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さて、俺はまだ人間……いや、こちら側の生物なのか。昔観た映画ではシャーレに採った血液に熱した針金を浸して「あちら側」に行ったモノを見分ける場面があった。俺が使うのはもう少し穏やかな反応だ。試薬を投入してじっと様子を見る。
猫……? お前、もしかして……?
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古い家やさかい、まあいろんなもんなおるわいね。目に見えたり見えなんだり。あんたさんが見なさったという影はな、そうやな、大正時代の流行り風邪で死んだ子供が二人おるが、そのどっちかやろな。目の一つだけ光っとるのがツレジロウ、首の無いのがマツヨ。おれの産んだ子やしな、間違えんわ。
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野外宿泊が必要だった調査地でのこと。
何度もここで調査をしている先輩が、背伸びをして樹皮に獣の爪痕のような刻み目をつけている。こうしておくと、この高さに爪が届く獣の縄張りだと思われるそうだ。
何事もなく翌朝になったが、先輩がつけた刻み目の下に、新しく無数の爪痕がついていた。
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「目々連といえば障子から覗く無数の目という妖怪だが」
と、飲み物を頼んだ先輩が言い出す。
「ここでそれは完全に前フリじゃないですか」
私はタピオカティーのカップの下半分を手で覆い、先輩のスマホの背面にどんどん増えてゆくカメラレンズのフリをした何かに目くばせ。バレないうちに。
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京都を流れる鴨川(国交省表記)には他に賀茂川、加茂川という表記がある。流れる区間によって、あるいは文脈によって使う字が違うらしく、都人以外には正確な使い分けは不可能とされる。この表記法の違いについて話している都人に、千葉県のシーワールドな話題を振るとどうなるだろうか?
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彼女の大きなヘッドホンからいつも微かに漏れてくる音がしない。アイス溶けるぞ、と言おうと思ってヘッドホンを外すと、耳の部分に小さな人のようなものがいて、やる気なさそうにのろのろと奥へ入っていった。意識が戻った彼女は「ありがとー♪」とアイスを普通に食べた。
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ただのイマソラの写真に「誰がいますか」は定番ネタだけど、実際にタグつけられちゃってるのはどういう人だろう? 何枚かアップロードして候補で出てきた何人かのホームへ行ってみると、それは確かに雲のような顔。人の顔ではなく。そしておれも明日はこの顔になるわけか、理解したぞ。
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ウェイトレス姿はお気に入り。
氷がすっかり小さくなったジャック&コークを取り替えて、ついでに小さなプレゼント。
ほどなく卓からビギナーズラックを羨む声がする。
「今度のゲームは彼なのか、いつものことだが惨いねえ」
賭けのルールは簡単さ、勝利に酔った若者が正気になる日を当てるだけ!
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失敗だらけの生涯で二つだけ満足の行く出来があった。そのうち一つを壁に掛ける。生涯で一人だけ、私を大事にしてくれた人の面影。この人を私は大事にできないうちに失った。あの頃の優しい笑みを見ながら、私はもう一つの満足なものを飲む。会いに行って三つめを。
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ばあちゃんのお父さんという人は、いつどの船に乗ったのかわからないが、戦争で南方へ行ってそのまま帰ってこなかった。
高齢になったばあちゃんは、毎日僕に車椅子を押させて海を見に行く。沖を通る船のうち、どれがお父さんの船だろう。砲塔のついたあの大きなやつかな。
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#返怖
先代の先生から「解ってる人ですよ」と紹介を受け、パンフレットを持って音楽室へ。地域の各校に長年の納入実績のある老舗楽器・教材店、その実は怪異の取り憑いた学校用品を「安全に」取り扱う好事家御用達の骨董店。引き取るのも売るのもやりますよ。さて。
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集落も神域も無いはずの谷だったが、ダム湖になって以来、時たま鳥居が写る。湖底にゆらりと見えていることもあれば、水上にぽつんと立っていることもある。由来などは一切わからない。正面から撮影できた人も時々いるが、いずれもその写真を最後に更新が止まり、消息はわからない。
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公園のベンチに靴が置いてある。不思議に思ったが通り過ぎた。
その晩、「不思議そうな顔をする通行人」の動画がトレンドに。顔は隠してあったが、これ僕だな。
次の週は上着。もう騙されるもんか。
その後腕時計、野球帽、デニムパンツときて、腕が置いてあった時にようやく警察が動いた。

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遠くから見て降ってるのがわかるほどの猛烈な雨は、沖縄では昔から見られた。スコールとも言う、熱帯特有の降り方だ。これが九州や本州でも見られるようになったのは気候変動のせいだろうか。今では僕の家の近くでも常時5~6個のゲリラ豪雨雲が周回していて、道路は完全に水路になって久しい。
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波の下にも都があって、帝にお仕え申し上げますよ。
そんな台詞のある古典文学があった。実際の都は光が薄く射し込む冷たい海底。青黒い巨大な僧形が琵琶のようなものを奏で、無数の蟹が音も無く涙する。演奏が終わると聴衆はふやけた私の体にむらがり、小さな鋏でちぎっては口に運ぶのだった。
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観覧車に乗った記憶がある。誰とだったかわからない。母に訊いても覚えは無いという。ふと気づいて亡父の実家付近で廃墟探索してる人はいないか探すと、あった、森に呑まれかけた観覧車の写真が。ここじゃないかなと母に見せると、ここはあんたが生まれるどころか結婚前にもう潰れてたとこ、と。
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激つ瀬の在りし頃より
橘の咲きし頃より
七年に一たりの血の
人知れず流るる処
木は伐られ川は埋められ
家々の軒は並べど
姿無く名も無きものの
焦がれたる飢えは絶えず
七年に一人を選び

