呟怖は、Twitterでハッシュタグ『#呟怖』をつけてツイートすれば誰でも参加、投稿できる140文字以内の創作・実話の怖い話です。呟怖.ORGには、日々投稿される呟怖から転載または朗読やイラストなど二次利用を許可されたものが集まっています。作品の二次利用に関する約束は掲載作品の転載、二次利用についてをご覧ください。自分の呟怖作品も、他の掲載作品同様に読んでいいよ・描いていいよという方は、ぜひ参加ボタンから呟怖作家としてご参加ください。その他ご不明なことはガイドをご覧ください。
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呟怖.ORGと参加について #呟怖 #呟怖bot可 #返怖 可
岬から日の出を見よう、と夫を誘った
欠伸混じりでとても眠そうだ
いい。はっきり目覚めていられるより都合がいい
これが二人で見る最後の日の出だ
背後に回ろうと振り向いた私の胸を、とん、と夫が突いた
音を立てて石が転がる
足の下の地面がなくなって私は逆様に落ちた
#呟怖 #呟怖bot可 #返怖 可
太陽神を最高神として信仰した文明は意外に少ないのですよ
古代エジプトとこの国ぐらいです
この国では月食と共に廃れていきましたがね
こちらは天岩戸隠れの際に用いられた鏡でございます
最高神の神性を浴びて今なお光り輝いております
月読様の変若水とのみ交換致します
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重い金属の蓋を抜ければ古里はすぐだ
開閉防止の金具など、しゃらくさい
力任せに蓋を開ける
耳障りな金属音は帰還のファンファーレだ
覗き込む顔を黒い風が撫で上げる
ああ、帰ってきた
頭から飛び込む
歓喜が全身を駆け巡り本来の姿へと変貌していく
ああ、帰りたかった
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アテナは戦いの女神であり処女性の象徴でもあります
数多の敵を討ち滅ぼしたのも純潔ゆえの苛烈さ故でしょう
こちらは女神の用いた盾でございます
飾り程度にしか使われず、非常によい状態です
ですがお気をつけ下さい
この盾を持てるのは純潔の者のみ
純潔を失ったなら…
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木々の葉が、なぜ人間の目に快い色に紅葉するのかはまだ解明されていない
何色に変化しても構わない筈なのだ、紫でも黒でも灰色でも
「黄は秋の女神の衣の色、赤はその血の色だからよ。夏の女神が去るのを嫌がって秋の女神を殺したの。私達は女神の死体を愛でているのよ」
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人魚姫は脚の代償に声を失いましたが、実はその時点で王子と結ばれる可能性も失われたのです
王家の血に不具の血を入れるなど許されなかった筈ですから
今は五月蝿い相手を黙らせる薬として使えますよ
は、脚はどうなる、と？
それは使ってみてのお楽しみでございますよ
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「外国人催眠術師のショーで飛び入り実験台になった人がね」
「うん」
「特に非協力なつもりじゃなかったのに、どうしても片言の日本語が気になってかかりづらかったって」
ーーーソレか！
完璧な呪が返されたのはそのせいだったのか！
外国人相手の依頼には注意だな…
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姫が帝に贈った不死の薬は最も高い山で焼かれ、以来その山も不死（富士山）と呼ばれておりますな
わたくしは、帝は大層聡明な人物であったのだろうと思います
死ねない苦しみというものは、味わってみないとわからないものですよ…
それでも、やはりお求めになりますか？
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水たまりを辿って歩く
長靴が水を跳ね返して水音ばかりが着いてくる
雨と、水たまりと、けぶった景色と
天地の間にあるのはそれだけ
その一瞬を狙われた
水たまりを辿って歩く
すぐに地面が足を跳ね返す筈なのに
ああ
銀色の空しか見えない
立ち昇る水泡が目を曇らせた
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とある天才の脳の断片でございます
ポアロ氏は灰色と表しましたが、こうして見ると白っぽいものですな
ところで天才とは何をもって評されると思われますかな
常人とは異なる言動や発想？
これは、その源かもしれない器官です
存在する筈のない二つ目の海馬でございますよ
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双胎間輸血はまま起こる現象だ
双子の片方が、もう片方に完全に吸収されてしまうこともあれば、体の一部に双子の細胞が残り遺伝子的にキメラとなることもある
私もそれだ
私の双子の片割れは、私の右脳になったのだ
薬のせいなどではなかったのだ…
とある医学博士の手記
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さ、ご覧ください
遠慮はいりません、お客様がお求めになった通りのお品でございます
ささ、お近くで
如何なさいました
真っ青ですよ
恐れることはございません
愛した男の首でございますよ
安らかな顔をしているでしょう
貴女様への愛の証にと、喜んで差し出されましたよ
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波間に白く平たい物が浮かんでいた
手繰りよせると人だった
皮だけの人だ
作り物か、と思ったがどうにも精巧すぎて人工物とは思えない
頭頂部から肩甲骨の辺りまでが大きく裂けていた
「それで何だったの？」
「ああ、足から飛び込んだ衝撃で中身が抜けたんだろうって」
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稀に異物を握って産まれてくる赤子がおります
胎の中では掴めそうにないものばかり
一握りの黒髪、ネジ、石、歯…
中でも、こちらは混じりけなしの水晶でございます
七歳までは神の内と申します故、どこぞ見も知らぬ世のモノやも知れません
如何です？少々値は張りますが
