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#呟怖

不老不死の薬の出来損ないを作った。飲んだら飲んだ状態で不老不死、という代物だ。例えば風邪をひいた状態で飲んだら、永遠に風邪のままという。

それを持って逃げた元恋人が、昨日自殺したという。

今になって思い出した。彼女には体が弱ってなお彼女を束縛し罵倒する毒親がいたことを。

#呟怖

まず落ち着いて。

はあ、能面をしまっていた。で、怪我を?それは医者の両分でしょう。

え?深井に噛まれた?痴話喧嘩ですかね。そういうのはうちではちょっと。

で、深井さんってのは奥さん?彼女?違う?犬ですか?

「深井は女の能面です!」

#呟怖

その里は人外の里、鬼の棲む里とされていた。

同時に僕の幼馴染の里でもあった。

だからそこへの道順を討伐隊になど教えるべきではなかったのだ。例えどんな賞金をもらおうと、父にどんなに言われようと。

山間に悲鳴や怒号が木霊する中、僕にはわからなくなった。どちらが人か鬼かなど。 https://twitter.com/tsubukowa/status/1056041396082106368 

#呟怖

何故来たのだ、とメイドに叱られた。

猫カフェのメイドに、である。

予想外のことにテーブルの上の水を飲もうとしたら、コップを跳ね除けられた。

ー ここは化け猫の棲家。この水を飲んだが最後、貴方も猫になりますよ。

悲しげに私を見る目は、三年前にいなくなった愛猫のものだった。

#呟怖  #返怖

野性を解き放て。

それがキャッチだった。

ネットの海に浮かぶ一つの掲示板。

詳細を読むと、アングラな同好会で、会員は時々集まって籤を引き、外れを引いた者を野性の赴くまま殺すのだそうだ。

何を馬鹿な。

そんな残虐な事を。

しかし、私の中で何かの舌舐めずりが聞こえた。

#呟怖

「お迎えに参ります」

匿名の手紙には一言だけ書いてあった。

悪い冗談だ。ただでさえ連日リストラ宣言業務で疲れているのに。

舌打ちをしながらマンションの地下駐車場に車を止め、エレベーターに乗る。

ん。

自動音声がバグったか?

聞こえたのは、嗄れた男の声。

「下に参ります」

#呟怖

女性の名は、更科紅葉と言った。

友人と紅葉狩りに行った時に出会った人である。

酒を嗜まない私は、酒盛りを始めた二人を置いて写真を撮りに行った。

ー たえず紅葉、青苔の地

歌が、聞こえた。
途中は聞き取れなかったが、最後の節ははっきり聞こえた。

ー 夢ばし覚ましたもうなよ

#呟怖

剣には魔力がある、と祖父は言った。

伝説の類ではない。刃物は持ち主に囁く。

使ってくれ。切らせてくれ。血を啜らせてくれ、と。

持ち込まれたのは普通の居合刀、そもそも真剣ですらない。祖父はそれを睨み、言った。

主を唆し、まずは木の枝、次に猫、終には主を喰ったか。

「ケッ」

#呟怖

糸巻き巻き 糸巻き巻き

ぐちゅり じゅぐ

引いて 引いて

ぶちっ じゅぶ

トントントン

どちゅ ぐちゅ ぐち

できた できた

ポタ ポタ ポタ

小人様ぁあの

#呟怖

職場に続くエレベーターに乗る時間が苦痛だ。

立つのも億劫。エレベーターの鏡に映る自分を見るのも億劫。目を開けているのも億劫だ。

目を瞑っていると、ベルが鳴った。

目を開けると、知らない顔が鏡の向こうから俺を見ていた。

同僚が声をかける。

「お、佐藤」

違う。俺は川田だ。

#返怖 #呟怖

隔離病棟、と彼らは言った。

新しい病気に対して血の神聖が約束できない以上、こうする他ないのだと。

最後まで反対していた妻は、遠くに行ってしまった。

通された場所は、枯れ井戸のようだ。

上には逃げられない。

ああ、太陽の光が

#呟怖

かすかな水音。櫂の軋む音。

目の前には幸せそうな老夫婦。

「こいつとはね、幼馴染なんですよ」
「子供の頃からねぇ」
「いつでも一緒だったな。最後まで」
「やだ、これからもでしょ」

私は黙って微笑むと、櫂をゆっくりと漕いだ。

向こう岸についたら始まる二人の旅路に多幸を捧ぐ。 https://twitter.com/tsubukowa/status/1049157887237312512 

#呟怖

田中さん家の柿だけは食うな。小さい頃、そう教わった。

人の家から、ではない。田中さん家のだけ、だ。

一度だけ、中学の部活帰り、空腹と好奇心に負けて手にしたことがある。

赤く熟れた柿を齧った時、違和感を感じた。

何かが舌に絡まる。

引っ張り出すと長い髪の毛が数本出てきた。

#呟怖

泡沫の
 夢幻を
  皆生きる

その句を詠んだのは、この夏に入会してきた青年だった。何でも私達の俳句会が見ていて楽しかったのだそうだ。

それ以来、彼は来ていない。

元気でいるのだろうか。

私は庭の掃除をしながら思った。

木の下に蝉の亡骸があった。

#返怖 #呟怖

「死んだ奴が0円だって?」
「そうだよ」
「わかっていないな、こういうモノはな、有効利用できる場所があるんだぜ?むしろ普通の奴の年収なんざ超えるほどな」
「どうかな。見てみろよ」
「……チッ、使えそうなところが全部オシャカだ」
「トラックだったんだよ」
「ああ、0円だな」

