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呟怖は、Twitterでハッシュタグ『#呟怖』をつけてツイートすれば誰でも参加、投稿できる140文字以内の創作・実話の怖い話です。呟怖.ORGには、日々投稿される呟怖から転載または朗読やイラストなど二次利用を許可されたものが集まっています。作品の二次利用に関する約束は掲載作品の転載、二次利用についてをご覧ください。自分の呟怖作品も、他の掲載作品同様に読んでいいよ・描いていいよという方は、ぜひ参加ボタンから呟怖作家としてご参加ください。その他ご不明なことはガイドをご覧ください。

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#呟怖
徹底した菜食主義を貫き、反毛皮運動の闘士でもあった彼女は、病魔に侵された身体に自ら決着をつけた。
「こうすれば、私は自然に還る」遺言を記し、ナイフで腱に切れ目を入れ、腹を裂いて果てたのだ。
しかしその目論見は外れ、死後一か月を経た発見時でさえ彼女は酷い骸を晒していたという。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1121037180334305280 

#呟怖
「彼女だってお前の復讐は望んでいないはずだ」
さあ自白しろ。取調室を染める茜色の陽射し。
「刑事さん、それは生者の勝手な論理ですよ」「貴方なんかに私の何が解るの」
今の声は何だ。そう思う私の首が、キリキリと締め上げられる。鏡を見れば、土気色した細腕が幾重にも巻きついている。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1121037732942237696 

#呟怖
うちの仏壇がえらいことになってんねん。父の電話に、慌てて檀那寺の住職を連れて帰省した。
ひずんだ扉、溶けかけの位牌、ひび割れたご本尊。黒かびまみれの供物。
「お宅には申し訳ないこっちゃけど、こらもう、あきませんわ」
何もせず帰る住職を見送る父の姿が、ぐにゃりとゆがんで見えた。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1120535896057688064 

#呟怖
その廃墟には、縊れて死んだ男が出るという。悪友と二人、早速忍び込んだ。
全然怖くねぇよ。私の精一杯の強がりに振り返った彼の顔は真っ青だった。
「変な声出すなよ、お前が首吊ってるみたいじゃねぇか」
何のことだよ。返そうとした喉から発せられたのは。きぃきぃ、きぃきぃ。きぃきぃ。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1121400224755281920 

#呟怖
牛の首、という怪異がありまして、これを語る者には禍事が降ると畏れられておりますが、そも牛とは神遣いにも列せられる動物であり惨く扱うと祟るのであります。ましてやその首をあんな風に…。さてこれを語る者には、

男は胡乱な表情で同じ行を何遍も繰り返し、そして血反吐を吐いて息絶えた。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1115090695579025409 

#呟怖
窓の外に、故郷が見える。ゴンを連れて里山をゆく親父、裏の畑で野良仕事をするお袋。そこへ一人の男が訪れて。ああほら、散弾銃で首を吹き飛ばされた親父が、鉈で頭を柘榴にされたお袋が、こうして憎々しげに窓を叩く。

苫小牧発仙台行きフェリー。どこまでも逃げてやる。捕まってなるものか。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1117853374190215170 

#呟怖
医者も匙を投げた私の高熱を治そうと、妻が何処からか修験者を連れてきた。
「ここを」錫杖で指し示す床板に思いきって穴を開ける。市松人形が転がっていた。妻の悲鳴が響く。ぷつぷつと、緋色の糸で玉止めされているのだ。顔一面。
我が家は新築である。この人形の由来も目的も、未だ判らない。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1117164251406163968 

#呟怖
○二○○、■■岬方面海面ノ発光ヲ確認ス。敵上陸ト覚ユ。四中隊急派。
○二三○、四中隊ヨリ入電。上陸セルハ敵ニ非ズ、蓋シ人ナリ、サレド人間ニ非ズ。直後通信途絶。
○二三七、監視哨ヨリ伝令、青ク光レル者多数、発砲、命中スルモ斃レズ、陣地移(通信途絶)
…歩廿八連隊(玉砕)戦闘詳報より https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1113642557638995968 

#呟怖
おばあちゃんは「おじいちゃんにお参りしましょ」なんて言わはるけど、あれ嘘やと思う。だってお母さんが拝んだはるとき、仏壇から真っ黒い手ぇが何本も出てきて体まさぐってるし、お花の隙間から黄色い目が舐め回すようにこっち見てるし。だいたい生のホルモンお供えするなんておかしいやん。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1112553794309521408 