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どうして人は飛べないの？ と幼き日に問うた
飛べるよ、と祖父は笑った
飛べないよ！と腕をバタつかせると祖父は尚更笑みを深め、タマシイで飛ぶのだよ、と理解できない言葉を使った
魂のことと今ならわかる
飛び過ぎてはいけないよ、戻れなくなる、と死んだ祖父が笑った
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これは美しい
純白でありながら微かに光を宿している
こちらの黒羽は漆黒の中にも薄赤い体液の色が透けている
正中線から奇麗に分かれているとは世にも珍しい
この御姿ではかなりの迫害を受けたことでしょう、お察し申します
それで、どちらの羽を手放されるのですか？
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東洋の龍とはワニだったのではないかという説がある
なるほど、長い鼻面、長い胴に前後の足
神格化され誇張される内に、今に伝わる龍の姿になったのだろう
水辺で不意に襲いくるワニはどれほどの恐怖と力を感じさせたことか
ああ、もう息が尽きる
骨を噛み砕く音がする
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鬼童丸は、元は比叡山の稚児とも酒呑童子の子であるとも云いますな
叡山の稚児ならば、一度は仏に帰依した人間が鬼と化したことになる訳で…
直向きに打ち込めるのも能力の内ですから鬼道とも相性がよかったのでしょう
打たれた首は未だ朽ちず歯を鳴らしておりますよ
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「気づくとタクシーもお釣りも消えてて」
「何それｗｗｗ 彼氏に置いてかれたとかの話を膨らましてんでしょ？」
「違う違う、その頃いなかったし彼氏」
「嘘くさｗｗｗ」
「フン！」
気づくと夜の公園にいた
あれ？友達と呑んでた筈なのに
あれ？
友達って誰だっけ…https://twitter.com/kai_yoh/status/1010281473696362501 …
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逆剥ぎにした馬の皮でございます
ええ、素戔嗚尊様が機屋に投げ込んだ馬のものですよ
皮自体に罪はない、せめて使ってやらねば馬も哀れと、きちんと鞣したのだそうです
ところが来歴が来歴だけに持て余されましてね
柔らかな腹側が無傷ですので手袋などによろしいかと
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蛇はね、交尾に丸一日以上の時間をかけるのよ
雄と雌が絡み合って数時間を過ごすさまを見立てたのが注連縄だという説もあるわ
古代の蛇は神の眷属、いいえ神そのものだったのよ…
それはわかった
でも神話の世界では蛇といえば美男の神じゃないか
君は違、
苦しい…
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おや、お久しぶりですね
ええ、最近は昼も…
夜の方が訪う方も多いのですが、昼にしか扱えないモノも多うございましてね
それで今日は…
お客様、何をなさいます
お止め下さい
本気を出しますよ
…
やれやれ、片付けが大変だ
塩の柱と化した客の処遇をどうしたものか…
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都会のエアポケットのような古びた路地には角々に地蔵が供養され、地元の人は地蔵の道と呼ぶ
お地蔵様は閻魔様と表裏一体なんだっけ
うろ覚えの知識を辿りながら路地を往く
が、一向に終わらない
この路地はどこまで…
いや、
そもそもここは…
あの地蔵はさっきも…
#呟怖 #呟怖bot可 #返怖 可
古の天狗や鬼とは、日本に漂着した外国人に対して使われた呼称なのかもしれません
肌も髪も瞳の色も違う、口から発するのは謎の音声…
体格すらも違ったでしょう
私のように
天狗は寂しげに店を後にした
可哀想だが、ほっとした
彼の臭いだけはどうにも我慢ならず…
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雲がぐんぐん近づいてくる
おかしいな、屋上から飛び降りたはずなのに何で上ってるんだろう
雲を突き抜けると全身に水滴がついた
何だよ冷たいな
つーかコレ天国行きか？ そうなのか？
背中に羽のシルエットの門番が見える
目を凝らそうとした瞬間、地面に激突した
#呟怖 #呟怖bot可 #返怖 可
嫦蛾よ
勝手に出歩いてはいけないよ
蟇の油と勘違いしているヒトは意外に多いのだ
お前は不死の薬を飲んだだけで、お前自身にそんな力はないのだからね
確かに頷いていたのに
目を離すのではなかった
何をそんなに焦っていたのか
ドアの前にねじ切られた嫦蛾が落ちていた
#呟怖 #呟怖bot可 #返怖 可
「脳減る症とか言ったことない？ ノーベル賞の時期になると思い出すんだよね」
「ねえよ。どこの風習だよソレ」
「ハロー！注意報とかは？」
「それはあるかも」
「じゃ脳減る症も」
「ねって」
ないのか
私の田舎だけなのか
安堵の気持ちが舌舐めずりに変わる
旨そうだ
#呟怖 #呟怖bot可 #返怖 可
お待ち下さい、お客様
先程も申しました通り、お譲りすることはできません
何卒ご容赦の程を
やれ、やっとお帰りになった
如何にせん、手荒い方だからねえ
不死の薬を持っているのがお前でないとなったらどんな目に遇わされるか…
言葉を受けて、嫦娥はひっそりと笑った
#呟怖 #呟怖bot可 #返怖 可
台風の目に入ると無風になるじゃん？
あれって、やっぱ風が目に入ると痛いんで目を閉じちゃうからかなあ？
え？ 強い風が目に入ったら痛くない？
え？ あんなにおっきいのに見えないの？
そう力説していた幼馴染には一体何が見えていたのか
あの蒼くも濁った目だろうか
#呟怖 #呟怖bot可 #返怖 可
よろしうございます
お引き受け致しましょう
客の持ち込んだ象牙は外側に建物、内側に物語の場面が彫られている
大変な値打ちものだ
これを着色してほしいという
ペンキではなく自然の染料で
実現すれば値のつけようもない宝物となる
人間技では不可能だが心当たりはある
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