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呟怖は、Twitterでハッシュタグ『#呟怖』をつけてツイートすれば誰でも参加、投稿できる140文字以内の創作・実話の怖い話です。呟怖.ORGには、日々投稿される呟怖から転載または朗読やイラストなど二次利用を許可されたものが集まっています。作品の二次利用に関する約束は掲載作品の転載、二次利用についてをご覧ください。自分の呟怖作品も、他の掲載作品同様に読んでいいよ・描いていいよという方は、ぜひ参加ボタンから呟怖作家としてご参加ください。その他ご不明なことはガイドをご覧ください。

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呟怖.ORGと参加について

走馬灯の摘出に成功した。結晶化したそれに装置を付け、画面越しに観測された内容は抽象的だが実験体本人の記憶と違いなく、しかし奇妙にも波数が夢と同じだった。それ以来私の周りでパキパキと硬い音が聴こえだし、その度「私達は夢の中を肉体で動いているのでは」と一人が呟いた事を思い出す。#呟怖

お祭りの夜、鮮やかな提灯の中を赤い着物の少女達が遊んでいた。笑い声と足音と、水の音。私を中心に走っているらしく、今一つ大きな笑い声が響いた途端視界が滲み、その遠くでは私に似た赤い着物の子があの少女らに混じって駆けて行くのが見えて、ふと気付くと、私は袋の中の金魚になっていた。#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1299557983043514368 

『精神病棟の5号室患者について』大人しく記憶障害を除けば正常である。彼は姉──現在行方不明である少女の話をするのだが、その少女に弟が居ないのは確認済みである。ただ彼女の日記に彼によく似た”弟”が出てくる事、現在は青色だが保護当時、彼の眼は彼女と同じ茶色だった事との関連性は不明。#呟怖

物心ついた時から私はこの城に居たのだが、私以外誰もおらずあるのは無数の怪物の絵が描かれた本だけだった。そんな中、ある晩隠し扉を発見した。そこには上へと続く螺旋階段があり、月光射す窓を目指して登っていくと、そこには出口であろう扉と、鏡と、あの本に描かれている怪物が映っていた。#呟怖

その植物園には夜になると沢山の蝶が現れる。白く柔らかな光を纏った蝶達は月光に当たれば消えてしまう程に淡く、日が昇ると消えてしまうのだが、そこには美しい花を咲かせた大きなウツボカヅラが居り、飼い主である少女が毎日、標本箱から選んだ何匹もの蝶をピンセットにて丁寧に与えている。#呟怖

眠っている自分と、それを観察し何かをメモに取っている自分と、それらを見ている私がいたのだが、不意に観察している自分と視界がリンクして書いていたレポートらしき何かが見えたのだが、其処には沢山の目が書かれており一斉に瞬きをしたので「これが『夢』か」と思った所で目が覚めた。#呟怖

30.「キリンの町」

この町には一つ目のキリンが現れる。深い霧の中を音もなく、私達を見向きもせずに黒い巨体で虚ろに、ゆっくりと跨いで行く。様々な人種が集まっており、噂によればキリンと目が合った人はいないらしいが、この町から出る道も、自分の名前を覚えている人もいなかった。#呟怖

その山奥にある潰れた植物園には、「人魚が脱走しました」という古い張り紙がされている。#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1295755160119963648 

その廃校では人魚の墓と書かれた棒が其処彼処に刺さっている。#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1295236210344882179 

DNAが本当の意味で解読された。新たなゲノム配列に基づき並べていくと一つの小説が現れ、それは当人の現在過去未来を綴った完璧な予言の書だった。これにより科学者が占い師の役割を担う様になったのだが、その後産まれたある新生児のDNAに、新しい創世記が書かれていた事は知られていない。#呟怖

「助けてくれ!死にたくない!」曇天の下、振り返ると男が倒れていた。溢れた血は黒く、這う度に文字となって地面を塗る。「私はあんな事したくなかった!何故…何故…」男は私の足元で事切れた。降り出した雨は彼も、彼が流した物語をも排水溝に流してゆき、私の手には血塗れの万年筆があった。#呟怖

「月明かりの赤い夜には『出口』が現れる」という世界の言い伝えがあるのだが、何故月ではなく月明かりなのか、何故入口では無く出口なのかは不明であり、とにかく「出る方法」として語り継がれている。#呟怖 https://twitter.com/hosiizumi38/status/1291012735606484992 

町にある神社にて御神籤を引くと学業や旅行、恋愛に並んで「生死:不明」と書かれてあったその日から私の影が見当たらない。#呟怖 #一行怪談

本物のマスターキーをご存知だろうか。世界中のどんな扉も開けてしまう、魔法仕立ての鍵である。しかしその鍵は今、地獄にあるとされている。昔ある男がロダンの地獄の門を開けたのだ。扉は開き、男を飲み込んでから再び閉じた。ある美術館の地獄の門の床には、扉を開いた跡が残っているという。#呟怖

夢を観測する事に成功した。
被検体10人に装置をつけて眠らせると次第にテレビは各々の夢を写し始めたのだが、ある一人だけ異質な夢を見ていた。この部屋の、私の後ろ姿が見えている夢だった。いわゆる正夢の類だろうか、証言を取るため、私は装置の電源を切っ
#呟怖

