呟怖.ORG | 呟怖

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呟怖.ORGと参加について

歯が抜ける夢は、身内が死ぬ暗示だという。
夢見の悪い朝、母の頭にきのこが生えていた。
カサが完全に開き、裏から胞子を霧のように撒き散らしていた。
「おば、よぉう」
きのこに侵食された母の顔を見て、今朝の夢を思い出した。
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仮装パーティは朝まで続く乱痴気騒ぎ。魑魅魍魎がテーマだったはずだけど、ドラキュラに落武者、河童とあれはなに? シーツ被ってるだけね。
ここなら溺死幽霊も馴染むかと思ったのに、期待外れもいいとこ。馬鹿騒ぎはもうたくさん。
私は喧騒に背を向け、海に向かって歩き出す。
#呟怖

「誕生日だから」
母が写真を撮ってきた。
「証明写真じゃない」
「昔、お父さんと一緒に撮ったの思い出して。狭い機械の中に無理矢理二人で入ったのよ」
惚気る母が微笑ましく、私は百円均一で買った写真立てに写真を飾った。
時々、写真の中には父母が窮屈そうに、幸せそうに収まっている。
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傾いていた廃屋が、とうとう取り壊されるらしい。
心配だ。あそこには、こっそり出入りしているおじさんがいたから。
「ホームレス? きっと役所が保護してるって」
友人はそう励ましてくれたけど…

黄昏時にお尻にふさふさの尻尾が見え隠れしていたあのおじさんは、役所の対象だったろうか。
#呟怖

給食室のおばさんの顔を、誰も知らない。
わかるのは、いつも黒い服を着ているってことだけ。
おばさんは、直接僕らに給食の乗ったトレイを渡してくれるのに。「いっぱいお食べ」「美味しいよ」って。マスクもしてないのに。
誰も、おばさんの顔がわからない。
…この給食、大丈夫?
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夜勤の見回り中、廊下で違和感を感じた。
懐中電灯で辺りを照らし、目を凝らす。正体はすぐにわかった。非常口だ。
あの逃げる白いシルエットが消えていた。緑一色の板が、天井付近で不気味に発光していた。
俺は、すぐにそこを辞めた。
非常口のあいつが逃げ出すなんて、ろくな職場じゃない。
#呟怖

「それ、食べちゃったの?」
恋人は顔を引きつらせたが、すぐに笑顔を取り繕った。
「ごめん、ダメだった?」
「ううん、いいの。…美味しかった?」
「すごくね。なんの肉?」
「う〜ん、内緒」

あれからもうすぐ八百年。
僕の恋人は人魚だったようだ。
#呟怖
#空踊怪談賞 https://t.co/MOio4EkUVb

親を驚かそうと、洗面台に蛙を詰め込んだ。
叱られることには慣れていたが、一ヶ月後に逃し損ねた蛙がミイラになって隙間から出てきた時は、さすがに反省した。
あれから二十年。
勝手に許された気で、罪も忘れていた。
「なんで、今更…」
コンクリートに張り付いた俺に、快晴の青空がしみる。
#呟怖

「カップ麺にお湯を入れたタイミングで回覧板を持ってきた、隣のおばさんが悪いんです」
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それは雪を思わせる純白だったが冷たくはなく、柔らかくてどこか懐かしい甘い匂いがした。
白が私を塗りつぶす。
私は、牛乳寒天に沈む自分を想像した。
これが死ならば、まぁ悪くはないか。
瞼を閉じると、そこも白い闇だった。
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自分の手さえも見えない闇。
どうやって自分を確認すればいいの?。
唯一聞こえていた鼓動も小さくなって、やがて何も考えられなくなる──

「あーあ、やっぱりダメか」
「闇しかない状態で放置して、発芽するわけないだろ」
「でもさ、なんでモノごとなくなるのかな? もう五回目だぞ」
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「生理がこない」
妻の言葉に、子供欲しかった僕は色めき立った。
しかし、同じ気持ちのはずの妻の表情は硬い。
「調べるの、怖い」
おいおい、もうマタニティブルーか?
僕の伸ばした手は、しかしピタリと止まった。
「何が入っているかわかるのが、こわい」
急に妻が別人に見えた。
#呟怖

「私の部族では体に刺青をします。魔除として、戦士の証として」
彼は確かに全身を勇壮な刺青に覆われていたが、左足だけは違った。不自然に白く細い。恥じるように彼は照れ笑いをした。
「これは先日、怪我をしてしまって」
納得しかけて、私は息を止めた。
彼の足は二本とも、右足だった。
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うちの学校のトイレには幽霊がいる。花子さんならぬ、押子さん。非常呼出ベルをしょっちゅう鳴らす迷惑な霊だ。
でも私はその理由を知っている。
押子さんは、寂しいんだよ。構って欲しくてボタンを押すの。
次にベルが鳴ったら、押子さんのところに行ってあげようかな。
#呟怖

水にたゆたうのは心地よい。
私の体はとうに生命活動をやめ、沈むか海獣に貪られるか、それを待つばかりだというのに。
「海の底にも都はございます、か」
独りごちたその声がどこから漏れたのか、きっと誰にもわからない。
海の底でも世界の果てても、これから私は私のまほろばを探すとしよう。
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「今度の新人は、まさに超大型だぞ」
上司の言葉に生返事。
期待したところでその通りの人がやってきた試しはなく、おまけにすぐ辞める。
この会社はもう終わりだ。
やってきたのは、雲を突くような大男。比喩ではなく。
「ダイダラボッチ君だ、よろしくな」
もう、この会社は終わりだ。
#呟怖

