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呟怖は、Twitterでハッシュタグ『#呟怖』をつけてツイートすれば誰でも参加、投稿できる140文字以内の創作・実話の怖い話です。呟怖.ORGには、日々投稿される呟怖から転載または朗読やイラストなど二次利用を許可されたものが集まっています。作品の二次利用に関する約束は掲載作品の転載、二次利用についてをご覧ください。自分の呟怖作品も、他の掲載作品同様に読んでいいよ・描いていいよという方は、ぜひ参加ボタンから呟怖作家としてご参加ください。その他ご不明なことはガイドをご覧ください。

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#呟怖

洗面台の前に立ち、歯を磨く妻。
後ろ姿から見てもまだ眠そうだ。
何しろ鏡に映っていない。
体はまだ布団の中にいるようだ。 https://twitter.com/moon04cat/status/1304366645138173952 

#呟怖
田んぼの畔に沿って彼岸花が咲いている。
丘の上からスマホで撮り、友人に送る。
すぐに返信が来た。
『逃げて』え?
写真をよく見ると薄い人影が花の上に立ち並んで私を見ている。
『早く』何これ?
草を踏む足音に顔を上げると、私は幾重もの彼岸花の輪に囲まれていた。 https://twitter.com/moon04cat/status/1302501071709822978 

#呟怖

襖を開けると和室だった。
真新しい畳の香り。
雪見障子から見える庭には雪が積もり、所々に深い緑色と赤い点が見えた。
あれは、椿の花?

「どうですか、この押し入れ!大きくて収納ばっちりですよ」
背後で声がした途端、和室は薄汚れた埃臭い空間に変わった。 https://twitter.com/moon04cat/status/1302501003455995905 

#呟怖

欲しいとあの子が言っていた
赤いリボンのお人形
ちょっと形は違うけど
ちょっと大きさ違うけど

箱がないのでそのまんま
綺麗な紙で包んだら
赤いリボンがずるずると
お人形からはみ出した

お腹にぐいぐい戻したら
腐った香りがほんのりと
私の作ったお人形
この世にひとつのお人形 https://twitter.com/moon04cat/status/1301747091048247298 

#呟怖

帰り道、つきまとう視線を感じた。
お風呂でも、トイレでも、自分の部屋でも。
そんなはずはない。
台所に行き冷蔵庫を開けた。
やっぱりあれは気のせいだと安心した。

ガラス瓶を満たす液体。
その中に漂う二つの眼球。

取ってしまえば視線など送れるものか。 https://twitter.com/moon04cat/status/1301747012862267393 

#呟怖
潜ったまま泳ぎ続ける霊が出るという噂のプール。水が抜かれる時期には現れないという。

今年の監視員のバイトも今日で終わり。帰り支度をして自転車にまたがる。
「また来年だね」荷台にトスンと誰かが乗る気配。
「新しい温水プールができるんだって。行きたい?」
キシキシと荷台が揺れる。 https://twitter.com/moon04cat/status/1301475733559156736 

#呟怖

一気に山を駆け下りた
背後に首筋に息がかかる
ポケットには小型のナイフ
振り向きざまに切りつけた
血飛沫がスローモーションのように
木に草に降り注ぐ
やったと思い気を抜いた途端
血の一滴一滴がボールのように弾み
一斉に飛びかかってきた

山の麓で死んでいた男の霊から聞いた話。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1301928567865974784 

#呟怖
蔵の中に古い箪笥がある。最近その引き出しのひとつから良い香りがしてくるようになった。そう言うと母は喜び、祖母は時が来たかとすぐに私を伴い蔵に向かった。言われるままに引き出しを開けると甘い香りが広がった。剥ぎ取られた人の顔が並んでいる。以前の私なら目を背けていた。だが今は。 https://twitter.com/moon04cat/status/1301475649337487360 

