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呟怖は、Twitterでハッシュタグ『#呟怖』をつけてツイートすれば誰でも参加、投稿できる140文字以内の創作・実話の怖い話です。呟怖.ORGには、日々投稿される呟怖から転載または朗読やイラストなど二次利用を許可されたものが集まっています。作品の二次利用に関する約束は掲載作品の転載、二次利用についてをご覧ください。自分の呟怖作品も、他の掲載作品同様に読んでいいよ・描いていいよという方は、ぜひ参加ボタンから呟怖作家としてご参加ください。その他ご不明なことはガイドをご覧ください。

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#呟怖

「二口女って結局飯を食うから、怪しまれてバレるんだよね」
そう言って知人の人妻が笑う。2つの口があるかのように騒がしい笑いにこちらも苦笑いを浮かべながら聞き返す。
「じゃあ現代の二口女はどうするんだい?」
「髪や脂肪を頂くわ。あと、脳も寸刻みで」
彼女の笑みは鉄の臭いがした。 https://t.co/8BDPTyoedo

#呟怖

美を求める男がいた。
その念が高じて狂気となり、ついに、見る目こそ美しければ世界も、と、目を手術するに至った。
果たせるかな、男の美しい目は万物を彩り、死に至るまでその人生を飾ってきたのだが、
死してなお形を残す宝石の如き眼球が起こした遺産騒動は、見るに堪えない醜さであった。 https://t.co/2rw9iYjhxK

#呟怖

劇場の席に着き、深く息を吸って、呼吸を整える。始まる前のこの待ち遠しくも恋しい時間がたまらなく好きだ。
開演ブザーと共に、体が喜びの緊張に固まる。だが、いつまで経っても客席の照明が落ちない。
一刻千秋の間の後、光が満ちたまま、静かに緞帳が上がり、闇が広がる。
あちらが客席か。 https://t.co/YuZ99BvRRW

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「子泣き爺」は、某太郎のおかげもあり、メジャーな妖怪である。
猫等のあれこれで似た音が現実に多々あり、声から真逆の爺の顔の衝撃は絶大だ。
しかし、ここで少し考えてみてほしい。なぜ、爺の顔なのだろうか。
目を背けたくなる「現実」が、事実と真逆の姿を象ったのではないだろうか? https://t.co/BNDPhmk2oi

#呟怖

「三途の川でも肩車での渡しがいたんですね」
「ええ。渡し賃を入れてもらえない人もいますしね、あなたみたいに」
「でも向こうまで渡れるんですか?」
「大丈夫ですよ。こうして脚をつかめば、深みへ行ってもあなたが苦しむだけです」 https://t.co/LiADu8FKN0

#呟怖

「信じる者は脚をすくわれる」とふざけていた頃が懐かしい。
絶対的に実存を信じざるをえない状況に置かれると、例え信じるものは殺されるとわかっていても、跪いて頭を垂れる他ないことが、今わかった。
殺される内によぎる感情は、畏れではなく、歓喜だ。
私の後に何億も続くのだから。 https://t.co/PERb6G8Npd

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「どちらが前かわかるまい!」
友人の悪ふざけがまた始まった。
鬱陶しかったので、はいはいと言いつつ髪をかき分ける。
何もなかった。 https://t.co/89Op9nvTzg

#呟怖

「あ、あんな所に猫が」と反応したのが20秒前。
「動かないな」と思ったのが10秒前。
「挟まっちゃったのかな」と近づいたのが5秒前。
影から手を掴まれて、あっと思った一瞬前。
今はもう、何も思えない。 https://t.co/hoXc2XcEnb

#呟怖
これはある捜索願のポスター写真である。
見てわかるように落書きがあるが、もちろん当初の顔写真にはなかったものだ。
この画像のみならず、実物ポスターにも原本にも全てに落書きがあり、元の顔は今や誰も知らない。
その上不可解なことに、落書き個々の色は違うが、形が全て同一であった。 https://t.co/A9PK3HgN0g

