呟怖.ORG | 呟怖

呟怖は、Twitterでハッシュタグ『#呟怖』をつけてツイートすれば誰でも参加、投稿できる140文字以内の創作・実話の怖い話です。呟怖.ORGには、日々投稿される呟怖から転載または朗読やイラストなど二次利用を許可されたものが集まっています。作品の二次利用に関する約束は掲載作品の転載、二次利用についてをご覧ください。自分の呟怖作品も、他の掲載作品同様に読んでいいよ・描いていいよという方は、ぜひ参加ボタンから呟怖作家としてご参加ください。その他ご不明なことはガイドをご覧ください。

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呟怖.ORGと参加について

#呟怖

清らかで、純粋で、疑うことを知らないひとだった。その一途さが生んだ生き霊は想いを寄せた男の周りに幻のように現れては消えた。心を病んだ男は池へと身を投げ、彼女も追うように水底に沈んだ。
水面を覆う羊草の葉の中に白い花が一輪、何かを成し遂げたように誇らしげに咲いていた。 https://t.co/kOfpfVFStQ

#呟怖

浜辺で硝子瓶を拾った。
振ると中の水が青く光る。
夜光虫でもいるのかと顔を近づけて目を凝らす。
小さな生き物がびっしりと、それが一斉にこちらを向いた、気がした。

ぱりん

瓶が割れ掌が血だらけになった。
赤くない。
青い。
血も、太陽も、砂浜も。
頭の中で声がする。
はいれた、と。 https://t.co/MEPMZEHHeQ

#呟怖

柿を見ると子供の頃を思い出す。
干し柿になるまで待ちきれずよく柿にかぶりついた。
渋い味が口の中に広がる。
『まぁだまだだよ』
泣きそうな私を見て笑う祖母。

今は亡き祖母に倣って私も毎年干し柿を作っている。
食べ頃になると柿に小さな歯型がつく。
あの時の私を真似た祖母の悪戯だ。 https://t.co/6MVoHKR5aR

#呟怖

ある日悪魔が差し出した
奇妙なカバーに覆われた
丸い小さな赤いボタン

『太陽みたいに輝いていた
恋人失くした悲しみを
他の奴らと分かち合え』

伸ばした右手に誰かの左手
だめよと声が聞こえたけれど
指がとんと押していた

月が大きく膨らんで
太陽丸ごと飲み込んで
慟哭の声が地球を包む https://t.co/OHlDjzPRhD

#呟怖

渇いた土に水をかけると吸い込まれるように染み込んでいった。
きっと喉が渇いているんだろう。
でも貴方のところまでは届かない。
貴方が腐ってしまわないようにちゃんと水の量は計ってある。
(私ってなんて親切なんでしょう)
ベゴニアの花が揺れているのは風のせいだろうか。 https://t.co/O0PPy26Zcx

#呟怖

もう今までとは違う。
新たなステージの幕開けといったところか。
なんだかわくわくする。
胸もドキドキして…いや、おかしい。
心臓は動いてないのに。
そうか、これが幻肢痛というやつか。

胸に手を置いた姿で死んでいた男はゆっくり起き上がると、仲間たちが徘徊する街へと向かった。 https://t.co/dTkU84pCNp

#呟怖

砂浜に打ち上げられたそれを少年は這杜松の下に埋めた。尖った葉が何者をも寄せ付けず、宝物を隠すには絶好の場所だった。青年、壮年と歳を経ても流れ着くそれを見つけては埋めた。
ある日、死期を悟った老人は這うようにあの場所へ行き、砂を掘り返した。
夥しい数の喉仏がそこにあった。 https://t.co/rF51oRKHd1

#呟怖

白嫁菜の花を摘んで妻とまだ小さな娘に持たせた。
「花言葉は『丈夫』。早く大きくなれよ」
親バカねと妻が笑う。
妻の顔は長い髪に覆われて見えないが俺にはわかる。
覆い隠すように言ったのは俺だ。
他の男に見せてたまるか。
もう一つの花言葉は『隠れた美しさ』。
娘の髪も長くなってきた。 https://t.co/XpfxzrVkWg

