呟怖.ORG | 呟怖

呟怖は、Twitterでハッシュタグ『#呟怖』をつけてツイートすれば誰でも参加、投稿できる140文字以内の創作・実話の怖い話です。呟怖.ORGには、日々投稿される呟怖から転載または朗読やイラストなど二次利用を許可されたものが集まっています。作品の二次利用に関する約束は掲載作品の転載、二次利用についてをご覧ください。自分の呟怖作品も、他の掲載作品同様に読んでいいよ・描いていいよという方は、ぜひ参加ボタンから呟怖作家としてご参加ください。その他ご不明なことはガイドをご覧ください。

参加メンバーはこちら

呟怖.ORGと参加について

#呟怖
初めて体を重ねた時、乳房へ肉厚な手を這わせた彼が
「かたい」
と虚ろに呟いたのを覚えている。

招かれた家は暗く、どこかから声が聞こえた。
─楽しみだね…最初は随分硬かったけど…たっぷり注いで……今は蕩けるようなんだ…
澱んだ廊下の先から、ぬちゃぬちゃのたくり現れたのは無数の舌─ https://t.co/SZyWIG71AB

次は粉砕がいい!
と君は無邪気に言う。
固定した虜の手指のうち、親指は甲へ折れ、人差しは捻れ横向き、中指はズレて凸凹だ。
「薬指は弱いから…ごく丁寧に潰そうね」
金槌を振り上げると、虜は吐くまで泣き喚いた。

僕の好い人を泣かせた罪を、たった十指で償えるのだ。
有難く思え。

#呟怖 https://t.co/Pc4gHnsP0u

水と空の間は、かなたで溶けてしまってその先が見えない。
洪水が全て飲んでしまった。

大気は凪いで生ぬるく、太陽と月もまどろんでいるようだ。
そのせいだろうか?飢えも渇きもさして無い。

ただ、あまりにも静かだ。

だから仕方なく、空っぽの椅子に今日も思い出を話し続けている。

#呟怖 https://t.co/nekZ5r6kdB

春の曇天が物憂い午後である。
「キミのこと、嫌いじゃないよ」
盛りの桜の下で君は言った。
「随分ひねた告白だなァ」
僕は欠伸し、君は桜唇をほころばせた。
「ねえ。根方の森の主様に、選られた童は常世いき、って知ってる?」
甘酸い声が歪み、油風が吹く。

そして雨が、視界を白く潰した

#呟怖 https://t.co/hrTX8Nb5oT

#呟怖
ふとももで猫が爪を起てた。
肌に温かな痛みがはしり、踏ん張った瞬間ぐ、と刺さる。

猫が飛び乗った窓の向こうを、影がとろとろ連なって行く。
やがて猫の尾がぬるりと割けて、影に加わり姿を消した。

そして二度と戻らなかった。

ふとももの瘡蓋は、未だにしまってある。

#呟怖
「わたしをあけるとさびがでます」
と名札をつけた子供がいた。
花見屋台の傍らに。
戯れに声をかけ、物陰でそっと開いてみた。
目を刺す緑のモヤが立ち、鼻腔と口が焼け爛れ、思わず臓腑を吐き散らす。

―ちゃんと札をつけたのにね
―好奇心はネコを殺すね
子供と屋台の親父がニヤニヤしていた。 https://t.co/s56I6kT98y

#呟怖
夜半、疲れて帰る途中、通りかかった神社で甘い匂いを嗅いだ。
出処は妙な狛犬の頭のくぼみだった。トロリと白い液体が溜まっている。
芳香に涎が溢れ、思わずくぼみに顔を埋めて舐める。痺れるような甘さ。

―どうやらこれは狛犬じゃない
やっと気がついたのは、下腹を喰い千切られた時だった。 https://t.co/hIJcYbUIoH

#呟怖
赤い魚鱗が敷かれた部屋で少女は息絶えていた。
傍らの紙片には王子様への復讐、とだけ書かれていた。
翌朝、港で若い男の死体が上がった。ただ眠っているような、白く美しい死体だった。
一人の漁師が、死亡時刻前後に海辺で得も言えぬ歌声を聞いたと証言したが、それは調書に書かれなかった。 https://t.co/kaTWFpAKWl

#呟怖
エレベーター窓の向こうを3が通り過ぎる。
2まであと10秒、9秒、8秒、と、頭の中でカウントしつつ入口に居た人の事を考える。
―異様に赤い目をしていた、影のような顔をしていた、洞穴のような口に不揃いな牙があった
2が過ぎた、

