呟怖.ORG | 呟怖

呟怖は、Twitterでハッシュタグ『#呟怖』をつけてツイートすれば誰でも参加、投稿できる140文字以内の創作・実話の怖い話です。呟怖.ORGには、日々投稿される呟怖から転載または朗読やイラストなど二次利用を許可されたものが集まっています。作品の二次利用に関する約束は掲載作品の転載、二次利用についてをご覧ください。自分の呟怖作品も、他の掲載作品同様に読んでいいよ・描いていいよという方は、ぜひ参加ボタンから呟怖作家としてご参加ください。その他ご不明なことはガイドをご覧ください。

参加メンバーはこちら

呟怖.ORGと参加について

#呟怖

かしーこみーかしーこみー

静寂(しじま)を破り
ダミ声が響く

かしーこみーかしーこまー
かしーこめーかしーこもーう

山伏と神主を足したような服の
高下駄の男が
ツーステップで
駆け降りてくる

かしーこまーればー
かしーこむーときー

声を張り上げ

俺の
目の前の鳥居を抜けて

消えた https://t.co/2XVRLe8eCz

#呟怖

幼少期
父の田舎の男の子
鳥居の向こう住んでた子

いつも鳥居で待ち合わせ

祖母の家で遊ぼうと
キミん家行って遊ぼうと
誘ってみても首を振る

お外じゃないと会えないと
お山じゃないと会えないと

名前を一度聞いたけど
恐ろしいと言っただけ

あれきり会えないお友達

僕の友達
おとろし様 https://t.co/2XVRLe8eCz

#呟怖

これは写真家のAさんが撮った写真です

鳥居が見えますね
周囲は森のようです

ここは実際には明るく開けていて
一年中
無数の曼珠沙華が咲く場所なんです

知ってますか?
曼珠沙華ってクローン株なんですよ

もしかしたら
最初の曼珠沙華の
昔の記憶が
写真に写し取られたのかも
知れませんね https://t.co/2XVRLe8eCz

#呟怖

あのね
私ね

内緒話をするように
手を口に添える

お嫁さんになるの

認知症の祖母は
よく同じ話をする

お馬に乗って
白無垢着てね
神様にお嫁入りするの

いつものように聞き流した
翌朝
祖母は眠ったまま亡くなっていた

祖母の実家の裏の鳥居が
倒れたと連絡があったのと
同じ日だった https://t.co/2XVRLe8eCz

#呟怖

何って
あい(あれ)は鳥居よ

アンタん住んどるとこにも
お(居)らすやろ?

まいんち(毎日)夕方んなると
お告げば喋りよらす

ここんとは
誰かがとか何時にとか
そういうんは言わんのよ

っぽい事を言うとばってん
たいがいは大した事んなか

え?
アンタん名前呼んだと?

そうね(そうですか) https://t.co/2XVRLe8eCz

#呟怖

毎日朝晩通る道
古い鳥居がひっそりと
成りをひそめて立っている

綺麗な紙垂(しで)が見えたなら
今日は良い事あるでしょう

いつもの注連縄見えたなら
何かがあっても大丈夫

鳥居がニッコリ笑うなら
お気を付けてと
義理の母

何が起こるかわからぬと
仏壇の中
閉じ籠る https://t.co/2XVRLe8eCz

#呟怖

神様神様
今年も良い天気ですね

神様神様
うちの子が生まれました

神様神様
寒くなりましたね

神様神様…

少しずつ…
少しずつ…
減っていった
私の可愛い人間達は
いつの間にやら
すっかり見なくなってしまった

人間は

消えてしまったのだろうか?