母は茜色の髪の素行の悪い女だったが、夕飯だけは必ず用意していた。
食卓のそれは唯一の母の愛だと思っていたが、そうではなかったと昨日わかった。
今はただ、もうそれを食べられないことが残念だ。
母を殺してしまった俺は、明日から臭い飯を食わなければならない。
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ママは継母の「ママ」。あたしをいじめる悪い魔女。
最近頭が痛いのもママのせい。あたしを弱らせて食べるつもりなの。
猫なで声でやってきて、甘い薬を飲ませる。あたし、知ってるんだから。「良薬は口に苦し」。だから、あれは毒よ。
騙されないわ。ぜったい、騙されたり、しないんだから……
#呟怖 https://t.co/K2T3ZBiu5x

「原始の記憶」
長い旅路の果ての、明るい浜辺。
波打ち際には椅子が一つ置かれている。
それにたまらなく座りたくて、私は残った力を振り絞って走った。隣で同じようにして走る影を蹴飛ばし遠ざける。
──誰を蹴落としたって、あれは私のものよ!
腰掛けると、まるで祝福のように漣が響いた。
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古いビデオテープを廃墟で見つけた。
妙に気になり、その場にあったブラウン管テレビで再生する。
老婆が公衆電話に牛乳瓶を持って入る、よくわからない映像が延々と続いた。
十分で飽き、電源を抜こうとして気がついた。
たった今飲み干したばかりのような牛乳瓶が、目の前に転がっている。
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春爛漫の公園で散歩していると、可愛らしいくしゃみが聞こえた。
「あら、バラバラになっちゃったわね」
母親と思しき優しい声につられて、思わず振り返る。
女が一人髪を振り乱し、地面に散らばった砂をかき集めていた。
「ママがすぐ元に戻してあげるからね」
#呟怖 https://t.co/9oMzkg9L4J

妻の亡骸は、見る間にトパーズ色の繭に包まれていった。芳しい香りが立ち込め、その姿は彼女が好んだ日向夏そのものだ。
私は生唾を飲み込む。
繭が小さく動いた。
中から何か出てくるのか。妻は一体何に変身するのか。この奇跡を目の前にして、私はナイフを握り直した。
#呟怖 https://t.co/J3awMe7xW4

記憶の中の父は、階段で本を読んでいた。
その横顔は少し怖いが妙に慕わしく、私は声を掛けようかいつも迷うのだ。
しかし長じてそのことを話題にすると、父はそんなところで読書などしたことがないという。彼は新聞もろくに読まない男だった。
首を傾げる私の横で、母が小さく笑っていた。
#呟怖

なにごとも、辛抱辛抱。耐えるに勝る修行はない。
わしを見よ。暑さ寒さはもちろん飢えにも風雨にも耐え、ついに永遠の体を手に入れたのじゃ。
しかし、どうもわしの言葉が世に届いているようには思えん。これが時代の流れということか……

「あんたもう石だもん。石の言葉なんてわかんないよ」
#呟怖 https://t.co/li8xLBwTLw

「退避、退避ぃ」
割れた音声に満員の車内は恐慌をきたす。
電車の扉は閉まったままだ。扉の外には、荒れ狂う碧い虎が群れをなして迫っている。
仕方がない。私は電車を龍に変え、空を走らせることにした。
龍の電車はうねりながら、顎門のように開かれた雲の裂け目へ飛び込んだ。
#呟怖 https://t.co/8SDElMHtsL

とりとめなく話すうちに、雨はあがった。
「もう行くの?」
「うん。雨の降ってる間だけ」
「僕も行きたいな」
妻は少し寂しそうに微笑んで、ダメよと言った。
そうして、赤い番傘をくるりと回して空を駆けていく。
あぁ、明日も雨が降ればいい。
#呟怖 https://t.co/e5VD0BM50M

庭の花水木に金貨のチョコを供えて願った。どうかママと妹を生き返らせてください。
次の朝、母はいつも通り優しく、妹は可愛らしくそこにいた。
あんなに嬉しかったのに。心から神に感謝したのに。
「お前ら、ウゼーんだよ。消えちまえ!」
思春期の啖呵は、最愛の二人を土塊に戻してしまった。
#呟怖 https://t.co/mGVAjc09P9

「こっちからこっちが天国、そっちは地獄だぞ!」
そう言った途端、友人はトラックに跳ね飛ばされ、本当に天国に行ってしまった。
いくら車通りが少ないとはいえ、道路の真ん中で遊んでいた僕らが悪い。
あれから十年。
僕は今もまだ、この世という地獄に取り残されたままだ。
#呟怖 https://t.co/9EvaRH41sV

ほぅ、あれが見えるか。
やめとけ。捕まえようなんて考えるもんじゃない。
あれは普通の蝶じゃない。人のアレだよ。
手を出すと、引かれるぞ。
#呟怖 https://t.co/3GCGVZA99o

…声がする。
「むかぁし、嫁をこれでもかといじめた姑がいてね。耐えかねた嫁は、井戸に身を投げてしまった」
埃の黴の混ざった臭い。
「外聞が悪いと、嫁は逃げたことにして井戸を埋めてしまった。そしてその上に、家を建てたんです」
あぁ、つまり。
「ここがその家。この部屋の下にね…」
#呟怖 https://t.co/8kMJUJETSl

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