呟怖.ORG | 呟怖

呟怖は、Twitterでハッシュタグ『#呟怖』をつけてツイートすれば誰でも参加、投稿できる140文字以内の創作・実話の怖い話です。呟怖.ORGには、日々投稿される呟怖から転載または朗読やイラストなど二次利用を許可されたものが集まっています。作品の二次利用に関する約束は掲載作品の転載、二次利用についてをご覧ください。自分の呟怖作品も、他の掲載作品同様に読んでいいよ・描いていいよという方は、ぜひ参加ボタンから呟怖作家としてご参加ください。その他ご不明なことはガイドをご覧ください。

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呟怖.ORGと参加について

仄暗い部屋に、少年の人形が横たわる。硝子の虹彩が、天井に照らし出された淡い虹を映していた。白皙の頬に泪の跡があり、薔薇色の唇が恋に震えている。
メンテナンスに訪れていた私は、少年の艶やか黒髪に櫛を通し化粧を施すと、恋に魂を彷徨わせる彼の頬を撫でた。この病は治さない
#呟怖 #人形医

「もう此処に来てはいけないよ、閉じ込めてしまうから」
そう告げた彼の棲む闇色の窓を見上げる。抜ける様な白い肌をした彼に、硝子のプリズムで虹を届ける為に。
薬棚の軋む音が今も耳に残っているのは、俺が彼の首の細さを忘れられずに居るからだ。今も彼は時を止め、其処を閉ざし続けて居る。
#呟怖 https://twitter.com/hiziri239/status/1142065575755042816 

3度目の命日。煙草が好きだった彼女の墓に供えようと、生前好きだった銘柄を買いポケットに1箱入れて墓地へと向かった。
黒い墓石に白い花を手向け、一服を点けると線香の香りに混じり薄荷が香る。ジーンズのポケットへと待ち切れず手が入る感覚。彼女の気配だ。今日はやけに煙草が目に滲みた。
#呟怖 https://twitter.com/r_Okishima/status/1125699609777430529 

分かれ道に差し掛かる。潮風に乗り先に旅立った彼女の鼻歌が聞こえる。私は波打ち際を目指して坂を駆け下りる。足元に絡む亡者の血の気を失った手を踏みつけ蹴飛ばし、息を切らして彼女の腕の中へと飛び込んだ。生前の彼女の面差しは少し崩れかけては居たが、私は男神みたいに逃げたりしない。
#呟怖 https://twitter.com/moon04cat/status/1127204204035002368 

浜辺で彼女と砂の城を作った。浜風に揺れるスカートを押えながら、屈み込んだ私の肩に手を置き砂の入ったサンダルから乾いた砂を払う。潮が満ち波に壊れゆく砂の城と共に、彼女の面影が景色に滲み、私の細く歪な影の中へと消えていく。乾いた砂に彼女の微笑が静止し、私の涙だけを連れて行った。
#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1120706515415867392 

呟怖朗読~第3幕~ / Zippo
by Zippo@鬼/聖ẅ燐/爽兄
#nanamusic
https://nana-music.com/sounds/04af92de/ 
#呟怖bot可 #呟コラ #呟怖 #nana
#呟怖 #朗読
朗読 Zippo様
原作 兎桃屋

「大きな大きな箱庭の中には、無数の箱庭が並んでいて、その中にまた小さな小さな箱庭があって、その一つが僕のお家なんだ。たまに大きなお目々が見えて、僕らがおりこうにしているとキラキラしたお手々で撫でて貰えるんだよ。」
そう言った弟は、ある虹の掛かる午後に忽然と姿を消した。 #呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1112165305407557632 

旅人が桜の間で床に就くと、床の間に据えられた貝桶から若い娘の声が聴こえた。恐る恐る緋色の紐を解くと、開いた貝桶から淡い靄が立ち込め麗しい娘の姿となった。その娘がもう一対の貝桶を開くと、端正な若者が娘と同様に顕れ睦まじく寄り添う。襖絵から桜の翁が顕れ、旅人は気を失い朝を迎えた #呟怖 https://twitter.com/kurohacci/status/1111439357552922630 

