呟怖.ORG | 呟怖

呟怖は、Twitterでハッシュタグ『#呟怖』をつけてツイートすれば誰でも参加、投稿できる140文字以内の創作・実話の怖い話です。呟怖.ORGには、日々投稿される呟怖から転載または朗読やイラストなど二次利用を許可されたものが集まっています。作品の二次利用に関する約束は掲載作品の転載、二次利用についてをご覧ください。自分の呟怖作品も、他の掲載作品同様に読んでいいよ・描いていいよという方は、ぜひ参加ボタンから呟怖作家としてご参加ください。その他ご不明なことはガイドをご覧ください。

参加メンバーはこちら

呟怖.ORGと参加について

#呟怖
訳知り顔で霊能者が語る。
「トンネルの石の色が違うここ。居ますね、感じます」
カメラを回す私は、中継が終わるまで耐えるほかない。
壁の色が薄いのは、そこではまだ人が死んでいないからだ。周囲から榎茸の如く伸びた手が彼を捉え…もう彼はそこに頭をぶち付けながら笑っているじゃないか。 https://twitter.com/moon04cat/status/1170613836216274946 

#呟怖
暗く、狭く、寒い空間であった。身じろぎも叶わず、息をするに苦しく。堪えきれず、私は目の前の壁を思い切り押した。
ああ、開けるべきじゃなかった。
撒き散らかされた花。床を転がる果物。泡を噴き痙攣する妻に、腰を抜かし転げ回る僧侶。
白木の檀上には、黒いリボンの掛かった、私の写真。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1170670083485523969 

#呟怖
毎晩さ、夢に女が出てくるんだよ。線香花火持って、燃え尽きるまでに私が誰か思い出したら命だけは助けてやるって。残りがどんどん短くなってく。でも、顔がどうしても見えないんだよ。

そう語った彼は、とうとう失踪した。身体だけを見て遊び相手を漁った男ゆえ、やむを得まい。そう思った。 https://twitter.com/couchiyan/status/1163072106935906304 

#呟怖
とうに枯れた、一本きりの柳の古木。葉は尽き、枝のみがだらしなく垂れて。
しかし。いま眼前にあるものは。月光に照らされ、風もないのにゆらゆらと、その枝には万葉繁りて。
一歩、二歩と近づいてみれば、それは葉ではなく、小さな人間が無数にしがみついているのであった。ああ、盆が明ける。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1162941339962445825 

#呟怖
拾い物をした。茶虎のオス猫である。食卓に上がるから、戯れに一献くれてやった。ぺろりと舐めて、明日は大雨だ、と言った。豈に図らんや、晴の予報が一転した。
以来、晩酌の伴となった。酒の値段によって予言の軽重が変わるのは生意気だが、重宝している。目下、豊盃を気に入っているようだ。 https://twitter.com/shimanohibi/status/1162316326334894080 

#呟怖
どこまでも並ぶ萬燈蝋燭。
見目涼しげなる尼僧が、ひとつ、ふたつと火を点す。
「人に罪業多ければここに供養奉らん」
三つ、四つ、五つ、六つ。炎は我が身に移りて、肌は縮れ肉は焦げる。灼かれてもなお恍惚するは、罪の甘美を知るからか。尼僧の笑みに見守られ、斯くして我が身は燃え尽きぬ。 https://twitter.com/R5ZcRPBLrUgckRE/status/1161069874161963008 

#呟怖
「信宏さん」何度も俺の名前を呼ぶ。
「信宏さん」居間の扉の向こうから。
「信宏さん」棄てたあいつの声をして。
「信宏さん」そこに居るのは蜘蛛一匹。
「信宏さん」死んだあいつの声をして。
「信宏さん」出れば死ぬのは知っている。
「信宏さん」出るに出られずはや三日。
「信宏さん」 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1160882611708784641 

#呟怖
管理人は嘆息を漏らさざるを得なかった。駐車場のアスファルトに、また赤黒い染みが出来ているのだ。
血のようにも見えるが、決して血ではない。しかし、これがある程度の大きさになったとき、この染みを目がけて屋上から人が降る。
消そうと試みたことはあるが、家人が首を吊ったので止めた。 https://twitter.com/fooler_/status/1157578041616289792 

#呟怖
抜け道へ入ったはずだったのだ。頼りの轍も土手上で突然絶えた。描いた主はどこへ消えたのか。

途方に暮れる私の車窓に男が立つ。真夏と言うに、三つ揃えにコートを羽織り、手にはホースとガムテープ。ああ、なるほど。私はそれを受け取ると、排気管から車内へと引き回し、アクセルを踏んだ。 https://twitter.com/moon04cat/status/1157132743064469505 

