呟怖.ORG | 呟怖

呟怖は、Twitterでハッシュタグ『#呟怖』をつけてツイートすれば誰でも参加、投稿できる140文字以内の創作・実話の怖い話です。呟怖.ORGには、日々投稿される呟怖から転載または朗読やイラストなど二次利用を許可されたものが集まっています。作品の二次利用に関する約束は掲載作品の転載、二次利用についてをご覧ください。自分の呟怖作品も、他の掲載作品同様に読んでいいよ・描いていいよという方は、ぜひ参加ボタンから呟怖作家としてご参加ください。その他ご不明なことはガイドをご覧ください。

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呟怖.ORGと参加について

大昔、この地域の武者が大ムカデを退治したのだという。そのおかげか、この辺りでムカデを見ない。そんな話をしていると、友人の足元にムカデが現れた。次の瞬間友人が踏み潰す。「確かにここらじゃ見かけないよなあ、生きてるやつは」そう。生きたムカデを見ることは、今の今まで無かったのだ。#呟怖

何十年か前にダムの底に沈んだ村があった。村にあった多くの田んぼや畑が水底となったのは夏も終わりかけた頃だったそうだ。今は真夜中、今宵は新月。ダムを見下ろす場所に俺は立っている。マフラーを巻き直して肩を竦ませ、耳をすます。物悲しく響き渡る、ヒグラシの声が聞こえていた。#呟怖

僕の家のトイレには小窓があって、すぐ裏の街灯の灯りのおかげで、夜中のトイレも電気を点けず入ってしまう。以前は普通に点けていたのだが、ある晩、気付いてしまったのだ。後ろから照らされた先の床に、二人分の影が落ちていることに。それからずっと、夜のトイレでは電気を点けていない。#呟怖

目の前の光景に、幸せを噛み締める。家族の風景はこうあるべきだ。家族全員が集まり、一つのテーブルを囲み、温かい食事をとる。ここまでくるのに苦労した。寝たきりの父を椅子に固定し、薬中の母は薬を打って大人しくさせ、ずっと放浪していた弟は・・・壺を置いただけ。さ、食べましょう。#呟怖

彼女と廃墟に忍び込んだ。「やば~、怖いね」なんて言いながら、スマホで写真を撮っている。「うわ、何これ、血の跡?」地面には数週間前の血痕。「マジで誰か死んだわけ?」そうだ。殺人があった。「ちょっと見て!アンタの後ろ何か写ってる!」ああ。彼女が教えてくれたんだよ、お前のこと。#呟怖

実家でトイレに入っていると、ノックされた。「ちょっとお墓行ってくるけど、一緒に行く?」私は固まった。その声は母だった。しかしここにいるはずはないのだ。なぜなら母は昨夜、階段から突き落とされて病院にいるはずだから。「ねえ、聞いてる?」ドン「お墓、一緒に行く?」ドンドン「来い」#呟怖

雨の中、路線バスを待っていた。道の向こうにはビルがあり、こちら側を鏡のように映している。傘を差す私の後ろには、横に並ぶように4、5人が列を作っている。皆傘を差して思い思いに時間を潰している。暗い鏡の中には、それを下から覗き込むようにして、何人かのこどもが屈む姿があった。#呟怖

友人はわかりやすい奴だった。嘘をつくと目がキョロキョロと動く。「この部屋何かいるか?」廃墟を探検中、そう尋ねると、「ん?うーん・・・」キョロキョロと部屋の隅や俺の後ろ、最後に天井をジッと見つめて、「・・・いないよ」と言う。#呟怖

夜中家に帰ると、リビングへのドア越しに、電気が点いているのがわかった。ドアを開けると娘が振り返り、「おかえりパパ」と言った。まだ小さい娘の頭は、大きなソファからギリギリ見える程度だ。撫でようと踏み出すが、向かい合って設置された真っ暗な大型テレビには、娘の体が映っていない。#呟怖

ピンポーン。西日が差し込む夕方。突然のチャイムにビクッとしてドアののぞき穴を見ると、左側から人影が出てきた。「久しぶり!近くに寄ったから来ちゃった!」数年前に別れたきりの彼女だった。西日が当たる笑顔は昔のまま。絶対に開けてはいけない。ここは4階建ての角部屋だ。#呟怖

雨の夜道、もうすぐ家に着くというところで、道路脇から飛び出てきた何かを車で轢いた。大きさからして猫か犬。心の中で必死に謝りながら帰宅。念の為、家で車載カメラの映像を確認すると、それは布に包まれていた。少しずつ巻き戻すと、転がり出てきた辺りには、素足を晒した女が蹲っていた。#呟怖

更衣室で一人、着替えていると、後ろから声をかけられた。「やっとだ まってた」ハッとして時計を見ると4:44を表示している。あの噂は本当だったのか。しかし逃げられない。声は背後の、開け放しているはずのロッカーから聞こえる。気付いた時にはもう、狭い視界に捕らわれていた。#呟怖

ふと目覚めると5時直前だった。カーテン越しにもれる光は薄明るい。しかしいつも聞こえる階下の人の気配を感じさせる音がない。親は寝坊しているのか?寝室を見に行くともぬけの殻だ。そこから見える駐車場には車が無い。一体どこへ・・・?その時、『夕焼けこやけ』のメロディーが鳴り響いた。#呟怖

数年前に兄が社会人生活を始め、今日は久しぶりに帰ってくる日だった。毎日多くの人と関わり、コンビニ弁当を食べ、只管に仕事に打ち込んでいたのだという。ピンポーン。玄関へ向かう。暗い磨り硝子の向こうに影の濃い人影が見える。「ただいま」これは一体、誰だろう。兄は今、墓に入っている。#呟怖

