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呟怖は、Twitterでハッシュタグ『#呟怖』をつけてツイートすれば誰でも参加、投稿できる140文字以内の創作・実話の怖い話です。呟怖.ORGには、日々投稿される呟怖から転載または朗読やイラストなど二次利用を許可されたものが集まっています。作品の二次利用に関する約束は掲載作品の転載、二次利用についてをご覧ください。自分の呟怖作品も、他の掲載作品同様に読んでいいよ・描いていいよという方は、ぜひ参加ボタンから呟怖作家としてご参加ください。その他ご不明なことはガイドをご覧ください。

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実家の扉を恐る恐る開けると、花嫁衣装を着た家内が見知らぬ男と祝言を挙げていた。瞼を真っ赤に腫らした家内は、男に頭を下げ、契りの盃を交わしている。やめろ。やめてくれ。僕は戻ったんだ。遠いシベリアから戻ったんだ。畜生。一体誰だ。間違って僕を戦死扱いにした野郎は。

(大正11年9月)#呟怖 https://t.co/M19LriEknQ

両手の爪で、ハガキに貼られている切手を慎重に剥ぎ取ると、裏には身の潔白とその証拠が刻まれていた。私は正面に座っている相手の顔をジロリと睨み、部下に別室へ連れていくよう命令した。私は検閲官。この施設の規律と秩序を害する者は許さない。例外などない。 たとえそれが無実であっても。#呟怖 https://t.co/opWgZ0uaQi

駅前にある喫茶店の珈琲をひとくち飲むと、図書館の閲覧室に忘れ物をしたことに気づいた。小学校のときに作った桜色の栞である。けれどどうしたことか。私はその閲覧室の場所を忘れてしまったばかりか、図書館への行き方も忘れてしまった。そもそもこの街は過疎化が原因で既に消失したはず…。
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暦表を見ると十二支の絵に猫が載っていた。視界がぐらりと揺れる。冗談じゃない、俺は猫が大嫌いなんだ。あのなんでも見通せる両目。鋭い牙。気まぐれで、尊大な性格。怒っているのか解らない鳴き声。いつの時代になっても脅威に変わりはない。俺は猫が大嫌いだ。奴等は俺たちネズミの敵だ。
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ポーン。ポーン。ポーン。と、平安貴族たちが音をたてて蹴鞠をしている庭のわきで、コーン。コーン。コーン……と稚児たちが雛鳥の骸骨を蹴って遊んでいたことは、歴史上、記録を許されない事柄の一つである。
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#呟怖三題噺 https://t.co/vVpGNyrnNR

猿夢を見た。これで二度目だ。つぎはない。助けを求めるべく友達に相談したところ、枕元にバナナを置くといいと云われた。翌日俺は悪夢から抜け出た。良かった。効果が現れたのだろう。久しぶりに娘と二人でパズルをしているとインターホンが鳴った。ドアを開ける。そこにはバナナの皮が……。
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漁から戻り、実家のリビングに入ると、化け猫が水槽のなかを乱暴に物色していた。背中に戦慄が走る。猫と目が合う。血で真っ赤に濡れた口元を器用に舌で舐めている。床にはいけていた魚がビチビチ跳び跳ねていた。化け猫はそのうちの一匹を咥えると、窓ガラスを破り、夜の闇へ消えた。#呟怖 https://t.co/3ugDWQJcL1

