呟怖.ORG | 呟怖

呟怖は、Twitterでハッシュタグ『#呟怖』をつけてツイートすれば誰でも参加、投稿できる140文字以内の創作・実話の怖い話です。呟怖.ORGには、日々投稿される呟怖から転載または朗読やイラストなど二次利用を許可されたものが集まっています。作品の二次利用に関する約束は掲載作品の転載、二次利用についてをご覧ください。自分の呟怖作品も、他の掲載作品同様に読んでいいよ・描いていいよという方は、ぜひ参加ボタンから呟怖作家としてご参加ください。その他ご不明なことはガイドをご覧ください。

参加メンバーはこちら

呟怖.ORGと参加について

#呟怖
「胎動が気持ち悪いです」
腹部に別の生き物がいるみたいで。

妊婦は医者に訴えた。
「胎動を感じなくする薬をください」

処方の前にエコー。子宮の底に毬藻が数個、揺らめいている。

数時間後。
摘出された毬藻を夫は咀嚼した。
「珍味、珍味!」
ミイラ化した妻の頬に齧った。
「珍味!」 https://t.co/pWunNmzE8f

#呟怖
八十八人の娼婦が唇を剥がされて無惨に殺された。警察は懸命に犯人を探したが見つからない。九十九人目の犠牲者を最後に犯行は止まった。
化粧品店で若い娼婦の頭部が見つかった。髪を剃られ、唇が九十九つ縫いつけられている。色とりどりのリップが塗られ、先が潰れた口紅が散乱していた。 https://t.co/CWxhRntygN

#呟怖
塀の上に女が顔を出し、長時間ケラケラ笑っている。近所の人達が騒音で文句を言いに来た。平和的解決の為、女の顔に物を投げて黙らせる大会をした。嫁が投げた煉瓦が直撃。女は逃げたが夜に寝室に現れ、文句を言った。「隣人トラブルが一番怖いのだ」女の顔に枕をぶつける。不倫疑惑は御免だよ。 https://t.co/dmIYMXZfED

#呟怖
能楽のある流派が所有する鬘「禁忌の黒垂」。若い能楽師がこれを着け、武者の役で出演した。演技は美事の一言に尽きた。鬼気迫る凄烈、名誉への執着、修羅の道に堕ちた者の哀れ。ひとときの夢の跡、楽屋で能楽師は事切れた。面の下は惨憺に満ちた老爺。能楽師に似つかぬ“誰か”の顔だった。 https://t.co/0j80JTI445

#呟怖
毎日、誰かが玄関にホッケを置いていた。私の稼ぎだけでは食料が足りないので、有り難く頂いていた。娘も順調に成長した。ある日、玄関に狸がいた。矢を射ると苦しんで死んだ。死体の近くにホッケがあった。狸、お前だったのか。お陰で娘の発育は良く、高値で売れた。夕餉の狸鍋は美味しかった。 https://t.co/yKb11dr98N

#呟怖
肖像画の修復に聖歌隊の美しい少年達の血が多く用いられ、神父は最期、己の頭を撃ち抜いた。数多の亡骸の中、描かれた青年は妖しく微笑んでいた。修復の度に大勢の血が用いられ、手当した者は自死した。肖像画の作者は稀代の罪人。ギロチンで刑死。死の間際、己の血飛沫の音を聴いて笑っていた。 https://t.co/gvtgNa781G

#呟怖
仲のいい姉妹がいた。姉は病で意識が戻らなくなった。姉を憐れみ、首を切除した。妹は右肩を切り落とすと姉の首を接合した。目覚めた姉は妹と幸せに暮らした。ある日、姉妹の間に瘤が出来た。瘤が成長するにつれ、姉妹は微睡む事が増えた。瘤は女の頭になると自我を持ち、姉妹は眠りに堕ちた。 https://t.co/WHvSG9wIoR

#呟怖
平均的な人生だった。死後、魂を生前の罪を清める炎の世界に送られた。炎に焼かれ、記憶が無くなっていく。「私は…生まれてきたことが罪だったのですか…?」炎の世界の管理者に問うと「貴方は“世界”を作る微小の構造でした」燃え盛る炎が宿る手で魂を握り潰した。「細胞に意思は不要です」

#呟怖
雑貨屋で胡散臭い雑誌を買った。入れ替わりで官憲が店に押し寄せ、雑誌を押収した。【捏造や陰謀論にまみれた低俗な内容である。信じるべからず】店に貼られた書き殴られた紙。隣はこの国が分割された領土。生き別れた親類・友人がいる国が“屍者の国”になったなんて、誰も信じたがらないだろう。 https://t.co/j5KiI4bFfm

