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呟怖は、Twitterでハッシュタグ『#呟怖』をつけてツイートすれば誰でも参加、投稿できる140文字以内の創作・実話の怖い話です。呟怖.ORGには、日々投稿される呟怖から転載または朗読やイラストなど二次利用を許可されたものが集まっています。作品の二次利用に関する約束は掲載作品の転載、二次利用についてをご覧ください。自分の呟怖作品も、他の掲載作品同様に読んでいいよ・描いていいよという方は、ぜひ参加ボタンから呟怖作家としてご参加ください。その他ご不明なことはガイドをご覧ください。

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呟怖.ORGと参加について

この時期桜の写真を撮る人間をよく見掛けるのだが、注意してもらいたい点がいくつかある。なるべく花を写すこと。全体を撮るなら遠景にすること。桜と一緒に自分を写さないこと。桜の樹に触れないこと。根元には立たないこと。桜の写真に何かが写ったら、決して人には話さないこと。#呟怖

ある女優がSNSに写真を投稿していたのだが、近頃様子がおかしい。変わり始めた時期は、と興味本位で投稿写真を遡る。すると、海外旅行先で一体の人形を買ってからのようだった。そして違和感の正体に気付いた。元々自撮り写真が多いのだが、どの写真の瞳にも、人形が映り込んでいたのだ。#呟怖

美しい桜には霊が集まる。大きな桜程集まってくる。その根元に棲み着こうと寄り集まるのだ。昔は美しい桜も、夜は暗闇に潜んでいた。今では暗闇に、美しく大きな桜こそ浮かび上がる。生きている人間が何も知らずにライトアップして見せつけるのだ。『どうぞ、こちらです』と言わんばかりに。#呟怖

僕の住む地区では、17時になると『ゆうやけこやけ』のメロディーが流れる。子供たちはそこで必ず帰らなくてはいけない。僕の家のベランダからは公園が見えるのだが、一度放送後の公園を見ていたことがある。一人だけ残って片付けにもたつく子どもが、大量のカラスの群れに呑み込まれてしまった。#呟怖

仕事中に机の下、隠れてスマホをいじっていると、スマホの向こう側を何かが過ぎった。一瞬だったので見間違いかと思ったが、足元に違和感を感じたのでスマホをどかして見る。机の下、陰の中に真っ赤な口が開いて歯を剥き出しにしていた。#呟怖

最寄りの駅で、他は満杯でも必ず一つだけ空いているコインロッカーがあった。友人曰く「なんか隅の方に虫が溜まってるんだって」。さすがに駅員が掃除するのでは?と思い一度覗いてみたが、確かにあれでは誰も使わないだろう。何せ開けた扉の向こうに別の誰かがいるのだから。#呟怖

僕の友人に双子がいる。その片割れが亡くなった。忌引が終わり登校した片割れは、様子がおかしかった。喪失感からなのか、亡くなった方の代わりをするかのように振る舞っていた。翌日登校すると、俯いたまま、元の席に座った。声をかけて上がった顔を見て気付いた。こっちが生きている方だ。#呟怖

息子は理科室が怖いのだと言う。人体模型か標本か、その辺りだろうと思っていたら、どうも違うようだ。理科係で鍵を開けに行くと、必ず中からチョークで黒板に書く音がするそうだ。開けてみるが、案の定誰もいない。黒板にも書かれていない。ただただ、音が聞こえると言うのだ。それが怖い、と。#呟怖

私の職場には三面鏡がある。両側の鏡は直角よりも開いていて、体を少し捻ると後頭部も簡単に見ることができた。ある日髪を整えようと三面鏡を覗き込むと、一面だけありえない映り方をしていた。それに気付いた瞬間昏倒した。後で聞くところによると、鏡は割れて、私の拳は血塗れだったそうだ。#呟怖

母と一緒に寝具売場を見ていた。布団カバーや低反発の枕などが並んでいる。飽きてきた私は毛布のコーナーで、色々な毛布の手触りを確かめていた。きれいに折りたたまれた毛布の間に手を突っ込んでは「好き」「嫌い」と呟く。最後の毛布に突っ込んだ瞬間、「嫌い」と耳元で聞こえた。#呟怖

「昔ここで溺れた子がいたらしいよ」真夏の体育、プールの授業を見学するベンチで友人が言った。「で、その噂をすると出るんだって。今ね、耳元でゴボゴボって聞こえるの」適当に相槌を打つが、私の目は、正面を通り過ぎた男子の脚にしがみつく手をじっと見つめていた。#呟怖

桜の木の根元には死体が埋まっていると言う。桜にとっては迷惑な話だろう。そういった固定概念によって生まれるモノもあると聞く。それはそれとして、今朝からこの町は騒がしい。観光地としても賑わう桜並木が、軒並み残らず根元を掘り返されたそうだ。それも一晩で。一体何の仕業だろうか。#呟怖

夜の内に捨ててしまおうかと思い、窓からゴミ捨て場を覗いた。道を挟んだ向かい側にはもう2、3個のゴミ袋がある。そこから何かが出てきた。野良猫だろうか。よく見ていると、動きがぎこちない。少しずつ、少しずつ出てくる体からは何かが伸びている。弱々しく聞こえてくるのは、産声だった。#呟怖

中学生の時に引っ越した。それまではマンションの一室に住んでいたが、一軒家へ移ったのだ。その内気付いたのだが、夢に“自宅”として再現されるのはいつもマンションの方なのだ。引っ越してから10年経っても変わらない。夢に出る私は、中学生のまま成長することが無い。きっと、このまま、一生。#呟怖

