っている
貴方も私も
父も母も
祖母も祖父も
そのまた前も
皆、此処で生まれました
あなたは
どうしますか?
どちらかを
選んでみますか?
責任を負って
あなたはこれから
生きていけますか?
#呟怖 https://t.co/dSyBMYDD9X

山奥の廃村の中
そこだけが騒がしかった
人とも獣ともつかぬ声が響く
引き寄せられるように
深い緑を踏み締めた
金網の向こうから
無数の視線が刺さる
止まれない
分かっているのに
辿り着けば餌になると
分かっているのに
解って
わかって
わかって、いたのに
#呟怖 https://t.co/dSyBMYDD9X

妹が泣かなくなった
寒い日の事だ
父と二人また此処に来た
「さよならをしよう」と父が笑い
私の震える手から妹が落ちる
岩にぶつかり
小さな赤い飛沫になり
妹だったものは見えなくなった
かつて父が
母を砕いて
私に食べさせた時のように
3番目の妹が細かく波に溶けた
#呟怖 https://t.co/dv8epi1FBC

海が鳴り
泡が破ぜ
砕け散る
惑い
迷わせ
嘗ては
形あった
十全で
事足りた
満ち満ちた
アレを再び
欲しくて
足りなくて
呼ぶ
諍えぬ
香りで誘う
手だけしかなくとも
招くことは
出来るから
波と共に
波の如く
群れになり
次を誘う
さぁ
一緒に
逝きましょう
#呟怖 https://t.co/dv8epi1FBC

待っていました
独りで待っていました
朽ち果て
欠けて削られて
それでも

私を此処に
産み落とした貴女を
泣きもせず
待っていました

あの男の人は
貴女を置いていったのですね
わたしはちがう
ずっと
待っていました
貴女の中と同じ液体に
沈まずずっと
待っていました
#呟怖 https://t.co/dv8epi1FBC

旅行先で息子が撮った写真
帰宅後、息子は小遣いを叩き高いフレームを買った
部屋のカーテンを閉め切り、昼夜問わず写真を見詰めている
とうとう部屋から出てくる事もなくなった
扉を叩いても叫んでも無音になった部屋から潮騒の音が響いた日
一人息子を私は永遠に失った
#呟怖 https://t.co/dv8epi1FBC

あの日から
毎夜同じ夢をみる
端から少しづつ
大きな黒い何かに
齧られ喰われる夢を

夢の出来事なのに
どうして
僕の手先や足先は
炭化したように
ぽろぽろ崩れていくのだろう

君から貰った陶器の狐が
にやりと嗤って見せた時

炭のようになった手首が
地面に落ちた
#呟怖 https://t.co/qcTQeuUqdH

祖母が亡くなってから放置されている蔵が煩い
昼夜問わず幾人もの話し声のような騒めきが聴こえるのだ
ある夜、意を決して蔵の扉を開けた
暗闇からやっと来たかと呆れ顔の白い狐が歩み寄る
「新しい前掛けを頼むよ」
翌朝目覚めると枕元に古めかしい小判が鈍く光っていた
#呟怖 https://t.co/qcTQeuUqdH

「お供えは油揚げ一枚から。後は別途相談で」
そんな張り紙のある古い社の狛狐を見たら御用心ください。
そこは昔から焼身自殺が絶えない社です。
願いすぎると、貴方も火種になりますよ。
どうか、お気をつけて…
#呟怖 https://t.co/qcTQeuUqdH

夜風に雪が混じる
手に持ったスノードロップの花束が揺れた
あの日から毎夜一輪ずつ届く花は
枯れる事なく百を超えた
「…手首だけで届けてくれるとは思わなかったよ」
あの時の君のように
ガードレールから
花束を
そっと
投げ落とした
#呟怖 https://t.co/K5bjHWmKdZ

在るが儘の有り様で
立っているだけなのに
皆が此処で最期を遂げる
色がいかぬのかと
四季折々に染めてみても
何故だか皆飛ぶ
隠れてみても
見えぬからとまた飛んだ
足元の枯れた花が
どうしようもないのです
と嘆息する
皆、私のせいにして
私を跨ぎ
飛んで逝く
#呟怖 https://t.co/K5bjHWmKdZ

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