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呟怖は、Twitterでハッシュタグ『#呟怖』をつけてツイートすれば誰でも参加、投稿できる140文字以内の創作・実話の怖い話です。呟怖.ORGには、日々投稿される呟怖から転載または朗読やイラストなど二次利用を許可されたものが集まっています。作品の二次利用に関する約束は掲載作品の転載、二次利用についてをご覧ください。自分の呟怖作品も、他の掲載作品同様に読んでいいよ・描いていいよという方は、ぜひ参加ボタンから呟怖作家としてご参加ください。その他ご不明なことはガイドをご覧ください。

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呟怖.ORGと参加について

#呟怖 宝暦の頃である。この村の近辺で辻斬りが横行した。困った村人らが地蔵に祈願したところ、首のない地蔵が辻々に現れ始めた。下手人は人を斬ったつもりで、実は地蔵の首を刎ていたのである。その後、下手人は捕縛され死罪となった。地蔵は「身代わり地蔵」と呼ばれ、今も人々の信仰を集めている。 https://t.co/terzcOUObt

#呟怖 風に揺れる菜の花。地面から生えた白い腕が手を振っている。通学路の途中。春になるたび現れる。手を振り返した事はない。何だか怖い気がしたから。卒業の日。私は最後まで手を振り返さなかった。今では廃校になったあの通学路。あれは今でもそこにいて、菜の花と共に手を振っているのだろうか。

#呟怖 かーごめかごめ。公園の真ん中、小さな椅子に座った少女を子供達が囲んでいる。かーごのなーかのとーりーは。異様なのは子供達が全員、動物のお面を被っている事だ。うしろのしょーめんだぁーれ。酷く嫌な感じがする。気付くと少女の姿がない。輪を解いた子供達が走り去り、笑い声が後に残った。 https://t.co/9E0CbsDapm

#呟怖 寝室に飾られた人形が酷く気に障る。視界に入るたび苛立ちが募り、些細な事で妻と口論になった。妻にあの人形をどこから持って来たのか尋ねたが、彼女は知らないと答えた。感情のない無機質な目は人形にそっくりで、気付くと私は寝室のベッドで妻の体に馬乗りになり、その首を夢中で絞めていた。 https://t.co/pZI2qRuvHu

#呟怖 昔、この水瓶に雨水を溜めて使っていたんだが、屋敷の子供が中に落ちて溺れてね。水面に映った月を取ろうとして頭からドボンさ。水瓶は敷地の隅に埋められたが、時々そこから子供が姿を現すのだよ。それも決まって綺麗な月明かりの夜さ。お月様を取り損ねたのが、今も心残りなのかも知れないね。 https://t.co/a3BhDbNb8N

#呟怖 春のソロキャンプ。川を流れる雪解け水は冷たい。ときおりパシャパシャと水音がする。魚が飛び跳ねているのだろうか。テントから顔を覗かせると、白い人影がゆらゆらと川を渡って、対岸の樹海へと入って行くのが見えた。何故かふいにゾッとした。その樹海が自殺の名所だと知ったのは後のことだ。 https://t.co/XlloKZNqA5

#呟怖 誰もがその少女の嘘を庇う。悪意はなかったのだからと。子供の純粋な悪意は無垢と見分けが付かない。精神科医の私にとって、その少女は興味深い分析対象だった。私は少女と面談を重ねた。その純粋な悪意の在処が知りたくて。「あの先生に悪戯されたの」彼女が私を指差して、そう嘘を付くまでは。 https://t.co/yNp5OlVHTg

#呟怖 町外れの桜の下に女の霊が立つ。道ならぬ恋に堕ちて共に首を吊ったが、男だけが助かった。男は女を忘れて町を出て行った。それから毎年、生贄のように桜の下で首吊りが出る。いずれも若い男で、桜の下の幽霊が誘っているのか。静かに揺れる首吊りの傍ら、女がさめざめと泣く姿が目撃されている。 https://t.co/0FBsRJvBM9

#呟怖 昭夫が生きてるなんて嘘だろう、と病床の母は言った。兄は放蕩な男で、家族に迷惑を掛け続け、大きな借金を残して失踪した。居所は知れたが、その死に方は惨めだった。心労を慮って母には伝えていない。昭夫ならそこにいるじゃないか、と母は私の傍らを指差す。お前に殺されたと言っているよ。

