呟怖.ORG | 呟怖

呟怖は、Twitterでハッシュタグ『#呟怖』をつけてツイートすれば誰でも参加、投稿できる140文字以内の創作・実話の怖い話です。呟怖.ORGには、日々投稿される呟怖から転載または朗読やイラストなど二次利用を許可されたものが集まっています。作品の二次利用に関する約束は掲載作品の転載、二次利用についてをご覧ください。自分の呟怖作品も、他の掲載作品同様に読んでいいよ・描いていいよという方は、ぜひ参加ボタンから呟怖作家としてご参加ください。その他ご不明なことはガイドをご覧ください。

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呟怖.ORGと参加について

#呟怖 #呟怖bot可 #返怖 可

花が言葉を話せたら
手折れただろうか
空気に色がついていたら
吸い込めただろうか

花は無口だと?
空気は無色透明だと?

花の悲鳴に耳を塞ぎ
肺の中で蠢くもののことを知らず
安穏と生きる者よ

慄くがいい
その日は近い
我ら虐げられしものの
逆襲を震えて待つがいい

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涙の形をした結晶です
美しいと思いませんか
人の手は加わっておりません
存在の初めからこの形なのです
数多のご婦人方が加工を命じましたが傷一つつきませんでした
この結晶は待っているのですよ
とある貴公子の訪いを
その時、命懸けの恋が成就し結晶は姿を変えるのです

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近所の小学生が行方不明になった
折しもの雪で其処ここに吹き溜まりができていた
埋もれているかもしれない、と探ってみても見つからない
神隠しか
両親は悲歎にくれた

小学生の間で奇妙な噂話が広がっていた
手足の生えた雪だるまが夜の街を泣きながら彷徨っているという

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七生まで祟ってやる、と言い残した女性の髪でございます
祟られた方…彼女を手酷く扱った夫ですが、彼が再婚して男子を成すと、必ず髪を握って産まれてきた
さらに孫も、その子も、その孫も男子は必ず…
掌には年々大きくなる痣があり、長じて痣に喰われ死んでいくそうです

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ふっくら柔らかそうな
僅かに開いた隙間から覗くのは真珠母貝か
光を受けて玉虫色に輝く
これは何だ

これは

唇だ

古風な紅を差した女の唇だ

なぜこんなところに
いや
なぜこんな大きさなんだ

隙間が大きくなる
真珠母貝のような歯が唾液の糸を引く
次の瞬間、頭から…

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これが遺作ですか
宝石好きの彼女らしい…
しかし、随分前から寝込んでいた筈
いつの間にこれ程のものを

作ったのではない、ですと?

ええっ

嚢胞から取り出された?

何と…では、真に彼女の産み出した作品ということに
しかし、見事な宝石人形…正に遺作なのですな…

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彼女はいつも長袖だった
火傷の痕があるの、と睫毛を伏せる
ネットでケロイドの画像を見て耐性をつけた

彼女の服のボタンを外す夜が来た
露になったのは

違う、火傷の痕じゃない
玉虫色に輝く、これは
鱗…

彼女の口角が上がる
掌に頬を包まれる
ぶつ、と歯が食い込んだ

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ええ、その爪でしたら十分ですが…
血も肉も、一欠片もつけずに頂戴するのは、はは、手間ですなあ
いや、ご無礼を致しました
少々痛みますがよろしいですかな?
畏まりました、では…

やれやれ、とんだシェイクスピアだった
ともかくも良い毒爪が手に入った
重畳、重畳

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「あの踏切だよ、怖いのが録れたの」
「怖いのって?」
「遮断機の棒の下を脚だけが歩いてたってヤツ」
「えーCGじゃないの?」
「そーゆーのない時代の話だから」
「ふーん…何で脚だけなんだろね」
「そこ以外グチャグチャとか?」
「あー、うちらの逆か」
「そだねー」

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いえ、只の鈴でございます
何の変哲もない、とある猫の首を飾っていたものです
猫に九つの命があることはご存知でしょう
大抵は九つ全うできずに終わります
この鈴は8回転生して主と添い遂げた、稀なる猫のものなのです
九つ目の生で猫又と化した猫から譲り受けたのですよ

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一瞬だった
分厚く積もった枯れ葉を踏み抜いたと思ったらもう落ちていた
何でこんな穴が
縁には手が届かない
仰ぐ目に青空が皮肉に眩しい

ざわざわと音がする
そもそもこれは何の穴なんだ
身体中が粘つく
何かが手を擦めた
次の瞬間、巨大な粘膜が絡みつき覆い被さって…

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古物商の免許は持っているか?
いえ、持ち合わせておりませぬよ
訴える? はあ…

やれ、無粋な御仁だ
ここの品々が古物というカテゴリに当てはまる筈もないのに
まあ、受理した方も大変だ
ここに辿り着くだけでも至難の技
永劫の堂々巡りに嵌まり込むのは、はて何人目か…

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「お父さん、魔王が来るよ」
「あれは木のざわめきだよ」
「もう其処まで来ているよ」
「ただの木の影さ」
「お父さん、お父さん」
「大丈夫、大丈夫」
「おおぉおお」
「あああぁあ」

突如、子供の体が膨れ上がった
慄く父の頭を呑み込んで子供だったモノは哄笑を放った

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これは…ああ、何と懐かしい

ええ、わたくしも過去に触れたことがございまして
今は貴方様に属しているのですね
しかし、この次元に現出しているとは…

まさか

…そうですか
姫君は名付けられぬまま世界もろとも消えたのですね

このアウリンが唯一の遺物なのですな…

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「お帰りなさいませ、ご主人様」

鞄を預け、襟元を寛げる
今日もきつい一日だった
まさか元妻が仕事を妨害してくるとは
昔は従順な女だったのに…

その点、今度の妻はいい
絶対に私を裏切らない
鞄を手に妻がカチッと笑む
笑顔が硬いのは玉に傷だ
動作音には三日で慣れた

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相すみません
今宵は満月ゆえ早仕舞いいたします
皆々、満月を寿いで沸き立っているのですよ
そら、そこに浮かんでいるのは、とある不死者の眼球です
窓辺には月光を求めて生贄の心臓が這い寄っております
ウロボロスも脱皮の時を迎えました
巻き込まれぬ内にお引き取りを

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嫌だ嫌だ、何故私が死なねばならぬ
何故常しえの存在は許されぬのか
見よ、人の子を
私の下であれほど喜んでいるではないか
なぜ私が…!

