呟怖.ORG | 呟怖

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呟怖.ORGと参加について

スラリとした体と黒々とした毛髪
そんなものを悪魔と取引した中年男がいた
その結果は、やはりロクなものではない

涙に暮れるその男
せめてこの悪行を誰かに伝えようと思い立つ

しかし残された男の生涯で
人と出会うという稀有な出来事は
ついぞ、起こることはなかったという

#呟怖 https://t.co/zBjAUo76b3

冬が終わり、近所の H 君が居なくなった

しばらくして H 君の学校で、校庭の桜が満開になった
一本だけ、やけに鮮やかな花を咲かせている
学校の噂では H 君がその下に埋まっているらしい

いや?その隣だよ?

#呟怖

目の前のガス台でヤカンが鳴いている

コーヒーを淹れようと、五徳に置いたまではよかった
しばらくして、音に呼ばれキッチンへ出向いたとき
コンロに火をつけ忘れていた事に気がついたのだ

湯気もなく、ピーピーと鳴くそれをどうしたものか
先ほどからずっと、決めあぐねている

#呟怖

昨晩は飲みすぎた
どうやって帰ってきたのか記憶にない

今は何時かと時計を探していると、玄関の扉が開く
見れば大家が作業服の男を従え、ずかずかと入ってくる

何事かと問う私を意に介さず、こちらへ歩む彼らは
そのまま、私をすり抜けていった
#呟怖

珍しい用事で早朝に家を出ると
顔をこわばらせた男が、直立不動で佇んでいた
関わるべきでないなと、足早に前を通り過ぎる

すると背後で破裂音がした
驚いて振り返ると、男の姿はなく
はじけ飛んだ衣類だけが、その場に残されていた

#呟怖

ある映画のエンドロールには、一人の男の名しかない
金にものを言わせ、全て自分の仕事であるかのように
クレジットを改変したのだという

映画が公開されて間もなく、男は変死した
死因は過労と老衰で、まるで何十人もの人生を
一度に過ごしたかのようであったそうだ

#呟怖 https://t.co/d4iNOPYhYy

チョコレートをかじると、トロリと何かが流れ出た
パッケージを見るが、洋酒が入っているものではない
恐る恐る吐き出すと、口に入れた物とは似ても似つかぬ
つぶれた目玉が、そこにはあった

#呟怖

電線の隙間を縫うように、大きな金魚が数匹飛んでいる
呆気に取られていると、カラスが舞い降りた
カラスは金魚を食らいつくし、こちらに気づくと
首をひねりながら、ジッと見返してくる

数日前に道端で倒れ、視力を失ったという男は
最後に見た景色をそう語った

#呟怖

粗大ごみの冷蔵庫を見かけた
何故だかその扉を、開かねばならないと思った
人目を気にしながら、そっと扉を開くも
特に変わった所はない

気恥ずかしく思い、パタリと扉を閉めると
貼られた回収シールに、感謝の言葉が書き足されていた

#呟怖

空き缶を潰すと妙な手応えがあった
訝しんで揺するが、何かが入っている様子もなく
手に感じる重みも、空のアルミ缶のそれである

気のせいかと、思い直したとき
左の足首を何者かに、ギュッと握られた

#呟怖

電車に揺られていると、隣の少女が不意に笑う
横目で見れば、スマートフォンを覗き込んでいる
今の子は何を面白く感じるのだろうな、と思いながら視線を前に戻すと
隣に座っていたはずの少女が、すぐ目の前に立ち
奇妙な図形が表示された液晶を、私に向かい掲げていた

#呟怖

"血と海水はよく似ている"

寺院のワイン蔵に忍び込んだ男達は
呑気に雑学を披露し合い、仕事を始めた

"ワインは聖者の血の象徴だというから"
"じゃあ、ここは海みたいなもんだな"

そのとき巨大な樽が爆ぜ、つややかな鱗と輝く瞳が
溢れるワインの海を泳ぎ、這い出してきたという

#呟怖 https://t.co/CuLYD7YUYZ

ぼんやりと浸かっていた湯舟から上がる
温かい湯から抜け、少し肌寒い空気を感じて振り向けば
湯舟の中に沈みゆく、私の体がそこにあった

#呟怖

ショッピングモールをぶらついていると
服屋の店頭に、マネキンが並んでいた
しばらく行くと、次は楽器屋の前に
書店、食事処、アイスクリーム屋
あらゆる店頭にマネキンが並んでいる

不思議に思いながらも、車にもどると
私の車の前にも、それらは並んでいた

#呟怖

黒い肌着に洗剤が白く溶け残っている
指で触れようとすると、それは虫のように這って逃げた
思わず取り落した洗濯物の裏に回り込んだそれは
しかし、めくり上げるとどこにも見当たらない