#呟怖

その村と村のある山では、白い花しか咲かないと、民宿のおかみが教えてくれた。
「ほれみいね」と指差す先の彼岸花も、遠目で見たらピンクだが、よくよく見るとやけに白い。
「でも、ここに来る途中赤い花を見たよ」
「そこは去年、お客さんを」といいかけて、おかみは慌てて奥へと戻った。 https://t.co/Vhf37mxMKB

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「街で一番有名な死体? そりゃあの人に決まってるよ!」と、大人なら誰でも言うだろう。
僕が生まれる前に、国の政治を握ったあの人。
その遺体は処置を施され、国民や観光客に公開されている。
でも忍び込んだ僕だけが知っている。閉館後の霊廟で「死にたくない」と声が反響することを。 https://t.co/X8wP1q62sJ

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「鎮守の森」の様に、神域に森はつきものだ。
自然人工問わず、自然崇拝の文化的文脈は日本に生き続ける。
その結果、森や山そのものが神域である事も珍しくはない。
しかし、山や森であった記録が無いにも関わらず、神樹を擁する森がある。かつてそこにあった村は、住人諸共神域と成った。 https://t.co/6UY7TULOBE

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さり気なく近づき、
死を与え、
するっと通り過ぎ、
背を向けずに去る。
染井吉野の花の下。 https://t.co/EMCYmb1vgA

#呟怖

新しい道路の横断歩道が怖かった。
アスファルトの黒と白い塗料が、葬式の幕を彷彿とさせたからだ。
なので歩く道路は知った道を中心にしていたし、最近は葬儀の幕も見なくなったので、つい油断してしまった。
馴染みの道の舗装が新しくなっていた事に、車が迫るまで気が付かなかったとは。 https://t.co/KVpPSNV48g

#呟怖

同窓会ビジネスというものがある。
単に同窓会をやるのではなく、諸々の事情で行えない人たちを集めて同窓会らしい会を開く事業だ。
記憶が合わないのも当然だが、これが楽しいらしく、一定の評価をえている。
しかし稀に、関係が無いにも関わらず記憶が合う事があり、その場合後に死者が出る。 https://t.co/O0ebKVN3OG

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「猿が足りない」
離れた所にいるバーテンダーが言った。
「猿酒。猿を少しで」とは中島らもだったか。猿酒は猿が偶然作った酒の事で、鶚鮨と並ぶ珍品であり、普通、猿は使わない。
「いつもの」と注文、猿酒を逃した客を横目に、秘蔵の酒を楽しむ。
やはり猿より人の方が、味に親しみがある。 https://t.co/7GhfcVbJhH

#呟怖
通勤途中の公園。その遊具の一つがテープで封鎖されていた。
「事故でも?」と作業中の男性に声をかけると「いいや」と返ってくる。
「じゃあ安全の為に?」とも聞くと、静かに首を横に振って「こうすると、興味が湧くでしょう?」と微笑まれた。
その後どう帰宅したか、覚えていない。 https://t.co/JfIsMII7K6

#呟怖
利用している図書館は、本棚の奥が背板でなくバーで、向こう側が見える。
なので向こう側の人と目が合い、気まずく会釈をすることも度々であった。
今日も目があってしまい、恥ずかしく思いつつ、もう一度本を取ると、またそこに目が。
正面だけではない。本を取るたび、前から、後ろから。 https://t.co/x154oyR04H

#呟怖

俺はこうした方が好きだからな、と言いながら友人は、お湯をかける前のおあげを齧る。
出来上がりの出汁が薄くなるぞと思いながら、自分のに湯を注ごうとすると、おあげが無い。
見ると奴はしれっと自分のカップに私のを入れている。
予想の範囲内だ。裏に隠した唐辛子の粉も食らうがよい。 https://t.co/dXm5f72Nz7

