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この橋はトラスの鉄骨の影が不吉な雰囲気の主役の登場に良いといってロケ地に選んだのだけど、4テイクめの途中、影から登場するはずの彼が出てこない。三十年経つが影も形もない。そろそろこの橋も架替えするって話だが、どこへ行ったんだろ、あいつ。
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キイチゴの仲間は種類がたくさんあり、図鑑では草本編と木本編の2冊に分かれて載ってたりもするので異様に覚えにくい。私の一番好きなのはクマイチゴだったのだけど、大学の裏山に一本だけ生えてるのを時々食べに行くと言うと、先生が不思議な顔をした。この仲間は自分の花粉では実がつかない。
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小学校に上がる前、地元の神社のお祭りで知らない子に意地悪をされた。屋台が並ぶ道の曲がり角にその子が立ち塞がり、「こっち来るまいぞ」と手に持ったススキの穂を振り回す。不意に思い出して母に言うと、どの曲がり角だったかを問われる。真っ直ぐな一本道しかない。あれは何だったのか。
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蛍の幼虫は川底の貝を食べて育つ。
貝は川底の石に生える藻を食べて育つ。
藻は川の流れに含まれる養分を吸って育つ。
私の家は痩せた土ばかりの山奥で、川の水は澄んでいたが、蛍は年に十匹も見かければ多い方だった。
姉が行方不明になったのは昨年の秋。
この夏舞っている無数の蛍。
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地球の空にはわけのわからないものがよく飛んでいる。鶏だが鶏ではないというのもその一つだろう。鶏は飛べる。非常に短距離ではあるが、羽ばたいて揚力を生む真の飛行ができる。じゃあ鶏でいいんじゃないか。いや、やっぱり違う。鶏が20mは無理がある。大きさの話だ。こっち見たぞ、逃げよう。
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転校生の九条君は日傘を差して登下校する姿がまず目立った。親族に複数皮膚がんを患った人がいて、家系だという。それを聞いてからは、彼のことをヴァンパイアと言う者はいなくなった。十字架が嫌いなのは無神論の家だからだし、ニンニクが嫌いな人はよくいる。しかし、鏡に映らないのは……?
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小さい頃、父が描いていたイラストの老婆が怖くて、それを片付けてもらうまで布団を被って隠れて泣いていたことがある。
そのイラストが掲載された古書を発見。何十年かぶりに見ると、どこかに誰かの面影がある。祖母かな。仏壇に本を備え、夕飯の支度に立つ。食器棚のガラスに映ったのは。
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一日照れば百たりや
一晩蒸せばまた百や
留まるところを知らざりし
劫火の夏のお日様は
幾たり人を煮殺すや
幾つの街を滅ぼすや
そないに気張りはらんでも
滅んだ街はよけござる
口さがなかりし洛中の
雀の歌う雀歌

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近年まで、木こりや炭焼にはヘビースモーカーが多かった。山に住む妖異はタバコの煙が大嫌いとされていたからである。実際、下手な虫除けスプレーより明らかにブヨが寄ってこない。難しい伐倒で長時間タバコの防御無しだったその晩は、鏡の中に赤黒く膨れ上がった肉塊を見たりもしたものである。
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何の変哲も無い公園のぶらんこで誰も遊ばなくなったのは、昨年の台風の時以来。街角の中継でこの公園が映ったのだけど、叩きつけるような暴風雨の中、微動だにせずぶら下がっていたのがこのぶらんこだった。
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計算は間違っていないはずだ。72の大惑星と3600の小惑星が形作る、9万年にたった一夜の天の図形。
日が沈み、冷たく輝く禍々しい星々が姿を見せ始めると同時に、地上にも9万年前の風景がぼんやりと現れる。
9万年前の謎の古代種族、黒衣の男は何を伝えようとしているのだろうか。
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日蝕といえば手製のピンホール式観測器で欠けた太陽の輪郭を描きこんだ人も多いだろう。ピンホール観測は日光を細く絞るものなら何でもいい。木漏れ陽が全部同じ、欠けた太陽の形でゆらゆらしていることもある。ただ、日蝕が無いはずの日にそれを見たら、夜になるまではものを食べてはいけない。
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またいる。灰色の外套を着こんだ灰色の男。電柱の上で灰色の翼を背に畳み、何かを見ている。あんな高所へ安全装備も無しに上がって法規違反を問われないのは、現世の存在ではありえない。だからあんなのが見えるのは私の気のせい。
視線がさっきからこっちに向いているのも気のせい。
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んー。おれの体、いつ返してくれるんだろう。泳ぎに行きたい。それと楽器弾きたい。数え間違ってなければ、おれが作ったバイオリンもストラディバリウスくらいのオールド楽器になってるはずなんだ。
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「このクラスの子たちは面白いもの描いてますね。私が子供の頃にはまだ少し残ってましたよ、電話ボックス」
「ありがとうございます校長先生、これ僕は知らなかったんです。アニメやゲームで出てくるわけでもありませんし」
「昭和時代のドラマとかなら出ますけど、今の子は見ませんよね」

