呟怖.ORG | 呟怖

呟怖は、Twitterでハッシュタグ『#呟怖』をつけてツイートすれば誰でも参加、投稿できる140文字以内の創作・実話の怖い話です。呟怖.ORGには、日々投稿される呟怖から転載または朗読やイラストなど二次利用を許可されたものが集まっています。作品の二次利用に関する約束は掲載作品の転載、二次利用についてをご覧ください。自分の呟怖作品も、他の掲載作品同様に読んでいいよ・描いていいよという方は、ぜひ参加ボタンから呟怖作家としてご参加ください。その他ご不明なことはガイドをご覧ください。

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呟怖.ORGと参加について

#呟怖
この森は妖精達の遊技場。
誘いこんだ人間を弄び、血染めの体を泉で洗う。

夏至の宵、妖精達は酷く汚れて泉に飛び込んだ。肢体が白く洗われ、脂が広がる。
――肉はもう十分、次はその魂を
森の奥から声が響き、水面が輝く。

業火に呑まれる妖精達を、鹿角を宿した少年が嗤いながら見ていた。 https://t.co/ZPdNqmhN5F

#呟怖
立秋を過ぎ、日暮れが少し早くなってきた。
けれど、未だ森は鬱蒼として、君の眠る石畳はひやりと湿っている。
お供え物の澄んだ羽はヒグラシ。君が好きだった鳴き声を添えて。
――1773年前の夏と同じだね
頭上で吹き始めた夕方の風が木々を揺らし、泣けない僕の代わりに雫を滴らせた。 https://t.co/0lQJ2szrK2

#呟怖
電話越しの友人の声は憔悴していた。
「……事故から還ってきてから、人が皆、鮫に見えるんだ」

彼は殆ど無人の島へ移り住んだ。

しばらくは連絡があったが、次第に不明瞭な伝言が残されるだけになった。

半年たった頃。
つんざくような潮騒と、別れの言葉らしき呻きを最後に連絡は途絶えた。

#呟怖
図書館で借りた本には、輪郭の滲む白黒写真が挟まれていた。
古井戸らしき黒い塊と、白い人影。髪や目鼻からして女のようだ。

何気なく女の顔に触れた時、指先にざらついた温もりを感じた。
――くる
耳の奥で、金属的にひずんだ声が言う。

その声と感触が、ひと月と十日経っても未だ消えない。

#呟怖
世の中には色んな職業がありますが、ウチは代々葬儀屋でして。
最近じゃ葬儀屋もチェーン店が増えましたが、ウチはずっと地元でやってますよ。

なんでやっていけるかって?
そりゃねえ。
この町じゃ「しきたり」を知らないとエライ目にあわされるんで。

生ける人でなくて、死んだ人から。ね。

#呟怖
自身と生活に疲れた私は、常に死にたかった。
ある日ついに覚悟を決め、駅のホームに立った。
列車が轟音を立て入ってくる。

線路へ飛び込もうとした時、向かいのホームの人と目が合った。

暗く燃えるような目だ。
激しく惹きつけられる。

――死にたくない。

しかし、
体は宙へおどっている

#呟怖
「モモカ先生の好きな体位は何ですか」
誰かがこっくりさんに尋ねた時、硬貨に委ねた全員の指先が汗ばんだ。

硬貨が動き、「し」で止まる。
瞬間、みんなの脳内はスパークし、思わず指が離れてしまった。

硬貨は勝手に言葉を綴る。

しようもないことをきくな

その後、特に祟りはなかった。 https://t.co/96J654to5S

#呟怖
15の時、初めて彼女を抱いた。柔らかな肌は、お日様の匂いがした。
25の時、婚約したと告げると彼女は、お幸せに。と呟いた。

翳った病室で泣きじゃくる幼女を、僕は優しく抱きしめる。
「ねえ、伯父さん、ママどうしちゃったの」
「大丈夫。眠っているだけさ」
その頬は、お日様の匂いがした。 https://t.co/96J654to5S

#呟怖
15の時、初めて彼女を抱いた。柔らかな肌は、お日様の匂いがした。
25の時、婚約したと告げると彼女は泣いて、これで終わりなのね。と呟いた。

翳った病室で泣く幼子を、僕は優しく抱きしめる。
「おじちゃん、ママどうしたの?」
「眠っているだけさ。大丈夫」
その頬は、お日様の匂いがした。 https://t.co/96J654to5S