#呟怖
幼子が母を求める声を好む怪物が丘にいた。攫った子供の体を石に変え、声は出せるようにした。丘は母を呼ぶ悲痛の声で溢れ、耳にした人々は涙した。怪物は種族の最後の末裔。己の母への甘い記憶、次世代を繋げられない虚しさ。石の子らは愛おしく、助けに来る大人は憎く。丘には死と腐臭が漂う。 https://t.co/q7dvNzQGXg

#呟怖
大西洋の深海で人魚の姉妹と遭遇した。少女の容姿をし、ダイバーの私に怯えていた。二体は抱きしめ合うと尾の鱗を眩く発光させた。私の目が元の視野に戻った時には光の残滓が揺蕩い、姉妹は消失していた。剥がれた鱗を手に陸へ上がる。背中の遥か遠くで泡のように儚げなバラードが聴こえた。 https://t.co/IsQtSWVKuu

#呟怖
神は土をこね、対の人を作った。人は子を作り、やがて動かなくなった。人は増えたが“時”がくると動かなくなる。浜の真砂ほどの葬送をした神は“時”を悟り、砂漠で眠りについた。血は水、骨は樹木になり、オアシスになった。人は花を育て、神を祀った。“時”がきた人は神に添い、安息についた。 https://t.co/o1EL7DbOWE

#呟怖
住宅火災で逃げ遅れた祖母は助けに来た消防士と一緒に亡くなりました。私達家族は「老婆を置いて逃げた一家」と謗られ、村八分にされました。引越した町であの消防士――保険金殺人の巻き添えで死んだ男の息子と偶然出会い、結婚しました。私は幸せになります。彼は病弱で次も“バレなさそう”です。 https://t.co/WVg0TiAvID

#呟怖
旅行で数週間バイトを休んでいる後輩の男の子は、SNSにこまめに自撮り写真をあげていた。「…こいつの影…おかしくない?」彼の影が、長髪の女性の形をしていると先輩が不気味がった。旅先で後輩は事故で死んだ。葬式で、長髪の女性が棺の彼に囁いていた。「こうすれば、逢えるって信じてた」 https://t.co/IN9lsWau4y

#呟怖
昼寝する和尚の顔にイボガエルが貼りついた。起きた和尚は周囲に笑われた。寺の池を覗くと顔にイボガエルの形をした奇妙な鼻があった。鼻から涙が垂れた。「私の顔についたばかりに傷ついたのだね」和尚は桶に熱湯を張ると、顔をつけて蛙を死なせて引き剥がした。「私はお前以上に傷ついていた」 https://t.co/NkXu8WNdV8

#呟怖
カレイドスコープの美しい多面鏡を髣髴とさせる花の絵は、古代の数学者がクリアした「他次元への移動証明」の定理を暗号化したものだ。学者達が解読を試みたが97%が狂死、3%が消失。「“見た”、“現実”、“次元”、“〜なる”」第三者による証明未完了。汝が深淵を見入る時、深淵もまた汝を見入る。 https://t.co/KFrtULkkAz

#呟怖
何もしてないのに叩く音がする家がある。百年前、貧しさ故に娘を異国に奉公に出した。数年後に廃娼運動の影響で帰ってきた娘は「裕福に暮らしていた」の嘘の伝聞を鵜呑みにした家族に叩き殺された。家族を想い売られ、筆舌に尽くしがたい奉公に耐え、故郷で生き直す筈が…。さぞ無念だったろう。 https://t.co/XXJpHg5bJY

#呟怖
職場紹介をネットで掲載する為に社員と勤務の様子を数枚撮影したが、どの写真も女性社員のAさんだけピンぼけしている。来訪したお客さんが、Aさんを見てギョッとした。「複数の霊に憑かれていますよ」Aさんは人が亡くなる度に生前の服を貰っていた。「いま着てる服、誰の物だったか忘れたわ」 https://t.co/WRZAUYqIC5

#呟怖
高水敷の岸に一本の桜があった。毎年の春、枝にたわわに花開き、川の水面に麗姿が映る。旭、牛刻、落陽、月夜。時間毎の光に彩られた水鏡。長雨により、氾濫で桜は流失した。毎年の春、在りし日の桜が水面に栄える。「川も覚えていたかったのだろう」キラキラと輝き、揺れる桜を人は愛した。 https://t.co/rCQmQe5A86

#呟怖
『この電車は間もなく【トンネル】を通過致します。私が合図をする迄、お客様は目を閉じてください』
僕以外、客はいない。咎める人はいないし、律儀に目を閉じなくていいや…。

『…この列車の終点です。お忘れ物を致しませんよう、ご注意ください』
車両の開かれた扉の向こうには誰もいない。 https://t.co/FhLDr7Zux3

#呟怖
幼い頃、母と公園の枝垂れ八重桜を見に行った。最初は母に手を引かれて二人。気づけば、優しいおじさんと三人。初夏に母はいなくなった。父は新しい伴侶を迎えたが、母の帰りを私は待った。或る春に公園を通ると八重桜がざわめく。母の死を悟った。その場にくずおれて気づく。思い出せぬ母の顔。 https://t.co/uIm3ikQnKZ

