呟怖.ORG | 呟怖

呟怖は、Twitterでハッシュタグ『#呟怖』をつけてツイートすれば誰でも参加、投稿できる140文字以内の創作・実話の怖い話です。呟怖.ORGには、日々投稿される呟怖から転載または朗読やイラストなど二次利用を許可されたものが集まっています。作品の二次利用に関する約束は掲載作品の転載、二次利用についてをご覧ください。自分の呟怖作品も、他の掲載作品同様に読んでいいよ・描いていいよという方は、ぜひ参加ボタンから呟怖作家としてご参加ください。その他ご不明なことはガイドをご覧ください。

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呟怖.ORGと参加について

#呟怖 マナー講師「徳利の酒を、とんがった方から注ぐのは、マナー違反です。なぜなら、本体のつぼの部分は、子宮を象ったものだからです。流れ出るのは、丸い方からです。これが、自然のことわりというものです。あ、酒が切れました。今度は、赤ワインを入れてください。ホットで、お願いします。」

#呟怖 初めてのホテルでは、必ず避難経路を確認する。あの年の大地震を旅先で経験した。ようやく部屋が取れた。安かった。さっそく部屋の案内図にしたがい、L字型の廊下を曲がった。半分が廃墟だ。使われていない。ゴミが散乱する。壊れたドアのすき間から、影が覗いた。退散した。一泊する所だった。

#呟怖 ハロウィンを、渋谷で遊んだS子。トイレで着替えを済ませる。終電に乗った。自宅のある駅までは、一時間以上かかる。駅前でさえ、何の明かりもない。関東平野のからっ風が、シャッター街を吹きすぎていく。「ただいま」家の中は、まっくらだ。答える声もない。S子の首が、廃墟の仏壇に入った。

#呟怖 成人式の遊園地。お化け屋敷をやっていた。廃村の小学校を移築したらしい。妙に懷しい。高校時代の同級生に誘われた。何だか嫌だ。断って先に帰った。夜になっても、彼が家に帰らない。遊園地に問い合わせても、そんなアトラクションはなかった。そういえば、小学生のころ不審者の死体が……。

#呟怖 おじいさんが、死んでから、もう何をするのも、おっくうになってしまって。いつも、すわってばかりなんですよ。どんどん、少食になってしまって、いつからか、何も食べなくても、よいからだに、なったんですよ。おほほ。おかしいでしょ。どうぞ、お入りになって。お客様なんて。めずらしいわ。

#呟怖 雨漏りがしていた。古い家だ。老人のひとりずまい。屋根の修理もできない。かゆい。ふしぶしが痛い。からだに、緑の黴が、生えてきた。しかし、金がない。医者にも、いけない。部屋の寒さで、黴が枯れた。茶色に変わってきた。治るのだろうか。今朝、起き上がった。右腕が、ガサリと、崩れた。

#呟怖 廃坑の跡を見学していた。ヘルメットをかぶった、赤い制服姿の中年男性が、背後に立っていた。やばい。叱られる。しかし、彼はにこやかに、鉱山もいいですが、鉄塔もきれいですよ、と山の稜線を指さした。確かにきれいだ。NIKONの一眼レフで何枚も撮影した。現像すると、鉄塔はそこになかった。

#呟怖 利き酒ですか。いいですよ。酒蔵ですから。遠来の客とは、実に珍しい。そうですか。きさらぎ駅から、来られたんですか。ずいぶんと、歩かれたでしょう。さあ、もう一杯、どうぞ。時刻表ですか。気にしなくて、よいですよ。もうずいぶんと昔に、廃線になっています。もう二度と出られません。

#呟怖 血の雨が降る駅だ。呪われている?いいえ、こここそが、約束の土地です。青白い瞳の少年が、笑った。犬歯が白い。黒い外套の襟を立てている。駅前の居酒屋『蝙蝠亭』で飲んだ。あなたも、そうなのですね。そう断言されると、そんな気がした。赤い葡萄酒が、うまい。ひどくなつかしい味がした。

#呟怖 池袋駅から私鉄で三十分。一戸建て。事故物件だった。友人が借りた。安価だったからだ。遊びに行った。すべての障子と襖が、はずされている。トイレのドアも開いたままだ。だって、見えないと怖いから。明らかにおびえていた。そして、彼は、行方不明となった。家は、次の借り手を待っている。

#呟怖 高度成長を支えた工業地帯。動く人の影がない。閑散としている。しかし、下町の下請けの工場があったあたりからは、夜になるとトンチンカンという音が聞こえた。ある日、大爆発が起こった。今では何も残っていない。自爆したとも、自力でロケットを製造して、宇宙に脱出したともいわれている。

#呟怖 正月は、実家に親戚が集まる。子どもたちもだ。大きな屋敷だ。一階では、おとなたちが、酒盛りをしている。ぼくたちは、二階で遊んでいる。廊下の奥は、まっくらだ。探検を始めた。どこまでも続いている。左手は雨戸。右手は、白い障子が続く。蝋燭が消えた。三十年が過ぎた。まだ歩いている。

#呟怖 昔、天虫様を飼うのが、はやった。クラスみんなが、やった。でも、天虫様は、餌をたくさん食べる。それも、新鮮な子どもの肉しか受け付けない。殺し合いになってしまった。生徒数が少なくなった。とうとう、学校の先生に禁止された。しかし、天虫様は、成虫となられた。おとなを食い始めた。