#呟怖

ある道路に児童用の靴を供える老婆がいた。
花や菓子よりはもつが、靴も痛む。その都度、老婆が取り換えていた。
その場所は事故多発地帯であり、老婆は地域に恐らく遺族だと受け止められていたが、
ある日老婆が跳ねられて死に、戸籍調査で遺族では無いことが判明。以後事故は起きていない。 https://t.co/4CpmAIGD1f

#呟怖

「本屋さんで移動書架使っている所無いですね」
久しぶりに会う古本屋の店主と言葉を交わす。
「あれを入れるのは、国会図書館か閉架、それか物好きな蔵書狂ぐらいですよ。あれは危ないものですからね。」
「危ないのは身にしみてますって」
笑い合う。今日は店主の三回忌らしい。 https://t.co/OtopL021eY

#呟怖

心を亡くすと書いて「忙しい」と読む。
亡くなった当人よりも、周りの遺族や関わる人の方が「忙しい」事は平時でも良くあった話だ。
しかし、友引ですら炉を開けないといけなくなるとは。儀式めいた箸渡も、行う暇はもう無い。
山の様な遺体と共に、心もまた、ひっきり亡しに炉へ焚べられる。 https://t.co/cFeHjVME4O

#呟怖

「そいつは少し低すぎないかい」
最後の精一杯の抵抗の声を、横にいる男は静かに聞き、嬉しそうに答えた。
「あんたがより苦しむためさ」 https://t.co/rG82Tlyb4F

#呟怖

馴染みの寺の軒下に、濡れた子供の足跡を見つけた。悪戯小僧でも入り込んだか、と、ゆっくり追う。
板の間へと辿り着き、足跡は部屋の中にある箱へと続いていた。
すっかり悪戯小僧に戻った気分で、箱を開けるが、中は空。
足跡が外へ繋がっていなかった事を思い出した時、ギィと床の鳴る音が。 https://t.co/V2Xmtf3PHK

#呟怖

おかしい。
疑問にまみれながら、このガチャの前で小一時間棒立ちになっていた。
直前の最後の記憶は、中身のわからぬ箱を開けた事。次の瞬間には、景色も着ている服も、考え方も言葉も全て変わった、ような違和感を覚える。
よくよく見ると、200えん、の字の下に、小さく「ねん」と。 https://t.co/FtkKkRc8Ms

#呟怖

かつて漁師が入れ墨を入れていた事がある。土左衛門になった際の判別用途らしい。
現代でも有効なはずだが、昨今入れ墨の記録は行われていない。
DNA鑑定の普及が主な理由だが、発見場所・人種・性別がバラバラな水死体が、同一の入れ墨を入れていた事を隠す為と囁かれている。 https://t.co/PXjorFEvNJ

#呟怖

キケンと書かれた小屋は、得てして大した物ではない。殆どの場合、崩落や怪我の危険がある廃墟か、実際に危ないものがおいてある物置とかである。
かつて資材置場で子供が事故に巻き込まれる事も珍しい話ではなかった。
しかし極一部に、本当の危険が潜んでいる。そう掲げて、子供を誘うのだ。 https://t.co/ef6mf3H5rp

#呟怖

営業で外回りをする中、ついに限界に陥り、ビルの合間で休憩を取った。
影とはいえ室外機のドローンサウンドが響き、心が休まる事はない。
そろそろ12時だ、そうなったら食堂で休むかと思う中、オフィス街に不釣り合いな下駄の音。
ああ、怪異も昼食を食べるのだなと、薄れゆく意識の中思った。 https://t.co/5xj5Eg4e5c

#呟怖

箱庭療法と似た「スノーマン療法」がある。
背丈に近いものを作る事で心理を反映させるにはもってこいなのだそうだ。しかし今は行われていない。
ある児童が作った雪だるまはそれは見事な物だったが、完成後も運動場に居座り、解ける様子を満足気に眺めていたそうだ。
その児童は翌日死んだ。 https://t.co/8Ddbx7kBu6

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