呟怖.ORG | 呟怖

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呟怖.ORGと参加について

空き地で子猫を飼っていた。斑模様で人懐こい可愛い子。
友達には内緒。知ってるのは餌を分けてくれる魚屋のおじさんだけ。
その子がある日、いなくなった。
「優しい人に拾われたんだよ」
そう言ったおじさんは、優しいけれど嘘つきだ。
おじさんの肩に、あの子が血まみれでしがみついている。
#呟怖

怖い夢を見た。
ううん、夢の内容は覚えてない。ただ、『〇〇、ご飯食べたっけ? 学校に送り出したっけ?』って飛び起きるの。おっかしいのね。〇〇なんて人、いないのに。夢の中で、架空の家族と暮らしてたのかな。
笑って話す妻は、決してうしろを見ない。クローゼットで、カタリと音がする。
#呟怖

友人を傷つけて、私はノートに逃げ込んだ。そこでは、鉛筆も消しゴムも罫線だって、私を責めて蔑んだりしない。
でも、赤ペンだけ別。正義面して私を断罪する。こんな所まで来てそういうの、うんざりだわ。
気付いたときには、紙面にも拳にも赤いインクが飛び散っていた。まるで血みたいね。
#呟怖 https://t.co/M7o9MucBIe

「こわい」
幼い娘が、廊下の暗がりに怯えるようになった。
目に見えないものに対して想像力を働かせる。これも成長の証。親はそれを喜びはすれ、真に受けてはいけない。
迂闊に信じて、何もない廊下の暗がりにナニか生み出すことのないように。
娘を宥めながら、私は昏い塊から目を逸らす。
#呟怖

「痛みを伴う調教は否、というのが昨今の風潮だが、私はそれには反対だ。無闇に用いる必要はないが、時に苦痛は千の言葉に勝る。お前たち人間は、言葉のみで理解しあうのはまだ難しい」
彼は哀れみに似た視線を向けた。
「結局、こんなところに来る羽目になる」
地獄の鬼の仕置きが、今始まる。
#呟怖

「鬼はー外。おにはーそと」

涙を拭う少年の額には、小さな角が生えていた。
「可哀想に」
「……僕、悪い事しないもん」
「うん、知ってるよ。うちにおいで、おやつがあるよ」
「おばさん、だれ?」
「悪いモノは、怖い顔なんてしないもんさ」
女は、蕩けるように優しい顔で笑った。
#呟怖

僕の片目は、この世の不思議を映す。

金魚たちは人の顔をしている。
目を閉じ口をつぐんだ表情から感情は読み取れない。不気味にも、この上なく美しいようにもみえる。
「あんまりみるなよ」
友人にそう言われ、僕は眼帯を戻した。
水槽では、何の変哲もない赤い魚が、優雅なひれを誇っていた。
#呟怖 https://t.co/1ZiIfAVVwI

同じ夢を見る。
子どもが穴の淵から俺を見下ろしている。その背後には天に伸びる梯子。
吉兆だと人は言う。あとは上がるしかない、というわけだ。
でも。
もしかして、逆だったら? 足元の穴から見上げられ、ハシゴは奈落に続いていたら……
あの虚な顔を見る度、澱のように不安が溜まる。
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「愛、愛か⁈」
冬の浜辺で、若い男性が落胆した顔で私を見ていた。
「……すまない。妹と同じ服だったから」
このワンピ、去年の夏に来ていた子のが可愛くて、手に入れたの。あの子より似合うでしょ?
なんて自慢は飲み込んだ。さすがに酷いと思って。
私は小さく笑って、海の底に帰る。
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「愛、愛か⁈」
振り向いた少女は、去年海で行方不明になった妹とは別人だ。
「……すまない。妹と同じ服だったから」
少女は小さく笑って踵を返す。軽やかな半袖のワンピース、その水色のレースを木枯らしが嬲る。
あれは、妹のお気に入り……
違和感に振り向くと、少女は波間に姿を消した。
#呟怖