#呟怖
『塗りたて』と書かれた紙が一枚、地面に落ちていた。周りを見てもそれらしい場所はない。
突然、地面に穴が開いた。動いてる。なんとなく開いた口を思わせる。
開いちまったのか
いつのまにか隣にいた男が手にしたコテで穴に土を盛り、平らにならした。
これでいい
何が、とは聞けなかった。 https://twitter.com/moon04cat/status/1300285236329152512 

#呟怖
毎晩ある時間になるとどこからか悲鳴が聞こえてくる。すると枕元の時計の針が回り出し違う時間で止まる。秒針の進まず戻らずなその動きは痙攣している姿を思い出させる。秒針が止まった。これが心臓が止まった時刻か。予想より長かった。次は一瞬で決めよう。声を上げる間もないぐらい。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1300231754351955968 

#呟怖 #返怖

「こんな所を詰まらせるぐらいなら俺によこせ」

とうとうたまりかねてそう口にしたらしい

だがそれらしいものは頭のどこにも見当たらない

同僚は忌々しそうに言った

「毎朝毛の塊を吐くようになったよ」

詰まらせることが目的だったようだ

#呟怖
椅子がひとつだけ描かれた絵がある。
なぜかこの椅子、真ん中にあったり横を向いていたりとあちこちに移動する。
ある日、椅子がキャンバスの端にあり、その上に人間の足が立っていた。
次の日、足はだらりと宙に浮いていた。
椅子は倒れ、それきり動くことはなかった。 https://twitter.com/moon04cat/status/1300285030594310145 

#呟怖

夢を見た。
椅子に座る少女。
足をぶらぶら、退屈してるようだ。
テディベアを渡すと笑顔になった。
次の日、同じ夢。
人形を渡すと笑顔になった。
次の日、また同じ夢。
何もないので心臓を抉り出して渡した。
少女は最高の笑顔を見せ、それを飲み込んだ。

夢だ、醒めるはずだ。
なのになぜ。 https://twitter.com/moon04cat/status/1300285030594310145 

#呟怖

「これをくださいな」
顔を上げると花火柄の浴衣を着た女性が提灯をひとつ指差していた。
「毎度。いい色でしょう」
「ええ。形もいいわ」
「若い男の皮と血で拵えたんですよ」
「さぞかしいい男だったんでしょうね」
夏の夜のぬるい風にそよぐ女性の髪の中に二本の角が見え隠れする。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1299557983043514368 

#呟怖

蛇口を捻ると冷たい水の流れと共に男女の楽しげな声が聞こえてくることがある。辛い打ち明け話や些細な口喧嘩の時もあるが、しばらくすると笑い合う声に変わる。水は山に降った雨から成る地下水である。山で逝き土に還った男と女の魂が麓へと流れる水の中で出会ったのだろうと村の古老は言う。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1299683749878091776 

#呟怖
母と私たち四姉妹が元気でいられるのは父のおかげ。誰も歳を取らず私も成長が止まったけど「家族がいつまでも変わらず元気でいてくれれば」が口癖だった父の願いが叶ったんだもの。父の墓から生えるこの草は父から私たちへの贈り物。さあ、明日食べる分を摘みに行きましょう。

「若草物語・闇」 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1298706623737692160 

#呟怖
拾った枝で鉄の柵を叩きながら歩いてたら奥の草地からうるさいと声がした。誰と聞いても返事がない。気のせいかと再び叩きながら歩き出すとまた言われた。力いっぱい叩こうと枝を振り上げると草の中からひゅんと蔓が伸び、枝に絡みつくとそのまま引っ込んだ。草むらの中からぼきぼきと音がした。 https://twitter.com/moon04cat/status/1294077892205268992 

#呟怖
蝉の声が降り注ぐ林の中で引き戸を見つけた。不思議に思い眺めているとがたんと音がして戸が開き、お婆さんが顔を出した。奥に赤い鳥居が続いている。お婆さんは手招きしながら何か言ってるが蝉の声で聞き取れない。どうしたらいいか迷ってるうちに戸は閉まり、陽炎のように揺れ、消えた。 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1297033048534339587 

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