呟怖.ORG | 呟怖

呟怖は、Twitterでハッシュタグ『#呟怖』をつけてツイートすれば誰でも参加、投稿できる140文字以内の創作・実話の怖い話です。呟怖.ORGには、日々投稿される呟怖から転載または朗読やイラストなど二次利用を許可されたものが集まっています。作品の二次利用に関する約束は掲載作品の転載、二次利用についてをご覧ください。自分の呟怖作品も、他の掲載作品同様に読んでいいよ・描いていいよという方は、ぜひ参加ボタンから呟怖作家としてご参加ください。その他ご不明なことはガイドをご覧ください。

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呟怖.ORGと参加について

#呟怖 #呟怖bot可

ええ、幾つかありますが、これはとびきりの品ですよ
ご覧下さい、蛍火のようでしょう
内側から明滅しているのですが、どんな分析にかけても原理が判明致しません
幻想的な美しさから〝星の欠片〟と呼ばれております
これほど美しければ封じられた魂も本望でしょう
いえ、独り言で…

#呟怖 #呟怖bot可

「お嬢様!」

うるさい、私に指図するな!
フリルを毟り、レースを引き裂く
キァア、と女の悲鳴のような音を立てて破れる絹

何でこの私がこんなものを!
大きな縁のついた帽子を踏み潰す

私がまとうべきはこれだ…
薄汚れた赤褐色の屍衣
本当の血で染められた世界に一枚の逸品

#呟怖 #呟怖bot可

楊貴妃のデスマスクとは、また珍品中の珍品ですな
なんと美しい
やんごとなき身分の女性の死に顔など、一体どのように?

…なんと、皇帝自らが?

ですが楊貴妃は縊死したはず。死に方を思えば、とても…

いや、それでもなお美しいがゆえに寵愛を独占できたのやもしれませんなあ

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枯れ始めた向日葵は、空を仰がず項垂れ続ける
それはまるで、日の光に恋い焦がれながら、ついに届かぬ己を恥じているような風情で

そうだ、あれはあの日の私
遠ざかる背中に、ついにこの手は届かなかった

届かないのなら

壊してしまえばいい

握り締めた掌にロープが食い込む

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ほう、これは…
火鼠の皮衣、燕の子安貝、蓬莱の玉の枝、仏の御石の鉢…
よくぞ、揃えられましたな
特に仏の御石の鉢は持ち主以外は触れられぬものですのに
いや、眼福でございました
龍の首の玉ですか?
ええ、当店にございます
早速お持ちしましょう
求婚はいつなさるのですか?

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みちり、みちりと畳が鳴る

嫌だな…

音が布団の周囲を動き始める

みちり、みちり
みちり、みちり

ゆっくりゆっくり周囲を回る
あまりの気長さに気が狂いそうだ

みちり、みちり

やっと一周したかと思えば二周目だ

みちり、みちり
みちっ

止まった

冷たい手が鼻と口を塞いだ

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はは、只の手巾でございますよ
種も仕掛けも…本当にただの布きれなのです
そら、これといった模様も…
シミ? ええ、これは涙を拭いた跡です
男を知らぬはずの身で息子を産んだ女が、出産後に涙を拭ったのですよ
なぜに涙を、と?
息子の父となる男への…そう、惜別の涙でしょうか

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迎え火を焚く
幽かに立ち上る薄青い煙になぜか視界を閉ざされた
「ただいま」
「婆ちゃん歩げんの?」
「仏さ、なったがらね」
「良がったねえ」
車椅子を経て寝たきりになった祖母が元気に歩いて帰ってきた
嬉しくて溢れた涙が煙を晴らした

送り火の宵は青く青く澄み渡っていた

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アキレスの踵に貼りついた葉…ですか
難しいですな
アキレス自身が一瞥の後に捨ててしまったので、何の想いも宿っていないでしょう
そうしたモノは探しにくいのでございますよ
ですが、何とか手を尽くしてみましょう
探し出した暁には、お客様の頭に生えている蛇を頂戴いたします

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猛アタックして結婚した
嫁、ダイエッターでほとんど食べない
実際、スタイルいい
顔も可愛い超好み
そんな嫁は夜の散歩が好き
すぐ帰ってくるから浮気じゃない
でも最近、近所の犬猫が軒並み行方不明になってる
心配だから夜の散歩はやめてほしい
前はこんなことなかったのになあ

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古来、鉄の精錬が行われていた地では目一つ神が信仰されていたものです
目が一つ、腕が一本、脚も一本の姿で描かれてもおります
卑近な存在としては火男や一つ目小僧がおりますな
お客様も目一つ神の眷属でいらっしゃいますか?
ああ、やはり
一つ目の面をご所望と?
畏まりました

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「小豆洗いって何が怖いのかな」
「えー、夜中に変な音がすること…かな」
「音がするだけなら大したことなくない?」
「夜中に小豆洗う変質者が家に来るかもとか思ったら怖くね?」
「あー成る程」

小豆を洗う音など雨音のようなものだ
何が怖いものか
首が飛ぶ音の方が恐ろしい

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錆だらけでしょう
刀剣の製法については、この国に一日の長がありますな
おわかりですか? ここが岩に埋まっていた部分です
色の境目がありますでしょう

ブリタニアの王? いえいえ

その伝説の元となった説話に登場する剣でございます
ついに銘すら不明な哀れな剣でございますよ

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「それは…お前だッ!」
「きゃあ!」
「ははは~、引っかかった」
「もう、ふざけないで!」

参加人数が少ないので各人が何度も怪談を披露する
似た構成の話も何度か登場していた

この話はさっき聞いたような?
今、何話目だ?

