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春の四つ角にて、黒い服を着た子供達が飛び出した。「神様のいない所を探検するの」と泡粒の様な笑い声をあげ去っていく。子供達が出てきた先を見ると昼の街には似合わない暗さで、地面には「地獄↑」と真鍮のプレートが埋め込まれていた。#呟怖

月が変化した。以前の白色などではなく、鏡の様な球体になっていた。前からだと皆は言うが、夜の度に拡大鏡の様に月に映った自分と、自分の虚像越しにあの月と目が合っている様でどうも不気味だ。「月は白かった」とメモを書こうと手帳を開くと、月についての出鱈目なメモが幾つも綴られていた。#呟怖

この山奥の廃工場には特に事件性など無い。しかし何時からか隠れんぼをする子供の影がでる様になったという。実際影はあり、触れても透けてしまうそれは異様ではあるが怖くは無い。ただ、私がいつから焼却炉に隠れているのか、私はこの噂を一体誰から聞いたのか思い出せないでいる。#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1249188703467180034 

友人から日に一度、電話がくる。夜の1時38分に必ず。一応どうにかならないかと色々してはみたのだ。家に行ったり解約したり説得したり捕まえたり拷問したり、犯人の首をお墓にお供えしても駄目だった。「…」今日もノイズだらけの電話が来る。いつのまにか文字化けした友人の名前が、妙に哀しい。#呟怖

「それ、幾らですか?」私が彼女を埋めるのを見た其奴は、奇妙にもそんな言葉をかけてきた。本物だぞ、と言っても同じ調子で聞いてくる。タダでいいと答えると男は彼女を引き摺り、消えていった。後日街で彼女を見かけた。驚いて声をかけるも微笑むのみで、よく見ると目玉が硝子になっていた。#呟怖

私が死んでしまった。布団に横たわる私はあの死者特有の物質さを持っていた。それ以来世界は眠ってしまった。今や私は自分の体も思い出せず、ただ慰める様に自分の亡骸を眺めている。ここは地獄なのだろうか。命日という棺桶にて風は凪ぎ、星は瞬く。海は泡沫を生み、私だけ今日も死んでいる。#呟怖

地図が手書きの頃、真似されぬ様に偽の地名を書く事があった。印刷が発達しそれも風化した頃、捜索依頼が出た。が、すぐに取り消された。
彼のいう友人の住所があの偽の地名だったからだ。「これが毎日届くんだ」と見せた封筒にはあの地名の番地と、中にはあの地名が載る古い地図が入っていた。#呟怖

廃病院の一室でベッドの上に人型の染みが寝ていたが、隣の機械が音を立てている為それはまだ生きているらしい。#呟怖 #一行怪談

私の町の氏神様は恐らく猫だ。
この町には猫が多く、他の町には無いらしいが町の随所で招き猫を見かけるのだ。更にお供え物は魚で、氏神様を尋ねれば大抵「昼寝中」と返される。また夜は神様の時間とされ、その同時刻に猫の集会が行われており、それを覗いた事による死亡者が後を絶たない。#呟怖

5.「常世石」

悪夢から目覚めた際、稀に握りしめた手の中に現れる石。硬度が非常に高く、また常に−6°を保っている。
世界で一番美しいとされているのは或る少女から出現した石で、少女はそのまま目覚めることはなかった。博物館に飾られているが、時折少女の悲鳴が聞こえるという噂がある。#呟怖

影だけ残った花に、影だけ生きている蛾がとまり、マンション裏の其処だけが酷く静かであった。#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1224768538214195200 

リサイクルショップの前に「新商品」と売り出されたマネキンが、昨日どこかに消えてしまった遺体と同じ服を着ている。#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1221263376191410178 

鬼灯に耳を澄ますと祭囃子の音が聞こえた。笛と太鼓と人々の騒めき、目を閉じれば光と匂いも、出店、人混み、知らない神社、あの鳥居の奥は、「だめだよ」突然音に混じり少女の声がはっきりと聞こえた。驚き鬼灯を落とすとパリンと音がし、中から炎の様に輝く赤い液体が流れ出した。#呟怖

月面にて少年が行方不明になった。
地球程の大きさも隠れ場所も数える程しかないこの場所でどれだけ探しても少年は見つからなかった。それから一年後、突然彼から受信があった。「僕は元気だ」後ろから女の笑い声がする。「ここには海がある、皆も早く」その言葉を最後に連絡は途絶えてしまった。#呟怖

「深層ウェブからとあるデータが逃げた」そんな噂が実しやかに囁かれていたと同時期に、街のあちこちで神出鬼没なQRコードの目撃談がSNSにあげられている。#呟怖

「くおん」おんおん…そんな音を震わせながら川を下るのは磁器製だろう真白な皿であった。石に当たる度に身を絞める様な美しい音が木霊する。
誰がこんな風流な事をしているのか。やがて皿は僕の目の前を過ぎ、河下へと過ぎて行く。「待って!」対岸にて違和感のある河童が音を追いかけていた。#呟怖

