呟怖.ORG | 呟怖

呟怖は、Twitterでハッシュタグ『#呟怖』をつけてツイートすれば誰でも参加、投稿できる140文字以内の創作・実話の怖い話です。呟怖.ORGには、日々投稿される呟怖から転載または朗読やイラストなど二次利用を許可されたものが集まっています。作品の二次利用に関する約束は掲載作品の転載、二次利用についてをご覧ください。自分の呟怖作品も、他の掲載作品同様に読んでいいよ・描いていいよという方は、ぜひ参加ボタンから呟怖作家としてご参加ください。その他ご不明なことはガイドをご覧ください。

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呟怖.ORGと参加について

#呟怖
図書館で開いた本に女が挟まっていた。
「開いたなら仕方ありませんね」
気づけば本は閉ざされ、隣には先程の女が立っている。
「帰りましょう」
女に促されるまま外へ出る。私は尋ねた。
あの本を開けたら、どうなっていたのかと。
女は微笑み、こう答えた。
「開いたなら仕方ありませんね」 https://t.co/iorKa2GDju

#呟怖
よく怒られた。手癖が悪いと。
目に映った物は全て盗んだ。いつも祖母が泣きながら謝った。この子は病気なんですと。
ついに母から家を追い出される。お前は家の子じゃないと。
ごめんなさい、お母さん。ごめんなさい、お婆ちゃん。もうこんなことしないから。
だから、ねえ?早く此処を開けて。 https://t.co/AoaNvRziA0

#呟怖
異世界への扉がある。そんなことを信じてた。
使われていない鍵穴、公園のベンチの下、古びた木の虚の中…必ず、どこかに。
今日も探した。隣町の山の中で見つけたのは細い枝に括られた縄。
先端の輪っかを覗き込む。
見た事のある景色だ。僕の家、黒塗りの車、涙を流す親。
僕の求めた世界だ。 https://t.co/UDquOEwing

#呟怖
可哀想な姉。
姉は幼少期に事故で顔に大きな痣が残り日中は常にマスクをつけ人目を避けた。
大人になって引っ越した姉は、近所の子供から化物と呼ばれ石を投げられた。
連絡が途絶えた姉の最期は自室での餓死。
可哀想な姉。
私は姉の服に袖を通すと目に止まった人に尋ねる。
ねえ、私、キレイ? https://t.co/qqw9upV7QC

#呟怖
絵の中の女が俺を睨んでくる
先日他界した祖父の最後の言葉だ。骨董マニアの祖父は祖母が死んでから収集癖が酷くなり、家中いたるところに古びた品を置いた。
家を片付けようと足を踏み入れたが、絵なんて1枚も無かった。そのかわり、白い壁に埋められた骸が、恨めしそうに俺を見ていた。 https://t.co/cplNJFEr1c

#呟怖
ついに見つけた。座った者の望む時へ戻れる魔法の椅子を。
砂浜を歩きながら走馬灯のように己の人生を振り返り、考えては苦笑する。
椅子に腰かける。が、どれだけ待てど何も起こらない。愕然とし立とうとすると、椅子の下には大きな口を開けた化け物が。
畜生、この椅子にさえ座らなければ…… https://t.co/h2RnKhMuM2

#呟怖
「早く私を女にして」

彼女が僕に握らせたのは、錆の浮いた巨大な裁ち鋏だった。そんなつもりじゃなかった。ただ、彼女と愛し合いたいと。

「さあ、早く」

広げた股の間には何もない。つるりとした化け物の顔のよう。

「さあ、早く」

僕は手に力をこめて涙を流す。今夜僕らは、愛し合う。 https://t.co/9dzfI2edVR

#呟怖
「随分酷いですね」
医者が顔をしかめる。睡眠時の歯軋りのせいで口の中がボロボロだ。
原因は寝ても寝ても夢をみるせいだ。今自分が起きているのか夢見ているのかもわからない。
「さあ、治しましょう」
医者が巨大なペンチで私の頭を挟む。
また夢か。起きろ、起きろ、起きて、眠れ。 https://t.co/ZvLqbbuX9y

#呟怖

現し世は夢、夜の夢こそまことと嘯く彼女が死んで7日後、庭先に紫の蕾が芽吹いて3年経つ。あれは1度も花を咲かせず蕾のまま、朝露をつけてじっとそこにいる。
あの日から僕は夢を見なくなった。僕の夢はこの蕾に食われているのだろう。
僕は彼女との大切なまことの世界を永遠に失ったようだ。