#呟怖
せっかく家を新築したのに、家族が変なのです。夜中にぼうっと寝室に立ち、うつむき、床を指差します。夫も、幼い我が子もです。
「おい美香、どうした。寝ぼけてるのか?」
これはおかしい。夫と相談し、業者を呼び床板を剥がしました。線香臭い土。すり減り誰のものとも知れぬ、苔むした墓石。 https://twitter.com/couchiyan/status/1155232800880021505 

#呟怖
あ、河川局さん?あのね、うっとこの前の川やねんけどね、堰開けて貰われへんやろか。今日お盆でっしゃろ?水止まっとると向こう帰る人も帰られへんのよ。ほら、首出して恨めしそうな顔してこっち見たはるわ。あの人、上がってくるんちゃうか。うち来られても困るさかい、はよ堰開けとくれやす。 https://twitter.com/YaChiRuewomiru4/status/1154598036124782592 

#呟怖
「平気なんですね」彼が目を丸くして言った。
だってこんなに御札を貼ってあって、四隅に盛り塩してあって、数珠までして。
それなのに。
「貴方と一緒なら、どこでも。いつでも」
護符の文字がすうっと消え、塩は黒い汁と化し、彼の手首の紫檀の珠が砕け散る。

「これからも、ずうっと」 https://twitter.com/ROHrW7dYRlEOOIH/status/1151792148653592576 

#呟怖
ざりざりざり。ずずず。
びたびたびたびたびた。
ぺたん。ぺたん。ぺたん。
ぎぎぎ。ずずず。ばたん。

なあ、お前ん家、今日誰も居いひんのやろ?
あれ、うちの祖父ちゃん。
盆やし井戸から出て来はんねん。仏壇入らはったわ。

#夏という言葉を使わずに夏を一人一個表現する物書きは見たらやる

#呟怖
某院の参道に古びたる石仏ぞ坐す。発願せし者も判らず、地蔵菩薩たるかも定かに非ず。されど、粗略に扱うと大禍事湧き起こるとなん言う。其の何たるやは知らず。古書繙けば村人悉く死に絶える厄の幾度か有り。故に村人、本尊より却ってこの石仏を日々拝み奉るとぞ言う。古老より聞ける話なり。 https://twitter.com/couchiyan/status/1147934799274733568 

#呟怖
小糠雨が止まん日でね。カメラ構えてたら女の子が三人駆けて来て。真ん中の子は「堪忍して」て繰り返してたわ。両脇の子は「一緒に上行こ」て、何に誘うてたんやろ。
古びた写真に写るのは、私の叔母の最後の姿である。彼女は背景にある山門に頭髪だけを残し姿を消した。半世紀前のことである。 https://twitter.com/couchiyan/status/1151277988714954752 

#呟怖
もう何日、こうして彷徨っているだろうか。見渡す限り、天まで届かんばかりの杉の巨木に囲まれて。
前例にならってここは右だろ。
最初から左って言ったよなぁ。
部長が北と仰せだ、向き変えろ。
俺が南って言うんだから南行きゃいいんだよ。
ああ、木々が口々に言う。あの日の俺の声をして。 https://twitter.com/iBuKi0346298/status/1147465678720389120 

#呟怖
「これが犬神様ですか?」どう見ても、鷲の姿をしている。
ここ駐車場にしよと思うてね、草刈ったら出てきて。養老院におる親父に訊いたら犬神様には絶対触るな、て。センセ、これ何ですねん。
そう言ってぺちぺちと像を叩いた地主はその夜死んだ。犬ではなく往ぬ神様なのだろう、と私は思った。 https://twitter.com/usagamisousuke/status/1146429869783257088 

#呟怖
東京から長駆千キロ、関門橋に差し掛かる。背骨を貫く痛みと、頭を覆う眠気。この人生が厭になる。
「粟散辺地とて心憂き境にて候へば、極楽浄土とてめでたき処へ具し参らせ候ふぞ」ラジオから陰鬱な女の声がする。
直後、車線を大きくはみ出した俺のトラックは、隣の車とともに火の玉と化した。 https://twitter.com/usagamisousuke/status/1144902559515074561 

#呟怖
あれから五十年。とうにほとぼりは冷めたはずだった。だからこそ、俺はこの歓楽街―Y―へと帰ってきたのだ。あいつは自ら狂い、風呂へ沈み、そして死んだ。
ああ、それだと言うのに。鼻をつく石鹸の濃い香り。俺の腰を抱く真っ白い手。手首の裂け目から滴る鮮血。耳許には、懐かしいあのブルース。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1144178481120473088 

