呟怖.ORG | 呟怖

呟怖は、Twitterでハッシュタグ『#呟怖』をつけてツイートすれば誰でも参加、投稿できる140文字以内の創作・実話の怖い話です。呟怖.ORGには、日々投稿される呟怖から転載または朗読やイラストなど二次利用を許可されたものが集まっています。作品の二次利用に関する約束は掲載作品の転載、二次利用についてをご覧ください。自分の呟怖作品も、他の掲載作品同様に読んでいいよ・描いていいよという方は、ぜひ参加ボタンから呟怖作家としてご参加ください。その他ご不明なことはガイドをご覧ください。

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呟怖.ORGと参加について

壁に寄りかかった女性が髪を耳にかけ、ふいと私の方を向いた。
目が合ったのか、僕は少し照れながら拭いていた眼鏡をかける。
鮮明になった世界、先程の女性は壁に描かれた絵であった。
「そんな!」馬鹿な、僕は再び眼鏡を外すとあの女性が真黒になった目口を見開いて、僕を指差していた。#呟怖

夜中、目を覚ますと枕から何か聞こえた。耳を当てるとそれは鈍い声で歌のような、話し声のような、そんな事を呟いていた。
鋏一断ち、切り開いてみると中には何もなく、先程の声も消え、
それ以来、私は夢を見なくなってしまった。#呟怖

「足音が多い気がする」
廃墟にて友人がそう震えた。確かにペタペタと不自然な足音がする。ライトを振り回すと「あっ…」天井にて僕達が歩いた筋をなぞる様にどす黒い足跡が付いており、
『ペタリ』
僕の目の前の床に、足跡だけが降り立った。
#呟怖

老旅館の廊下端にて窓があった。
電灯の冷たい光の中、園庭にぽつんと風船が浮いていた。いつの間にかそれは窓の目の前に近付き、赤い影を私に寄越した。
翌朝そこを通ると、そこに窓は無く古い姿見が嵌め込まれていた。

それ以来、鏡や硝子など、目の端に映った自分が時折赤い風船に見える。
#呟怖

「幽霊の ひみつ 知りたい?」
「それはね」

『秘密よ』
そこで目が覚めた。
それから度々その声が聞こえる様になった。本棚の隙間、暗い路地、蕾や小箱『秘密よ、秘密ったら』クスクスと唱える

ある夜、月光満ちた風呂場の鏡に見知らぬ扉が映った。『知りたい?』薄く開いた扉の奥で声がした。#呟怖

雨の中、その人はやたらと嬉しそうに右肩を濡らしながら傘をさしていた。
だが濡れたアスファルトに映るはずのない鮮やかな赤色が映ったとき、それは相合傘なのだと知った。#呟怖

恋人の様子が変わったのと、以前多かった恋人のドッペルゲンガーの噂を聞かなくなったのは同時期だったと思う。#呟怖 #一行怪談

『こっちにおいで』
声がした。近付くと小さなバケツに収まった青い月が此方を見た。「見た」そう思った途端ばしゃんと水飛沫が上がった。
以来僕の夜空にはよく喋る青い月が昇る。『可愛いね』『小さいね』月は僕を見下ろし笑い、僕はバケツに遠く映る黄色く無口な月を眺め、途方にくれている。#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1165943204379627521 

『久しぶり』
僕はこの言葉に呪われている。見ず知らずの老若男女問わずに『久しぶり』と言われるのだ。共通点は右目下の泣き黒子で、それと目が合うと『久しぶり』…

ある日鏡を見ると右目下にシミがあった。それは見る見る大きくなり、ツヤリ黒く輝いて、
『これで完成』
僕の口がそう言った。#呟怖

シーツおばけはね、取るまではいるんだよ。取るから居なくなるんだ。

『ほらね』
私の手から滑り落ちたシーツの下から、ぽつりと聞こえてそれっきり。
それ以来息子は行方が分からない。

#呟怖

「彼女を埋め車に戻ると彼女の遺体があった。掘り返すと彼女がいた。遺体が増えたんだ。
それから何度も捨てるが必ず返ってくる。今ではほら、彼女の遺体で部屋が一杯…」
そう言う友人は空の部屋で蹲る。
だが彼の言う彼女は健在だ。

不意に戸の開く音がする。「また増えた」友人は先を睨んだ
#呟怖

酷く綺麗な、人型の妖精か女神か、将又男性か少年かが深夜、森の奥の広場で踊っていた。
白に光る頬には神秘が纏い、金の髪は王冠よりも尊く高貴だ。
思わず私は近寄って、そこで初めて上から伸びる操り糸が見えたのだ。

マリオネットが地に寝そべる。
そこで私は罠の中央にいる事に気が付いた
#呟怖

方向音痴の彼女は学校で迷子になった。行方不明の騒ぎも落ち着いた頃、今度は「学校で彼女を見た」という噂がたった。
──今でも続いているのか。
学校の怪談に追加された古い制服の彼女は相も変わらず彷徨っているらしい。ならどうか姿を見せておくれ。
逢魔ヶ刻、先生は当てもなく探し歩く。
#呟怖

その届いたDVDには少女の成長記録が写っていた。だがどれも角度が悪く、隠し撮りしている様だ。
赤ちゃんは低学年程になり、公園で遊ぶ後ろ姿が映った所で飽きた私は再生を止めた。