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「ヤバい……保健室はあの先生がいるうちは行かん方がいい」
「若くて美人なのにか」
「これを見ろ」
彼が額から剥がしたのは「悪霊退散」の、割と本格的なお札。
「うちプロテスタント系高校だよな」
「なんでこんな呪術師採用してんの」
「若くて美人だからか」
俺たちは頭を抱えた。
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どちらへも影を落とさず
ぼんやりと差す朝の陽は
谷底にひたと佇む
霧の端の姿を見せる
霧の端に呑まれた木立
霧の端に吸われた羽音
霧の端に怯え追われて
霧の端に取り囲まれて
ぼんやりと差す朝の陽は
霧の端の他には何も見せなくなった

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ソファソ、ソファソ、ソファソ、ソファソ……。
調理器具の音がこんなに単調であって良いはずが無い。妖怪は苛立ちに任せ、電気回路に干渉する。
ソファソ、ソファソラシ♭、シ♭、シ♭ドシ♭ラ、
「お前か」
「なんと」
「オリジナリティも芸術性も要らん、調理器具は調理の役に立つ音を出せ」
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お屋敷の庭園には変な決まりがあって、この一角は耳が聴こえない人だけが入って良いところ。先々代が置いたという女神像は、薔薇に囲まれて今日も優雅に微笑んでいる。奥様は聴こえる人なので入れず、庭師の僕は女神像と薔薇の音声無しの動画をお屋敷に送り、お褒めのテキストを見て嬉しくなる。
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裏山の山鳥は珍しい花が好きなのだけど、好きにさせると持っていってしまう。なので、なぜか大嫌いな青い花を一緒に活けて、この家はお前の山ではないと知らせろと伝わっている。
最後にリンドウを挿すと、山側へ羽音が飛び去って行った。障子がいつの間にか開いている。見てたな。
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廃墟の中心に、かつての温泉街の栄華を偲ぶ橋がある。欄干の朱色は今も鮮やかで、降りしきる雪が一層朱く見せる。橋上燈は取り外せないのでこのままになっているが、名のある工房の製品だったという。不思議に橋だけには積もらない豪雪の中、二度と灯らないはずの灯りがもういないはずの人影を。
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蛍石、雲母、石英。
足音を立ててはならぬ。
透き通る石の影にも
反射する光の隙にも
人の目に決して見えぬ
どこかとの通路が開く。
入り組んだ影と光の
閉ではない境界上に。
足音を立ててはならぬ。
足音に寄って来るから。

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私がモデルの頭部像。作者は友人で、最初は目を開いて微笑んでるのを作ってたのだけど、途中で目が閉じてしまった。どうしたのかなと聞くと、あんたを嫌いになりたくなかったから閉じさせた、と。その後四十年、彼女は私をモデルにしたことは無いし、私も自分をモデルにせよと言ったことは無い。
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改札から歩いてきたサラリーマンが、コインロッカーを開けてその前で服を脱ぎ始める。裸のサラリーマンを丁寧に畳んでロッカーに入れたスーツは、足取りも軽やかに繁華街の方へ歩いて行った。
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過熟杉林と孟宗竹の境界線を測量していた時。
辺りが静かになり、見渡すと所長やベテランが道具を畳んでいる。こちらに気づくと指を口に。周囲では今まで無かったはずのハゼノキやヤブデマリが紅葉を始めている。一言も口を聞かず、麓へ降りた。出現した鳥居のことは、当然口にしてはいけない。
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魚を全く食わない伯父は、若い頃に水族館でバイトをしていたことがあったそうだ。最後の勤務日、水槽の点検中にカサゴが水面からちゃぷんと顔を出した。聞き取りにくいがはっきりと「世話になった」と言われ、それから何となく食べなくなったという。嫌いなわけではなかった。
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その水族館では丈夫なはずのトラザメが展示水槽へ移すとすぐに弱ってしまうのだが、原因が全くわからない。ある日「トラザメの水槽に相の悪い石がある」と投書され、他に手も無いので取り換えたところ、それからは元気に長生きしているという。
石には変わったところは何一つ見つかっていない。
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「これ、残すわけに行きませんかね」
「うーん、今度の遊歩道に車椅子が通りにくくなっちゃうんですよ。何かまずいことありましたか、鳥が巣をかけてるとか?」
「いえ、そういうわけではなく、うーん。いや大丈夫です、やりますよ」
この職人さん、伐採が入る前の日に交通事故に遭ってしまった。
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今月に入ってもう8件、小規模水力発電機の故障が相次いでいる。昨年度は12か月で2回修理に行っただけで、電力買い取りでも太陽光業者が持ってきたプランの倍ほど利益が出ていたというのに。
止まっていた水車を点検。……塗料が剥げている。金属が当たった跡。しかも上から。流木ではないな。
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展望台は知る人ぞ知る蛍の名所だったのだけど、県外の写真家がその蛍の群舞の写真をSNSで紹介してしまった。人が増えて良いことは無い。心霊スポットみたいな噂を立ててしまおう。僕たちは手分けして、車の窓に手形をつけたりカメラやライトを点かなくしたり車の後部座席に突然出現したり……
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