顔認証アプリで自撮りをしたら、背後の扉の暗闇に巨大なうさ耳が浮いていた。#呟怖 #一行怪談

黒鍵の上で踊る少女が見る夢は、冬の林で、見えない幽霊から逃げるものだった。足音が追ってくる。絶え間ないワルツは胸を締め上げ「開けて、出して」少女は叫ぶ。林が永遠だと知っているのに。
疾うの昔に春は来て、少女は未だに目覚めない。だってこれは、とあるルチルクォーツの悪夢ですから。#呟怖

23.『地獄の町』

果ての谷底にある町。
野薔薇に唇を落とす少女、大きな鉢に入り此方を見る少女、柘榴に噛みつき赤く染まる少女、花冠を被り蝶々を千切る少女…鈴の様な笑い声は絶えず心を揺らす。楽園にも似た様子だが、この橋から降りない事、ここが地獄だと忘れない事と言う約束がある。#呟怖

川沿いの道、街灯の下にて誰かが立っていた。こんな雨の夜にどうしたのだろうか。するとそれは異様に背の高い女性で、唇の赤く、片足が無い事がわかった。鮮明に、近付いてきたのだ。「あっ」と思った時には誰も居らず、奇妙な幻覚だったのか。踵を返した時気が付いた。傘に当たる雨音がしない。#呟怖

家に帰ると妻が二人になっていた。「私は勿論本物です。しかし此方も本物な気もしますし、私こそ偽物な気もと定かではありません」ねェ、と二人顔を見合わせ笑った。暫くすると片方がいない時に一瞬だけ片方が狐に見える様になった。そう言うと「私達、何方が狐かしら」ねェ、と同じ顔で笑った。#呟怖

夜中に口笛を吹く少女がいた。
「以前、この口笛で蛇が現れました。もう一度あの蛇に会いたいのです」

後日少女が行方不明になった。
机には『探さないで下さい』の書き置きと奇妙な鱗、そして彼女のものではない、鱗と同じ色の長い髪の毛が落ちていた。
警察は駆け落ちとして捜査している。#呟怖

「月が綺麗なので電話をしました」
思わずとった電話の声は相変わらずで、キザな事をと答える私も笑ってしまった。ああ確かにいい月だ。質量のない光はどこか暖かく、声はすぐ側にいる様で、思い出話は私が一方的にした。

倉の奥、黒電話は何処にも繋がってはいない。君の、十周忌での事だった。#呟怖

その部屋には自分が一番恐れているものが出るという。僕の場合は草原と、曇天から垂れる首吊りの縄であった。面白く思い友人を呼んでみると、開け放った部屋は真暗で、ただ一人、その友人本人が立っていた。
『やはりな』友人はそう呟き、隠していたナイフでひと突き向こうの自分を突き刺した。#呟怖

6.『絵画の町』

町の至る所に画が飾られている。
中でも目立つのは作者は同じらしい風景画だ。額縁も全て同じで、無音な自然音が聴こえる様な不思議な絵。
だがこの町では行方不明者がやたらと多く、「あの風景画の中で『彼女』を見たんだ、彼女を描かないと」と譫言を言う人が後を絶たない。#呟怖

「名前を付けて下さい↓」
ある路地にてそんな札と、下には後ろ姿の女性が写る、白黒の古びた写真が貼ってあった。
だから私は悪戯心も相まり、ペンで『きみこ』と書いたのだ。

だが翌日、「きみこさんって知り合い?」と同僚から問われ、その日から私の周りで『きみこ』が私を探し回っている。#呟怖

その居酒屋の品書きには、刺身やつまみに混じり、人の名前が連なっていた。これを、と注文すると「どこの部位にしますか?」と言う。疑問に思いつつタンを、と出てきたのは食べた事のない味のものだった。
翌日また店へ行くと客は居らず、そこには自分の名前が書かれていた。
鍵の閉まる音がする
#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1207702143563550720 

窓から向かいの建物の一室が見えた。そこは室内にも関わらず原始の様に草花が咲き、二人の少女が此方に手招きをしていたのだ。その美しさに思わず足を出した所で「何やってるの!」と妻に止められ、気が付いた。我が家の向かいに建物は無い。青空の元下を見ると先程の少女達が、此方を見ていた。#呟怖

台風により倒れたと言う、古くからある廃村奥の木の根には、古い時代の骨に混じり、先日行方不明になった人の白骨死体が絡まっていた。#呟怖

『どうも』その図書館に人は少なく、夕方には僕だけだったが、本を抜いた先にひらり舞ったその手は確かに僕にそう言った。
それからそこは待ち合わせ場となった。その人は随分と読書家な様で、その穴からお勧めの本を渡してくれる。
─いつか姿を見たいな。
赤い、怪物の様な手が今日も見える。 #呟怖

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