#呟怖

「箱の外まで考える」
今までの常識を無視し独創的な考え方をする、という意味の英語の言い回しだ。

でも、常識という箱は僕たちを閉じ込めると同時に、僕たちに形を与え、守ってくれているのかもしれない。

独創的思考を追求したあまりもうケタケタ笑うだけの兄を見ながら、そう思った。 https://twitter.com/tsubukowa/status/1033013517559840770 

#呟怖
「風鈴、片付けなくちゃね」
 とある夕暮れ、母が言った。
 夏ももう終わりだな、と思いながらそれを外す。硝子細工が光を反射させて綺麗だった。
 チリンと鳴らして、固まった。
 鳴らした瞬間、硝子に反射して写った僕の顔の後ろに、気味悪く笑った老人の顔があった。
 僕が振り返ると

#呟怖 #返怖

相談です。
家の中のものを勝手に獲っては投げ返してくる非常識な輩がいるんです。
怒るのも大人気ないかなっと思っていましたが如何せん我慢の限界です。
もう、いいよね?
あ、申し遅れました、置行堀の管理を任されてる龍神です。

#呟怖  #返怖

「死んだ、な」
 おじさんの絞り出すような声に、僕らは安堵のため息を吐いた。
 一体だけ現れたゾンビを倒した。
 途中で何人か噛まれたけど、みんなゾンビになる前に殺してくれと言い、人間のまま死んだ。
 ぼぉっと、空を眺める。

 痛い程蒼い空の彼方、何かが光った。

#呟怖

いいかい、この子をちゃんと掴んでいろよ。

死んでる奴はね、どこかで救いを求めてるんだ。この念が晴れればどこかに行けるって。
でも生霊ってのは、恨みの理由がころころ変わる。生きるってのは変わるってことだ。
だから恨みを晴らし難い。

生きてる奴のほうが怖いっていう、典型的な例だ https://twitter.com/tsubukowa/status/1028867694026612736 

#呟怖

「すみません、ついてますよ」
「え、何がです?どこですか?」
「いや、すみません、その、憑いてます」
「……あー。お盆ですしねぇ。そうか、親父帰って来たのか」

「そうですか。メガネ越しで睨みながら笑ってらっしゃったので」
「ちょっと待て、それは父じゃない」

#呟怖

この頃僕の知人達が持ちかけてくる恐怖体験が、妙に聞き覚えのあるものばかりだ。

どこで聞いたんだろう、と考えていると、あっと声が出そうになった。

全部僕が最近呟いていた創作話ばかりだった。

僕は一体、どれくらいの災厄を振りまいていたのだろうか。

一周年おめでとうございます。

#呟怖 #返怖

僕は目の前の女性を見た。

長い髪につぶらな瞳。優しい微笑み。

僕が今まで会ったことのない、でもずっと覚えていた女性だった。

「久しぶり」
「久しぶり。待たせてごめん。僕の画力が上がるまで、ずいぶんかかっちゃった」
「じゃあ」
「うん、お邪魔します」

手が絵から伸びた。

#呟怖 #学怪



何見たんだろうな。

訊こうにも、もう頭がおかしくなってて、ブツブツブツブツなにか呟いてたんだよ。

聞いてみたら

「ヨシノさんごめんなさいヨシノさんごめんなさいヨシノさんごめんなさい」

ずっと繰り返してたんだそうだ。声がかれて、咳してるようだったそうだ。

#呟怖 #学怪



で、生徒が教室に恐る恐る入ろうとしたら、鍵がかかってた。慌てて職員室に行って、鍵を開けてもらったら、もぬけの殻だ。警察も来たそうだけど、何もわからなかったって。

次の日、音楽室に入ったら、白髪だけの老人みたいな奴がいたんだ。

そうさ、例の消えた音楽教師だよ。

#呟怖 #学怪



これ、先輩から聞いた話なんだけどな。

数年前に、そんなの迷信だって教師がいて、十月三十日に音楽室でよりにもよって合唱の練習しようなんて言い出したんだと。

で、わざわざ教室の鍵開けて、準備してたんだって。噂によると、教室に入る時、鼻歌歌ってたんだとさ。

#呟怖 #学怪



何でかは、俺だって知らないよ。
ただ、その日が「ヨシノの日」って呼ばれてて、不思議と音楽室では授業がない。

いや、マジだよ。俺、ちゃんと確認したもの。

この二年間そうだったし、来年もそうだろうな。三十日に音楽の授業がある時は、なぜか別の教室でやるそうだ。

#呟怖 #返怖可

私は

私という人間が

怖いのです。

私という人間が

思っていたよりも醜く

願っていたよりも弱く

期待していたよりも下衆で

思いがけず鈍感で

信じたくないほど愚かで

救いがたいほど罪深い

そんな人間であることを知るのが

何よりも怖いのです。

#呟怖

最近

妻がネットショッピングのはまったな、と思ったら

夫婦喧嘩のための準備だったとは。 https://twitter.com/tsubukowa/status/1026110335361511424 

#呟怖

枕が変わると、眠れないんだ。
そう友人に告げると、お子ちゃまだなぁ、と笑われる。
僕はそれを笑って受け流す。説明するのも信じてもらえないのにも疲れた。

僕の枕には、獏の絵が織り込まれている。

だから、違う枕で寝るとこれぞとばかり「アイツ」が現れるんだ。

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