呟怖.ORG | 呟怖

呟怖は、Twitterでハッシュタグ『#呟怖』をつけてツイートすれば誰でも参加、投稿できる140文字以内の創作・実話の怖い話です。呟怖.ORGには、日々投稿される呟怖から転載または朗読やイラストなど二次利用を許可されたものが集まっています。作品の二次利用に関する約束は掲載作品の転載、二次利用についてをご覧ください。自分の呟怖作品も、他の掲載作品同様に読んでいいよ・描いていいよという方は、ぜひ参加ボタンから呟怖作家としてご参加ください。その他ご不明なことはガイドをご覧ください。

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呟怖.ORGと参加について

#呟怖
ぼくは視線を外せない。なぜ食べてはいけないのかと問われても、艶めく口唇に欲情を隆起させるだけ。ぼくの血肉を啜ればさらなる完成を見るのだと請われても、ぼくには既に逃れるための足がない。血色が宿っていく彼女の足を舐めながら、ぼくは己の腹から抜かれる腸の温さに射精する。 https://t.co/x9Jski2wV0

#呟怖
例の廃村に唯一繋がる橋では頻繁に怪異が起こるという。噂では橋桁に人骨が使われているだのとあるが、結果は一般的な木材でしかなかった。
橋向こうに狂い咲く桜の杜を眺める。桜の林に無数の卒塔婆。橋の下には暴れ川。
──川向こうにある彼岸。
そこにあるのは、思索する僕を招く数多の手。 https://t.co/MykjAwVmhy

#呟怖
これ、あなたの心の糸。切っちゃた。
古い時代の女学生の姿をした女が微笑んだ。いつもと同じ終電を待つ人気のないホーム、私と彼女の二人きり。ニチャリとぬめる何かを受け取り、ありがとうと呟く。
なるほど、ならばもういいのだろう。
ほどなく走ってきた電車に向かい、私は自分を踊らせた。 https://t.co/laWegdna5A

#呟怖
その集落の家には必ずそれがある。一番奥の北側の部屋、天井の一隅に。そこに何を祀るのかは家の者しか知らない。それも許された一握りの者だけらしい。祀られるものを外に明かせば、明かした者も明かされた者も必ず等しく呪われる。
僕は母から来たメールを削除した。風がビョウと耳を撫でる。 https://t.co/TylbZQErEP

#呟怖
集落と集落の境に罪人を生きたまま首から下だけを埋める。集落の民が竹鋸で順に罪人の首を削り、死ねばそのまま土中に埋める。そんな風にして出来た辻には黄昏時と夜明け前に異界への入口がぽかりと口蓋を開くのだという。幾つもの罪人の咆哮が聴こえるならば手後れだ、クワバラクワバラ。 https://t.co/OMyJhHdGAW

#呟怖
そう、一日に何回でも気が済むまで吐き出したらよろしい。瓶の蓋を開け愚痴や妬み恨み嫉み、細君や反抗心甚だしい愚息や使えぬ三下への暴言、何でも吐露したまえよ。然れば胸もスカッとするだろう。毎日毎日飽きもせず吐露する内に気付くだろう。そら、その胸がスカスカに穿たれておる様を。 https://t.co/7naOc3lNnU

#呟怖
長女の好みは顔のいい男。次女は手の綺麗な男が好きで、三女はガタイのいい男が好き。それぞれ好みを持ち寄って一つの男を作り出す。けれど男は動かない。業を煮やした三姉妹は金切り声をあげて男を噛み千切る。そうしてまた好みを探して旅に出る。次は君の町に行くかもしれない。 https://t.co/FzAhC2qp3f

#呟怖
私が死んだらその辺に適当に棄ててくれと言っていた。まだ生きてはいたが邪魔だから簀巻きにして山の公園に棄てた。自死が続き、放棄され寂れた場所だ。恐怖に強張る女を背丈の高い草叢に放り込む。同じように棄てられた者共の末路が群がるのを傍目に、風化し穿った眼孔で空を見る。 https://t.co/fQ395ANs65

#呟怖
あの木の根元に死体を埋めるとその念が枝を順に登っていくらしい。枝の先々では花が咲き、その色味で残した怨嗟の度合いが知れるという。頂点に咲いた花が白ならば良し。もしも色が濃いならば、それは頂点から再び木の根元へと戻り、軀は土中から這い出て殺めた者を訪いて来るのだそうだ。 https://t.co/tM8TiqwfKx