今年はたぶん

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子供の頃に住んでいた団地。2軒分ずつ階段があって、同じ棟でも隣の階段は別世界としか思えなかった。実際、踊り場で私と同じくらいの歳の子がシャボン玉を飛ばしているのをよく見たが、学校でこの子を見たことは無い。この子のシャボン玉は夜まで漂い、街灯の灯りでギラギラ煌めいていた。
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前の世紀は酷い時代で、閣僚や大会社の役員が気軽に襲撃され、気軽に世の中の動きが止まった。量子計算でも襲撃の予測は結局不可能で、人類は要人のスペアを準備するようになった。
幾度かの戦争の後で世の中は平和になり、このスペアたちもほとんどは、結局使われることなく廃棄されて行く。
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休み時間に連弾をしてた子たちが見つけた、端の方の鳴らない鍵盤。先生に言わなきゃと言いながら蓋を開け、静かに蓋を閉めて黙り込む。僕も見ようとしたが、ニコニコしながら首を振られる。
結局、卒業するまでその音は鳴らないままで、あの子たちも二度とそのピアノに触らなかった。
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掘らなければならない。硬く冷たい土。スコップは折れてしまった。凍り付いた赤い土。陽が昇る前に掘らなければならない。もう素手でもいい。這いつくばる僕の指には鋭く太く爪が伸びる。掘らなければならない。何かを埋めるのか、掘り起こすのかもわからない。土は硬い。空が白くなり始めた。
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親の代から付き合いのある税理士さんを年に何度か訪ねるのだけど、このビルの駐車場の天井の配管が、来るたびに増えているような気がしてならない。税理士先生は「気のせいですよ」と笑う。駐車場で撮った写真は毎回真っ暗かファイルの破損で確認できない。
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猫頭鳥は山海経の第八十経、崑崙北経に記載のある妖怪であった。頭は猫、胴は梟、闇夜に奇怪な声で鳴き家畜を襲うため、山戎王によって討たれ、肉は煮て食われたとされる。
なお、近年の発掘で、猫の顔の被りものと鳥の羽根を模した衣服の、既知の古代民族のものではない遺跡が見つかっている。
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陽の傾いた街角に、陽気な音が鳴り響く。
クラリネットとタンバリン、フィドルにドラムにコルネット。
大きな仮面の道化師が配り歩いた風船は、早く行こうと言いたげに、ふわりふわりと揺れている。
いつの間にやら日が暮れて、無心に歩く子供達。
街の外には荒野原、サーカスなんか無いのにね。
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これなる鉛に混ぜるのは
荒地の果ての教会の
破れ壊れた窓ガラス
ぎらりと走る水銀に
一度当たった弾3つ
右の目玉はヤツガシラ
左の目玉はヤマネコだ
魔力を込めたこの弾は
地獄の果てのその先の
冷たく光るどこかまで
おまえの後を追って行く
おまえとおれの心臓は
この弾からは逃げられぬ
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蒸し暑く澱む夕暮れ
人波も歩みは鈍く
立ち並ぶ紅殻格子の
軒々のびいどろの鈴
気怠るげに一つ二つと
耳の追う風の足跡
人波の歩みの絶えて
びいどろの鈴は震えて
月の出に合わせるように
狂おしく一斉に鳴る、風は吹かざる

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真っ暗な石畳の道を歩いて行く本の列は、やがて真っ白な霧が立ち込める街角を通り、古びた土蔵に入って行った。土蔵の中は無数の書棚が立ち並び、本は自分で次々に書棚へ飛び込んで収まる。
そんな夢を見た朝、遠くの国の地震と火災のニュースを聞いた。由緒ある図書館は灰燼に帰したという。
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創業以来百数十年の帳簿や伝票の写しを保管する別館資料棟に入る時は「中で誰に呼ばれても返事はするな」と釘を刺される。霊感がゼロなので、先輩たちが見たという時代時代の服装の人影を見たことは無いのだが、一か所だけ、昭和中期の帳簿の付近だけは、妙に焦げ臭い異臭がして近寄れなかった。
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旧友の結婚式の案内が来た。行けそうではなかったので欠席に丸をつけ、手紙ではさすがに愛想が無いなと思って電話をかけたところ、
「お前の所にも!?」
「どういうこと?」
「全然知らん人が俺の結婚案内を俺の知り合いに出しまくってる……書いてある相手も知らんし返送先の住所も全然知らん」
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学生時代に何度か本を買った米国の小さな出版社から、廃業の便りが届いた。米国でもマイナーな作家の作品を日本で読んでくれていた人がいたのは励みになった、みたいなことが書いてあったのだが、さて、今の勤務先や居住地をここへ知らせた覚えは無くて。
#呟怖 https://t.co/iZot50G4DF

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