呟怖.ORG | 呟怖

呟怖は、Twitterでハッシュタグ『#呟怖』をつけてツイートすれば誰でも参加、投稿できる140文字以内の創作・実話の怖い話です。呟怖.ORGには、日々投稿される呟怖から転載または朗読やイラストなど二次利用を許可されたものが集まっています。作品の二次利用に関する約束は掲載作品の転載、二次利用についてをご覧ください。自分の呟怖作品も、他の掲載作品同様に読んでいいよ・描いていいよという方は、ぜひ参加ボタンから呟怖作家としてご参加ください。その他ご不明なことはガイドをご覧ください。

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呟怖.ORGと参加について

#呟怖
ドンドンと扉を叩く音がする。
「おい居るんだろ、開けろよ」
半年大学に行かなかった為ついに友人が押しかけてきた。
友人は色々と捲し立てたが顔を合わせる事は出来ない。
俺はドア越しに答える。
「シュレディンガーの猫って知ってるか?」
友人が何事か叫んでいたが俺はもう答えなかった。

#呟怖
それは小さな池の底で生まれた。
日光が嫌いで昼は泥の中で微睡み稀に目の前を現れる小さな生き物を丸呑みする日常を愛していた。
ある日大きな石が降ってきてそれの頭を割った。じっと回復を待つが傷を癒すには餌が足りない。
それは夜を待ち自分を酷い目に合わせた憎い外界へと去って行った。 https://t.co/iFLi7UCWIq

#呟怖
友人から着信があった。
おう久しぶり、と言いながら夜道ではあったが人目が気になり路地裏へ入ると自販機の隣に座り込む。
黒い虫がブンブンと灯りに誘われて飛び回っていたが話に夢中で気にしなかった。
小一時間も話した頃黒い虫が一匹、顔に張り付いた。
飛んでいたのは無数の蜚蠊だった。

#呟怖
とある渓流に隣接して建てられた旅館の名物は川で獲れた沢蟹を使った料理だ。

女将曰く此処の沢蟹は絶品で他所とは一味違うので是非に、という事だ。

この渓流の上流には自殺の名所である有名な滝がある。

#呟怖
よみが えれや みのだい

まおう わがい のちおさ

さげる かのち よりいで

よあむ ごるも あのさき

がけた るなれ のなはぞ おま

これは1999年7月某日、行方不明になった男のアパートから見つかった、ドラゴンクエスト2の復活の呪文である。

#呟怖
後輩S曰く隣町の廃屋に妙な張り紙がしてあると言う。

面白いから見に行こうという事になり件の廃屋へやってきた。

「此処に幽霊はいません」

薄汚れた引戸に貼紙がしてある。なんだコレ、入ってみようぜなどと盛り上がっていると

「此処に幽霊はいません」

誰もいない筈の背後で声がした。

#呟怖
充電していた筈のタブレットのバッテリーが減っている事がよくある。

その日は寄り道もせず早い時間に帰路についた。

飼い猫を驚かそうと忍足で自室を覗くと誰もいないはずの暗い部屋でタブレットだけが光っていた。

闇を凝視すると肉球で器用にタブレットを操作する愛猫と目が合った。

#呟怖
蕎麦屋でうどんを啜っていると年配の男性が血相を変えて飛び込んできた。
「大変だ!女性が襲われてる」
店主と客数名が店を飛び出すと若い男が背後から女性の首を絞めている。
男は知った顔だった。
受験に失敗して引きこもりになったと聞いている。
被害女性の後ろ姿は彼の母親に似ていた。