小学校の時の通学路には地縛霊のようなモノがいた。いつも電柱と塀の隙間に身をねじ込むようにしていたので、顔はわからなかった。中学にあがり、別の通学路となった。数ヶ月後なんとなしに見に行くと、塀のあった家は取り壊され、一本自宅に近い電柱にソレが挟まっていた。#呟怖

課題をするために図書館に行った。なるべく人のいないところでやろうと、隅の方を選んで座る。途中で資料が床に落ち、慌てて拾うと目の前から何かを感じた。が、そこには薄い日差しの差し込む窓があるだけだ。なんとなしにカーテンを指で除けると、そこにはぽっかりと満月が浮かんでいた。#呟怖

これだけは覚えている。小学校の帰り道、いつもペットの犬を撫でさせてもらった家に立ち寄ると、犬だけがいなくなっていた。その家のおばあさんが犬小屋の前に蹲っていて、こちらに気付き「あら!」と驚いたように言う。「おかえり、どこ行ってたの?○○」それから、名前も家も、思い出せない。#呟怖

「水に流す」とはよく言ったものである。彼は昨夜のことを無かったことにしたいらしい。「なあ、頼むよ。水に流してくれ」でもお生憎様、そんな軽々と忘れられるものじゃないのよ。じっくりと時間をかけて、お望み通り「水に流して」あげるわ。翌日から、私は銭湯に通うことにした。#呟怖

夕暮れの町に放送が流れる。誰もが知る童謡のメロディーだ。その歌詞の通り、どこかでカラスが鳴いた。帰ろう。自転車に足をかけた先に、何かが飛び出してきた。黒猫!横切られたら不運という。よく見ると、赤黒い何かを咥えている。「ガァ」ソレが一鳴きすると、黒猫は走り去った。#呟怖

友人のアパートを訪ねてエレベーターに乗った。3階のボタンを押す。1分経ったが、着かない。電子パネルは移動中の表示だが、なかなか着かない。エレベーターの故障か?緊急ボタンに手を伸ばしかけたところで、気付く。パネルのすぐ下、監視カメラ映像。天井から伸びる腕が4階を押していた。#呟怖

夜の混み合う電車内。窓側を向いて吊革を掴んでいた。何気なく見た窓越しの車内風景。同様に吊革を掴む人、人越しに吊革へ手を伸ばす人。吊革に腕を通している人。「えっ」思わず小さな声が出る。人の頭、肩越しに、二の腕から肘、手首、指先だけが見えている。あれは人間なのだろうか。#呟怖

春の日に、ハクモクレンが花弁を広げている。木のてっぺんは見上げるほどだ。ふと視線を下げると、幹の向こう側に春らしい薄手のニットを着た女が立っている。もう一度ハクモクレンの木を見上げる。てっぺんの辺りから、ちらりと目が覗く。長い首だなあ。#呟怖

駅の公衆トイレで用を足していると、うめき声のようなものが聞こえてきた。別の個室で酔っぱらいが戻しているのだろうか。しかし今は私以外いないはずだ。よく聞くと、それは下、床から聞こえる。少し体を折って下を覗き込もうとして、急いでトイレを出た。あれは、きっと、産声だったのだ。#呟怖

花瓶の周りが濡れている。こぼした覚えは無いのに。不思議に思って花瓶を持ち上げて拭こうとすると、活けてある花の茎の間に指のようなものが飛び出していることに気付いた。ああ、まただ。私はそばにあったはさみでその指をねじ切った。のたうつように引っ込み、指先を落としていく。ぱくり。#呟怖

道端に口紅が落ちていた。鮮やかな赤が少し暗くなった、血のような赤の口紅。それを真上から子どもの霊が眺めている。直立不動で首だけを折るようにして見下ろしている。やがて子どもは地面に這いつくばり、口を近付ける。 ぱく り 隠れた口紅が姿を現すと、赤い色だけがそこに残っていた。#呟怖

夕方の校舎にペタペタと足音が響く。忘れ物をした子どもが、上履きも履かずに歩き回っているのだ。よく聞くと、足音は二人分ある。一人の足音は下へ向かい、やがて靴が砂を蹴りつける音に変わった。もう一人の足音は階段を上がり、そのまま、戻ることはなかった。#呟怖

夜の岬で車を停めた。それまで車内を震わせ続けていたエンジン音が途切れ、途端に静けさが充満する。静寂が耳に痛いとはこのことか。「おいで」耳元で声がした。後部座席のドアが開く。重心が前にかかり、車は、バランスを、崩して、海へ、#呟怖

河川敷で枯草を焼き払う作業が行われていた。高く盛られた土手から見下ろすと、所々にできた焼け跡は暗い底無し沼のようだった。そこへカラスが一羽降り立つと、何かを貪るように地面を突く。ネズミか何か、巻き込まれて焼けたのかと思い見ていると、カラスはそのまま沈むように消えていった。#呟怖

深夜残業。今職場には俺しかいない。なんでこんな時に限って、ぼんやりと窓の方なんか見てしまったのだろう。いつもと同じ職場の風景。いつもと違う社員の様子。いや、様子だけじゃない。まず「モノ」自体が違う。成り代わって居座るそいつらは、窓越しに俺を見ていた。#呟怖

今はもう無い父の実家は、確か2階建てであった。幼い頃の記憶なので曖昧だが、家の中には階段があり、外からはそれだけの高さがある家だった。何度も足を運んだはずだが、2階へ行った記憶が無い。父に尋ねると、その瞬間憤怒の形相となり「2階なんて無い!」と怒鳴られた。#呟怖

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