「パパ!」
十年後、これはデジャヴではない。
急いで抱きしめ娘の背後を睨んだが、静かな広場があるだけだった #呟怖

霧に誘われ気付くと山奥の廃寺にいた。蝋燭灯るやたら綺麗な本尊仏の前には、やたら頭の大きい、適当に形を真似た様な坊主が木魚の音と共にぶちぶち念仏を呟いている。
見渡すと自分と同じ様に何人か人がいた

それはふいと蝋燭が消え朝日に気付くまで続き、携帯をみると三日ばかりが過ぎていた #呟怖

「神様」
そう書かれた看板は見世物小屋の一番奥にあった。中には、誰もいない。
「いる」『いない』「男」『女』
どうも見える人見えない人といるらしく、姿も曖昧な様だ。
「ぎゃああ!!」
絶叫に振り返ると視点の合わぬ女性が呆然と立っていた。
「本当の姿を見たんだね」誰かがそう呟いた。#呟怖

その寂れた教会には後光の様な冠を被る異形がいた。巨大な黒い体を屈めて徘徊し顔に一つある目は赤い。
『祝福を』
出会った時、彼はそう目を瞑り身を縮めた。
彼は神を偽るのか聖者なのか、また神の代理なのか何かの成れの果てなのかはわからない。
だがあの仕草は確かに私を思ったものだった。#呟怖

街灯に照らされた側溝のすべての穴から、白い腕が伸び蠢いている。
それは一つに続く花の列のようで、近付いてみると一つの蓋に滑り気のある液体が溢れ、側に誰かの定期が落ちている事に気が付いた。

手はゆらゆらと揺れている。
一つの手が近付いた蛾を鷲掴み、穴の中へ引きずり込んだ。
#呟怖

「透明人間がいる」という通報が同時に複数件入った。震えた声に悪戯の様子は無く、場所も皆同じ所だ。現場に到着し探してみるも探し得ることは出来ず、通報者の家へ向かうと「そんな電話はしていない」と皆口を揃えて言う。履歴を探しても何故か無く、覚えているのは警官ただ一人となった。
#呟怖

自分の作った怖い話が一人歩きし出し、尾鰭をつけながら色々な人に話されている。だが必ず「この話は作った奴を探している」というオチが付いている、という事を昨日知り、今、「雨の日に家が停電になり、何故かテレビだけが付いている」という場面が私の今の境遇と全く同じ事に気が付いた。#呟怖

暗闇の中ベッドへ向かうと何故か辿り着かない。次第に土や草の感触が這い出し虫の鳴き声もする。だが見えるのは黒い窓枠と、そこから見える異様に大きい月だけだ。

気がつくと朝だった。
私は床に寝転んでおり、部屋には開いた窓と泥まみれの足、そして鈴虫の声が鳴り、どこかへ消えていった。 #呟怖

その廃遊園地のおばけ屋敷には鳥居がある。鳥居があるからには其処は神様がいる場所であり、しかしここには人がいないのだ。
人がいてこその神様で、人がいなければ名無しの何か。
人工物で作られたそれは己の名も人の姿も知らぬまま、ただこのススキが生え広がる廃墟の崩壊だけを見守っている。#呟怖

柳の下で雨宿りをしていると、風でだろうか、何度も柳の葉が私の頭を撫でる。
そんな長い葉があったかしらと顔を上げると撫でていたのは葉ではなく、柳から無数に垂れる、やたらと長い腕だった。#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1162941339962445825 

男はまだ、凡そ2年前寝てる間に掘られた背中のQRコードに気付いていない。#呟怖

百物語を語り、蝋燭を吹き消すと一瞬の暗闇の後、もう一度火が着き返ったのだが、僕達五人に対し蝋燭が浮き立たせる影の数が異様に多い事に気が付いた。#呟怖 #一行怪談

「何か一冊、足らない本があるんだ」これが口癖の彼の部屋は、本棚に囲まれ迷路の様だ。
ある日家へ向かうと鍵が開いたまま彼は居らず、入ると部屋の一番奥、読書用の椅子に本が一冊置いてあり、これが彼の言ってた本だと直感したのだ。

それ以来彼は行方知れず。完成した部屋は今もあのままだ。#呟怖

床からトントンと叩く音がする。
だが床底を剥いでも何も出ない。

トントン、、トン、トントン
変則的で「成る程これは所謂トンツーか」とある夜耳を澄ました処、『此方はとても楽しいよ』『暗くて狭くて星がある』『ここがどこかわかるかい』と笑っている事に気がついた。

#呟怖

田舎に帰り、遠く昔にあの子が沈んだ沼へ行く。
「貴女が好きな花ですよ」
私は約束を守り立派なお花屋さんになりました。
スゥと流すと沼から手が伸び、花束を水へ引きずり込みました。

彼女は今でもここにいます。
#呟怖

「僕の目かい?万華鏡の様な色だろう。そうだな…綺麗なお金であればこの位で売ってやろう

…おいやめろ!ああ、そんな汚いお金を見せるから、目が腐ったじゃないかあ」

笑い声を上げ目を空洞にする男
私は驚き逃げたのだが、腐り落ちた目玉に触れた右手が、あの目玉色に染まり、取れずにいる #呟怖

家へ帰ると幾枚もの古びた尋ね人のチラシがポストに入れられていた。

どうして、誰が、
泥に乾いたチラシを握る。
何故今更、
完全犯罪だった筈なのに。

箱庭の艶な椿がぼとりと落ちた。
#呟怖

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