#呟怖

目の前に見える顔が、何やらわめいている
大きく目を剥きながら、喉元を掻き毟り出す
苦しみ抜いて今、命尽きるかのような形相をしている

洗面台に立つ私はただ、呆然とするしかなかった

#呟怖

早朝、近所を散歩していると
ゴミ捨て場の方からガラガラと音がする
袋詰めの空き缶を連想したが、回収日だっただろうか

そんなことを考えながら、ゴミ捨て場に差し掛かると
一本の直立した空き缶が、かすかに身を悶え
ガラガラと音を鳴らしていた

#呟怖

チャット AI に、死後の国について尋ねた男

AI: 死後の国は、信仰によって解釈が異なります。
AI: しかし、いずれも生前の行いが反映され
AI: 牛と馬の顔をした人間が、ずっとあなたを待っていますよ。

"正確な回答を返すよう設計されています" と結ばれると、どこからか獣の匂いがしたという

#呟怖 https://t.co/C1ZDnnE4Z7

ベルガモットの香りには、心を落ち着かせる作用がある

一人きりの車内、助手席に不意に現れた気配と共に
それが香るのでなければ

#呟怖

深夜、一人オフィスで事務作業をしていると
足首に何かが触れた気がした

椅子を引き、デスクの下を覗き込むと
屈んだ背中にトンと、小さな手が置かれる

それは、指を曲げながら私の背筋をなで
そのままフッと離れて消えた

#呟怖

夕食のシチューは美味しかった
布団に入って読んだ本は、いまいちだった
そこから先は覚えていない

気がついたときには、体温も心音も失くして
知らぬ景色の中に立つ

夜。ブランコと満月と、視線の置き場を探す私は
どうしたらいいのか分からない死体

#呟怖 https://t.co/UQKfyjE6Dw

テーブルの急須がカタカタと音を鳴らしている
部屋を見渡したが、他に揺れている物はない

恐る恐る蓋を摘まみあげる
すると、中から細いツタが伸び
返せと言わんばかりに、私の手から蓋をかすめると
元の通り急須に収め、それきり静かになった

#呟怖

テンテンとゴム毬の音がしたかと思えば
ライムグリーンのそれは、私の横を跳ね道路へ躍り出た

子供が飛び出すかと身構えたが、辺りに人影はない
不思議に思っていると、道路から破裂音が聞こえた

水風船が爆ぜるような音がした方を見れば
赤黒い水たまりに、潰れたライムグリーンが沈んでいる

#呟怖

恐るべき呪物の展示を行う、会員制のアングラ美術館
今期の目玉は、あの "両面宿儺" のミイラであったが

「バカ野郎!とんだ偽物掴まされやがって!」

「じゃあ、どうしたらいいんですか」

「今さら、どうもこうも無いだろう…」

「ここに在りますよ」

「やかましい」

#呟怖 https://t.co/R5TOLCkFlf

酒の席で男が手品を披露している
彼は借りた500円玉を、握った手から消してみせ
ちゃんと返しますからと、おどけてもう一度拳を握った

再び拳が開かれると、そこには血濡れの歯が一本
男はギャッというと、頬を抑え店から飛び出していった

#呟怖

洗濯物を取り込んでいると
電線に引っ掛かった何かが揺れている
目を凝らせば、それは作り物の手首

不思議に思って、ベランダから下を見れば
手首のないマネキンが、ジッとこちらを見上げていた

#呟怖

中古ゲーム屋の福袋から出てきた
いかにもクオリティの低そうなソフト
主人公に自分の名前をつけ、ゲームを始めたが
結局ロクに遊ばずに、その晩は眠りについた

今朝になって、ゲームが見当たらない
そして今、私は自分の名前が思い出せない
誰か、あのゲームの行方を知らないだろうか

#呟怖 https://t.co/NEGZCX3x0i

ある子どもが、母に語るところによれば
自分は前世で、ある日の母の朝食だったという

そして如何にして自身が
砕かれ千切られ焼かれ喰われたかを
克明に語りだしたのだそうだ

#呟怖

曰く付きの品ばかりを集め、骨董屋を営む男がいたが
ある時、強盗に首を斬られ亡くなった

犯人は店の金には手を付けず
代わりに、窓辺の棚に並んでいた壺を
全て持ち去ったという

近隣住民によれば、事件のあった晩
聞きなれない男の怒号が聞こえたそうだ

"晒し首とは悪趣味な!成敗!"

#呟怖 https://t.co/LPmIAeR5n3

小正月には、神社で人々が正月の物を火にくべる
餅や蜜柑を竿に吊るして炙る子供たち
うっかり落として、残念がる姿も風物詩であるが
祖母は、焚火に潜む手に取られているのだと言っていた

事の真偽は分からないが、祖母の横で炙った蜜柑は
不思議と一度も、落としたことがない

#呟怖

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