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呟怖.ORGと参加について

白驟雨の彼方に近頃では珍しい葬列を見た。黒衣の群れが粛々と続く中に目についた傘がある。何処か見覚えのある後ろ姿を目で追って居ると、私の視線に気が付いたのかその傘の人は振り返る。
それは喪服姿の私であった。時を止め喪服の私は雨粒となり消え失せ、ただ傘一つだけを路傍へと残した。
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目覚めると四角い世界に居た。此処は病室の様で回診に来る医師も看護師も皆一様に四角い顔をし、プリントされた様に同じ表情で同じ言葉を繰り返し僕に問うのだ。
「貴方モ高性能二ナリ〼カ?」
家族だと言う四角い人々も、僕を見て悲嘆に暮れている。未だ凹凸のある僕も、四角になるべきなのか?
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知人の夫が行方不明になった。その知人夫妻は著名な鉱物マニアであり研究者である。ある日知人の夫は、滝に沈む幻の鉱石を探しに行くと言いそれきりなのだそうだ。
おやこの石こそ件の滝壺でしか採れず、一般には流通していない筈ではなかっただろうか。
知人の瞳に深淵を見た気がした。
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喪服の胸に幾粒かのダイヤが連なる首飾りをレースの手袋越しに愛おしげに撫でながら、妖美な未亡人が語った話。

「この石は全部、連れ合いの遺骨で出来ていますの。一つ目を拵えてからは、次々と増えて…不思議ですわね」

その艶やかな仕草と言葉で、私もその一粒に加わりたいとさえ思った。
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五つになったお鶴は、少しばかり呆とした娘で在った。悪童に殴られ蹴られする最中も柔らかな笑みを浮かべ、やり返す事も無くただ呆と空を見ている。
ある夕暮れ悪童に殴られていた時に、お鶴は珍しく声をあげ、見えない何かしらに手をひかれる様にあゆみ、櫛一つを残し忽然と消えたのだそうだ。
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ある芸妓置屋には、代々伝わる帯があると言う。三階松を織り込まれたその帯を締め、藤の模様の描かれた舞扇を使いお座付で踊ると良縁が舞い込むと言うのだ。しかしその話にはもう一つの言い伝えがあるらしい。その帯を締め、別の模様の舞扇を使うと客や芸妓に不幸が訪れるとか。今宵の扇は…
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夫の遺骨で海色のダイヤを造ってから、知人が溺死する事が増えた
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深夜待っていたエレベーターの扉が開くと、スマホと男性用の着衣一式が落ちていた。異様な光景にそのエレベーターには乗れず、非常階段から一階の警備室まで慌てて駆け下りた。警備員と一緒にエレベーターへと向かうと、降りて来たエレベーターは少し濡れていて、衣服とスマホはそのまま有った。
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友人が失踪し、事情聴取を受けた。
彼の愛好していた靭葛の中から、人間の眼球が一つ発見されたからだ。
友人の食虫植物への執着や口癖を知っていた私は、直感的にその眼球は友人の物では無いかと思いもしたが荒唐無稽さに口に出来なかった。

「この子達に捕われて消えてしまいたい」

まさかね
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その廃屋の庭に一匹の猫が居た。縁側に累々と並べられた猫からの贈り物が物悲しい。もう居ない家主への贈り物なのだろうかと憐れに思っていると、一頭の烏揚羽が廃屋の中へとゆらゆらと入っていった。その烏揚羽にじゃれつきついて行く猫。すると慈愛に満ちた声が、無人の廃屋の中から聴こえた。
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美容室で眠ってしまった。
カットが済み美容師が私を遠慮がちに起こし、鏡を見ると髪型は言うまでもなく自分の顔が全くの別人へと変わっていた。
呆気に取られて言葉を失うと、担当してくれた美容師は「お気に召しませんか?」と訊ねる。
ふと隣の席に目を遣ると、カット前の私が眠っていた。
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軽い食事や風呂を頂き、宛てがわれた部屋へと戻る途中、老夫婦以外は人の気配が無いにも関わらず、聞こえて来る幽かな囁き声。異様な気配を感じながらも床についた。
翌朝目覚めると、屋敷は消えていた。
更に己の左膝から下が無くなっている。一滴の血痕も傷痕さえも残さず端から無かった様に。
#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1284069292586070016 