#呟怖
通い慣れたこの旧道は、峠越えにこんなに時間が掛かったろうか。このラジオドラマの女は、独りで哭いてばかりではなかろうか。空に浮かぶ月は先刻まで満月ではなかったか。首の欠けたあの地蔵を、カーブを曲がる度に目にしていないか。後部座席に座る女は、崖下に棄てて来たあいつではないのか。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1112181222279540739 

#呟怖
人払いした宗匠の取り出したるは精巧な盤景であった。潮待ち港には帆掛舟が舫い、甍の波間を人々が行き交う。
戯れに水盤を傾けると波濤が街を洗い流し、幾筋もの荼毘の煙が上がったが、見る間に街を再建するのが意地らしかった。
彼奴らはこうして生きていくんや、弥栄弥栄、と宗匠は笑った。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1112165305407557632 

#呟怖
「炉が痛むから棺桶に金属入れんなって言ったのお宅だろ?六文銭無しじゃやっぱ三途川渡れなかったじゃねぇか。奪衣婆に衣剥がれて、ずぶ濡れで毎晩出てくんだよ、枕元で睨み付けてくんだよ」
毎夜留守番電話にメッセージが入るのだが、当方は斎場でも葬儀社でもない。電話を返す勇気もない。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1109595482962030592 

#呟怖
押っ取り刀で駆けつけた地盤調査現場。技師が蒼い顔で地中レーダーを私に見せた。
ここ反射が強いでしょ、何ぞ埋まっとんですけどね、移動しよるんですよ。何ですやろ?
アホぬかせ、と再度探査を掛けさせる。先刻よりも地表に近づいている。再度探査を掛けさせる。さらに地表に近づいている。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1109435056303423488 

#呟怖
A県某地区には、啓蟄に際し行われる奇祭がある。面を付け、長さ六尺の木の棒で雪解け前の田畑を突いて回るのだ。大地から這い出さんとする虫を脅す、農業行事とされている。
しかし実際には、厳寒期に口減らしのために間引かれ、雪中に埋められた者たちが甦るのを防ぐ呪術的意味を持つという。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1109565974540238848 

#呟怖
「出張中、本は読んでいいしパソコンも好きに使っていい。でも、デスクの抽斗だけは閉めといてね。古いからさ。独りでに開いちゃうんだよ」
そう話す夫の背後で、件の抽斗から長い黒髪がぞろりぞろりと出てくるのを私は見てしまいました。舌打ちをして、後ろ手に勢いよくそれを閉める夫の姿も。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1110958281034330112 

#呟怖
片思いした娘にフラれたあの夜、何でもええから彼女が欲しいと、風俗街の片隅のようわからん小汚い神社にお参りしたんは間違いでした。腰が天井につくほど背ぇ高い、それでいて薄っぺらい女が、二つ折りになって玄関で僕を見下ろしています。えげつない顔して色目使ってくるのが耐えられません。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1110666159395758081 

#呟怖
児相の連中が那玖亞を連れてった。背中のアザはアタシが付けたとか言って。娘を愛する母親になったんだから、そんなのあり得ない。
夜。アタシの布団の中を何かがうごめく。やっと二人になれたね、ママ。とうに死んだはずの我亞羅が言う。紫色に膨らんだ顔の、折れた歯の隙間から舌を垂らして。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1110299181791346688 

#呟怖
無断欠勤が続く同僚の自宅を訪れた。
大家に鍵を開けてもらい、足を踏み入れる。部屋の真ん中で、天井に届かんばかりにそびえる真っ黒な石。見渡せば室内のあらゆるものが、石を中心に同心円状に並んでいる。
その表面には「勿祀」と彫られていた。これは一体何なのか。彼は未だ、見つからない。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1106083554922979328 

#呟怖
「ということで今日は、情報お寄せいただいた『ヤバい廃神社』に来てまーす。近寄るだけで障りがあるなんて噂もあるんですが、確かにヤバい雰囲気です!早速鳥居ですね、うわ~腐ってるなこれ」
失踪したユーチューバーが残した動画には、朽ちた鳥居ではなく、木に縊れた彼の姿が映っていた。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1105385284156317696 

#呟怖
酔い醒ましに散歩してたらよ、畑で婆ァがしゃがんでんだよ。ほっかむりして。呆けてんのかと思ったけど、違ぇの。玉ねぎ抜いてんだよ。でもさよく見たら玉ねぎじゃねぇの。月代剃った男の首なの。婆ァ、ほつれた髷を握ってさ…で今朝よ。うちのベランダにそれが束ねて干されてんの。どうしよ。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1105765469481402368 