#呟怖
あなたの死期に間に合うよう、私の自画像を描いています。病に臥したあなたの先は無く、併せて弔うための棺は用意しました。あなたの躯と共に私の絵を添えて焼き、冥府までの旅路を共にします。百枚でも千枚でも描きましょう。死ですら私達を分かつ事の出来ぬよう、決して死に安楽を求めぬよう。 https://t.co/8gHlWiy1U5

#呟怖
村の男子は成人を迎えると胆力を試される。村長邸の裏にある沼に胸下まで沈み、泥中の社周りにある人面岩を一つ持ち帰るのだ。身体中に蛭が付き、鯰とも蛇とも知れぬ何かに足を取られながら、呻き一つあげずに戻れば上々。年寄りは男子に群がり石を奪い合う。あたかも蛭の如く見えるという。 https://t.co/nBCiC8Kiu9

#呟怖
順子ちゃんと公園に行った。途中駄菓子屋で買ったお菓子を食べながら遊び、気付くと嘘のように赤い夕焼けが空を染めていた。私が母さんが公園前を通りかかるのを見て走り寄ろうとすると、順子ちゃんが引き止めてきた。笑いかけた後に公園を出る。
振り向くとそこに公園は無かった。 https://t.co/WUUPVwsZyW

#呟怖
死の間際、老いた母は呆とした貌で部屋の中を横切る列車の話を繰り返していた。今日もみっちり満員だった、今日もみっちり満員だった。へし合い詰まる乗客はどれも皆母を見ているのだという。無人であれば乗れると言う。
そうして今、私の眼前を過ぎる列車の窓から、母が私を凝視している。 https://t.co/kHDDCg7ue5

春霞喰らいて散るらむ山櫻
融け往く冬の名残をも
紅に仕立てて踏み散らす
其れを鬼神と呼び慣わさば
鬼の面した母は笑み
主も何れは斯く潰えよと
吾が頸を和らに愛しく嘗めあげる

#詩
#呟怖

#呟怖
女は引き戸を開けて肩越しに私を振り向いた。胡乱な眼で刹那泣く。つと踏み出す素足が玄関の外に続く橋を歩み出した時、それが死出の旅への始まりであるのだと悟った。私は急ぎ女を追う。白い袖から伸びる女の腕を掴んだ。
ぐるり振り向き女が笑う。穿たれた眼孔。響く悲鳴は誰のものか。私か。 https://t.co/4UJ9hyze1P

#呟怖
あの辺は妖が出やすいんだよ。宵口なんかは特に出る。腹から喰われて手足しか残らないのさ。だから妖と出逢ったらあの場所に逃げ込むんだ。あの穴をくぐれば追いかけてくる妖はいなくなる。穴をくぐるとどこに出るのかだって?
さあ、早く逃げ込みな。穴の先で手招く沢山の手が見えるだろう? https://t.co/5ipkWHr30G

#呟怖
昔住んでいたアパートの上階で知らない婆さんが孤独死した。ある日寝ていた僕の口中に、天井から滲みて落ちてきた液体が入り込んだ。以来忘れられず、上階に住む人を秘かに殺しては堪能している。
死者の怨みが積もり、天井に幾つもの人型の染みを作り出した。その染みの下で大きく口を開く。 https://t.co/38CTZsBmUV

#呟怖
気付けばこの場所にいた。己が名も当て所も知らず、鏡を覗けど胡乱な虚があるばかり。ぞろり歩けど行先は知らず、誰も居らぬ町の中ひたりひたりと足音鳴らす。泪に代わりうぞりと蛆が這い出る眼、唄など紡いで練り歩く。誰も居ぬ、誰も知らず、町にうぞりと蛆が湧く。うぞりひたりと足音鳴らす。 https://t.co/d56U6G1JLO

#呟怖
母は裏庭の澱んだ沼に棄てられた。
幸いにも首を折られた後に腐った水を飲む事はなく、足枷に括られた岩が水面への浮上を抑止した。さらに言えば母の口蓋に棲んだ鯰が偶々水蓮の種を持ち込んで、母に代わり花が水面に躍り出た。
開いた花は母の声で怨嗟を歌う。ゴポゴポと、澱んだ音を伴わせ。 https://t.co/9qMY1iTkPW