#呟怖

「エキナセアって花よ。今日の貴方に似合うと思って」
彼女は僕の胸に硝子細工の花をつけてくれた。
花びらがひとつ欠けていることに気づいたのは宴の後だった。それ以来、胸に微かな痛みを感じる。
『貴方の痛みを癒します』
花言葉のとおり、彼女と一緒にいる時だけこの痛みを忘れられる。 https://t.co/2PUDrmTiFP

@suika_sheep #呟怖 #返怖
「掴んだけど持ち上がんねぇの」

「なんで」

「掴んでる奴がいた」

「酔っ払いの連れか」

「いや、床から生えた手」

「手」

「手間が省けたとか」

「誰が喋ったんだ?」

「こどくとかなんとか」

「それって」

「寂しいからって虫相手にしてもなぁ」

「そのこどくじゃねぇし」

#呟怖

夜が明けた。
紅葉林の奥にある神社を訪れる人の姿はない。
だが傍らの池には異様な光景が映っている。
炎に包まれ燃え上がる鳥居。
そこに吸い込まれるように列を成して進む人々の姿。
一人がこちらに顔を向けたが、水に落ちた紅葉の葉がその表情を隠し、広がった波紋は人々の姿を消した。 https://t.co/SqqeQHQIKZ

#呟怖

一輪の白い薔薇を手に娘は横になった。
花言葉は『私はあなたに相応しい』。
かつてこの地にあった風習なのだからと娘は何度も男の両親に頼み込み、そしてようやく叶ったのだという。
眠っているような死に顔の男の隣りに一瞬、誇らしげな娘の笑顔が見えた。
棺が閉じられた。 https://t.co/m3OKCdREj1

#呟怖

『猿が増えたので減らします』
防災無線を聞いた男達は鑿と槌を手に村長の家へと急いだ。家の中で暴れていた猿を捕まえ、その体に鑿をあて槌を振り下ろす。猿が木の塊に変わった。
「まだ出るぞ」
大黒柱の木目が猿の顔になりそこから次々と湧き出てくる。
動かないのは欄間の猿だけだった。 https://t.co/3iYd6Kf8Ei

#呟怖

虚ろな目の少女たちが整然と並んでいる。

秋桜畑のようでしょう

後ろで愉しげな声がしたが私の目は一人の少女に釘付けになっていた。かっと目を開いてこちらを睨んでいる。凛としたその表情は力強さに満ちていた。

お決まりですね

用意しておいた胴体と結合され、少女は私のものになった。 https://t.co/lNYFo11AfU

#呟怖

心に浮かんだ字を全て半紙に書いた。一瞥したあと、折り畳んで壺に入れ蓋をした。何日か経ってから取り出した半紙に残っていたのはひと文字だけ。
(この字か)
折り直して今度は封筒に入れ、離れた町のポストに投函した。

受け取ったあの人が読んだその時、呪いは静かに降りかかる。 https://t.co/RI8ZRmmWiq

#呟怖

舗装もされず草も生え放題の高架下のトンネル。
その中を通る真っ白なガードレール。
「ここは境界線よ」後ろで声がした。
「跨いだりすんなよ」右から。
「ほら来たぞ」左からも。
反対側の出入り口から人の形をした靄が列を成して進んでくる。
「近頃じゃ霊道も専用道路が必要なのさ」 https://t.co/F238afsC8F

#呟怖

激しく燃え上がる家から立ち昇る黒い煙。それは掴み合う幾つもの人の姿をしていた。集まった人々の間から押し殺した悲鳴が聞こえる。
「もうやめろ!」誰かが炎に向かって叫んだ。
喧嘩の絶えない一家だったという。

焼け跡から家族全員の遺体が見つかった。
互いを庇うように抱き合う姿で。

#呟怖

忘れたいことがあった。
帰りたい場所があった。
それに触れることができれば叶うと聞いた。

山道の途中に忽然と現れた石柱に手を伸ばした。
冷たい感触。
空を掴み落ちる。

一瞬の暗闇、そして光。
死に別れた父と母が笑っている。
二人と繋ぐ私の手が子供の手になっていた。 https://t.co/DgcGz03GRd

#呟怖

バケツの蓋は開けちゃだめだよ
どうして?
見たらバケツの中に入れられちゃうよ
こんなの入れないよ
入る大きさにすればいいのさ
え…?
その方が食べやすいし
食べる?誰が?