「愛、愛か⁈」
振り返ったのは見知らぬ少女だった。
「……すまない。妹と同じ服だったから」
少女は寂しそうに笑って踵を返す。軽やかな半袖のワンピース、その水色のレースの裾を木枯らしが嬲った。
あれは、妹のお気に入り……
違和感に振り向くと、少女は波間に消えていくところだった。
#呟怖

──笑って見送ってくれよ。

子供たちが、涙を浮かべて俺を見下ろしている。
沈んでは浮かぶ意識、慌ただしい医師たち。管に繋がれた体。
妻の顔が近づき、オレの耳に唇を寄せた。
「お疲れさま。あとのことは心配しないで。全員、あなたの子じゃないから」

──おい、お前らわらうな。
#呟怖

あ、ヤバい。
思い出しちゃった。今日学校で聞いた話。一人で寝てたら夜中に、ってやつ。
なんでこのタイミングかなぁ。やだなぁ。
あー、動けない。金縛り? じゃなくても動けない。見つかっちゃいそうで。
何にって? そんなの、想像するだけでダメ。
ベッドの周りは、ほら……
#呟怖 https://t.co/iXDuZ1fAyV

「あんたが羨ましい。実の娘が立派になって……」
年老いた義母は、最近そう溢すことが増えた。早くして亡くした娘のことが今になって堪えるらしい。
「おかあさん、そんなこと言わないで」
あなたによく似た女の子が、いつも後ろで見守っているから。
#呟怖

「こんなもの、いつまでもとっておくなんて」
言葉が棘を纏うのも仕方がない。あれは元カノからのプレゼントだ。
「気持ち悪。カメラでも仕込まれてたら、どうするつもりかしら」
人形を窓から放り出し、掃除は完了。
すっかり綺麗になった彼の部屋を見回して、私は満足気にベッドの下に潜った。
#呟怖 https://t.co/Iv6eXhN0kv

台所で視線を感じて振り返ると、人形がこちらを見ていた。玄関にあったやつだ。気味悪くて、思わず窓から放り出す。
あれは彼の元カノのプレゼントだ。残しておくなんて、非常識。
「もしカメラが仕込まれてたら……なんてね」
もう彼が帰る時間だ。私はカレーを皿に盛り、ベッドの下に戻った。
#呟怖

肩をぶつけずに歩くことが難しい、巨大な交差点。
「人手不足なんて、信じられない光景ねぇ」
人波にひとりごちると、薄ら笑いを浮かべて歩いてきた男が、私とすれ違う寸前に、煙のように消えた。
「あぁ、そういうこと」
この世に居場所のないモノは、存外多いのだろう。
私も同じだ。
#呟怖

夜空に月が輝いていた。
「いつも思うの。あれは脱出口みたい、って」
「脱出口?」
「そう。この世界からのね」
寂しく笑った彼女は、あちらとこちら、どちらの世界に親しみを抱いていたのだろう。
満月の夜に姿を消してしまった彼女に、もう問うことはできない。
#呟怖

姿の見えないねこちゃんを、飼っている。
囁くような鳴き声、足元を掠める尻尾、出なくなった害虫。
一番好きなのは、ゴロゴロ音。優しい眠りへと誘ってくれるその音は、私とねこちゃんの信頼の証。
だから、構わないの。
時折鏡に映るその姿が、猫とはかけ離れた悍ましいものだったとしても。
#呟怖

「ぞうさんぞうさん、お鼻が長いのね……」
寝かしつけは過酷だ。一日の疲れを溜めた瞼は容易に落ちてくるが、幼子はそれを許さない。エンドレスぞうさん……
──うさん、ぞうさん
今、寝てた? 
息子を見ると、すやすやと寝息を立てていた。
……母さんの歌声、久しぶりに聴いたな。
#呟怖