#呟怖
祖父は信心深い人だった。
毎日、目覚めて直ぐと眠る前、使い込まれた革表紙の聖書を読み、表紙の花模様に額と唇を当てて、異国の言葉で祈っていた。

祖父の死後、書斎で古い写真を見つけた。
若い兵士の肖像写真。視線を揺蕩わせ、優しく笑んでいる。

頬には、聖書と同じ花模様の痣があった。 https://t.co/96J654to5S

#呟怖
床一面が朱に汚れた。中心で彼はもがいている。死魚の腹のように、生白い肌が血に塗れ、てらてら光っている。
私はその眼を覗き込んだ。
いくつもの感情がさざなみのように浮かんでは消え、日の光を映している。
本物の海みたいに。

だから、亡骸は海へ捨てた。

ずっと一緒に、行きたかった。 https://t.co/Fwkb5x3rvb

#呟怖
ようやく俺は棺を開いた。

安らかな寝顔だ
(ひたすら)
野辺のヒルガオに似ている
(愛らしい)

この情に惑って妻も娘も差し出してしまった。
今は復讐だけ考える。

杭を構えたとき思った。

――ああ遂に、独りだ

咽び泣く俺をおぞましくも優しい手が愛撫する。
ずっと一緒にいようね、と。 https://t.co/gxJubcjGZm

#呟怖
おひるねの時間に。
半分起きて眠ってる

背骨の付け根が
ぷつ、と鳴り

体が
軽くなる

暑くなってきた
日がまぶしい
色がにじんでる。

園庭で、私と同じような子たちが、手をつなぎおどってる、カゲロウを囲んで。

伸べられた手を繋いだ時。

とおいところから

先生の泣き声が

きこえた

#呟怖
煤けた喫茶店のTVが殺人事件を報じている。
「殺したのか。俺以外のヤツと」
老人は向かい側の少女に戦きつつ言った。
「あいつの事はもう許したと言ったろう」
少女はおもむろに手を上げ、老人の鼻先で指を鳴らした。
「悪魔の契約は絶対なの」
椅子から落ちた老人に囁き、少女は姿を消した。 https://t.co/fuk7Z0mhoe

#呟怖
メシマズと言われ続けた私は、あるセミナーに参加した。

まず講師の言葉に従い、ぬか床を用意する。
その後、味を良くする材料を順次混ぜ込む。
次第にぬか床は黄金色を増し、甘やかな芳香を放つようになった。

完成したぬか床は、浴槽の夫を一晩で食い尽くした。

今はそこが、彼の住処だ。

#呟怖
ひと仕事した夜は、深煎りのマンダリンか蜂蜜入り紅茶って決めてる。
目ン中の血が取れなけりゃア、ピリつく苦みが気つけてくれるし。
耳ン中の声が煩きゃア、歯に染みる甘みがぼかしてくれるし。ネ。

人懐こく笑って男は言う。
折れた名刺には、拙い字で「しにがみ/ころしや」と書いてある。 https://t.co/wMihVquzQY

#呟怖
「でる」と噂の館は暗く、全てが褪せている。
イイ動画撮れそう、と笑った時、手の中の画面に眼前と違うものが映った。

半獣の後姿。
黒黒とした毛から脂が滴っている。
――なんぢ、今宵の贄か
空中で歪んだ声がし、獣の臭いがする。

俺は何もかも捨てて逃げた、
笑い声と足音に追われながら。 https://t.co/7QtsmYvMMV

#このお題で呟怖をください
#呟怖
過去に描いた絵をアイビスペイントのフィルターでいじくってたらなんか怖くなったのでよかったらどうぞ。

作画・加工:わたし https://t.co/ni4HsZjNeB

#呟怖
胸に突き立てた刃を軋ませ、臍まで深く切り開く。
女はごぼり、と呻いて息絶え、僕は中身が「孔」へ落ちるよう縁へ押しやった。
流れ出た臓物と血は、壁に逆さまの魔女のような跡を残した。
彼方で「孔」が輝く。
どうやら今宵の贄もお気に召したようだ。
僕は拝礼し、空の死骸を拝受した。 https://t.co/k4xjNygHeK