子供の声がしなくなった。
運ぶ回数が増えたが誰も気にしていない。
村人総出のバケツリレーは森の奥深くまで続く。 https://t.co/KWdaOzcCZ1

#呟怖

男を埋めた土の上に女はベゴニアを植えた。
花言葉は「愛の告白」「片思い」。
遺体が糧となったのか、花は増え、咲き続けた。

実らなかった想いを懐かしみ、女が花を眺めていたその時。
地面から伸びた手に足を掴まれた女はそのまま土の中へと消えた。
赤いベゴニアの花言葉は「公平」。 https://t.co/Pqre8GrLcO

#呟怖

牛や豚、鶏と一緒にショーケースに並べられたその肉は少しばかり安かったこともあり、すぐに売り切れた。食べたことのない味だったとしばらくの間、町での話題になった。
子供が一人、行方知れずになっていることが町中に知れ渡ったのはそれが売られてから何日も経ってからだった。 https://t.co/eBQU2EH9Iw

#呟怖

目に入った返り血が洗っても取れない。あいつめ、どうやら死に際に呪いをかけたようだ。
俺から顔を背ける人がいる。視えているんだろう。俺の前で血を撒き散らしながら叫び、事切れるまでの姿が。
何度でも死に続けるがいい。俺が望んだお前の結末だ。
この目が赤いうちは見続けてやる。 https://t.co/MdmDS3kPc3

#呟怖

一本ちぎり口へ運ぶ。
細くて小さいからひと口で無くなった。
あと九本もあるがこれなら食べられる。

「パパ、何を食べてるの…」
バナナだよ、ほら、お前も
「いや!どうして?それ、ママの指!」

足元には息絶えた妻。
手には包丁。
口の中には爪と骨。 https://t.co/zzTC65AQou

#呟怖
「明るい場所で目を閉じると瞼越しに光を感じますよね。時々瞼の向こうが一瞬ふっと暗くなることありません?私、昨日スマホを持ったまま寝てしまって。カメラモードになってたらしくて、こんなの撮れてたんです」

天井の蛍光灯の下、逆光で写っていたのはそう話す本人の笑顔だった。

#呟怖
鳩の遺骸を烏たちが啄んでいる。車慣れした鳩は逃げるのが遅く、ここで轢かれているのをよく見かける。遺骸は瞬く間に烏の腹に収まった。夜明け前、そこに肉の塊を置いた。日が昇る頃には全て食い尽くされていた。食べきれない分を烏に託し続けたおかげでようやく彼女の気配が消えた。

#呟怖

犬を連れた男性らしき人影が前から近づいて来る。
犬が咥えている袋は糞が入っているにしては大きすぎる。
はたと気付き男性を見ると首から上が無い。
立ち尽くす私と犬がすれ違う寸前、足元から声がした。

おはようございます

私は何事も無かったように足早に駅へと向かった。

#呟怖

『見知らぬ誰かさんへ
いらっしゃいませ
散らかってるのは先に来られた方が物色されたからです
私たちはきれいに使ってたのに残念です
二階の寝室には妻が、子供部屋には娘がいます
私は』
崩れかけた壁に書かれた字を目で追っていた俺の耳元で囁くような声がした。
(あなたの後ろにいますよ) https://t.co/KO8xNLQqRG

#呟怖

土で塗り固められた窓の向こうから子供達の声が聞こえる。
「いいお天気」
「空がきれい」
穴でも空いてるのかと土壁に触れた手がずぶりとめり込んだ。小さな手の感触が土壁の中から伝わってくる。腕が。肩が。やがて何も見えなくなった。
「つかまえた」
聞こえるのは笑い声だけ。 https://t.co/NtRd2iTjTd

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