#呟怖
青い錠剤がいる。1錠、2錠、3錠。これ以上増やせないと医者に言われる。
眠れないんだ、眠れないんだ。
100錠、101錠、102錠。
200錠で眠れるらしい。口の中が真っ青だ。
それでも眠りたい。ガリガリと音をたて錠剤を流しこむ。
空になった瓶。体の自由を失う。
これだ。訪れた眠りに歓喜する。 https://t.co/ZvLqbbdmi0

#呟怖
朝が来る。朝が来る。また日が昇る。
全てだ。目覚める度に全てを失い、全てを手に入れる。
片方の僕は目覚めれば無一文のフーテンで、次目覚めれば家庭のある普通の人間だ。
いったいどちらが夢なのか。もしかするとどちらも夢ではないか。
「早く起きて」
聞こえてくる声は、誰のものか。 https://t.co/iqbU2jHPOK

#呟怖
バーで紹介されたのは飲んだくれの話相手をする仕事。
酒代は天引きだが時給は良く申し分ない。だがコイツらの話は聞き覚えのあるような物ばかり。
退屈した俺はバーを見渡し目を止める。新顔だ。
たまには俺も話そうか。話のネタならここで聞いた話が山程ある。俺は胸を高鳴らせグラスを持った https://t.co/LFFOxoIE6B

#呟怖

バーのマスターに紹介された仕事は飲んだくれの話を聞くだけという内容。
酒は美味いし時給も良い。だがコイツらの話は聞き覚えのあるつまらない物ばかり。
退屈した俺はバーを見渡し目を止める。新顔だ。
たまには俺も話そうか。話のネタならここの奴らから聞いたのを少し変えればいくらでも。 https://t.co/LFFOxoIE6B

#呟怖
夕暮れ時、目の前を歩く男の影を踏んだのだ。
すると影は男から離れ、影のない本体はそのまま人混みの中へ消えていった。
地面に残された己の影と男の影を呆然と見比べる。
仕方がない、家に帰ろうと足を踏み出し気づく。自分の影が動かない。
足を下ろし考える。影の無い人間はどうなるのかと。 https://t.co/K7L35n3qLI

#呟怖

黒いカーニバルがやって来る。
君からの便りに心躍らせた。
以前来たのは10数年前。君は道化師に腕を引かれカーニバルの一員に。
あの時僕も一緒に行けば、子供のままでいられたのに。
黒いカーニバルがやって来る。
夜の帳の狭間からひっそりと。
君を連れ、道化を従え、次は僕も連れてって。

#呟怖

昔、人魚の肉を食べた少女が己の運命を嘆いて身投げした湖らしい。死ぬことが許されない少女は共に居てくれる男を探し、時々歌を歌うそうだ。
睡蓮の微睡みが囁きに変わったら気をつけろ。
誘っているぞ、魅入られるぞ、連れ去られるぞ。神隠しだ。
人魚の恋心は、あの世に続く一本道だ。 https://t.co/oq5Fus11G7

#呟怖
かの魔術師曰く、決められた周期で人を殺せば永遠の命を手に入れられるとか。
さあ、そろそろ時が満ち足りた。血の杯を満たしナイフを研ぎ澄ませ。
僕はいつでもあなたの傍に。あなたの友、切り裂きジャック。 https://t.co/kibgwvItMJ

#呟怖
これね、前世の私。
そう言って彼女が見せた携帯のキーホルダーは女子大生がつけるにはあまりにもリアルでグロテスクな生首だった。
ところで、前世って?
ああ、私の前世は落ち武者なのよ。
彼女は生首に懐かしむように頬擦りをした。 https://t.co/v00yR5rITQ

#呟怖

私の愛しいオテサーネク。今度はなにを欲しがるの?
犬も、娘も、夫も、家も、農場も。お前は全てたいらげた。
大きな大きなオテサーネク。私の可愛いオテサーネク。
そんな目で見ないでおくれ。か細い私じゃ腹は満たされないよ。
隣の農場に行きたいのかい?一緒に行こう、私のオテサーネク。 https://t.co/d6ZeSr2b1L

#呟怖

夢の世界に閉じ込められたか。生来、夢見がちだと言われた私の末路に相応しい。
地平線の彼方から私の名を呼ぶ声がする。
誰ぞ彼と気にするな。黒い人影に手を振り応える。
歩みを進め、ふと立ち止まる。
あれが私に成ろうとする化物か。
確かに見たぞ。死の間際、枕元で夫の手を握る娘の顔だ。 https://t.co/tsZw3PgHi0