 目があった人が居た、

  1まであと10秒、9秒、8秒… https://t.co/vWqyJSBrri

#呟怖
彼はそわそわと私の手首を探り、脈打つ所をぷつりと切った。
血がカップに溜まるまでの待ち時間、他愛ない話をするのがルールだ。彼曰く、無言だと「本能がヤバい」らしい。
―太陽が爆発する時は流石に死ぬかなぁ
カップの中の夕日を見つめて彼が言う。
―うん、一緒だね
今日はそんな話をした。 https://t.co/1sCj4zVo9R

#呟怖
夜半、死人の声がした。
「神などいない」
傲慢な口調だ。
「居るならなぜ悲惨な事ばかり起こるんだ」
延々と呪詛が続き家中が鳴る。
私は怖気を堪えて瞑目した。
―主よ、どうかこの人を助けてください。苦しみを取り去ってください。

安堵するような息遣いがして気配は消えた。

#呟怖
天使は塩素の匂いがした。
―色々試したけどイマイチ白くならなくて
確かに薄黒い羽をしている。
なぜ白くするの?と尋ねると、天使は冷笑を浮かべ、教えてあげない。と呟いた。
そんなだから黒いんだ。と僕は言いかけたけれど、凶悪な琥珀色の目があまりに美しかったので、思わず口をつぐんだ。 https://t.co/eqZmzZrjhb

#呟怖
夕暮れ。
泡沫に似た雲に紛れて、無数のウミウシが流れていくのを見た。
その輝きを見上げる眼がひりつく。
鼻を突くのは潮の臭い、唇からあぶくが零れる。

上空を真黒い腹がよぎる。
クジラか、シャチか?

いや。
あれは救命艇だ。

ここは
大水に飲まれ沈みゆく街だ。 https://t.co/tYpNb1XCKO

#呟怖
戦局は激しさを増し、町では昼も爆弾が降る。

土蔵は半ば崩れ、常に陰なのは北側だけだ。
―さ、心の臓に杭を刺しとくれ。これ以上ぬしの枷になるのは嫌じゃ
陰から細い声がする。男は俯き唇を震わせた。

轟音が響く。
日の光が降る。

男が顔を上げると、少女が微笑みながら崩れゆく所だった。

#呟怖 #返怖 #呟怖冬祭り

夫へ13回目の電話をかけ、着信が無いことを確認した私は、ほっと息をついて電話を切った。
愛する人を差し出したんですもの、きっと私も大切にして頂けるわ。
写真の中の少女と老紳士に笑いかける。
10日後、私も彼女と同じになるはずだ。 https://t.co/fOuSHGGgHZ

#呟怖
場末のハコで出会った男は同族の新人らしかった。酷く飢えた様子が痛々しい。
強引に物陰へ連込み、激しく噛もうとする彼を私は突き飛ばし、己の牙を剥き出して見せた。
「噛む時はもっと慎重に、優しくやりな」
「そんなの分かんない」
壁際で拗ねた目をする彼の手を取る。
まずはそこからか。

#呟怖
ホーム下の窪みに住んでいる。
ここは良い。
列車が通る度、胎内の音に似た轟音と振動が体温の無い体を温めてくれる。
行過ぎる人と列車を、日がな数えるのも愉しい。

ある日、全身が砕けそうな衝撃に襲われ気を失った。
目覚めると、向かいのホーム下の窪み一つ一つに私と同じ様な人達がいた。 https://t.co/7TRA8RJPis

#呟怖
子供の頃、客間には毛皮があって、顔を埋めると湿った獣脂の匂いがした。
父は「人喰い狼の毛皮だよ」と嘯き私を怯えさせた。

家を出て暫しして、カフェであの匂いを嗅いだ。
目を上げると給仕が来る所だった。
「人喰いだからって誰彼食う訳じゃない」
囁きと共に交わした目は琥珀色をしていた

#呟怖
それはネズミ、僕の体内を駆け上がり扁桃体を、噛む。
尖った歯が容赦なく血管を喰い千切る時、僕は頭蓋に溢れた殺意を掌に広げる。

それにしても
君はネズミが多すぎるね。
その目から唇から零れるネズミは、やがて潮のように襲い噛むだろう。
ほらもっと零してごらん、最期まであと少しだ。 https://t.co/SP6ou8fvh6