朱に染まった剣を打ち捨てる
毎年のことながら嫌な持ち回りだ
夏の男神の骸を前に、秋の女神は吐息をつく
涼風が秋の始まりを告げた

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こ、これはエント女の幼生では…?
ああ、やはり
まだこの地上に長らえていたとは、しかも、女とは…
中つ国でも姿を見ることの敵わなかった種族に、この東の涯で…
おお申し訳ない、怒らないでおくれ

畏まりました、お預かり致します
エントが再び地上を闊歩する日まで…

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「ご覧、あれがパリの火だよ」
「隣のはドイツ?」
「ベルギーだよ」
「綺麗だねえ…。ねえ、手前側にも火をつけて三角形にしたい!」
「ふむ…じゃあスイスにしようか」

『突如として発生した大火によりヨーロッパは混乱に見舞われています
各地で暴動が発生、死傷者が…

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ご注文の、金の卵を産むガチョウでございます
殻だけでなく中まで金の卵…もはや金塊ですな、を産む、稀少な生物でございますよ
餌は市販のもので構いませんが、必ず数種類の卑金属を混ぜこんで下さい
普通の餌だけですと、普通の卵を産むようになります
お気をつけ下さい

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かごめ、かごめ

(何をするの)

かごの中の鳥は

(誰か来て)

いついつ出やる

(助けて!)

夜明けの晩に

(やめて!)

鶴と亀がすべった

(いやあああ!)

後ろの正面だぁれ

(もうやめて、許して…)

彼女の無惨な遺体は曙光を浴びて燃えているようだった

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蟷螂の鎌でございます
「蟷螂の斧」といえば弱小の謂いですが、この大きさになりますと、鋸状の刃も相俟って、用いられたモノはさぞや苦しむことでしょう
また、現界のどんな資料にも該当しませんから凶器は不明…

はい、お買い上げでございますね
ありがとうございます

#呟怖 #呟怖bot可 #返怖 可

骨から肉が剥がれ落ちる
どろどろと溶けるように
もろもろと崩れるように
露になる骨は血管や筋がまといついて
標本のような白さには遠い

ああ、何と厭わしい

早く脱いでしまいたい
この肉の殻から脱け出して
白い白い骨になって
剥き出しの歯でカラカラ笑ってやるのだ

#呟怖 #呟怖bot可 #返怖 可

晴明公が術競べの折りに柑子から変えた鼠でございますよ
勿論、その子孫です
千年を越える寿命の鼠など、そうは居りませんのでね
不思議なことに、先祖返りとでもいいましょうか、鼠の死骸を埋めたところから柑子の木が生えましてね
今年もよく実りました
お一つ、如何?

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雨の日、傘ごしに見てはならない
人も、物も、姿を変えてしまうから
一度見えてしまえば、もう元の姿には見えなくなってしまうから…

透明ビニール傘なんて誰が発明したんだ
いや、恨むべきは傘を忘れた自分だ
ああ、見えてしまう
あんなに恋い焦がれた彼女が、そんな…

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アクリル製品の美しさでいえば、この国は世界一です
透明度と品質、それを加工する技術は抜きん出ております

さて、ご相談の件ですが…
いかに高品質と透明度を誇るといいましても封入する躰が劣化しては元も子もありません
まずは防腐処理を施してからおいでください

#呟怖 #呟怖bot可 #返怖 可

私の指は黒土を握り締め
私の髪は滋養を吸い上げ
私の脚は木の根の如く、深く深く

私から芽吹く緑はどんな姿に育つだろう

うっそり笑む私の歯に虫達が戯れる
この温かな胎内のような場所で
私は苗床になるのだ

私から生まれる森に踏み入る愚か者よ
命は命でもって贖え

#呟怖 #呟怖bot可 #返怖 可

大変申し訳ございません
ここでは各国発行の通貨は使えないのです
手に入れたい品があれば、同等の価値を持つと思われるモノをお持ち頂くのがルールでございます
物々交換とは原始的、と?
ですが、ここにある品を通貨で買おうとすれば国家予算程も必要になりますので…

#呟怖 #呟怖bot可 #返怖 可

森林浴が流行った頃、私は鬱憤の渦中にいた

森の歩き方を知らず
新芽を踏みつぶし
花を摘み放題摘んで
ゴミまで残していく輩

今やっと、森林浴という言葉は過去のものとなった

これで眠ることができる
苔の寝床に横たわり髪をほどく
じわじわと大地が私を迎え入れる

#呟怖 #呟怖bot可 #返怖 可

竜の宝珠ですな
これは珍しい
いえ、贋物を持ち込まれることも多うございますが、こちらは紛れもない真物
つい、感嘆してしまいました

さて、こちらに見合うお品ですと…
左様、八大竜王の逆鱗では如何でしょう
遠い昔に、もはや我らには不要と譲り受けたものでございます

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