#呟怖
「中京区で女性の飛び降り自殺がありました。自宅マンションには『悪戯で人を死に追いやった。何度謝っても赦してくれないので死にます』と遺書がありました。部屋には『逃げても赦さない』と記した葉書が相当数見つかっており、府警では先日同じ場所で発生した自殺との関連を調べています」 https://twitter.com/KOYA_Makoto/status/1105852607074000896 

#呟怖
「中京区鍾馗鉾町の駐車場で男性の遺体が発見されました。隣接するマンションの住民と見られ、屋上に『死んでお詫びします』との書き置きがあったことから、警察では自殺と判断しています。また男性の部屋には『逃げても赦さない』と書かれた差出人不明の葉書が相当数あり、関連を調べています」 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1105385837355646976 

#呟怖
「新人さんゴミ出しか、ご苦労さん。あ、自分、そこのゴミ箱は開けたらあかんで。戸の脇にでも置いとき。日付越えたら絶対に開けたらあかん、えらいことになる」
何のこっちゃ知らんけど、仄暗い板場の勝手口で、血塗れの調理衣に身ぃ包んだ、両腕の無い料理人に遭うのもえらいことやと思った。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1100953884434939904 

#呟怖
祖父の遺品整理をするべく、妻と共に蔵に入った。碌なものはなかったが、埃に塗れた鎧櫃を片隅に見つけた。
金になるかもしれない。漆塗りの蓋を開けると、血走った眼で髪を振り乱した妻の生首が納まっていた。思わず振り返ると、首から上の無い妻が床を転げ回っていた。ばったん、ばったん。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1100953375963676672 

#呟怖
闇鍋会だと言うので、具材と共に千本今出川の悪友を訪ねた。真っ暗な部屋。鍋の煮立つ音と汁物を啜る音が響く。
「まぁ食えや」椀に箸をつけたが、妙に血生臭い。何やねんこれ。
「まぁ食えや」聞き覚えのない声ばかり口々に言う。誰かが俺の肩を押さえつける。血生臭い何かが、近づいてくる。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1103492224786952193 

#呟怖
権三は息を切らして獣道を駆けた。猟の途中で、魔除けの小刀を失したのだ。あれ無くして、生きてここから出られない。
己が名を呼ぶ声に立ち止まった権三の前に、権三が現れた。件の小刀を胸に刺した姿で。
「と、いう夢を見たんよ」笑う権三の肌蹴た胸には、布を引き裂いたような傷痕があった。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1103128093588258818 

#呟怖
友人の様子がおかしい。京都の奥座敷、K地区の廃屋へ探検に行ったのだと言う。
「奥さんが呼んでんねん。行かなあかん」
うわ言のように繰り返したのち、姿を消した。そして彼は、遺体となって発見された。件の家の、火の気途絶えたおくどさんに首から先を突っ込んで、そこだけ黒焦げになって。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1102405139472691200 

#呟怖
「手ぇの骨折ったってぇ?ボルト入れてギプス巻いて、えらいこっちゃなぁ。ところでボク、仏壇にお供えしてた赤い箱、開けへんかったか?…開けたかぁ、そんなこっちゃろと思たんや。あれ開けたらあかんてわし言うたやろ?え、言わんかったかぁ?」
粘ついた視線に耐えかねて、僕はうつむいた。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1102403738503770113 

#呟怖
お春の寝床を取り囲みしは、幾つもの糸引く水溜まりであった。シタタリ様の御印だと村人は騒いだ。
馴れぬ白粉、口に紅、綺麗なべべ着てお春は往った。頬に一筋、雨垂れ残して。
山を分け入り尚も往く、その眼前に肉布団が降りてきた。なるほど舌垂り様だ、とそれに巻かれながらお春は思った。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1099869973369970689 

#呟怖
久方に帰省した彼は、獣臭さに顔を顰めた。住まうは祖母のみ、犬猫も居らぬ。
直に彼は、神棚の扉が開け放たれているのを見つけた。畳に飛び散る黒い毛、白い歯。
ぐるる。髪を振り乱し四つん這いになった祖母が飛び掛かる。亡き祖父は何を祀っていたのだろうか。噛み跡を見せつつ彼は語った。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1099702086831243264 

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