お気付きだろうか…タグが粒立って居る事を
((´д`)) ブルブル…
✕ #粒怖
○ #呟怖

枝垂れ桜が誘う様に揺れる宵、妖し達の花見の始まりだ。亡者の尻を座布団代わりに、長老猫又が長煙管から紫煙を吐くと、灯籠に鬼火が灯り桜の妖しさを引き立てる。

眼玉の馳走に髑髏酒、肝心要は生肝吸い。
踊れ唄えの乱痴気騒ぎで夜も更けて。
人を喰らおか儂ぁ頭から、下足は要らねぇ尻子玉
#呟怖

年甲斐も無い…そうですな。
若い妻の肌に、赤々と艶めかし縄の様な痕が有ったのです。私には妻を縛ったりなど出来ません。幾日かその痣が見え隠れする度に、燻る様な嫉妬と掻き毟りたくなる程の怒りに抗えず妻を手に掛けてしまった。
私も妻同様、あの蛇の魔物に魅入られていたのでしょうな。
#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1110299181791346688 

その収容施設では蔓延した疫病によって、収監された人々は生きながら腐臭を纏い、為す術もなく痩せ細り落命していった。遺体は壊れた白いマネキンの様に、荷台へと折り重ねられ無感慨に運ばれて行く。
これが罪の音なのだろうか。数十年後の今でも頭の奥から、羽虫が飛ぶ様な残響が離れない。
#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1109435056303423488 

三ヶ月前に亡くなった母の夢を見た。母は横暴で傲慢な父親に苦労をかけられ通しの人生だった。穏やかな微笑みが、ささくれ立っている心に染みる。その朝、父は台所で事切れていた。
斎場の白い煙の中で母と寄り添う父の姿が見え、根雪の如き重く冷やかな父との確執にも、雪解けの兆しを感じた。
#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1109565974540238848 

喫茶店で友人の背後に青い炎が見えた。昼日中にも関わらずに、その炎は陽炎を作る勢いで燃え盛り、目の前のパフェを溶かしている。乗っていた果実が、皿の上に落ちそれを目で追って再び視線を上げると炎は消えていた。トイレに立つと、知人のに足元に燃え滓になった何かが消えて行くのが見えた。
#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1109042830125629440 

同窓会の便りがあった。あの日から20年。もう廃校した僕らの学校が会場だ。
次々と集まる懐かしい顔触れに、話が尽きない。暫くすると、花束を抱えた初老の男が訪れた。年老い白髪頭になっていたが、転任した僕らの担任であると気付き先生を囲む。
もう泣かないで先生。僕達もう成仏出来ているよ
#呟怖 https://twitter.com/iBuKi_O428/status/1109447597918347264 

呟怖朗読~第4幕~ / Zippo
by Zippo さん
朗読・編集 Zippoさん
原作 兎桃屋
素敵な朗読を有難うございました。
案山子のお話、めっちゃゾクっとしました。
#nanamusic #呟怖 #呟コラhttps://nana-music.com/sounds/04af979e/ 

もう何度目なんだよ全く。俺の恋人は心霊スポットに行くのが趣味なのだが、その報告を電話で嬉嬉として話してくるんだ。霊媒体質なのか何なのか、いつも恋人の声に聞き慣れない声が重なって聴こえて来る。女も男も引っ掛けてくるなよムカつくな。幽霊もイケメンが好きなのか?これは俺のだ馬鹿。
#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1106718226476470273 

『また来世で』
『姿が変わっても…貴女を見付けるわ』
『私もよ』
夢の中で、悪戯の相談でもする様な甘やかな声を聞いた。
もう意思を伝える術を持たない彼が横たわる白いベットに、私は突っ伏し眠っていた様だ。
「またね」
喉を裂いている呼吸器を外す指には、生々しい糸の感触を残している。#呟怖 https://twitter.com/magma_maniac/status/1106471437219454976 

子供の頃から繰り返す夢がある。狂った執着を持つ醜い男に、車の中に閉じ込められ暗い海の底へと沈むあの子を助けられない夢だ。これは初恋の相手が、母親の愛人の男の巻き添えに遭い無理心中させられた日から始まった夢。助けたいのに、彼女は私の腕を擦り抜けて沈んでいく。

また無理だった

#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1106718504651096064 

私は何もかもが嫌になっていた。雪の舞う黒い海の波打ち際で、痛い程に冷えた水に足首を鷲掴みにされ引き摺られつつあった。投げ遣りな心地になった時、馬が砂を駆ける様な足音が近づいて来た。その刹那、足を掴んでいた何かから開放され私は思い留まった。頬に涙が熱く感じ、腹が鳴って笑えた。 #呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1106081859283238913 

