呟怖.ORG | 呟怖

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呟怖.ORGと参加について

来月取り壊される予定の古い校舎は、全面立ち入り禁止になっている。
かつて汗と涙を流したテニスコートも、ひっそりと雨に濡れていた。
よくコーチを怒らせて、コート外周を走らされたっけ。
今、飛沫をあげながら走っているのは、ただの追憶だろうか。それとも……
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弟の部屋は、異様の一言だった。
床中に撒かれている塩。ガムテープで塞がれた蛇口という蛇口。
弟がぶら下がっていた鴨居の下には、メモが落ちていた。
『ついに、薬缶からも出た』
コンロにかけられたままの薬缶から、ポチャンと何かの跳ねる音がした。
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コンビニでたむろしていると、呼ばれた気がして振り向いた。
誰もいなかったが、黄昏に染まった向こうの山の鉄塔が、オイデオイデをするように揺れていた。
目をこすろうとした時、隣の友人が言う。
「あんま見んな。もう少ししたら霊柩車が通るから、親指隠しとけよ」
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断頭台に立つ少女は、呪いをかけた。
呪いは人々の良心に毒薬のように染み込んだ。無実の少女を嘲笑い、その上最期を見物しようと集まった醜悪な姿を、鏡のように見せつけられたのだ。
百年以上が経った今でも、興味本位でこの地で写真を撮る者は、己の最も醜い顔を突きつけられるのだという。
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「世に美しきは雪月花というが、君はもっと美しいよ」
言われてアタシがどんなに嬉しいかわかって欲しくて、胸をまっすぐ裂いてまだ脈打つ心臓を取り出した。
先生は満足そうに頷いて、滴る血をキャンバスに塗り込める。
作品タイトルはアタシの名前にしてね。雪月花より美しい、先生のアタシ。
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彼女がなかなか起きないから、大好きなデイジーをベッドに飾って喜ばせようとしたんだよ。
なのに、僕に内緒で埋めちゃうなんて酷いじゃないか!
腐ったって、彼女は僕の妻なんだ。
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20xx年、身錆病なる病が流行した。
赤青緑茶紫黄白、七色の発疹が身体中に広がり、やがてそれは錆のように身体の動きを妨げるのだ。
やがて心の臓までが錆びついて死に至る。
この病は、今まで一度も罪を犯したことのないものは罹患しないという。
哀しいかな人類は、早晩滅びる運命なのだ。
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白いワンピースが、海の青に映えてきれいでしょ。
──そんなにおめかしして、どこに行くの。
ちょっと、そこまで。
──そっちは、海の底だよ。
ええ。でも、あの人が呼んでるの。
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「馬が騒いでるな」
「また出やがったか」
「何が?」
「昔、諺を証明するって息巻いた馬鹿が、馬に蹴られて死んだ。馬鹿が、幽霊になっても同じことを繰り返しやがる」
「諺って、まさか」
「言うまでもないだろ」
「…そいつのこと、随分嫌ってんだな」
「あいつ、俺の彼女寝取ったんだよ」
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「本の忘れ物、ありませんか?」
「もしあれば僕が返却しておきますよ」
珈琲を差し出すと、男はそれを飲み干して湯気とともに消えてしまった。
しかし、彼はきっと明日も現れる。本の返却期限が心残りなのだ。
「律儀だねぇ」
店主は本の裏表紙の、すでに廃館となった古い図書館印を撫でた。
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日めくりカレンダーの上を、長い尻尾が左右に動く。
「あぁ、ごめんね、鈴」
鈴は不思議な猫で、カレンダーがお気に入りなのだ。毎日めくらないとこうやって催促される。三年前に死んでからも、ずっとだ。
尻尾が満足そうに大きく揺れた。
彼女は今、暦の神様にでもお仕えしているのだろう。
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庭の銀杏の木から、奇妙な音がする。

ポン、ポン…ドサッ

それは昔意地悪な子供が、木の上の烏の巣に鞠をぶつけて落とした音なのだそうだ。

ピィ、ピィ…

巣の中の雛は死んでしまい、

ギィヤァァァ…

怒った親鳥に、子供は目玉を抉られたという。
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彼の家は一等地のタワマンで、その部屋には圧倒された。
赤い間接照明が、高級感と妖しさを演出している。
少し気後れして話題を壁一面の窓に向けると、彼は一気にカーテンを開いた。
それは窓ではなく、巨大な水槽だった。中には……
「綺麗な魚でしょ。君もこれから、彼女たちの仲間だよ」
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あそこの交差点、事故多発地帯だって?
そんなの、言われなくってもわかるよ。
だって信号機に、恨めしそうな女が首だけでぶら下がってんだもん。
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ひらひらと舞う蝶になっていたの。
陽の光を浴びて翅は虹色に輝いて、金の鱗粉を散らす私を誰もがうっとりと眺めたわ。
あぁ、それなのに。

「おい、あんた! 起きろ‼︎」

夢から覚めたくないのに。

「こんなわかりやすい毒キノコ食うなんて、馬鹿か」

ほらね。現実は無粋なんだもの。
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突然現れたその手を取るのを、一瞬躊躇してしまった。
「落ちねぇんだ、コレ」と苦笑いしながらも、一応服でペンキ塗れの手を拭うあなた。
そんなことしたって落ちないわよ。幽霊は死ぬ間際の姿から変われないっていうじゃない。
今度は自分から、あなたの手をギュッと握った。
もう離さないわ。
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この狛犬、変な格好。

