人知れずいまだに鬼退治をしているという男に「今の時代、鬼もそんな悪さしてないだろう」と言うと、「子供を攫って育てているんだ。丸々太らせてな」「それ、食べちゃったの？」にやりと笑って答えないその男は、そうだ人間じゃなかった。#呟怖 https://t.co/ITVnsjmORN 2021年4月12日 14:26

十年ぶりに会った友人との会話がいつのまにか「ぬらりひょんの味はこう、のっぺらぼうの味はこう」となった。「それ、食べちゃったの？」「次から次へと生えてくるんだ。食費がいらないと思って、な」そう言って見せてくれた背中にある無数の疣は、ゾンビの姿にしか見えなかった。#呟怖 https://t.co/ITVnsjmORN 2021年4月12日 14:22

最近恋人の食欲が旺盛になったので子どもでも出来たのかと思ったら、いわゆる「視える」人から「兎が憑いてる」と言われた。実は大食漢なんだそうだ。可愛いじゃんいいじゃんと思ったが「兎は追い詰められると肉食獣を蹴り殺すこともあるし、『カチカチ山』思い出せ、口実を与えると恐ろしいぞ」#呟怖 https://t.co/uTEIyOey3y 2021年4月6日 7:23

#呟怖 うちに弟が来た、見るなり息子が「こいつは違う！おじさんじゃない！」と叫んだ。あれ？息子は弟と会ったことがあったっけ？「目が全然違うじゃないか！こいつはおじさんじゃない！」叫ぶ息子の瞳は猫のように縦に細くなっていた。 2021年4月5日 21:03

灰色が降り止まず、うまく歩けないし流通も滞っている。長靴で灰色をブカブカと踏みしめる力も込められなくなっている。もう遅刻を怒られることもなくなった。この灰色を喜ぶ奴らが空を飛び回っている。僕も灰色を祝福できたら楽になるのだろう。青に殉じる思いはいつまで続くだろうか。#呟怖 https://t.co/wwkOWzMP5U 2021年3月29日 9:27

街角に、その人の名前の文字を、足首に花模様で描く人がいた。花文字か。並んでいる人たちは楽しんでいる。ほーんと見ていると一緒にいた友人がいきなり走り出した。追いかけてどうしたんだよと言うと「あいつ、収容所にいた奴だ！」#呟怖 https://t.co/NpTYlqwueL 2021年3月29日 9:22

#呟怖 昔の日本には、少しでも疑われたら恥辱と腹を切る者が大勢いたが、現代日本の辺境には少しでも疑われたら激怒して首をつる集落があるらしい。真偽不明の文献を読み進めると、そこの人たちは死の直前に見た人と魂を入れ替わることができるというのだが、確認に行くのはためらわれる。 2021年3月29日 9:04

菅原道真が陰謀で太宰府に流されたというのは彼の正しさを意味しない、藤原時平らの活躍を知らず天神様を信仰する者のせいで、無関係な者が疫病に苦しみ泣かされ青空を乞うても見ることが叶わず、天地（あめつち）を埋め尽くす椿に絶望しかない道真の命日。#呟怖 https://t.co/5U6nEW5MO3 2021年2月26日 12:03

山道を馬と歩いていると馬が突然死んでしまうことがある。そこに異世界に繋がる穴があり、生き物の命でしか蓋をすることができない、馬は自らの命で人を守ってくれたのだと山の人はそこに馬頭観音像を建てるのだが、昨今の異世界転生ブームで町人がその穴を探す…馬の耳に念仏…馬鹿の耳に念仏…#呟怖 https://t.co/apgxrhA2JD 2021年2月25日 7:27

彼女がドライブの最中言った。「吸血鬼が襲ってきたら、あの曲がり角まで逃げて」。まさか本当に吸血鬼がいるとは思わなかった。必死にハンドルを操作する。カーブミラーを見るが、いや吸血鬼は鏡に映らない。「違うの。あの鏡は吸血鬼を消してしまうの」。声のする助手席には誰もいない。#呟怖 https://t.co/IBz9BbJBdo 2021年2月11日 7:24

彼女の急な思い出しに皆戦々恐々としている。彼女の「そういえば」は現実化し、「そういえば、あなた死んでなかったっけ？」で何人もいなくなっている。それ以外は可愛くて優しいアイドルなのだ。今日も皆自分が当たらぬよう願いながら飲み会に参加する。「…そういえば、猿夢って知ってる？」#呟怖 https://t.co/bSYzdD7CPx 2021年2月10日 19:09

怪談好きとカルトの違いは「自分とは違う見方や意見、可能性を認められるか否か」だと思うのだが、怪談好きだという人でも日常で自分の解釈以外を、意外を、絶対に認めない人もいる。「これは怪談ではない！お前は間違っている！」。そう、怪談好きとカルトは、両立することもあるのだ。#呟怖 https://t.co/sHLcIxSYIH 2021年1月29日 23:18

昔は電車で旅行したら、駅で夜を明かすなんてあったもんだった。今は防犯で追い出されるけどね、駅の方でも昔を懐かしんで、こっそり人を入れてくれることがあるんだ。けど人選を間違える駅がでてきて、その人知らなくて外に出ちゃうんだよな。せっかくの好意なのに、改札口に出ちゃうなんて…。#呟怖 https://t.co/oCVIcX7iZE 2021年1月22日 12:19