#呟怖
あの店では死者の記憶を呑めるらしい。土中の骨のような白々とした煙を呑めば、死者の遺恨が煙の奥に垣間見えるのだという。たまに煤のような煙が立つが、そんな時には断末魔のようなものが響いて空気を揺らし、嗜む客を枯草のようにして殺すのだそうだ。
さて、あんたはどんな煙になるのかな。 https://t.co/z0r6W2tDl5

#呟怖
好きだと思っていた同級生からバレンタインにチョコをもらった。それからは幸せな毎日だ。彼女が起床して就寝するまで見守り続けた。彼女が足早に帰る時も歩調を合わせて付き添った。ホワイトデーを迎え、僕は彼女の口にマシュマロを詰める。甘くて柔らかい、僕の気持ちをこめた愛を口一杯に。 https://t.co/nernenE3tH

#呟怖
母が納屋で泣いている。生まれず死んだ弟を抱え泣いている。
母の死と後妻を新しき母と受け入れずに居る私を厭う父は、初潮を迎えた私を穢れと指して納屋に閉じ込めた。
母の霊は私の耳に怨みを告げる。お前が代わりに父の子を成すのだと言う。私は笑う。納屋の中、死んだ母の呪言に囚われる。

#呟怖
春先の新月の晩、山が茫と明るくなる事がある。そんな晩には一番成人近い娘を選び、村の入り口に括りつけておくのだという。頑と閉じた家々の門戸の隙間を縫う娘の悲鳴が笑い声に変じる頃に鶏が鳴く。娘の黒髪は総じて白くなり、全ての爪が抜け、呆とした様で明ける空を仰いでいるという。 https://t.co/4Sl9dsbqAz

#呟怖
散々苺を食わせた後に同級生を埋めた。種が発芽するかどうかの実験だった。けれど苺は育たず、それどころか野犬が土壌を掘り起こしたりして散々だった。しょうがないから野犬を殴り殺し、割いた腹に苺をたくさん詰めた後埋めてみた。次は育つだろうか、苺。

#呟怖
隣家が焼失した。我が家は煤を被っただけだった。母はまた燃えたのねと無関心に言う。隣地にはいずれまた新しい建売りが出来て他所から人が転居してくるのだ。僕は崩れた隣家の窓を見る。内側から笑いながら窓を叩く少女。彼女は幾度でも居を焼くだろう。自身が焼け死んだ場面を再現するために。 https://t.co/piCx9GgQB4

#呟怖
曽祖母は八番目の子だったようだ。だが七番目までの兄姉は皆齢七つを迎える前に屋根裏に放り込まれて消えたという。激しく泣く声と逃げ回る音、それを追う何かが這う音。それらが何であったのかは分からないと曽祖母は言う。話が終わると祖母は僕に蜜柑を持たせ、屋根裏に向かえと指を指した。 https://t.co/JzvmXzvklU

#呟怖
夢の中でバスに乗る。なだらかな坂を登り、田畑を越え道無き山林に入って古いトンネルを前にする。錆びたバス停にはとうに死んだ恋人が待つ郷里の名が記されていた。乗客を見ればどれも土気色で俯いている。にわかに恐怖を覚え急ぎ降車した。乗客達が窓越しにこちらを見る。皆ニマリ笑っていた。 https://t.co/FcsQC0p30u

#呟怖
夕方になると駅前に鳥が集まってくる。その中の一羽を指して娘が言う。バアちゃんと同じ顔だ。どれを指したのかは分からない。けれど翌日駅前で何羽かの死骸を見た娘はバアちゃんも死ぬと言い出した。果たしてその夜に祖母は死に、娘はまた新たな鳥を指してパパと同じ顔だと言い出した。 https://t.co/beADqfx0ec

#呟怖
妻が卵を出産し狂乱の末に死んだ。僕は遺された卵を前に思案する。裏の山に棄てようか、飯にかけて食そうか。試しに割ると中からズルリと人指が出て、続きぞろりと長い黒髪が漏れて出た。黒髪の隙間から覗く目が僕を捉える。妻の目だと直感した。僕は妻を飯と共にかき込んだ。美味し。 https://t.co/rL1OIVLWp2

#呟怖
両親が死に、私と妹は山間の寒村にある祖母の家に向かっていた。細く続く蛇行路を走る車中、妹は忽然と姿を消した。視界の端に飛び去る巨鳥を捉えた私は祖母に訴えたが、祖母は満足そうに笑い頷く。
「あの子は七つを迎えてなかったから見初められたんだ」
後日、山の中で骨だけが見つかった。 https://t.co/SvmMMgtQxr

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