呟怖.ORG | 呟怖

呟怖は、Twitterでハッシュタグ『#呟怖』をつけてツイートすれば誰でも参加、投稿できる140文字以内の創作・実話の怖い話です。呟怖.ORGには、日々投稿される呟怖から転載または朗読やイラストなど二次利用を許可されたものが集まっています。作品の二次利用に関する約束は掲載作品の転載、二次利用についてをご覧ください。自分の呟怖作品も、他の掲載作品同様に読んでいいよ・描いていいよという方は、ぜひ参加ボタンから呟怖作家としてご参加ください。その他ご不明なことはガイドをご覧ください。

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呟怖.ORGと参加について

早朝、近所を散歩していると
ゴミ捨て場の方からガラガラと音がする
袋詰めの空き缶を連想したが、回収日だっただろうか

そんなことを考えながら、ゴミ捨て場に差し掛かると
一本の直立した空き缶が、かすかに身を悶え
ガラガラと音を鳴らしていた

#呟怖

チャット AI に、死後の国について尋ねた男

AI: 死後の国は、信仰によって解釈が異なります。
AI: しかし、いずれも生前の行いが反映され
AI: 牛と馬の顔をした人間が、ずっとあなたを待っていますよ。

"正確な回答を返すよう設計されています" と結ばれると、どこからか獣の匂いがしたという

#呟怖 https://t.co/C1ZDnnE4Z7

ベルガモットの香りには、心を落ち着かせる作用がある

一人きりの車内、助手席に不意に現れた気配と共に
それが香るのでなければ

#呟怖

深夜、一人オフィスで事務作業をしていると
足首に何かが触れた気がした

椅子を引き、デスクの下を覗き込むと
屈んだ背中にトンと、小さな手が置かれる

それは、指を曲げながら私の背筋をなで
そのままフッと離れて消えた

#呟怖

夕食のシチューは美味しかった
布団に入って読んだ本は、いまいちだった
そこから先は覚えていない

気がついたときには、体温も心音も失くして
知らぬ景色の中に立つ

夜。ブランコと満月と、視線の置き場を探す私は
どうしたらいいのか分からない死体

#呟怖 https://t.co/UQKfyjE6Dw

テーブルの急須がカタカタと音を鳴らしている
部屋を見渡したが、他に揺れている物はない

恐る恐る蓋を摘まみあげる
すると、中から細いツタが伸び
返せと言わんばかりに、私の手から蓋をかすめると
元の通り急須に収め、それきり静かになった

#呟怖

テンテンとゴム毬の音がしたかと思えば
ライムグリーンのそれは、私の横を跳ね道路へ躍り出た

子供が飛び出すかと身構えたが、辺りに人影はない
不思議に思っていると、道路から破裂音が聞こえた

水風船が爆ぜるような音がした方を見れば
赤黒い水たまりに、潰れたライムグリーンが沈んでいる

#呟怖

恐るべき呪物の展示を行う、会員制のアングラ美術館
今期の目玉は、あの "両面宿儺" のミイラであったが

「バカ野郎!とんだ偽物掴まされやがって!」

「じゃあ、どうしたらいいんですか」

「今さら、どうもこうも無いだろう…」

「ここに在りますよ」

「やかましい」

#呟怖 https://t.co/R5TOLCkFlf

酒の席で男が手品を披露している
彼は借りた500円玉を、握った手から消してみせ
ちゃんと返しますからと、おどけてもう一度拳を握った

再び拳が開かれると、そこには血濡れの歯が一本
男はギャッというと、頬を抑え店から飛び出していった

#呟怖

洗濯物を取り込んでいると
電線に引っ掛かった何かが揺れている
目を凝らせば、それは作り物の手首

不思議に思って、ベランダから下を見れば
手首のないマネキンが、ジッとこちらを見上げていた

#呟怖

中古ゲーム屋の福袋から出てきた
いかにもクオリティの低そうなソフト
主人公に自分の名前をつけ、ゲームを始めたが
結局ロクに遊ばずに、その晩は眠りについた

今朝になって、ゲームが見当たらない
そして今、私は自分の名前が思い出せない
誰か、あのゲームの行方を知らないだろうか

#呟怖 https://t.co/NEGZCX3x0i

ある子どもが、母に語るところによれば
自分は前世で、ある日の母の朝食だったという

そして如何にして自身が
砕かれ千切られ焼かれ喰われたかを
克明に語りだしたのだそうだ

#呟怖

曰く付きの品ばかりを集め、骨董屋を営む男がいたが
ある時、強盗に首を斬られ亡くなった

犯人は店の金には手を付けず
代わりに、窓辺の棚に並んでいた壺を
全て持ち去ったという

近隣住民によれば、事件のあった晩
聞きなれない男の怒号が聞こえたそうだ

"晒し首とは悪趣味な!成敗!"