#呟怖 メルカトル図法が、使われていた時代には、北にはグリーンランド大陸があり、南には、すべての大陸を凌駕する巨大な南極大陸があったものじゃ。教科書でも、そう教えておった。今では、世界が、変わってしまった。南極に引かれていた赤い線も消えた。旅のお方。行ってみれば、わかることじゃ。

#呟怖 人形に、名前をつけては、いけないよ。たましいが、入ってしまうからね。祖母から、注意されていました。けれど、わたしは、古い市松人形を、好きだったともだちの名前で、呼んでいました。その子が、村の川で亡くなった夜に、人形がお口を開きました。これからは、いつまでも、いっしょだね。

#呟怖 いちご狩りがしたいの?いいけどね。私服じゃ無理だよ。うちのいちごは、気が荒いからね。人間が来たと思うと、ぶつかってくるし。かみついてくるし。素肌を出してると、たちまち血だらけになるよ。もうちょっと、重装備できてくれないと。そしたら歓迎するよ。あと、生命保険入っておいてね。

#呟怖 フィギュア・スケート。少女の姿をした、精巧な関節人形が、舞っている。十二回転半の妙技を決めた。人間では、不可能とされている技だ。熱狂したロボットの観客によって、会場に、人間の美少女たちが、無数に投げ込まれている。演技者が、「大好きだ」と、一言だけ、つぶやいたというが。

#呟怖 所為夜町に住む者たちには、色とりどりの五臓六腑が、生えるのでございます。泥藻草という菌が、空気に生息しているそうです。人間に種を植えるのです。今、わたくしの鼻からは、赤黒い色をしたきれいな大腸花が、育っております。楽しみでなりません。保管機構に、高く売れるのでございます。

#呟怖 ある人の話。曾祖父が、日本刀を、安く買い集めていた。GHQの監視の目が厳しかった。家にある家宝の名刀でさえも、持てあましていた時代だ。しかし、蔵の鍵を破って、泥棒が入った。日本刀も、盗まれた。逃亡の途中で、刀身が鞘から抜けた。泥棒の両足を切断した。コレクションを止めたという。

#呟怖 ようこそ。いらっしゃいませ。生きている人間で、この店に来られる方は、ほとんどございません。いろいろと、取りそろえてございます。お安く致しております。すべてが、たった、いのち一個の値段です。何か一つは、お買いにならないと、この店からは、出られません。ゆっくりとご覧ください。

#呟怖
Jアラートに叩き起こされる。隣国が宣戦布告した。俺の住む市が、核ミサイルの標的になっている。退去を勧告された。外が騒がしい。電話はつながらない。テレビはNHKのみ。ミサイル情報を繰り返し流している。貴重品をリュックに入れて家を出た。隣の高齢者が、不安そうな顔でこっちを見ている。

これを、わたしだと思って愛して。きみは、向かって左のちぶさを、下から上に、持ち上げるようにした。ぺろんと、とれた。うすい胸には、なんのきずあともない。僕の手に、わたしてくれた。白くてやわらかい。肉のおまんじゅうだった。桜色のちくびもついている。ぬくもりがあった。おいしそう。#呟怖

#呟怖 またあたしたちの出番かい。京に都があった時代から。もう何度目だろう。お上は、どうにもならなくなると、都を焼こうとする。今度も、すべてが白紙に戻る。本当は、風がすべてを仕上げる。あたしたちは、ほんのきっかけ。振袖の女の子に、責任をなすり付けるのが、なんとも気に入らないねえ。

安い居酒屋を出た。月に黒点が生じている。みるみる大きくなっていく。店に戻ると、もう閉まっている。友だちを呼び出そうとした。携帯が圏外だ。人の姿がない。何が起こっているんだ。それから、町から出ることもできない。夜も明けない。もう月は、真っ暗な穴になっている。僕もただの影だ。#呟怖

その日から、日本の背後霊は、すべて〈せご霊〉と、呼ばれることになったというはなしじゃ。どっとはらい。
#呟怖

アザラシが、タコで人間を殴ったという事件は、おもしろおかしい話としてしか、最初は報道されませんでした。タコが、アザラシをあやつっているのだという事実を、人間はまだ知らなかったのです。あれこそが、深きものどもがめざめ、人類の文明に対して、海のすべてが叛旗を翻す前兆でした。#呟怖

小学校の長い廊下には、生き死んでいったこどもたちが、立っています。立ち去りがたくて。今のこどもたちが、いるときは、隠れているのですが、放課後や、授業が始まる前の早朝。あちら、こちら、はづかしそうに、うつむいています。おはよう。今日も、よろしく。こづかいさんも、帰っているよ。#呟怖

民話の採集をしておりました。お仏壇がある家の場合は、まずお線香をあげさせていただく習慣でした。しかし、語り部であると、紹介していただいたあるお宅では、お仏壇の扉が、五寸釘二本で封印されておりました。親切に対応ししてくださるのですが、なんとも居心地が悪く、早々に退散しました。#呟怖

裏飯屋という定食屋が近所にできた。妖怪やお化けが客層の中心である。人間は、まずいかとは思った。が、同じ町中である。勇気を出して足を運んだ。ここで食べたら、人間の世界にはもどれません。店長に脅かされた。しかし、今まで通りの生活をしている。もともと俺は人間ではなかったのだろう。#呟怖

おれを取り囲むゾーニングは強力だ。エッチなマンガは、すべてかあちゃんに取り上げられてしまった。しかし、ついに一点の突破口を見つけた。友だちが河原で見つけてきてくれた《平凡パンチ》だ。あのグラビアがなければ、おれの人生は死んだも同然だ。あそこに、おれの人生がある。さあいくぞ。#呟怖

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