その人気のない科学館の奥には瞳を閉じた古いからくり人形が展示されているのだが、壊れているのか誰も稼働した所を見た事がなく、ただ作品名が「地獄」という事しかわかっていない。#呟怖

ある科学者が不審な失踪を遂げた。
研究室の机には「人間薬の仮定と解毒方法」と書かれた論文があったのだが、後半になるに連れて解読不能、この世のどんな文字にも当てはまらない言葉になっており、側には昔ある小説家が書いた「人間用人間変身薬について」という論文形式の作品が置いてあった。#呟怖

AIが作った「存在しない人達の顔」の中に両親、妹、友人、そして自分の顔があった。驚いて鏡を覗くと今まで見ていた自分の顔と何処か分からないが完全に変わっており、目を離した途端私だった顔は数百の顔の中に見失ってしまった。#呟怖

海の成分を書くと文字達から波が聞こえた。泡沫の弾ける音、鼓動、陽の瞬く熱。全てが永遠で、儚い。息の仕方を忘れた頃、ドポンと何処かで音がした。誰もいない部屋にてノートが捲れる。ナトリウム、マグネシウムと最後の行には何かが書いてあったのだが、水に濡れて読む事はもう叶わなかった。#呟怖

その卵の化石には「街」が入っていた。殻の内側に添って生える色鮮やかな結晶には窓や扉が付いており、その隙間をよく見れば道や階段、植物さえも確認出来た。そして卵の、─街の空には生まれなかった胚が眠るだけで、殻を開ける前は確かにあった鼓動も喧騒も温もりも、もう其処にはいなかった。#呟怖

眠る少女の様に一つ、ガラス瓶が割れていた。私はそれを持ち帰りカチリと音を立て直していく。完成した瓶はヒビの見えない程で、しかし先程までは無かった小さな古鍵が余った様に現れた。その夜私はその鍵で扉を開けていく夢を見た。目覚めると鍵も瓶も無く、掌に鍵穴の形をした痣が出来ていた。#呟怖

傷付いた蛇を保護したが翌朝には見当たらず、その日から私の夢にはあの蛇が出る様になった。花から虫、街に人々、夜までも飲み込んで、もう私の夢には私とすっかり巨大化した蛇しかいない。私は花を一輪咲かせ、蛇は恭しく召し上がる。いずれ私も食べられるのだろうか、それもまた幸せだと思う。#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1263443628782845954 

代々住み続けるこの縦に長い不器用な家には、人魚が出る。決して姿は見えないもののカーテンや障子を閉めた時にその空を漂う影だけが見えるのだ。特に月夜の、世界が青に沈む夜は、私の部屋である最上階の和室には最も綺麗に人魚の影が映し出されて、その度私は、この家の本当の主人を思い知る。#呟怖

夕方、公園にて声がした。どうも隠れんぼをしているらしいが姿が見えず、ただ中央にしゃがんだ子供の影だけがある。「もういいかい」掛け声にいつまでも応答はなく、次第に影は夜へと飲み込まれて、其れきり何も聞こえなくなった。#呟怖

この町は住み心地がいい「桜の見頃が」公園も綺麗で「『5』の落書きが多発」商店街も賑やかだ。「鉄塔にて溺死体」家からの景色も良く「七夕祭の贄には」ただ、「月と目が合ぁああああ」ブツン、私はうるさくなったラジオを消した。またこの街も狂ってしまった。しょうがない、次の住居を探そう。#呟怖

止まった私の命は、銀細工の華奢な腕時計だった。輪廻の為死神に連れられ訪れたその修理屋の壁には本棚とカップが並ぶ他に一つ、解剖された懐中時計の標本が飾られていた。「それかい?それは、一番最初の仕事でね」と顔の見えない修理士が言う。額縁下のラベルには『Adam』と一言綴られていた。#呟怖

列車の食堂で、私は一人、白い皿に乗った大きなエビフライを眺めていた。右にはナイフ左にはフォーク、突き刺し、切って、タルタルソース、口を少し傷付ける衣、咀嚼。窓の外は海だった。見ると喪服を着た魚達が泣きながら泳いでいる。そこで私は、これはこの海老の葬式なのだと気が付いた。#呟怖

その石造りの精神病院には月光浴をする為の箱庭があるのだが、その度にぽつりぽつりと患者が消えている事は、この街の暗黙の了解である。#呟怖

迷い込んだその海は底から茎が伸びており、水面には温かな日差しを浴びて蓮の花が揺らいでいた。遠くから、気泡も上げずクジラが通り過ぎ、他にも金魚や海月、絶滅した古代魚達が泳いでいく。下へ潜ると冷える様な月が現れ、暗い海底に広がった魚達の骨の右目からは、あの蓮の茎が伸びていた。#呟怖

影送りをしたその日から、空には僕の影がいつまでも張り付いており、時折入道雲程の大きさになっては僕の知らない顔をして手招きをしてくる。#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1252722427051704320 

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