#呟怖 俺の親父が猟師でね。若い頃、この山で迷ったそうだ。彷徨っていると、背後から何か追い掛けて来る。正体は分からないが、そいつは鬼に似ていた。猟犬が飛び掛かった隙に親父は里へ逃げたが、猟犬は帰って来なかった。そのとき何故ここが、昔から立ち入り禁止にされてたか分かったと話してたよ。 https://t.co/UJJlmJ5Xwe

#呟怖 雨が背後の足音を隠す。被害者は気付かない。そっと近付いて刺し、逃げる。雨が痕跡を洗い流してくれる。「レインマン」と呼ばれた雨の通り魔は、五件の犯行の末に逮捕された。絞首刑を待つ独房で、彼は密かに怯えている。耳奥で降り止まない雨音の向こうに、五人の足音が聞こえるのだという。

#呟怖 兄が死んだ。彼は怪談の蒐集家だった。怪談は一冊の黒いノートに纏められており、僕はそれを高値で売ることにした。あるネタ切れ作家が買ったが、彼はその数ヶ月後に死んだ。ノートの行方は分からない。今では「死を呼ぶ怪談ノート」として怪談になってしまった。兄はあの世で嗤っているだろう。 https://t.co/4rZps3LquX

#呟怖 子供の頃、近所に変なおじさんがいた。桜の咲く頃になると、舞い散る桜の花びらをパクパク食べるのだ。子供たちは彼を「桜おじさん」と渾名し、大人達は彼を嫌った。ある年の春、桜の木の下でおじさんの体は足元から桜の花びらになり、散り散りになって風に流され何処かへ飛んで行ってしまった。

#呟怖 失踪した彼女が残したのは一枚の風景写真だった。遠い渚。ポツンと置かれた一脚の椅子。そこに座る彼女の姿を幻視する。おそらくこの場所は世界のどこでもない。彼岸の風景を撮るのが彼女の望みだった。彼女はもう戻って来ないだろう。写真から微かに薫る香水は、きっと最後の別れの挨拶だった。 https://t.co/dGkoBHZuWo

#呟怖 花散らしの雨だな、と今は幽霊になった友人が呟く。「せっかくの桜が散ってしまうよ」彼は桜の咲く頃に死んだのだ。幽霊とは花の残り香のようなもの。散った花びらも土に返ってまた花となる。僕ら輪廻の先できっとまた友達になれるさ。そう応えると、彼は幽霊のくせに少し明るく笑うのだった。

#呟怖 懐かしい友人から電話があった。近く会いに来るという。「約束したじゃないか」と彼は言うが、私はそれを覚えていない。それから数日経って、友人が数年前に死んでいたと知った。携帯の履歴に残った番号に掛け直したが、「この番号は現在使われておりません」の音声が虚しく繰り返すだけだった。

#呟怖 誰も使わない奥座敷に幽霊が現れる。古い屋敷で、幾人もの使用人が目撃した。皆、怖がって辞めてしまう。僕は一人きりだ。幽霊は雨の日にだけ現れる。何故かは分からない。雨音に混じって跫音が聞こえる。怖いというより、少しホッとする。僕と同じで、幽霊もきっと雨の日が好きなのだと思った。

#呟怖 妹が死んで、母が狂った。隠れん坊をしているだけだと思い込み、家の中を探し続ける。やがて小さな影を見掛けるようになった。時折、声も聞こえる。母の行動は知らないうちに降霊術になってしまったのだ。自分が虐待して殺した癖に。ほら、今日もカーテンの隙間から、妹が怨めしげに覗いている。

#呟怖 子供の生首が三つ、後部座席で愉しげに歌っている。歌うたびにガボガボと真っ赤な血を吐いて。十年以上前、子供を三人殺したのだった。とっくに成仏したと思ったのに。車内に響く血を吐く歌声。なんだか私も愉しくなって来た。三つの生首を車に乗せて、真っ赤な夕焼けの向こうへ何処までも。

#呟怖 雨の囁きを聴いている。水は人の思いを伝達する。じっと耳を澄ますと聴こえるのだ。街の人々の哀しみや憎しみが。強い感情ほどハッキリと。先日起きた殺人事件。犯人の興奮が雨の囁きに混じって耳の奥に響いて来る。他の刑事にはない俺だけの能力だ。裏路地の古アパート。殺人犯はそこにいる。 https://t.co/3yV5h1bg1k