#呟怖
ヒトが死ぬ所を見たくて、拉致して喉笛を切った。
血みどろで転げる姿を見ていたが死にやしない。仕方ないので鉈で首を落とした。まだ動いている。胴体を分割し四肢を切断した。まだ動いている。そういう形の生物みたいだ。
まいったなァと思いつつ今日もそれを見つめている。未だ死ぬ気配はない https://t.co/3LamKrtYH7

#呟怖
「記号の組み合わせ、三つの点。ヒトはそれを「顔」と認識する。例えばカッコの片割れとセミコロン。傾ければそれは笑った顔になる。なら逆に、ヒトが、「顔」と呼ぶ「目と鼻と口」それはただの記号にすぎないんじゃないか?ね?」
誰かが頭の中で囁いてくるようになってから、人が人に見えない https://t.co/tUDTyVSgDg

#呟怖
穴あけパンチで空けた穴から、鬨の声が聞こえて思わず覗いた。

穴の向こうでは、満月と満開の桜の元で武者達が激しく戦っている。花も月光も朱に染め。
1人が不意とこちらを見上げた。
血染めの顔に見開かれた目が、狂気を宿してあやしく光る。
瞬間、矢が放たれ、それきり片目は見えなくなった https://t.co/jxTTdHnVLR

#呟怖
破壊したカンバスから手が伸びているのは今日が初めてではない。
酷評された夜、人に裏切られた朝、己の醜態に絶望した夕暮、その時々、手は現れた。
―もう描くのは終わりにしたいんだ。苦しい
願えども手は在り続ける。さぁその手を延べよと言わんばかりに。
明日の朝にはまた触れてしまう

#呟怖
「子供のころ学校にK君って子がいたの。華奢で白くて休みがちで…病弱だったのかな?いつの間にか学校に来なくなった」
「僕のクラスにも似た子がいたよ。その子もK君だったな…」
夫婦の傍ら、子供は手紙を書いている
―Kくんへ、早く学校にこれるといいね。今度はあの意地悪先生を噛んでね!

#呟怖
自殺の方法を考える度、家の中に自分の死体が発露する。
日に日にそれは増え続け、いつの間にか家中死体だらけになった。
そして、ある日ついに、玄関のドアが首吊り死体で埋もれた。
もう出られない。

死体達が呟く。
己が望みのままに、と。

#呟怖
眠りにつこうとする時、天井から白い目がいつも見ている https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1295236210344882179 

#呟怖
「もっと上手く立ち回れていたら、と思います。僕はだめでした」
と書き置きし、歩道橋から彼は飛んだ。

それから、透き通った大きなトンボが歩道橋の上を旋回しているのを時々見かける。
よく見ると彼の顔をしている。

#呟怖
雑踏を歩いている。
人影の先に点滅する信号と赤い太陽が見える。太陽は昇ろうとしているのか、沈みつつあるのか分からない。
「おかえり」
耳元で言葉が聞こえ振り返ると、雑然とした部屋に横たわる自分が、腐っていくのが見えた。

ーそうか。私は死んだのか。
人々の声が響く。
「おかえり」

#自分の名前で詩を書く
#呟怖

壊された
井戸の底
頭蓋骨ひとつ
磨かれて

真夜中に
燐光
燃えあがる

#呟怖
臥せる奥様の傍ら、私は筆に血を含ませ紙へ刷いた。絵具と違う重さで色が広がる。
画板の端には、かつての奥様の写真があり…それを写すように、彼女の血を吸った筆を走らせる。
奥様は日毎に青ざめ、満足気に見ている。
いづれこの密かな行為で私達は命を無くすだろう。
…その日が来るまでは。

呟怖.ORG | 呟怖

呟怖.ORG | 呟怖

呟怖は、Twitterでハッシュタグ『#呟怖』をつけてツイートすれば誰でも参加、投稿できる140文字以内の創作・実話の怖い話です。呟怖.ORGには、日々投稿される呟怖から転載または朗読やイラストなど二次利用を許可されたものが集まっています。作品の二次利用に関する約束は掲載作品の転載、二次利用についてをご覧ください。自分の呟怖作品も、他の掲載作品同様に読んでいいよ・描いていいよという方は、ぜひ参加ボタンから呟怖作家としてご参加ください。その他ご不明なことはガイドをご覧ください。