隠れ里の男が造る球体関節人形は格別に精緻な造りで美しく、男も作品を娘達と呼び溺愛していた。
蒼い月の夜、男は花嫁姿の人形を棺へと横たえ頬を恍惚と撫でた。そして仕留めてあった里の美青年を無感情に解体し、その腕や足を棺へ副葬品の様に並べ最後に彼の頭を持つと人形へと口付けさせた。
#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1278950788950179842 

落ちた傘を茫然と拾い上げる。
車のテールランプの赤は、物憂げな女の顔を消す事も無く、帰路の道すがらも脳裏から剥がれ落ちない。
帰宅して傘立てに女に渡した傘を置くと、部屋の中で激しい雨音がした。
夢でも見ているのか…?
恐る恐る傘立ての傘を部屋で開くと、あの女と相合傘となった。
#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1277976305561042947 

キャンドルが僅かに影を揺らめかせる深夜。浅い眠りに夢現を揺蕩い、記憶に海に沈めた筈の君の面影が波間に浮上すると、ただ引き留めたい一心で手を伸ばした。亡者の冷えた腕に縋ってみても、君は微笑みさえ残さずに、この世に私だけを縛り付けて消えた。残された私は一人上手などでは無いのに。
#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1276135120634671104 

物憂げな花影から白い指先が見えた。何かに縋る様なそれでいて何処か躊躇う様な動きから目が離せない。
降り続く雨が影の境界を有耶無耶に隠すと、項垂れた女の顔が傾く紫陽花に寄り添う。
その女の面差しには紫陽花の色が映り乳白のオパールを思わせ、無言のまま己が怪異であると伝えた。

#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1273221245299912704 

#呟怖
部屋の玄関に半紙が貼ってある。忌中ではない。異様なのは透明で粘液状の何かで文字が書かれていてそれが乾き、やや波打っている所だ。
これを貼ったのは隣人だろうか、それとも去年棄てた女だろうか。ただ1言







とシンプルに胸を抉る言葉に、背筋から震えが消える事がなかった。 https://twitter.com/tsubukowa/status/1260860041747300352 

#呟怖
おやすみなさいを言う前に
雨音に混じり咳き込む声が隣の部屋から聞こえる。長患いの父のものだ。まるで実験器具の様な装置が部屋を占め、煩い水槽のエアポンプに似た振動を刻む。
疲労と絶望に終止符を願う。
そんな私には1つだけする事がある。
父におやすみなさいと言う前に。

off https://twitter.com/molmol299/status/1255839596673261569 

#呟怖
「だから、首から千切るのはやめなさいよ」

鉢植えのカーネーションの花を首から千切ってテーブルに並べるのが母の遊びだった。叱って泣かせた事もあったと、玄関の上がり框に、コロリと並んだ白いカーネーションを拾い集めて思う。
「おかえり母さん」

拾った花を仏壇の前に並べて笑った。

その湖では、月夜に山百合を浮かべてはならない。
山百合を墨色の湖に浮かべると、月色の指が無数に顕れその花へ蠢く様に絡み付き、壊された花が水面に紅糸の様な波紋を残し揺蕩い、静かに沈んで往く。
その様子を見た者は魔に魅入られ、湖底の住人にされてしまうと言い伝えられているからだ。
#呟怖 https://twitter.com/moon04cat/status/1188658052796338176 

抹香の染み入った墨絵の景色。不意に訪れた凍てつく様な気配に、肌が粟立つ。
煤けた障子が乾いた音を立て僅かに開くと、干からび眼窩から眼球の失われた僧衣の亡者が覗いて居た。漆でも塗り込められている様な皮膚の色が禍禍しい。
成り損ないか…
念仏を唱え、私は忘れ去られた仏を弔った。
#呟怖 https://twitter.com/tsubukowa/status/1164848659919278081 