#呟怖
二十三時五十分。吉田一郎は、門扉の前で嘆息した。今日は和風の平屋か。
もう一年になろうか。帰宅する度に、家が変わる。三角屋根の洋風建築の日もあれば、マンションの日もある。
ガラガラと引き戸を開く。板張り廊下に響く足音。今日は…妻と義母に息子が二人か。出迎える家族も、毎日違う。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1137226867100999680 

#呟怖
市から委託を受けた私は、早速現地を訪れた。住宅地図上は空白、登記簿は甲区乙区ともに空欄。近隣住民は俯き首を振るばかり。雲を掴むようである。
ふと視線を感じて振り返る。朽ち果てた窓枠の向こうから覗く、おかっぱ頭の人形。ああそうだ、私が住もう。さすれば特定空き家とは呼ばれまい。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1135439467437707264 

#呟怖
独り忍び込んだ廃屋。廊下の奥から漏れ出す喘ぎ声。
破れ障子から盗み見る、艶めく黒髪に絹のような肌。だらりと開いた四肢。それは突然、ぐるりと向いてこう言った。
お前の子だよ。
薄紙の向こうから放り込まれた小さな塊は、確かに俺の顔をしていた。ああ、あの日確かにここで孕んだのだ。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1135438576634568704 

#呟怖
ここは巡回警備の範囲外。先輩は言った。工場敷地の片隅に佇む荒れ果てた社。メーカーは管理していないし、踏み入れる者の命を吸うなんて噂もあるから近寄るなよ、と警告を付して。
先輩は失踪した。ある日巡回の気まぐれに社へ立ち寄ると、真新しい鳥居に寄進者として先輩の名が刻まれていた。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1134792246627188737 

#呟怖
娘は。矢絣御召に朱の袴、面布揺らし三つ指ついて出迎えり。
これは異なことと由問えば、貴方様ははや昆伽羅明王なめり、郷の者が御身見やれば目が潰れます。
そうであった。務めを果たすその日まで、私は此処に祀られ続けるのだ。
御明王様、御成り―――
聞き慣れし、されど些か湿った声がした。 https://twitter.com/11Airou/status/1133350267334774784 

#呟怖
彼女との同棲初日。開梱を手伝っていると、古びたクマのぬいぐるみが現れた。「何これかわいいやん」茶化す私を、彼女は目を吊り上げて睨めつけた。

あの馬鹿妹!死んでも追い掛けて来やがる!何度!切り刻んでも!いつまでも!

カッターナイフを突き立てる姿に狂気を感じ、程なくして別れた。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1132631267244011520 

そして、弘前の怪談イベント( #怪談ジャンキーズ )でお見掛けした方が居られたり、私の #呟怖 を読んでくださっている方が岩手からお越しくださっていたりして、嬉しかったです。
Kさん、ありがとうございます!読者の方とリアルで遭遇したのはKさんが第1号です。フォローバックしますのでぜひDMを… https://twitter.com/KOYA_Makoto/status/1132542207733297152 

拙作「おうどん」が優秀作として入選しておりました!わーい。 #呟怖 #呟怖王

【祝250記念SP】ビストロ怪談倶楽部『呟怖王WINTER・SPRING結果発表SP』~第250皿目~ https://youtu.be/ztX0bEUzmCw  @YouTubeよりhttps://twitter.com/KOYA_Makoto/status/1087916510545436672 

#呟怖
独り山道をゆくその路傍に、一台のバンがあった。瘡蓋が如き錆を全身に浮かせて。
無意識に中を覗く。
ひっ。燦々たる陽射しを浴び、全身を黒豆のような羽虫に覆われた、しかし男と判るモノがシートにあった。
以来。私の部屋には、いつも黒い羽虫が飛ぶ。そして時折、ソファに臭い汁が垂れる。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1124626933923237888 

#呟怖
新車を買った。夜を待って、近所の田舎道を走らせる。
ピピピピ、歩行者です。
突如、警告音声とともに自動ブレーキが作動して急停車した。車を降りてみても、猫一匹居ない。
不具合か。今日は引き返そうかとギアをバックに入れる。
ピピピピ、歩行者です。
バックモニターに映る、人、人、人。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1121396243802886144 

呟怖.ORG | 呟怖

呟怖.ORG | 呟怖

呟怖は、Twitterでハッシュタグ『#呟怖』をつけてツイートすれば誰でも参加、投稿できる140文字以内の創作・実話の怖い話です。呟怖.ORGには、日々投稿される呟怖から転載または朗読やイラストなど二次利用を許可されたものが集まっています。作品の二次利用に関する約束は掲載作品の転載、二次利用についてをご覧ください。自分の呟怖作品も、他の掲載作品同様に読んでいいよ・描いていいよという方は、ぜひ参加ボタンから呟怖作家としてご参加ください。その他ご不明なことはガイドをご覧ください。