呟怖.ORG | 呟怖

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呟怖.ORGと参加について

#呟怖
夕陽を見ていると切ない気持ちになる。

子供の頃からそうだった。

逆光で黒い影にしか見えない母親と小さな男の子が楽しげに笑い合う。

すれ違い様に母親が男の子を呼んだ。

それは私の名前。

「一緒に帰ろ」

黒く小さな影が袖を引く。

その顔は思い出せないが酷く恐ろしいものに思えた。

#呟怖
深夜残業をしていると同僚が話しかけてきた。

大学の先輩から聴いた話だと言う。

「先輩の田舎には巨人の伝説があって夜に口笛を吹くと戸口を長い手が叩くんだってさ」

私は受け流す様に口笛を吹いた。

馬鹿やめろ、と同僚が言うや否や大きな長い手が窓を叩いた。

この話は感染すると言う。

#呟怖
朝おきたらいつも鬼みたいなママがにこにこしてた。
ママにおはようといったらママはわらってた。
今日はたっくんのすきなオムライスよといったのでうれしかった。
オムライスには大嫌いなピーマンが入っててもんくをいった。
ママはピーマン大好きでしょとにこにこした。
なんだかこわかった。

#呟怖
仕事に疲れ家路につくと電柱の影から男が飛び出してきた。

曰く陰謀がどうのワクチンがなんとか。

溜息を吐きスマホを取り出す。

「お困りでしたら警察を?」

男は急に怯えて走り出す。

「警察はダメだ。この社会は狂ってる」

そう、お前は正しい。
だがお前の狂気を証明するのは我々だ。

#呟怖
「こないだ店の裏路地で壁に拳叩きつけてるヤツがいてさ」

作業中に同僚が話しかけてきた。

「足りない、足りないって言ってんのよ」

「何それコワイ」

「夢の話だけどな」

同僚は笑って持ち場に戻って行った。

昼休憩に外へ出ると同僚が壁に拳を叩きつけていた。

なんだ実話じゃねぇか。

#呟怖
雨音が意識に波紋を投げかけた。

いつの間にかテーブルに伏して寝てしまっていた。

目を閉じたまま彼方此方に弾ける水の音に耳を澄ます。

「〜ちゃんあーそぼ」

子供の声。窓を手が叩く。

私は居留守を使い夢の世界へ逃避する。

足音が遠ざかり安堵した。

ここは5階で窓の外は何もない。

#呟怖
とある寺に門外不出の地獄絵図が保管されていると聞き伝手を頼って見せて貰う事になった。

「やはり見ない方がよろしいかと」

御坊はそう言うが火のついた好奇心は止まらない。

手渡された巻物を解くとそこには現代的な人々が絶え間なく争い、病や飢餓に苦しむ姿が水墨で描かれていた。

#呟怖
「何が怖い?自尊心を傷つけられた時の人の顔かな」

友人から昔聞いた言葉だ。

「怒ってるのは顔でわかるんだけど何を怒ってんのかワカランのがね」

葬式の席で涙する夫人の横顔にふとそんな事を思い出す。

「あぁ怖い怖い」

何を泣いているのか。

天を仰ぐ亡き友の声を聞いた気がした。

#呟怖
「あれ絶対トロールだよ」

曰く自宅にトロールが出たらしい。

北欧の妖精的なヤツじゃなく日光を浴びると石になる方の。

「はいはい、わかったわかった」

別れ際の不平を黙殺し電車に乗った。

帰宅して鍵を開けると聞き覚えのある電子音。

「スライムが現れた!」

ドアを閉めて遁走した。

#呟怖
夢を見ていた。

その辻には石碑があり

「〜坂」

とあった。

〜が何と読むかはわからなかった。

景色はぼやけて判然としないが薄暗がりに街灯が茫と続く。

灯りを頼りに道に踏み出す。

振り返ってはいけない。

背後に気配が膨れ上がり何事かを呟く。

「〜」

朝はやってこない気がした。

#呟怖
深夜、いつもの散歩道。国道を暫く歩いていると右手の高台から複数の話し声が聞こえてきた。

公園に人が居るらしい。
好奇心に任せて石段を登る。

「今日は我らの日らしい」
「もう終わりだな」
「解散だな」

石段を登りきると数匹の猫が散っていくのが見えた。

日付は2月23日を示していた。

#呟怖
新大久保へ所用があって大通りを歩いていると路地から片言で何やら尋ねる声がした。

路地を覗くと体格の良い白人男性が飲食店のポリバケツに向かって熱心に話かけている。

「シンジュクエキドッチデスカ」

ああ、ヤバい人だと思って見ているとポリバケツから手が伸びて新宿方面を指し示した。

#呟怖
深夜川沿いの桜並木を歩いていた。

いつもの散歩道、のはずだった。

「…とってくいましょかしょきしょき」

川の中州に黒い影。

それは棒読みのリズムで何事か口ずさんでいた。

「ひととってくいましょかひととってくいましょかしょきしょき」

翌日カラスの群れが中州で何かを啄んでいた。

#呟怖
深夜川沿いの道をイヤホンでラジオを聴きながら散歩をしているとざりざりと後ろから足音が尾いてくる。

振り返るが誰も居ない。

二度三度繰り返し昔婆ちゃんに聞いた妖怪を思い出した。

「べとべとさん、先にお行き」

どんっと背中を小突かれた。

「早く歩け」

イヤホンから怒声が響いた。

#呟怖
ある喫茶店で聞こえてきた会話。

「こないださぁ」

「うん」

「電車で前に座った人の顔が縦にわれてさぁ」

「うん」