頭を固定されたように首は回らず、下顎が何らかの力によって下から押さえつけられている。歯はうまく噛み合わず、受け口のまま上下からの圧を受ける。その内一本、二本と歯がぐらつき、口も開かぬまま口内にごろごろと溜まっていく。年に一、二度見る夢。私はこれが、一番怖い。#呟怖

数年前に兄が山篭もりを始め、今日はやっと帰ってくる日だった。人との関わりを一切断ち、食料は自給自足、只管に念仏を唱えるのだという。ピンポーン。玄関へ向かう。磨り硝子の向こうに人影が見える。「ただいま!●年ぶり!」これは一体、誰だろう。兄は今、風呂に入っている。#呟怖

下4桁に『64』を含むある電話番号にコールすると、虫に関する情報を得られるのだという。どこの街灯に蛾がよく集まるだとか、どの辺りにハエが集まっているだとか、その日に踏まれたアリの数だとか。真偽は定かではないが、最後に教えてくれるのは、自分の家のゴキブリの数なのだとか。#呟怖

俺は一人暮らしなので、風呂を沸かすのももったいなく思う。昨夜は少し奮発して買ったにごり湯の入浴剤を入れたのだった。栓を抜いて風呂場から出る。10分後、ズゴゴ、と詰まったような音が聞こえたので見に行くと、大量の長い髪の毛が排水口に集まっている。こういうシェアはいやだ。
#呟怖

新しく近所にできたステーキ屋さん、やたらと評判がいいので「変な肉でも使ってるんじゃないの?」なんて友人とふざけて笑っていた。すると先週越してきた転校生が、その店の割引チケットをくれた。それで今、包丁を持つコックが目の前で肉を捌いているわけだけど。なるほど、そういうことか。#呟怖

いくら猫を飼っても懐かれない。飼う度に手を尽くしているのに。餌も与える。毛づくろいもする。嫌がってもシャワーで汚れを取ってやる。寝床もちゃんと用意して、玩具だってたくさん。こんなに手を掛けているのに、猫を何度飼っても懐かれない。今回も駄目だった。これで何度目だろう。#呟怖

朝になる。起きる。夜がくる。眠る。ハッとして目が覚める。ああ、夢か。起きる。夜がきて、眠る。夢を見る。ハッとして目が覚める。夢の中で起きた夢を見ていたようだ。眠る。朝がくる。眠る。ハッとして夢を見る。起きる。夜がきて起きる。眠る。朝がきて眠る。夢を見ない。眠る。夢を見ない。#呟怖

水道を捻ると、水の代わりに音が出てきた。スカ、スカ、とした空気の抜けるような音。もっと捻ると、今度はゴボ、と聞こえた。奥で何かが詰まっているような。「ちょっと、何?やめてよ」後ろの母が嫌そうに言う。「変な目で見られるでしょ」ここはホームセンターである。#呟怖

引っ越して翌日の早朝、初めての散歩ルートで犬の散歩をしている途中、ゴミ置き場を通り掛かった。何羽かのカラスがゴミ袋をつついている。すると急に、犬へ襲いかかってきた。なんとか逃げきり、執拗に狙われた顔の辺りを見るが、ケガは無かった。よかった、刳り抜いておいて。#呟怖

真夜中にふと目が覚める。ぼんやりしていると、床で寝ていた飼い犬が、枕元に顎を乗せてきた。「なぁに、お前も起きたの?」と小さく呟きながら触れようとして、体ごとのけぞった。「(なん、だ、『これ』)」どうやってここに。ロフトベッドの枕元に、どうやって顎だけを乗せているの。#呟怖

私の幼馴染みは、よく庭の木を伝っては、二階にある窓から私の部屋に入ってきていた。しかし、つい先日台風がこの地域に直撃し、庭の木は倒れてしまった。私の部屋も窓ガラスが割れ、つい昨日直してもらったばかりなのだ。そして今日も窓がコツンと鳴る。しかし開けてはならないのだ。絶対に。#呟怖

一つ目は奇形。三つ目は妖怪。六つ目はモノノケ。地道にコレクションをし続けて、やっとのことできりの良い百まで集めた。ナンバリングするのも大変な作業だったけれど、残るはあと一つ。『2』と書いて、満足感に浸る。透明な緑の液体は少し冷たい。さあ、これで僕のコレクションが完成。#呟怖

その、海面から反り立つ船の舳のような崖は、『そういう』名所だった。三週間前、友人がそこから身を投げた。友人はいわゆる『ネット配信』をしながら飛び降りたのだ。しかし、未だに葬式があがらない。現在の閲覧者は1名。パスワード制の形式で配信をしているのだ。これは二人だけの秘密。#呟怖

太陽の照りつく畦道。ふと見た先には白いモヤのようなもの。ハッと思い出す。見たら精神を蝕まれるという。見てはいけない、視線を逸らさなければ。しかし見てしまう。そのモヤの目の前には近所のおばあちゃん。そしてその後ろには迫り来る軽トラック。ああ、間に合わない。#呟怖

この学校では月に一度、服装検査がある。当然髪の毛もチェック対象だ。長すぎる前髪はNG。出席番号が最後の私は、いつも端っこに並ぶ。すると決まって、地縛霊のようなやつがスッと肩を並べる。『いやいや、あんた必要ないだろ。』とツッコみたくなる。だって全身丸焦げなんだから。#呟怖

「二人だけの秘密だよ」と再婚した妻の連れ子が言った。小さい手がノートをめくる。「これ、お母さんの」それは、急に体調を崩し、床に伏すようになり、投薬治療の末亡くなった彼女の闘病記だった。最後はこう締め括られている。「これで娘ともオサラバ。重荷が消える。」声を殺し、俺は泣いた。#呟怖

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