#呟怖
偶然道で会った後輩がなんであの時無視したんですか、傷つきましたよと言った。真横で声をかけたのにと。

「考え事でもしてたかな」

などと言い訳をしたが全く記憶に無い。

そんな事を言われてふと思い出した。

友人から行った記憶のない場所の思い出話を、楽しかったね、と言われた事を。

#呟怖
友人達数人と心霊スポットへ行った時の事。
自称霊感持ちのGが先輩スゴイですね、全く霊が寄って来ないですよ、などと言う。

普段なら笑い飛ばすのだが節分が近かったせいか腑に落ちる所があった。

「あー、うちワタナベだから」

中国では幽霊の事を鬼と書くというのを何となく思い出した。

#呟怖
友人のKと素行の悪い遊び仲間の話をしていた時の事。
「風の噂では…」
ホームレスに暴行したり自販機泥棒、車上荒らし、他にも色々やってるみたいです、と見てきたようにKは言う。
おいおい誰に聞いてきたんだよ、と笑いながら返すと
「だから風が言ってたんですって」
怪訝そうにKは言った。

#呟怖
その古い廃屋には噂がある。
夜、部屋に明かりが灯るとか楽しげな家族の笑い声が聞こえる事があるというものだ。笑い声は以前住んでいた家族のものらしい。
偶々家の玄関を掃除していた婦人によると自分も聞いたと彼女は言い、不思議そうにあそこの一家はまだ生きてるんだけどね、と言った。

#呟怖
台所で洗い物をしているとインターホンが鳴った。

時計の針は22時を回っている。こんな夜分に非常識な、と思いつつ受話器を取った。

「NHKの者ですが…」

若干キレ気味にお帰りください、と受話器を置くと

「もう入ってます」

背後で声がした。

#呟怖
「貴方、膝に水子が憑いてますね」

路上で声を掛けられ振り返ると会社の同僚がニヤニヤしながら、水子だけに膝小僧、などと言う。

一瞬どきりとしたが、つまらん事言うな、と笑って流した。

駅で同僚と別れ人気の無い路地裏を一人歩く。

「バレたと思ったかい?」

膝の人面瘡が嘲笑った。

#呟怖
階段を上りホームへ出ると同僚のJが青褪めた顔で電車を待っていた。
どうした、元気ないじゃんと声をかけると
「最近誰かに突き飛ばされて電車に撥ねられる夢ばっか見てさ」
そんなん気にするなよ、俺が代わってやろうかと軽口を返した。
「え?じゃあ頼むわ」
ドンっと背中を誰かに押された。

#呟怖
「あなた集団ストーカーですね。仄めかしは許しませんよ?」
突然声を掛けられギョッとしたが
「テクノロジー犯罪の件はどうなってます?」
顔色一つ変えず切り返した。
世界で唯一人まともな僕は統合失調を装う事にした。世は事も無しだ。
でも最近体中から蛆が湧く様になった。
もうダメかも。 https://t.co/1PSKD3uhET

#呟怖
友人のKは以前ゲームセンターでアルバイトをしていた。
「トイレを掃除しようと思ってドアを開けたらヤンキーが半尻でうんこ座りしてて、思わず閉めちゃいましたよ」
ね、怖いでしょ?などと言う。面白い話じゃね?と返すと
「だって営業前で店の鍵開けたの自分ですよ」
Kは不満そうに言った。

#呟怖
「ちょっと待って下さい」
立ち去る紳士をつい呼び止めてしまった。彼は首だけを回し訝しげに私を見て空を見ながら暫く思案すると口を開いた。
「あんた、人が潰れる音は?」
猛烈に嫌な予感がして踵を返し振り返らず走った。
背後でボーリング玉をアスファルトに叩きつけた様な鈍い音がした。

#呟怖
「あんた、雀の潰れる音は聞いた事あるかい?」

不意に声を掛けられ視線を移すと小柄な初老の紳士が此方を見ている。
余りの事に固まっていると遠くで卵をアスファルトに叩きつけるような軽いカシャっとした音がした。

「あんな音さ」

紳士は帽子を目深に被り直しそう言って去っていった。

#呟怖
統合失調症ってあるじゃないですか。被害妄想が酷くなったり妙な幻覚を見るようになったりするアレです。
最近そんな人が多いな思ってたんですけどね、気づいたら周りの人間が皆んなそうなんですよね。
まともなのは僕だけ。
でもね、気づいたんです。皆おかしいなら異常なのは僕なのかなって。