「小学生の頃、黒色が好きだと言ったら魔女だといじめられたわ。ひどい話よね」
「……」
「でも今思えば、あれがワタシの始まりだった。こんなだから黒が好きなのか、いじめられたからなのか、それはわからないけど」
女は、血の伝うナイフに唇を寄せて笑った。
「ごめんね、もう聞こえないか」
#呟怖 https://t.co/Ca5p5RIQNk

─けほん
小さな咳が一つして、私は室内を見回した。一人暮らしの我が家に、他に人影はない。
「咳をしてもひとり、か」
久しぶりに出したためか、声は掠れて喉に絡んだ。えずくように咳き込むと、クスリと誰かが笑った。
──咳をすればふたり
虚空から楽しげな声が聞こえた。
#呟怖

冷たい月明かりの道に落ちるのは、僕の影だけ。
それなのに、すぐ後ろを歩く足音がする。
──ひたひたひた
こんな怪談を、昔聞いたことがある。誰からだったか、どんな結末だったか……
記憶を辿るのと同じ速度で、足音が僕に近づいてきた。
──だぁれだ?
耳元で、懐かしい妻の声がした。
#呟怖

炬燵に入っているというのに、舐めるような寒気が背筋を駆け上がった。
私は視線をテーブルに落とす。不自然にならない程度に、夫が視界に入らないように。
私に何か機嫌よく話しかける夫。その背中に影が立ち、ゆっくりと靄のような腕を彼の首に回した。
忘れていた。今日は義母の命日なのだ。
#呟怖

「あたし昔、殺されたの」
砂場で遊びながら彼女は言った。
「……?」
「ずっと昔よ」
「誰に?」
「パパ」
その時後ろから呼ぶ声がして、彼女は満面の笑みで父親のもとに走っていった。
あれから数十年。僕は彼女の、あの沼のような目が忘れられない。
今彼女は、三児の母だそうだ。
#呟怖

娘の死から一年経っても、私は彼女の部屋を生前のままに留めている。
最近、娘のお気に入りだったルームランプの調子が変だ。柔らかい橙色の光から、けばけばしいピンクや緑色に光る。
まるで娘のイタズラようで嬉しくて、私は暗闇に腰を下ろす。
闇の底に蹲る影には、気づかないふりをする。
#呟怖 https://t.co/dnIsMkutXr

君の心のパスワードを暴くのに躍起になった僕。なりふり構わず頑張った結果、やっと君は笑顔を見せてくれたね。
僕らの周りには誰もいなくなってたけど、これからは二人の楽園を作ろうじゃないか。
ところで、このシェルターから出るパスワードは、なんだっけ?
#呟怖 https://t.co/koNXwgU6Sp

私は眠りに囚われている。

ーー眠らず眠ります眠るとき眠れば眠れ

眠っていても起きているようで、現実の中に夢の化物が現れて。

ー眠らず眠ります眠るとき眠れば眠れ

眼を開ければ暗闇、閉じれば極彩色。

眠らず眠ります眠るとき眠れば眠れ

そうしてようやく、私は眠ることができた。
#呟怖 https://t.co/jLgRUppgJz

私は眠りに囚われている。
眠らず眠ります眠るとき眠れば眠れ
眠っていても起きているようで、現実の中に夢の化物が現れて。
眠らず眠ります眠るとき眠れば眠れ
眼を開ければ暗闇、閉じれば極彩色。
眠らず眠ります眠るとき眠れば眠れ
そうしてようやく、私は眠ることができた。
#呟怖 https://t.co/jLgRUp7FkZ

買ったばかりの商品を段ボールに詰め、不良品と偽って送り返す。
僕自身に得なことなどなにもない。単なる嫌がらせ。
「送り返すたび、あなたは心を一つずつ失くしていく」
うるさいな。わかってるよ、そんなこと。

……だれ?
#呟怖 https://t.co/a41nowxAZD

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