#呟怖 蓮の池を舟でゆく。傍らには見知らぬ女が一人。訊けば案内人だという。何処へ行くのやも知らぬ。空は高く風は凪いでいる。気付けば病室のベッドの上。無機質な天井があった。どうも私は死に損ねたらしい。蓮の花のような女の横顔を思い出す。あれが死出の旅路なら、そう悪くはあるまいと思った。 https://t.co/58HVtYX6QN

#呟怖 畑で銃の練習をしていると死神が覗くようになった。俺が誰かを撃ち殺すのを待っているのだろうか。獲物が欲しかったら街へ行きな。こんな田舎で殺人なんか起きねえよ。そう呟いた途端、銃が暴発して俺の視界は真っ赤に染まった。死神が俺の顔を覗き込む。ああ、お前はこれを待っていたんだな。 https://t.co/a29yYq39Rr

#呟怖 この古いお屋敷、奇妙な事がよく起きるのでしてよ。昨夜も廊下へ出ると真っ暗で、わたくし怖くて階下へ降りられませんでしたの。そしたら誰かが灯火を持って足元を照らしてくれて。てっきりお手伝いのお吉さんかと思って、朝起きて訊ねてみたら違っていました。あれはいったい誰だったのかしら。 https://t.co/EPOaRGyRj9

#呟怖 飲み干したジュースの空き缶を投げ捨てた。道端に幾つもの小さな赤い鳥居。確かポイ捨て防止の為に設置されたのだったか。そんなの効果あるかよと嘲笑すると、後頭部に何かがぶつかる。見るとさっき捨てた空き缶だった。辺りに人影はない。ふいに寒気がして、俺は空き缶を拾い慌てて逃げ出した。

#呟怖 夕暮れの裏通り。通り過ぎる顔にはどれも見覚えがある。「お久しぶりです部長」振り返ると一年前に退職した部下だった。でも確かお前は自殺したはず。辺りを見回すと皆、俺が死に追いやった人間ばかりだ。違うんだ会社の命令で仕方なく…。言い訳の声も届かず、俺は死人達に引き摺られてゆく。 https://t.co/z152vkqwdR

#呟怖 十五歳のその日、僕は家
出た。この狭い村で一生暮らすなんて我慢がならない。村の外へと続く一本道。その境界に立って、僕は唖然と立ち尽くす。なぜ村の外に出るのが禁忌かこれでよく分かったろう、といつの間にか隣に立った兄が言った。この村の外に人間の住める世界なんて、もうないんだよ。 https://t.co/hLFxbwqkDe

#呟怖 大雪が降った日、夫がいなくなった。数日後、街の各所に作られた雪達磨の中から、バラバラになった夫の遺体が発見された。雪達磨の位置を線で繋ぐと、それは正確に五芒星の形を描いていた。猟奇的カルトの仕業かと騒がれたが、犯人はまだ捕まらない。そして夫の心臓は私が大切に保管している。 https://t.co/JjfIkFsCWO

#呟怖 鬼は誰の心にもいる、なんて説教じみた話はどうでもいい。鬼は本当にいるのか、ただそれだけが知りたい。子供の頃、母親が鬼に喰われるのを見た。野犬に襲われたのだと村人達は信じなかった。あの光景が今も忘れられないんだ。そう訴える男は知らない。目の前の僧侶が、その鬼だということを。 https://t.co/WrsnbIAVc8

#呟怖 店を閉めると店長が必ず、隅のテーブル席にカクテルを置くんです。理由を尋ねると「儀式みたいなものだから」って。閉店後の店内で女性らしき人影を何度か見掛けた事があるけど、それと関係してるのかなぁ…。実は店長、婚約者を亡くしてるんです。まぁ、それ以上詮索するのも野暮な話ですよね。 https://t.co/GI6sQ9lLf4

#呟怖 ボートから転落した少女はその数時間後、信じられないことに自ら陸に上がって来た。生きていられるはずがないのに、まさに奇跡としか言いようがない。だが家族や親友など少女に近しい人々は徐々に気付き始めている。彼女の中身が何か別の、得体の知れないモノにすり替わってしまっていることに。 https://t.co/UwVD5Uk1HV

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