少しだけ…

山を
おりて
みようか https://t.co/2XVRLe8eCz

#呟怖

ある日
妻が
とある神社に言ってみたいと
スマホを見せてきた

山の上にあるという寂れたソレは
進んで行きたいような場所には
見えなかったが
妻が楽しそうなので了承した

止めておけば良かった

妻が
鳥居を見つけたと走る

私には見えない

鳥居をくぐったはずの妻も

鳥居も

見えなかった https://t.co/2XVRLe8eCz

#呟怖

誰も知らない 神様を
探して見つけ 祀りましょう

誰も知らない 神様を
見つけ捕まえ 閉じ込めて
お社建てて 鳥居立て
コワイコワイと 囃し立て
私の代わりに あの人を
祟って呪って 粉にして

誰も知らない 神様に
お願い事をしたならば
花と 団栗 そして骨

社の下に埋めましょう https://t.co/2XVRLe8eCz

#呟怖

そう高くない山に
軽く登る事になった

事前にルートも調べ
情報も集めた

だが気付けば
皆とはぐれ
地図には無かった鳥居の前に居る

荷物も無い
リュックもカメラバッグも



俺のライカが
鳥居のあちらに
落ちている

思わず駆け寄ろうとして
足がもつれ
転んだ

甲高い
笑い声が
響いた https://t.co/2XVRLe8eCz

#呟怖

これは写真家のAさんが撮った写真です

車体に彼岸花の模様が入っているのが特徴ですね

耳を澄ませてください

写真から音が聞こえるでしょう?

これね
よく聞くと
怪談になってるんですよ

怪談を語る列車の写真なんです

お安くしておきますよ
大丈夫
害はありません

今のところは… https://t.co/r0FnqgWfQb

#呟怖

なぁ
よく親が子供に
「お前は橋の下で拾った子供だ」と
言うだろう?

あれな
彼岸と此岸にかかる橋
つまり
死と生の狭間って意味なんだぜ

俺さ
踏切の下で拾った子なんだって
どういう意味だと思う?

この会話の後すぐ
彼は失踪した

だが彼はいつも
あの踏切のあちらから
こちらを見ている https://t.co/r0FnqgWfQb

#呟怖

いつもの朝
いつもの時間
開かずの踏切

いつもの風景
いつもの後ろ姿
今時珍しいセーラー服

白いうなじ
白いスカーフ
細い腰

チラリと見える膝の裏
スラリとのびる脹ら脛

そろりと伸ばした君への指
ふらりと逃げる君の背中

逃げるように
吸い込まれるように
誘うように

踏切の中へ 中へ https://t.co/r0FnqgWfQb

#呟怖

それは
電車の車輪の写真に見えた
スマホの画面
誰が撮った写真なのか

友が見せてくる

「ほら!この二番目!ここ!
口を開けた人の顔があるでしょ?」

心霊写真だと友が言う
手前の踏切から飛び込んだ人の顔だと

仕方なく友の指先を凝視する

そこには

満面の笑顔の友が

映り込んでいた https://t.co/r0FnqgWfQb

#呟怖

息子は電車が好きでね

お前も子供の頃
電車
好きだったななんて
親父に言われて

思い出した

そうだ

俺は

電車が面白くて面白くて
指差して
笑ってたんだ

正確には
車輪に浮かんでいた
変な表情の顔が
面白かった

面白くて面白くて

そう

今の息子のように

遮断機を潜って

触ろうと… https://t.co/r0FnqgWfQb

#呟怖

「もうねぇ、ハヤリを追うのに疲れたんでさぁ」

嗄れ声の主は
白い煙を吐く

「そりゃあ
 若ぇモンらは
 見映えだ何だと
 気にすんだろう?」

炎に包まれた蒸気機関車が
ため息をついた

「歩合制でね。沢山連れて行けるからこりゃあ良いなんて飛び付いてね。火車稼業も楽じゃないわえな」 https://t.co/r0FnqgWfQb

#呟怖

一年前からだろうか
毎日同じ夢を見る
布団の自分の隣に踏切があり
そこを電車が通りすぎる
列車風さえ感じて
恐怖で飛び起きる
そして
またかと息をつく

今日もまた

あの夢だ

遮断機が自分の隣に見えた

背中に違和感を覚える

振動が体に伝わる

遮断桿が
自分を挟み
左右に

あった https://t.co/r0FnqgFcOb

#呟怖

「え~次は~踏切~ふみきり~」

夢うつつに
カチカチと
音が聞こえる

「お乗り越しの~お客様は~
 いらっしゃいませんか~?」

俺は
寝てたのか
ここは?
どこだ?

