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呟怖.ORGと参加について

深夜仲間と心霊スポットへ行ったが何も無かった。皆と別れて歩いていると、前からチリーンと鈴の音が聞こえた。間を置かずに背後からもチリーンと。更に左右からもチリーン…チリーン。
十字路の真ん中で音に囲まれた。
動けない。#呟怖 https://twitter.com/tsubukowa/status/987506528721616896 

フリーマーケットにて。
小さな人形に
「このにんぎょうはにんにくがだいすきです」と拙い文字で書かれている。
近寄って手に取ると思っていたより重く、生暖かい。
「おかねはタダです」とシートに座る女の子がにっこりと笑った。
その子の右の手は何枚もの絆創膏が貼られている。#呟怖

墓地にいる。荒れ果てた(〇〇家)に覚えはないのに、その墓石の前で口汚く罵る自分、そんな夢を見た。その後の何人か、付き合う男性が(〇〇家)と同じ姓である事に驚きながら、どの彼があの墓に辿り着く人だったのだろうと考えてしまう。
いや、これからの人なのかもしれない。
#呟怖

その部屋の窓には鉄の格子が嵌っていて中の人を守っている。窓から見える桜の大木は春の夜に見る者を呼ぶのだそうだ。応えた者に幸を魅せ代償に養分を求める。これまでずっとそうして来たのだという。
「本当の話なのよ、でも私は…」
顔を上げた彼女の顔には二本の赤黒い痕が縦に走っていた。#呟怖

「花を活けてもグリーンを飾ってもすぐ枯れてしまうの。だから全部作り物なのよ」そう言ってお茶を出してくれた友人は酷く窶れている。ひとくち茶を含むと生臭く、とても飲めたものではない。
早々に辞した。門を出て振り返ると家がぶるりと揺れたように見えた。 #呟怖

「ご注文を繰り返します」と復唱されたものは全く違っている。
「あの、違います」とメニューを指しながら確認をすると
「申し訳ございません、こちらの方が『違う、これとこれよ』と仰るので…」
と私の隣に恐る恐る目をやるのだが、私には誰も見えないし何も聴こえなかった。 #呟怖

蕾の膨らんだ大木を見上げながら
「これは良い、丁度良い」と微笑む人がいた。「じきに見事な咲きっぷりがみられますね」と声をかけると、「紛れるのもまた良いね」そう呟きこちらを向くと、首に千切れたロープをぶら下げたままのその人は「ここに移るよありがとう」そう言いながら消えた。 #呟怖

心が遠くになってしまった彼女が自死したと聞いた。その直前に作ったのか、私宛に届いた手紙には淡く塗った爪を剥いで桜にしたものがふたつ、便箋に貼り付けられていた。その下には血で汚れた「また春に」の文字。
次も届くのだろうか。 #呟怖

月明かりに夜桜を見上げていた。木から短く出ている枝先の白いものがあるので近寄ると、紅い爪の指が花を摘んでゆるゆると動いている。目を離せずにいると、こちらにふわりと花を落として指は消えた。明日もまた来てみよう。
#呟怖

深夜に家路を辿る自分の靴音に混じり、ギシリギシリと聴こえるので音のする方に目をやると、細い路地裏にマネキンが一体壁にもたれて置かれていた。軋ませながら首を傾げて「イラッシャイマセイラッシャイマセ」と言っている。無理な動きに首は折れてあちらにゴロンと転がった。 #呟怖

会話の噛み合わない妻は、年々ちぐはぐさを増し、一昨日の話題に今日応えるようになった。最早流れが分からない。度の過ぎたタイムラグはこれからも続くのか。もしかしたら私の遺影に話すようになるかもしれない。逆なら…そう考えたら少し怖くなった。 #呟怖

道端に小鳥が死んでいた。可哀想にと庭に埋めて手を合わせた。翌朝カーテンを開くと同じ柄の小鳥が数羽、昨日埋めた場所に集まり咥えていた何かをぽとりぽとりと落として飛び去った。近寄って見ると小さな種だ。少し押し込んで水をかけ、彼らの弔いがどんな花を咲かせるのか待ってみよう。 #呟怖

ベランダで煙草を吸い付けふうっと吐き出す。空を見上げながら口にするとおかしな味がする。見るとフィルターに真っ赤な口紅の跡が付いていた。耳元に「もう一本」女の声が囁いた。 #呟怖

深夜洗面所に立つと鏡に唇の跡が付いているのに気づいた。拭っても消えず、僅かに蠢くそれに戯れに唇を重ねた途端、「いたいいたいああごめんなさいゆるしておねがいたすけて」
声を出しているのは自分だった。
ずっと待っていたのだろう。可哀想になり、桜色のリップを買い塗ってやった。
#呟怖

古書店で懐かしい本を見つけた。涙で濡らした頁があったっけ。今読んでもあの時のように感じるのかと買い求めた。
その頁までの気持ちの昂りを覚えながら文字を追い、変わらない流れを知りながらもとうとう来たその頁は…既に濡れていた。耳元に「同じだね」と囁く声は優しかった。 #呟怖

「学びに終わりは無い」が口癖だった祖父は亡くなった今も部屋に現れては本を開いている。祖母は嬉しそうにお茶を淹れ、祖父の手元に置いてから下がり、静かにその背中を眺めている。冬には火鉢、夏には団扇を扇ぎそっと見守る祖母。振り向いてあげたら良いのに。
そう思った。 #呟怖

産まれて息の続かなかったその子は身体の一部が欠けていた。己を責めた母親は自身を切り落として子の亡骸に添え、祈りながら逝った。そして…
出逢えたのだろう。
月齢にそぐわぬ左腕をもつ乳飲み子を片手に抱き愛おしげに見つめる女が目撃されるようになった。
二人は幸せに違いない。
#呟怖

ひとりでランチに入るのに必ずお冷がふたつ置かれる。ある時はっきり「二名様」と呼ばれたので聞いてみた。
男性だそうだ。
案内された席を今日は奥を譲り、テーブルにある物を置いた。
箱がカタカタ音を立て、テーブルにひとつ雫がぽたりと落ちた。
ビターチョコ、大丈夫だったかな。
#呟怖

最近頻発している年配者の連続行方不明事件には共通の出来事があるようだ。
手を耳にあて嬉しそうに歩く老婆の呟きを耳にした学生はこう言った。「ああ懐かしい懐かしい」
夕暮れ時、彼らにしか聴こえない(それ)は幸せの音なのか。
ハーメルンの笛吹き男、最後はどうなったっけ? #呟怖

そのアンティークショップは店内がひんやりとして、締め切ったカーテンで薄暗い。気に入って購入した西洋人形を包みながらオーナーは言う。「くれぐれも日当たりの良いお部屋へは置かないでやってください」何故かと問うとオーナーは小さく微笑みこう言った。
「傷んで臭ってきますから」
#呟怖

「来てくれて嬉しいわ」夫が長期の出張で義母と二人暮らしの友人は笑顔で私を出迎えた。案内された庭先に、これまでにはなかったものがある。「水琴窟を造ってみたの」水を落とすと微かに聴こえるその音は、人の呻き声にも思えるが、義母が今日何処にいるのか聞くのが怖くてたまらない。 #呟怖

#呟怖 夢を見る夢を見た。翌日は夢を見る夢を見る夢を見た。夢の中には必ずドアがあるのだが、ノブに手をかける直前で次の夢へと切り替わってしまう。今夜もまた……いや、今夜はもうひとつ夢のドアが増えるのだろう。いつまでも開けられないドアに、私は狂わずにいられるだろうか。

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