#呟怖
子供の頃、近所に柳並木があった。
街の開発が進むにつれ伐採され、今では一本を残すのみとなった。

いつの頃からかその柳には女が憑いていた。特に謂れは知らない。

ある日の帰り、門戸に件の女が立った。

心臓が早鐘を打った刹那、ふっと掻き消えた。

翌日、最後の柳は伐り倒されていた。

#呟怖
彼は骨董が好きで、その日もふらりと寄った店を物色していた。大した物は無いなと思っていると虎の根付けが目に入る。

「そいつは曰く付きでね。持ち主が気に入らないと食い殺すんです」

いつの間にか背後にいた店主が言った。
そんな話誰から聞いたんです、と問う。

「誰ってその虎ですよ」

#呟怖
自転車で遠出をした。
ぼんやり景色を眺めていると遠くに銀色に輝く観覧車が見えた。
気になって近くまでやってくると自転車を降り徒歩で観覧車を目指すも一向に辿り着かない。
通りの商店で飲み物を買いがてら店主に話を聞いた。

「あー、昔ありましたね」

店を出ると観覧車はもう無かった。

#呟怖
雪の降る夜、街灯に照らされた蜜柑の木にひらひらと蝶のようなものが舞っていた。

其れは薄い翅を纏った白く美しい妖精であった。

暫く眺めていると目が合った。

端正な面持ちが豹変し風を切って飛んでくる。

思わず手で振り払うと其れは地に落ちた。

大きな雪虫が消えるように溶けた。

#呟怖
一昨年前、彼は狐に出会った。
西東京の外れ人界と自然の狭間に其れは居た。嘗て社のあった場所に狐火を従えただ佇んでいる。蓬髪に隠れた狐面が此方をみた気がした。
「ウチへ来ませんか?」
つい口に出てしまった。何故そうなる、と尋ねると
「なんか悲しそうだったんです」
彼は頭を掻いた。 https://t.co/8UJDmpqyOt

#呟怖
雨上がりの澄んだ空を映す水溜りは空の高さだけ水底を深く感じ、吸い込まれそうな錯覚に陥る。

背後から水鏡を少女の顔が覗き込む。
振り返るが誰も居ない。

視線を戻すと深い水底から少女が這い出そうとしていた。

無邪気な笑みに慄き水面を蹴った。

凪いだ水面には空が映るばかりだった。

#呟怖
知らない人から声を掛けられた。
先程はどうも、とかなんとか。愛想笑いを浮かべて書店へ向かう。
書店では何かお忘れですか、と店員に訊かれ困惑した。
行く先々で同じ事が繰り返された。妙な気持ちで家に辿り着くと丁度俺が玄関の扉を開いて中へ入って行った。
あれ、俺は誰だ?
記憶がない。

#呟怖
休みの日に草毟りをしていた。
夏の盛りは気が萎えて怠けた為、荒れ放題であった。
暫く苦闘していると庭の水場の近くで何やら諍う声が聞こえた。小さくてよく聞き取れない。

「お前が去れ」
「その手には乗らない」

鬼野芥子を掻き分けると蜥蜴、雨蛙、蝸牛が石の上で睨み合っていた。

#呟怖
「なんかね、違和感があったんです」

彼は体育館のアリーナ席で小学生のバスケットボールの試合を眺めていた。
併設されたジムで筋トレをしていたのだが疲れたので休憩していたのだ。
茫と見ていたが何かがおかしい。
身を乗り出してよく見ていると気づいてしまった。

「11人いるんですよ」

#呟怖
子供の頃の遠い記憶。
夕方、目を覚ますと母が居ない。暗い家の中、不安が押し寄せ外へとびだす。
近所を駆け回り母を探すが何処にも居ない。
項垂れて家へ帰ると夕飯の支度をする母が居た。
泣きながら抱きつき何処へ行っていたのか尋ねた。
「何処にも行ってないわよ?」
母は笑顔で言った。

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