「小さい手がいっぱい出て来てさ」

「顔の中どうなってんだろ」

「大丈夫。赤ん坊の手だったから」

「それなら入るか」

「入る入る。赤ちゃんだから」

「余裕だね」

#呟怖
おめでとう

孤独な魂に祝福を

お前の旅はここで終わり

これはシナプスの最後の火花

お前は良く学びよく生きた

誰よりも真理に近づき寿命を終えた

これでお前は無に帰る

神などいない

わたしはお前

優しさを学ばなかったお前だ

#呟怖
断崖から見下ろすと頭の大きさ程の石がごろごろと波に洗われていた。

「あれがお母さんの石、あそこがお兄ちゃん」

いつの間にかそばに立つ少女が指を指す。

「それであれはわたし。…お父さんはまだ?」

振り返る少女を蹴り落とす。

「お父さんは行かないよ」

笑いが込み上げ踵を返した。 https://t.co/t9JrtUjc3Z

#呟怖
友人とファミレスでお茶をした時の事。

「死で何を連想する?」

話題は何でも良かったのだが徒然に思いついた事を尋ねてみた。

「死かぁ…なんか懐かしい感じ?」

何処か遠くを見つめるような態度に俺はコーヒーを啜る。

味はしなかった。

#呟怖
いつの頃からか暗い坂道を下る夢を見るようになった。

竹林に覆われた暗い坂道。

ただその道を延々と下る。

見通しは悪く先は見えない。

ある日坂は途切れ眩しい光に包まれた。

わたしは暗い坂道に戻りたかった。

#呟怖
東京で失敗して南へ跳んだ。

砂浜で青い海を前にこれからの展望に絶望していると島の猫が寄って来た。

「にゃんくるないさ〜」

去っていく猫を見送り、色々ともうダメだなと思った。

#呟怖
深夜散歩をしていると朽ちたアパートの一室が薄く開いていた。
普段人目を気にする私だが闇に誘われるように足を踏み入れた。
携帯の明かりを頼りに様子を窺うと押入れの戸がまたも薄く開いている。
私は抗えず戸を引いた。
「振り向くな」
空の押入れに貼紙が一枚。
背後でぎしりと床が軋んだ。

#呟怖
初詣の帰り道、突然の衝撃と共に体が宙を舞う。

どうやら車に跳ね飛ばされたようだ。

スローな時間の中、ノーブレーキで近づくトラックを眺め終わったと思った。

魘されて目を覚ます。

何か悪い夢を見ていた気がするが思い出せない。

カレンダーは1月2日。今日は友人と初詣に行く約束だ。

#呟怖
名の無い神の噂を聞いてある廃村へ探しに出かけた。

何の神かもわからない、あやふやな噂。正直期待はしていなかったが荒れ果てた祠の傍にそれは立っていた。

「あなたは何なのですか」

「わからない。祠も私のものではない。いつか恐ろしい者に変わってしまう気がする」

神は怯えていた。

#呟怖
「サンタは本当に居るんよ」
イブの夜でももう少しマシな話ねぇのかよと思いつつ先を促した。
「子供の頃布団に入ってサンタを見ようと寝たふりしてたんよ」
それは突然現れた。悪い子だねぇと言って枕元に何かを置いてまた消えた。
「何かよくわからない肉の塊だった」
友人は白い息を吐いた。

#呟怖
物心ついた頃、もう一人だった。

親の顔も知らない。

友達も居ない。

「ねぇ、パパは食べないの?」

初めての家族。

妻はこの子を産んで死んだ。

頬を撫でる。

「お腹いっぱいなんだ。気にせずお食べ」

いつも飢えていた。

愛しい人。

幼い笑顔が俺を満たす。

お前の愛は全て貰う。

#呟怖
荒れ狂う銃火、砲撃、怒号、悲鳴。

毎日目覚める度にまだ悪夢の中にいるような気がする。

絶え間ない殺戮と破壊。

愛するもののためと言い聞かせそれらに加担する日々。

狂気に身を委ね引き金を引く。

忘却だけが福音。

白紙の思考に拍車を掛けろ。

それこそが正義。

それが現実だ。

#呟怖
真珠のような肌。薔薇のような唇。

私がとうの昔に失ったものを彼女は持っている。

そして輝かしい未来までも。

彼女を見ていると黒々と濁った自分を見せつけられる。

「ねぇ、もっとお話して?」

鈴のように美しい声。

私は優しく微笑む。

愛しい我が子の頭を撫で私は寝物語を続けた。

#呟怖
土いじりをしていると家の前を隣の娘が通りかかる。
俺はそっと背後から纏わりつき尻を撫で回す。
「やだ、たっくんでしょ!」
彼女は満更でも無さそうだったので調子に乗った俺は正面から抱きついて胸を揉む。
「もう、遅刻しちゃう。またね」
俺は三輪車に跨り次の獲物を探しに出かけた。

#呟怖
この世の全てを愛している。
人も空も海も大地も。
だから世界の為に寝る間も惜しんで努力する。
君は謙虚で無欲だな、と言われる度に胸の奥が痛む。
そんなんじゃない。
世界を全て手に入れる。
死後続く世界は許せない。
黙示録のラッパを手に入れる。
その日を夢見て今日も世界の為に働く。

#呟怖
目が覚めた時、私の全ての感覚は麻痺し外界と隔絶されていた。
事故の記憶。動かない体とは裏腹に目紛しい思考が理不尽に対する怒りを喚起する。
覚醒と消失を繰り返し怒りだけを頼りに自我を保った。
長い時間が過ぎた頃、突然私の意識は外界に接触した。
私は人ではなかった。
人に災いあれ。

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