#呟怖
弓を引き、山の上に住まう人喰い鬼の胸を射ろ。
そう告げられた男は対の山へ登り鬼の住まいへ矢を引いた。
風を切る音と同時に轟音が鳴り響くと、向こうの山から大きな岩が崩れ落ち村を成した。
放った矢は男の隣にあった岩へ投げ返されたらしい。
しかし、人喰い鬼の噂はとんと絶えたそうな。 https://t.co/btmSuj8Anp

#呟怖

最後にお一つ。
思い出せるのはここまでだ。グラスに並々注がれた酒を呷ったか。
酩酊が苦痛になったのはいつからだ。
体が冷たい。床が硬い。ここはどこだ。
漂うアルコールの臭いは自分の呼気か。
金属の擦れる音がする。
開いた口に注がれる液体。これはなんだ?
最後の一つはなんだった? https://t.co/HLyYjpT54A

#呟怖

恋と祈りは似ていると、口にしたのはいつかの君。
確かにそうかもしれないと、夜桜を見上げ思う僕は君を強く抱きしめた。
冷たくなる手足、首筋に喰い込む牙、零れ落ちる命、骸と化していく我が体。
嗚呼、僕は今、紛れもなく恋をしている。 https://t.co/vPTM2M2m3L

#呟怖

ア、痛い。足裏に走る痛みで気づく。ここは何処だ?
寝室への扉を開けたはずだった。が、振り返れば見知らぬ扉に見知らぬ空間。
帰らなくては。元の場所に。
ドアノブに手をかけ扉を引く。目に映るのは闇ばかり。
それでも、帰らなくては。足を踏み入れ、ふと気づく。
アア、痛い。血が流れる。 https://t.co/3PuLNJnOjB

#呟怖

切らなければならない。選べと言うのなら、妻も、子も。受話器の奥から聞こえる叫び声に、耳は貸すまい。切って然るべき。誰しも己が一番大事。
残った受話器を耳にする。聞こえてくるは、アアやはり愛しの我が声。

「お前の負けだ」

切らなければならない、この電話すら。 https://t.co/smIRhV2YQi

#呟怖
殿に入った新入りは妹を賭けたそうだ。それを聞いたのもずっと前の話で、今も殿にいるかは不明だ。
実は私は自分が何を賭けたのか思い出せずにいる。子供だったので、安易に自分の命、とか。身震いする。
賭けに負けぬよう、我々は百鬼夜行の如く、今日も白線の上を歩み続けるしかないのである。 https://t.co/HTXNIGzeMP

#呟怖
かつて最弱の生命体として認識されていた植物は、陽の光を拒んだ。その代わり神に望んだのだ。手折ることのできる腕を。踏み潰すための強靭な足を。齧りとり、咀嚼し、溶かしてしまう牙と酸を。願いは叶い、今では全ての生き物が彼らに蹂躙されている。
嗚呼、神よ。我らの願いを叶えたまえ。 https://t.co/teovmPYGI4

#呟怖
「カラスが鳴くから帰りましょう」

僕は夕暮れの公園で友達にさよならをして、すぐにママの元へ走った。でも、別れたばかりの友達が追いかけてくる。なにかあったのかと思っていると、彼は僕を追い越しママの手を握って歩き出した。友達は1人になった僕へ振り返り、最高の笑顔でさよなら、と。 https://t.co/KDjk0l429b

#呟怖
私が眠ろうと思い床に入ると、傍らにはナイフを突き立てられたまま腐乱した妻の遺体が横たわっていた。驚きのあまり私は飛び上がり、後頭部を箪笥にぶつけて視界が暗転した。
朝起きると台所から妻の声が聞こえた。私は身支度を整えると、箪笥の裏に隠していたナイフを取りだし台所へ向かった。 https://t.co/hYuNx19YbK

#呟怖
瓦屋根の古風な家だった。
通勤路の途中で見つけた家は、修繕中なのか屋根上で瓦を敷く人影が。
残業で深夜過ぎた日も屋根を見上げれば作業している。
いつまでやって…
そう思った刹那、家の窓から黒い手が伸び屋根の瓦を全て剥ぎ取った。
その人影は止まることなく、また瓦を敷き始めた。 https://t.co/MfkvUHtMh6

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