朽ちた蔵がある。漆喰が剥がれ竹組も露わに無残な姿だが、それを抱き締める様に見事な藤が囲む。開かぬ様に締められた蔵の中、骸に寄り添う者があった。百有余年の時を経て物に宿った霊。二振りの刀であった。幽閉され果てた男に刀達は寄り添い、藤は弔う様に毎年薫り白い花を狂い咲かせている。
#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1100953375963676672 

白い頭蓋骨から洩れた、あの光や浄いせせらぎの音を忘れない。あの現実味を失った骨は、美しかった。
川の畔に屍を晒さなければならなかった理由は、知る由も無い。清流に洗い流されたのだろう柵も肉も無くあの蛍火を空へと還し、ただ川に存在した清らかな美しき骸。
私はそれが欲しくなった
#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1097725408194179072 

また今年も君をホームから見送る。君の晴れやかな笑顔が名残り雪に滲む。私は枯れた手を力の限り振り続け、繰り返す別れに涙するんだ。
君の未練は私なのかと、答えを訊くことは叶わない。
今年も君が目指した夢の舞台へ、私は列車に乗り雪の様な花を手向けに行くよ。告げなかった思いを添えて。
#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1094668822655557637 

山の庵に棲む黒い猫又が、またたび酒で軽くなった口を開く。
「そいつ、親にえらいしばかれとったさかい、儂が攫うてきたんや。此処で暮らしてもう二十年になるでな…半分以上猫になってしもたんや」
人の肌に三毛猫の様な毛が斑に生えた男が、猫達と団子を作って背を丸め幸せそうに眠っている。
#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1092983133123764224 

去年植えた蓮根が白い花を咲かせている。裏の沼の一部を家庭菜園にした。そろそろ追肥の次期だろうか。ぬるい水に手を入れると硬い白が触れそれを引き上げる。白骨化した頭蓋骨の中に泥でへばりついた義眼が空を睨む。
「浄土のようだったろ?」
白い蓮の花が記憶を嘲笑う様に…弔う様に揺れた
#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1089935051624607744 

人魚だった頃の記憶を、右眼へと封じ込めた。時々懐かしくなって、取り出して舐めると鱗が手の甲に生えてしまう。愛しい人には見られたくないから、その人を食べてしまう迄は我慢している。帰りたいと思う事もあるけど、本物の愛を見付て命を孕む迄は水底の楽園には帰れない。懐かしい水底へと
#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1089935051624607744 

その館から手風琴の音が幽かに聞こえる。うら悲しい音色に惹かれ、歩みを進め洋館にたどり着くと壊れたドアが見えた。恐る恐る踏み入る。
人形、人形、人形
無数の人形が館の中を埋め尽くし、ひび割れた人形の顔から百足が這い出し背筋が凍る。二階から迫る手風琴の音に慄き、外へと駆け出した。
#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1089341564038467584 

すると、母が玄関に出てきてくれた。だが様子がおかしい。家の玄関を開けると父が出て来て怒鳴る。訳が解らず、押し問答していると警官が来た。
父の最後の言葉から記憶があやふやだ。警察で事情聴取を受け所持品も返され、ふと免許証の住所を見ると…
見知らぬ住所が記されていた。

#呟怖 #怪談オチhttps://twitter.com/kwaidanbattle/status/1088904509256916992 

君の為に作ったハーバリウムの中で、沢山の月下美人が踊る。儚いこの花も、友達と一緒なら寂しくは無いよね。でも一際目立って綺麗なのは君だよ。月色のドレスが良く似合って、夜の女王に相応しい。
水槽の底で眠る彼女の頬を撫でると、月下美人の芳香が薬液の刺激臭を和らげてくれた。
#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1088552890086518784 

二八蕎麦の屋台で酒を呷っていると、西国訛りの女が饂飩を注文した。聞き覚えのある声である。魚の腹の様な血の気のない指が屋台へ十六文を置く。顔を見て背筋が凍える。己が殺めた筈の女が、追って来たのだ。否、有り得ぬ――

蕎麦屋の親爺は、浪人と鮒の遺骸を川へと蹴落とし煙管を燻らせた。
#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1087775025061457920 

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