私は彼女を待っている。薄暮の川辺で涼やかな風に揺れる柳の下、ざわめく様な音を聴き生前の彼女の事を思う。
幽霊は柳の下に出るという話を、信じた訳では無い。此処なら私を見付けてくれる様な気がするからだ。
落陽の道に柳と私と彼女の影が重なる。そして程なく陽が落ち、彼女の気配も消えた
#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1162941339962445825 

悪意が可視化する。
僕は人からの悪意が具現化して視える。浴びせられる言葉が、貌を持ち僕の身体を貫通する。

今日は雑誌のインタビューを受けた。毎回同じ事を訊くこの記者は、何時も退屈そうに質問する。その仮面の下で、醜聞を狙っている。ゴミ捨て場の烏の様に、僕の心を食い漁るんだ。
#呟怖 https://twitter.com/nonokue_no_e/status/1164364913155817472 

夭折した妻の描いた娘と一緒に旅に出た。
日に日に妻に似て来る俺達の愛娘だ。
猫が好きだった妻が、飼い猫を呼ぶ優しい声が好きだった。妻の香りに惹かれたのか、黒猫の目が光り赤く舌なめずりをする。それと知らず、鈴が転がるような声で猫を呼ぶ娘。
妻との約束を胸に娘を連れまた夜を往く。
#呟怖 https://twitter.com/roku_souko/status/1152641107232055304 

あんなにも赤かったあなたとの糸が、緋色を経て明ける空の様に朱色へと薄らいでいく。
瞼に残る鮮血の赤が語るのは、この糸の様に唇の色を失い事切れて行くあなたの最後。
この掌に残る重い鈍色の衝撃が、そのまま私の胸に凶器となり刺さって居ます。
愛していたのです…あの人に返せない程に。
#呟怖 https://twitter.com/sachuta_0u0/status/1151870710546960384 

焼き鳥屋で、久しぶりに高校時代の先輩に会った。
「先輩焼き鳥好きなんですね。」
「俺、自分で仕留めて捌ける生き物しか食わねぇんだわ。」
「え...牛とか豚は?」
「お前牛とか豚を1人で仕留められるのか?」
「無理っす」
「そうだろ?」

それから1ヶ月後、先輩は死体損壊罪で逮捕された。
#呟怖

陽が沈むと、人々の諦念を翅へと変えた無脊椎の群れが蟲の女帝を歓迎し狂喜乱舞する。
地上に縫い付けられた人々の絶望を這いずる蟲達が喰らい、女帝への供物の糸を紡ぎ出しその爪先を包む。
纏う女帝は翅音の中で踊り、人々の明日への希望を踏みしだき、いずれ来る蟲帝国再興への道を示すのだ。
#呟怖 https://twitter.com/okabanamitsuoni/status/1147134750571692032 

新月の夜にその孤島はざわめく。
錆び朽ちた鉄と波音が異音を奏で、戦に敗れた亡者の呻きが林に谺し無念の澱を揺らすのだ。
闇の中にまた一つ漂着した亡骸。
肉塊の柵を、潮騒が剥いでいく。
白骨が珊瑚の砂に混じる頃には、また一つこの島の音となるだけ。
本土も見えず、浄土へも果てなく遠い
#呟怖 https://twitter.com/SP2KTtQ18oUI2AV/status/1142799817778663425 

お玉がこの屋敷へ来た理由が、拾った私への恩返しだけでは無い事は解っていた。婆やの生肝を喰われた時、仇討ち本懐していた事も解っていた。親の仇だったのだろう。
お玉許して欲しい。お前が何時出ていってしまうか不安で、寂しくて部屋に来てしまった事も。妖しは斬らねばならない事も。
#呟怖 https://twitter.com/couchiyan/status/1146147385669632000 

薬棚が鳴る。僕が集めた人の魂達が、薬瓶の中で煩く喚くからだ。棚に並ぶスペアの眼球も、彼がくれた天井の虹を見ている。
ドクターが泪で酷く崩れたメイクも直してくれた。彼に逢いたい。でも、また逢えば綺麗な彼の魂を瓶詰めにしてしまうだろう。それは嫌だ。人に近付くのって苦しいね。
#呟怖

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