#呟怖 https://t.co/LPmIAeR5n3

小正月には、神社で人々が正月の物を火にくべる
餅や蜜柑を竿に吊るして炙る子供たち
うっかり落として、残念がる姿も風物詩であるが
祖母は、焚火に潜む手に取られているのだと言っていた

事の真偽は分からないが、祖母の横で炙った蜜柑は
不思議と一度も、落としたことがない

#呟怖

掃除をしようと神棚を下ろしたときのこと
床に敷いた紙にそれを置いてみると
積もった埃についた私の左手形には
どういうわけだか、指が一本多かった

#呟怖

幽霊の正体見たり枯れ尾花
見えぬ御霊は君を見返す

#呟怖

観葉植物の模様が顔に見える
そう思ってしまうと不気味で仕方がない
ある日、耐えきれず捨てることにした

鉢から袋へ、口を固く縛り、息をつく
少しばかり軽くなった心で洗面台へ
水を出そうと伸ばした手が視界に入ると
無駄だよと笑う顔が、手の甲に浮かんでいた

#呟怖

"日照時間が短いと、人は心が弱くなる"

夏の頃は声だけだった同居人が
嬉しそうな顔で、そう教えてくれた

#呟怖

雪山のリフトから飛び降りてしまったら…
などと考えていたら、横の友人が "そうだな" と呟き
そのままひょいと飛び降りてしまった
驚いて下を見るも姿はない

狼狽しながらも、着いたリフト降り場で
同じような表情をした、件の友人と目が合った

#呟怖

幼少の頃、何度か遊んだ女の子
しかし親も友人も、彼女を覚えていないという

田舎に帰った時、皆で遊んだ藪の広場をふと思い出す

そこには記憶よりも更に朽ちた、トタンの山があり
陰には女の子の名が書かれた、カビたぬいぐるみが座っていた
なぜだかそれに、酷く心を惹かれるのだった

#呟怖

パプリカの断面が、口を開けた化物に見えると聞いた
早速買いに行き、家に帰って半分に割る
なるほど、ずいぶん不気味に見える

SNS に上げようと、スマートフォンを構えると
液晶越しのそれには、びっしりと人間の歯が生えていた

#呟怖

歌いながら毬をつく少女の怪異から
毬を奪い取ってみたのだと男は言った
曰くその毬は全く弾まず
まるで石のようだったという

つまり、それだけ毬つきが上手かったのだなぁ

彼女の手と地面を行き来しながら
男の頭はそう語る

#呟怖

幼い頃、友人と自転車で並走する私は
道の赤黒い染みに、急ブレーキを握る
友人も私に倣ったが、彼には見えないらしい

その時、目の前を車が横切り、壁に追突した
運転手は、すぐにハンドルを切り、走り去る

車の陰から、再び現れたアスファルト
赤黒い染みは、いつの間にか消えていた

#呟怖

酔うと本性が出るのは妖怪も同じで
小豆研ぎなら研ぎ出すし
猫又はもうニャーとしか言わない

え、何の話って?
いや、火消婆と飲み比べをしましてね
とびきり強いウォッカを盛ってやったんですよ
それで、タバコ吸おうとライター点けたら…

火事から助け出された男は
事情を聞かれそう語った

#呟怖 https://t.co/gg2uTLzztK

仲間に入れろと児童の輪に入る、一人の少年
手を使わずに逆立ちをしてやるから見ていろという

彼は頭を地面につけると、そのまま器用に倒立する
感心して眺める少年たちに向かって
逆さまの体の下では、正位置の顔が
"どんなもんだ" と歯を剥いて笑っている

#呟怖

風が冷たくなったころ
今年初めての手袋をはめることにした

クローゼットから取り出し、試しに手を入れると
まるで押し出されたように、何者かの手が現れる

手袋に穴をあけることもなく、躍り出たそれは
ぼとりとフローリングに落ちると
塵のように爆ぜてしまった

#呟怖

夕暮れの散歩道
足元に細かな白いものが落ちている
途切れながらも線を引くそれを辿り
前方を見ると、老婆が米袋を引いている

歩を早め、声をかけようとしたが、すんでの所でやめた
改めて足元を見て気づいたのだ
細かな白いものは、無数の生爪であった

#呟怖

目から星が飛ぶ、なんて漫画的表現があるが
泥酔した男が、道路標識に激突した時
実際に目から星が飛ぶのを見た

彼はよろめきながらも、また歩き出したが
地面に落ちた金平糖のようなそれは、ふるふると震え
行くな…行くな…と微かに呻いている

#呟怖

アーケード街をパレードが通る
面をした男女が笛の音に踊り、練り歩く

途中、面を外して回り、またつけるという振りを見た
なぜだか一人だけ、面を外さない者が居た

近くを通った時、チラと見た横顔は
陰が異様に暗く落ち、まるでそこには顔の代わりに
ただただ、黒い闇があるようであった

#呟怖

夜道、猫がこちらを見ている
瞬き一つ、猫など居なかった
あるのはただ、眼差し二つ

#呟怖

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