「おや~?
 無賃乗車ですか~?」

巨大な切符鋏が
カチカチと
歩いて近付く

「ハサミ入れま~す」

頭を
鋏が
鋏んだ https://t.co/r0FnqgFcOb

#呟怖

ガタン ゴトン のリズムに合わせ
貴方が走る 黄昏の
畦道 野っ原 山の上
ひとり残らず 連れて逝く

ガタン ゴトン のリズムに合わせ
電車が走る 憧れの
夢も希望も 将来も
ひとつ残らず 轢いて逝く

ガタン ゴトン のリズムに合わせ
夜風が走る 踏み切りの
向こう 線路の先の先 https://t.co/r0FnqgFcOb

#呟怖

どこまでも どこまでも
夜空を駆けて 星の海

いつまでも いつまでも
錠前かけて ボクの罪

闇に溶け込む 喪に服す

あの地へ行こうと 指切りを
あの地へ行こうと 踏み切りを

乗せてください 車掌さん
乗せてください 運転手さん

置いて行くなと 叫ぶボク
置いていくよと 笑うキミ https://t.co/r0FnqgFcOb

#呟怖

しゅっ
ぽっ
しゅっ
ぽっ
ふみきりでーす

二人の小太りの男性が
交互に言う

ご乗車
くださーい

揃って
首だけで真横を向き
こちらへ真白い歯を見せた

一歩後ずさると
背後にいた老人が
老人達が
俺の背を押す

押され
踏み切りを潜り
男と老人に挟まれ
紐を掴む

しゅっ
ぽっ
しゅっ
ぽっ https://t.co/r0FnqgFcOb

#呟怖

小指に絡まる赤い糸
ナニで染めよか 紡ごうか
紡ぐは細いヒトの縁
染めるは赤い花ヒトツ

小指に絡める赤い糸
ナニで染めよか 紡ごうか
紡ぐは愛(いと)し恋しの念
染めるは悪意の花ヒトツ

貴方に絡める赤い糸
ナニで染まるか 絞めようか
占めるは愛し恋しの念
染めるは貴方の首ヒトツ https://t.co/tSKf73YUgx

#呟怖

赤く細い何かを見留め
つい
と指で摘まんで見せる

花びら一枚
拾ったならば
船賃代わりの乗船券

白く細い指からこぼれ
はらり
と音を立てては踊る

花びら二枚
拾ったならば
名札代わりの三文銭

花びら集めて花にして
花を集めて束にして
花束集めてカラダを作り
カラダを集めた私ができる https://t.co/tSKf73YUgx

#呟怖

川の中洲に唐突に咲く
赤い赤い火花のようなソレ

「彼岸花だねぇ」

友の言葉に
少し考えて
返す

あれは涅槃花だね
なんでって
此岸と彼岸の間にあるだろう?

いつまでも
此岸から逃れられない僕と
いつまでも
彼岸に渡れない君

僕らの居場所は
あの花の咲く
あそこなのかも
しれないね https://t.co/tSKf73YUgx

#呟怖

客がサルミアッキを出した

まぁまぁの太客で
私の売上の八割は彼

お金溜めて
ヨーロッパ留学すると言う
私の言葉を真に受けてる

知らないの?
リコリス菓子って
めっちゃマズイんだよ?

笑って1つ口に入れた

「それね、本当は自分で作ったんだ。やっぱりマズイよね。曼珠沙華だもんね」 https://t.co/tSKf74h3uF

#呟怖

山小屋は
そこだけ何十年も前のような
そんな印象だった

「小学校みたい」

先輩が言った瞬間
チャイムが鳴った

パタパタと廊下を走る音が聞こえる
子供特有の軽い足音

音は
立ち尽くす私達をすりぬけ
雨の中
外へと飛び出して行ったようだ

今日はここに泊まる事になっている

帰りたい https://t.co/G1KwnVwbdE

呟怖.ORG | 呟怖

呟怖.ORG | 呟怖

呟怖は、Twitterでハッシュタグ『#呟怖』をつけてツイートすれば誰でも参加、投稿できる140文字以内の創作・実話の怖い話です。呟怖.ORGには、日々投稿される呟怖から転載または朗読やイラストなど二次利用を許可されたものが集まっています。作品の二次利用に関する約束は掲載作品の転載、二次利用についてをご覧ください。自分の呟怖作品も、他の掲載作品同様に読んでいいよ・描いていいよという方は、ぜひ参加ボタンから呟怖作家としてご参加ください。その他ご不明なことはガイドをご覧ください。