友達はそう笑ったが、私は理由を知っている。
満月の晩、境内で彼らは踊ってるのよ。飛んだり跳ねたり、そりゃあ楽しそうにね。
昨日はうっかり朝が来るのも忘れてはしゃいだもんだから、あんな姿勢で固まっちゃったってわけ。
楽しかったわよね。次の満月も楽しみ。
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資料に目を通す。
必要な箇所を書き写す。
コピーをとってまとめる。
こんな作業をしていると、仕事してるなぁって感じる。

「…あの人、一日中紙束触ってますけど?」
「仕事できない奴に限って、資料欲しがるってな」
#呟怖

コロコロを使って掃除すると、よく「なんで?」ってものが引っ付いてくる。
長い髪の毛。赤いマニキュアの爪。小さな虫の死骸。
……なんで、なんて言っちゃいけないわね。本当は原因、わかってる。
コロコロじゃどうにもできないあの女の腐臭が、クローゼットから漏れ出ている。
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部屋の鍵はバナナだ。青いやつ限定な。
彼女は、狭いリビングの床一面に広げたパズルに閉じ込めてある。完成しないと出られないから彼女は泣いて懇願するが、それをニヤニヤ眺めるのは楽しい時間だ。
インターフォンが鳴る。警察か? 鍵穴をモニュモニュしている。
バーカ、それは完熟だろ。
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終の住処と選んだホームを、私は今追い出されようとしている。
どんなに懇願しても、酸素マスクの下の声は聞こえない。救急隊の素早い動きで、あれよという間に救急車に乗せられる。
もう私は、どこへも行きたくないのよ。あの人が死んだこの場所で眠りにつきたいの。
もういいのよ、お願い─…
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「煮るか焼くか…揚げても美味しいかな?」
台所で悩んでいると、視線を感じた。
居間で全裸の夫とその浮気相手が、怯えた目で私を見ている。
私は、二人を安心させるように微笑んだ。
「冗談よ。ちゃんと、皮をむいて丁寧に潰して、あなたの好きなポテトサラダにしてあげますからね」
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「あの女優、超可愛い!え、天使派なの? でも、第二部で主人公とくっつくのは絶対魔女よ!
ラスト秀逸よね。彼が命を賭して魔界に挑む後姿でto be continued!」

ちょっと待ったぁぁ!
エントランスでのその会話、完っ全にアウトよ⁈
八つ裂きにしてやる‼︎
あと、誰に話しかけてるの?
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「側溝の上を歩かない」が、生徒の間の公然ルールだ。先日とうとう、学校からも正式にその旨の御触れが出た。
側溝は、毎月蓋を上げてドブさらいしているというのに。何かいる形跡なんて、ありはしないのに。
私たちは、一体何を恐れているのだろう。
今日も、側溝を避けて通る。
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やっと辿り着いた。
幾千の山川と苦難を乗り超え、ようやくあそこが私の約束の地。永遠の愛と安らぎが待っているのね。
長かった。本当に苦しかった。
でも、やっとこれで救われるわ。

ピーーーーー
「……お母さん、お疲れ様。やっと楽になれたねぇ。ゆっくり休んでね。今までありがとう」
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傘もささずに、彼女はやって来た。
「雨の色って、何色かな?」
相変わらず奇妙なことを言う。
「恋の終わりに降るのは、水色よね。誕生を祝うなら、虹色かも」
玄関に佇む彼女は、手も服も赤い。
「罪を犯した者には、何色の雨が降るのかしら」
雨に濡れる彼女の顔は、黒く染まっていた。
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久しぶりのお出かけ、初めてのバスに、はしゃいでいたのも最初だけだった。

ねぇ、ママ。まだ降りないの? どこまで行くの?
お金足りる?
ねぇ、ママ。みんな降りていっちゃうよ。
ママ、お返事して?

こちらを見ない母の白い顔が、時折骸骨のように見えることは、言い出せなかった。
#呟怖 https://t.co/ZKHiljWNwS

「彼が好きなの」
幽霊は毎夜囁く。
うちの死にかけのじーさんに、どういうわけか惚れてるらしい。
「だったら早く連れて逝けよ。なんで生きてんだよ、こいつ」
じーさんはもう何も覚えていない。家族の顔も、自分の人生も。
死のみが彼の幸せだと思う俺は、幽霊よりも怖いだろうか?
#呟怖 https://t.co/PU79YrrbwU

「私の美貌を誰もが讃えたの、天使だと」
涙を流す女に、今や賛美は欠片も残っていない。
過去、欲に取り憑かれた王妃は邪魔者を次々と抹殺した。
今はその報いを受けている。
「僕も天使のようだと言われていたよ」
女は私を凝視する。
僕の正体とその目的に、やっと気がついたようだ。
#呟怖 https://t.co/t6502JhQtg

コロン
この駒みたいに、人の運命も自由自在できたらいいのに。
コロコロ カタン
#呟怖 https://t.co/ta3C3cQMze

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