閉じた円環は始まりも終わりも知らず巡り続ける

#呟怖 #呟怖bot可

蝶ですか、美しいものですな
おや、こちらは羽に目の…模様? いや…

おお、まばたきしましたな
これは珍しい

視覚はどのように?
ははあ、ぐるり全周を…

いや、よいものを見せて戴きました
ええ、羽用に背中の開いたドレスなら当店にございますよ
ご来店をお待ちしております

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ああ、月が昇る
青く冴え冴えと冷徹な月が
虚空を照らす天空の目
その光に射貫かれて
ただ影ばかりが黒々と、黒々と

やめてくれ
望んでなどいない

肉が盛り上がり、服を裂く
鼻面が伸び、瞳孔が尖る
爪が伸び、牙が光る

ああ、ああ、この呪われた生よ

月光の下に立つは一頭の豚

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おや、端切れだね
ああ、昨日売った牛鬼の布の切れ端か
気に入ったのかい?
そうだね、軽いからお前でも扱えるし、いいよ、持っておゆき
何に使うんだい?
赤子の服の縁飾りに?
ああ、いいかもしれないね
また入荷したら教えてあげよう
きっとお前の羽飾りにも使えるだろうからね

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化けの皮が剥がれる
こんな言葉ができたのは、実際に皮が剥がれて正体を知られたことがあったからだろう
どんな皮だったのか
犬猫牛馬の皮では化けたというより余興だ
やはり、人か

遠い先達の不手際に舌打ちしながら、一日被った姉の皮を脱ぐ
ずっと背伸びをしていたので足が痛い

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牛鬼が吐いた糸で織られた布でございます
縦糸のみを使用しておりますので衣服につくなどということはございませんよ
ご覧ください、光に燦めいて絹よりも軽く、しかも丈夫なのです
花嫁のヴェールにも、また、手袋などの小物にもよろしいかと

お買い上げありがとうございます。

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「鬼ってね、元は醜女の嫉妬心を云ったんだって」
「へえ。いつの時代も女にとって美醜は重要事なんだねえ」
「男にとってのハゲがそうであるようにね」
「一本取られたかw」

美しいことは重要だ、人生が変わる
うっすら盛り上がった角の痕を撫でながら、鏡に向かって微笑んだ

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フライベルグ・スカルと同時期に発掘された褐炭製の頭骨でございます
検査にかけられた方は褐炭のほか、褐鉄鉱石などで構成されておりますが、こちらは褐炭のみで構成されております
この光沢は褐炭というよりジェット(黒玉)と呼ぶが相応でしょう
燃えやすいのでご注意ください

#呟怖 #呟怖bot可

「口裂け女って雑だよね」
「あんな真似るのが簡単なオバケ系も珍しいよね」
「赤いコート着てるんだっけ」
「あと帽子にマスクw」
「チープw」

そう、メイクで簡単に隠せるのだ
マスクを外し、上唇を引き上げる
後頭部まで露わになった口腔に友人の頭を呑み込んで私は一人泣いた

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アルケンストンでございます
山の精髄が凝り固まって結晶した、ドワーフの無二の宝物です

時代の変遷によりドワーフは数を減らし、より深い地中へと居を移しました
往時の勢いはもはやなく、自らの誇りを手放さざるを得ない程に困窮し…

少々支援をしました見返りに戴いたのです

#呟怖 #呟怖bot可

玉落つる

線香花火の

赤き末期

血潮に塗れし

生首のごと

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この国では、大切に扱われ百年を経た物は付喪神になると云われているそうですな
それでいえば当店には付喪神になってもおかしくない商品も多うございます
かの第六天魔王が酒を呑んだと伝わる髑髏
茶聖の首を刎ねた大刀
自ら新皇と称した男の首…

おや、首に纏わる物ばかりですな

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「海水浴の思い出? これが?…色覚検査には異常なかったわよね…」
「何ですか?」
「これ、何色?」
「赤」
「どうしてこの色にしたの?」
「だってこの色だったから」
浜辺に打ち上げられた黒髪、桜貝のような爪、洗い浄められた真白な骨、血の色の波
僕が見たままの美しい海だ

#呟怖 #呟怖bot可

生きた人魚でございます
大きいでしょう
この国には猿と魚を組み合わせた紛い物が人魚のミイラとして存在しますが、サイズが違います

腰の辺りに魚の口が見える?

ええ、勿論です
ヒトは、大魚に呑まれ、融合して人魚と化すのですよ
これは成り立ての人魚ということになりますな

#呟怖 #呟怖bot可

「じゃんけん、ポン! 勝った! アンタが鬼ね!」
「はいはい、ゆっくり10数えたら探しに行くからねー」
「OK、ちゃんと目ぇ隠しときなさいよ!」

いわれた通り、きちんと目を隠したら見つけ出せなくなってしまった
余計なことをいった彼女には謝罪と賠償を要求したい

#呟怖 #呟怖bot可

旧日本兵が脚に巻いたゲートルでございます
何故こんなものを?
いえ、向こうからやってくるのですよ
南方の島や海底から故国を目指して…
その途中で当店に現れるのです
束の間、休息が必要なのでしょうか
そうしていつの間にか消えるのです
ですから商品という訳ではないのですよ

#呟怖 #呟怖bot可

扉を開けると一面の猫
黒、白、キジ、サバ、三毛、茶トラ、洋猫
足の踏み場もない。というか床の色すら見えない
それなのに音がしない
色の境目に足を差し込むと柔らかい感触と共に「フギャア!」と悲鳴
ごめん、ごめんと謝りながら部屋を横断し、扉に辿り着いた
開けると一面の赤子

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