#呟怖
雪が解け、地中から虫が這い出て、人は夜明けを忘れて眠る。朝早く蕨採りに山へ入る。日だまりに立つ木の枝についた雪の名残が煌めく。滴る雫は宝石のよう。白い光の木の下で異国の出立ちの娘が通り過ぎた。瞬くといない。“未来之民”の幻。吉凶禍福に怯え、転がるように山を降りる。 https://t.co/czqc51St7f

#呟怖
無人の邸、静寂を裂く夜半の嵐。桜花が虚空に渦巻き『いづこ、いづこ』と泣き叫ぶ。人々は恐れた。桜の怪異を討つよう帝の勅命を奉じた侍は邸に赴き、退紅の辻風に訊く。「誰が為に汝は哭く」『吾君』「大臣様は僻遠の地に流罪に処せられなされた」侍が東を指す。辻風は鳳凰となり、飛び去った。 https://t.co/LVgXoLQGrH

#呟怖
秘密基地に穴が空いた長方形のセメントの台がある。そこで猫を内緒で飼っている。放課後に給食のパンを持っていくと、つけてきた同級生に咎められた。揉めて、同級生を突き飛ばした。台に頭をぶつけて気絶した同級生を猫が咥えて、穴を潜る。絶叫、悲鳴、命乞い、断末魔。パリパリ、ボリボリ。 https://t.co/U59e4F1L4r

#呟怖
家出した年少の弟が帰ってきた。弟は私を冷たい手で引っ張り、山深くに分け入る。凹凸や急斜面の地面を物ともせず、私を導く。藪の中で弟の遺体を見つけた。今まで一緒にいた弟の体が少し浮いている。再会の喜びで気付けなかった。この世に繋ぎ止めようとした両腕は、弟が消えた宙を空振った。 https://t.co/d7hqVl2K0m

#呟怖
少女が死んだ。屋上から飛び降りて、地面に真っ赤な花を咲かせた。世情の煽りで閉校になった。有刺鉄線に囲まれた廃校舎。毎年咲かせる骨のように白い桜。紅の空を重く流れる灰色の雲。風が振るわす、桜の木に吊られた死体の数々。ひらり、ひらり舞う桜の花びらは星のよう。地面で影が昏く踊る。 https://t.co/usJXePPFFU

#呟怖
掌に奇妙なシワが出来ていた。手相を見た占い師は青褪めて逃げようとした。後ろから首を掴んで押し倒し、馬乗りになって占い師の首を絞めた。もがいた末に泡を吹いて事切れた。自分の掌の内で命が消えていく悦楽は極上だった。もう1度。もう1度…!うずめく掌の奇妙な線が深まり、伸びる。 https://t.co/p7wLn0q5ZH

#呟怖
朽ちた教会の地下。銅の扉を開く。「月光第三楽章」が外気を震撼させた。神に愛されなかった男の苦痛と狂乱、凍える熱情の音。死の香りが染みついた冥い部屋。骨の指で血濡れの鍵盤を弾く。旋律は疫病。鼓膜に根ざし、脳を誑かす。幻滅せよ!無力を知れ!地に膝をつき、人々は打ちひしがれる。

#呟怖
ベットに横たわる僕は天井を見つめていた。少しずつ天井が迫ってくる。間近にきた。天井に唇が触れた。天井は真っ赤になり、急速度で離れて爆発した。ハッと目を覚ます。スマホの日付を見ると一日が経っている。あれは…夢?ピンポーン。玄関を開けると女の子がいた。「責任を取ってください」 https://t.co/29dzaiMMSz

#呟怖
“緒(お)”と呼ばれる組紐がある。

組紐の色はバリエーション豊富で、自分の体や木・建物の柱に結ぶ。
身に付けた“緒”は、結び目が自然に解けるまで、解いてはならない。

“緒”は言い伝え曰く、
―物事のはじまり
―人との繋がり
―命

故意に解かれれば、何れかを喪う。 https://t.co/yzN9HGqvE2

呟怖.ORG | 呟怖

呟怖.ORG | 呟怖

呟怖は、Twitterでハッシュタグ『#呟怖』をつけてツイートすれば誰でも参加、投稿できる140文字以内の創作・実話の怖い話です。呟怖.ORGには、日々投稿される呟怖から転載または朗読やイラストなど二次利用を許可されたものが集まっています。作品の二次利用に関する約束は掲載作品の転載、二次利用についてをご覧ください。自分の呟怖作品も、他の掲載作品同様に読んでいいよ・描いていいよという方は、ぜひ参加ボタンから呟怖作家としてご参加ください。その他ご不明なことはガイドをご覧ください。