「祓い給い清め給え…」…いや、生首振り回している時点で…#呟怖 https://t.co/sWmTSlyKbO 2021年1月22日 12:11

事故物件に住んでいる友達に「どう？」と聞いたら「特に怖いことはないんだけど、風呂の湯船に入ると湯の中で指が六本に見えたり、曇った鏡に映る自分に角が生えているように見えたりで、前の人、何があったんだ？」#呟怖 2020年12月26日 13:18

鏡に蝶がとまっていた。見ていると、蝶は鏡に映っている蝶を引っ張り出し、二匹で仲良く飛んでいった。#呟怖 2020年12月19日 7:51

鏡に蝶がとまっていた。見ていると、蝶は鏡の中に飛んでいき、鏡の中の蝶がこちらに飛んで来た。#呟怖 2020年12月19日 7:50

@okabanamitsuki 私の持つアパートの、一人暮らしの若い女性が部屋で死んでいた。警察が、頭に怪我があるので事件性の有無を調べたい、室内をいじらないでくださいと言ってきた。その後、実は取り付けていた監視カメラで見ていると、調べに来る何人もの警官は一人残らず部屋の中でぼぅっとしているだけだった。#呟怖 2020年12月7日 11:48

@okabanamitsuki 妹が、ストーカーではないよく解らないモノが毎夜ドアをノックすると怯えるので、たまたま知り合った「神像を貸してくれる人」から神像を借りてきて渡した。その夜殴打する音が何度もしたあとビチャビチャという音が聞こえ、以降全く静かになったという。神様は優しいとは限らないようだ #呟怖 2020年12月4日 13:56

その画家の最後の作品は、楕円形に塗られた〝真っ赤〟だった。近くでじっくり見ればさまざまな色、オレンジや青、金銀などが入っていて魅入ってしまうのだが、遠くからだと鮮やかな赤一色に見える。題名は「赤い服の女の卵」であった。#呟怖 2020年11月22日 17:14

歓楽街に住んでいるので外がうるさいのはあきらめているが、高熱で苦しんでいたときに子守唄が聞こえてきたのには助けられた。以降穏やかな歌声が聞こえてくるのだが、終わった後の「ｱｹﾃ…ｱｹﾃ…」の声に、外を見ることができない。#呟怖 2020年11月20日 22:37

#呟怖 #返怖
「なんであいつが失敗したんだ？」
「呪文は言葉の通じない奴に使っても、理解されないようだ」
「だったら文化の違いが関係ない奴を送り込もう。知ってる邪視持ちがいる」
「睨みか。外国人に通用するのか？」
「まず失敗したあいつで試そう」 https://t.co/YubISbINdb 2020年11月13日 13:53

出口が塞がれているの見てもうお終いだと思ったが、隙間から紅蓮の炎が入ってきて、絶望に底がないことが解った。#呟怖 https://t.co/KMbmhxAiES 2020年11月12日 14:00

箱の中には暗黒があり、光を照らしても物を入れても何も見えない。どうしても解きたい謎を持つ人は、その中に手を入れると真相が書かれた木片を手にすることができる。そして謎の規模に応じた闇も引き受けなければならない。誰かの英雄とは真光ではありえないのだ。#呟怖 https://t.co/RGZesZMiC1 2020年11月11日 8:40

最近町中の所々に土が撒かれていて不思議だったのだが、墓参りに行って解った、墓地の土だ。死者が生者参りに来ているのか、墓地が生まれているのか。土の下から骨や死体が生まれたら、この世は終わるのだろう。#呟怖 2020年11月2日 7:34

ようやく全員揃い、担任は使者が恭しく差し出す封筒を受け取り教壇に立った。封を開け、中から紙を取り出し読み始める。「おはようございます。全員集まりましたか？今日は皆さんに、ちょっと殺し合いをしてもらいます」#呟怖 https://t.co/nnV9ScjTpr 2020年10月27日 12:41

スマホ地図アプリを持つようになってからは大丈夫になったが、昔からよく道に迷っていた。外回りの営業中、道に迷うと子ども時代に感じた心細さがフラッシュバックした。近くの人に道を聞くと必ず「どうしたの？ボク」と言われたものだった。#呟怖 https://t.co/5YfSR30k1d 2020年10月26日 7:02

実際怪異に罹っているのかただの偶然、気のせいなのか、素人には判断がつかない現象が続いて、楽しんだり怖がったりしても、他人には〝その程度〟なので軽く見られているのだが、これが「たった一つだけが違うパラレルワールド移転」が気になってくる原因になってくる。#呟怖 #実話 実は？ 2020年10月25日 11:05

怪談の定型として怪異はゆっくり始まることがある。砕けている二本の石柱に築かず入った横道の奥に、拝殿ならぬ廃殿があり、すぐに踵を返したのだが、以降背中が痒くなっている。乾燥肌なのか背中に憑いてきたのか、憑いてきたにしてもこの程度で済むのか、素人には判断のしようがない。#呟怖 #実話 2020年10月25日 10:59

ここで轢かれたのか、と影に聞く。すると、違う。ここに引き釣りこんだんだ、犯人をと影が言った。#呟怖 https://twitter.com/YaChiRuewomiru4/status/1305406373270708226 … 2020年9月14日 17:05