#このお題で呟怖をください
#呟怖
最近呟怖書いてないけど思いつけないなぁ……と思ったのでお題(画像)を作りました。どうぞ。
(撮影・加工:わたし) https://t.co/gFTBJBC0FA

#呟怖
公園の上空で三日月と釣竿が光っている。
地上へ垂れる糸の先には黒猫。

缶詰を手に男が来る。
猫が鼻を近づけた瞬間、男は荒っぽく首を掴んだ。

ぐいと糸が上げられ、月の切っ先に男が刺さる。
――ざまみろ!ねこごろし
猫は楽しげにニヤニヤする。

月から滴る血には誰も気がつかなかった。 https://t.co/5J7dEFLCTg

#呟怖
駅から宿への道は凸凹で、蛙が鳴いていた。
空き地の傍を通った時、子供の合唱を聞いた気がした。
見回しても月と田圃しか無い。

宿の主は語る。
昔あそこに学校があってね。
校長さんが生徒に、たくさん歌を作ってたそうで。
廃校になって壊されて随分経ちます。

歌の魂が残ってるんかね。

#呟怖
宵の縁側で涼んでいると、風が止み、海鳴りと足音がした。

この家は時折何か来る。

「君は、誰」
僕は遂に尋ねた。
間があって何かが僕に添う。鬢付けの香がする。
─人には縁の人と無縁の人が居りなんす。ぬしさんは
言葉が嗚咽で途切れる。
手を伸べると冷たい頬が触れ、温かな雫が滴った。 https://t.co/n1vPAgMvpV

#呟怖
これがお菓子の家か。と思った。
屋根も壁も飴がけのビスケット製、バタアと蜂蜜の香が漂う。
しばししてドアが開き、探していた娘が現れた。
思わず駆け寄る。

娘は悲鳴をあげ、家の中に俺を突き飛ばした。
「魔女様!親父が連れ戻しに来たわ!早くかまどに!」

脳天へ激痛が落ち意識が薄れる

#呟怖
幼い頃から見えなかった。
ただ光の濃さは分かる。

学校へ行く途中、突然世界が暗くなった。
地響きが近づく。
人波に呑まれ、為す術なく立ちすくむ。

不意に獣的な息が頬をくすぐる。手を伸ばすと温かな毛皮が触れ、私を包んだ。
同時に怒涛の様なものが背後を駆け、無数の悲鳴が耳を打った。

#呟怖
――中庭にあるトピアリーの中で、一晩何も成さずに過ごした恋人達は、一生幸せでいられる。

そんなジンクスを真に受けて、実行する生徒が後を絶たない。
大抵は2、3時間程で出てくるのだが、翌日、日が高くなっても出てこない時がある。

中を覗いても誰もいない。
ただ、枝の数が増している。 https://t.co/7nee22ahTF

#呟怖
君に請われ、僕はルゴシの映画から離れてその眼をぢっと覗いた。

洞穴みたいな眼だ。
奥で命らしきものが光っている。
見つめていると鳩尾で、押し殺している衝動が疼く。

君の呼吸を感じた時、堪えきれず僕は齧り付いた。

血がひたすらアマイ

眼の光が消えていく

だけどドウにもならない https://t.co/QgwsvHbeAv

#呟怖
朝、ポストを探ると紙片があった。
誰かが握っていたらしい、湿って皺の寄った紙片は仄かに何かの臭いがした。
広げるとTaoに似た文様が描かれている。

よく見ると文様は文字で出来ていた。
使われているのはただ一語だ。

「廻れ」

再び紙片を畳む。
破裂しそうに心臓が鼓動している。 https://t.co/UYcR3nhW3a

#呟怖 #返怖
帰宅途中、戯れに途中下車した。
駅裏には、単語が書かれた紙がびっしり貼られた妙な建物があった。
入口には板が打ち付けられ、煤けたカーテンが下がる窓は罅が入っている。
微かに声がした気がして窓の隙間を覗く。
何も見えない。

いや。
見えないと思うほど近くに猫の瞳孔がある。 https://t.co/7x9QU8IhLg

#呟怖
旅先で入った店は無人だった。
翡翠色の液を満たした広口の壜がずらりと並び、甘やかな香を発している。
思わず口をつける。
触れた時、何らかの抵抗があったが、壜からか己からか、分からなかった。

浅い時間に既に眠気をもよおしている。それ自体が誘いにみえる。

おぼれるかんじがする

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