「梶井基次郎じゃあるまいし、じゃが芋が爆弾に見えるわけないだろ」

「ええ。ですが香港のある工場では、じゃが芋のなかから手榴弾が見つかるなんて例もあったそうですよ」

「それにしても見た目より重いですね、これ」

「幾ら洗っても土の汚れが落ちないしな」

「これなんか安全ピン…」
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センターラインを基軸として大勢の車が行き交っています。軽自動車。バイク。ワゴン車。オープンカー。セダン。……たまに猛スピードで走る4トントラックの車体の下には、一瞬だけですが、むかし事故ですり潰された女の子の屍体が見えたりします。
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降雪地帯では除雪中に道路の側溝に落ちる事故が後を絶たちません。気をつけてはいるのですが、それでも穴に落ちてしまいます。まるで何者かに引き摺られるように。落ちてしまった所はとても寒いです。暗くて寂しい。怖い。気づかれないまま雪の固まりを入れられる可能性だってあるのですから。
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自由と平等の革命の末、国外追放された王女は高名な魔女に頼み、かつて暮らしていたお城の幻覚を遠い眼で見つめている。民衆に捕まったお父様とお母様がどうかご無事でありますようにと、心のなかで祈りながら。
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ここ二階なのに、なんで、あの少年は窓ガラスをたたくことができたんだろう。
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考古者となり十余年。大地の果てにあると云われるアトランティスを発見できたが、果たしてこれは現実なのだろうか? もしかすると、我々の世界は――否、宇宙は、魔女が作りだした幻なのかも知れない。
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「あれ? ねぇお爺さん。ここT地路じゃないのに、何でさっきカーブミラーがついてたんだろう」

「そりゃ、おめえ。この辺りに霊道が通っているからだろうよ。亡者の集団と交通事故にならんよう、ご丁寧にも設置されてあるのさ」
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「目を瞑れ。
両手を挙げろ。
そのまま壁に這いつくばれ!」

乾いた銃声が旧市街地の空に響き渡る。
ここは紛争地帯。国境線近くに造られた巨大な壁を前に、今日もまた一人の無辜が犠牲となる。
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皮肉なものね。この子が生まれたとき、左足にプラスチックで出来た出生番号がつけられていたのよ。でも、いまは、段ボールの認識票が結ばれているだけ……。
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やれやれ、今日もまたどっかの国同士が戦争を開始しやがったな。この時計の針が動くたびに、地球上のどこに核ミサイルが発射されたかが分かるんだ。でも、まあいいさ。地下シェルターに住んでいる大統領の俺には、まったく関係のない出来事なんだから。
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「まさかコロナの発生が、桜の木にも起こっているとはね」

白衣のうえに防護衣を着た博士は、まもなく開花するであろう桜の蕾を忌々しく睨んだ。

「これからどうしましょう?」
「決まってるさ。すべての木を伐採するんだ」

助手の質問に、博士は平然と答えた。
「今年は、桜は咲かないな」
#呟怖 https://t.co/ikcmYfGs56

切り株に座っているうちに、いつの間にか寝てしまった。
先程まで見ていた夢が走馬灯のように蘇る。それは、これまでの切り株の人生だった。嬉しいこと。悲しいこと。楽しいこと……
最後に見た光景は、確かチェーンソーで切られる夢だった。
どさっ。と音が鳴る。
俺は地面に崩れ落ちた。
#呟怖 https://t.co/9Oa9SApGHy

しらないしらないこの場所は
昔どこかで聞いた場所
死出の山路を乗り越えて
ここが閻魔のすむところ
しらないしらないこの場所は
獄卒、亡者に鳥に鬼神
剣の風を乗り越えて
後は審判まつだけさ
しらないしらないこの場所は
幾度死んでも忘れぬぞ
閻魔に地獄を云われてさ
泣いて堕ちたさ血の川に
#呟怖 https://t.co/U8coqeBKd8

カレーライスには、やっぱり茹でたまごだね。そう思って、ルーのうえにあるたまごを割ってみたら、白身に包まれた裸の小人がパックリあらわれた。肉片のついたスプーンが落ちる。まだ、あと、七個残っている。
#呟怖 https://t.co/Y8IXtBKCPM

「……本当のことを言うとね」

付き合ってニヶ月になる彼女は、車内でハンドルを握る僕の方に身を乗り出すと、耳元で静かに囁いた。

「あたしが車から降りて地面を見たとき、タイヤ跡のうえに10センチ位の小人が薄くずたずたに轢き伸ばされていたのよ」

車は淡々と、深夜の道を走り続ける。

#呟怖 https://t.co/Fa8ccSwd3s

サクラ咲ク
イズレ散レドモ
サクラ咲ク
イツカ貴女ニ
出会フ為ニ

#呟怖
#短歌 https://t.co/RfDqC0K0uS

国土交通省の調査の結果、ここが危険なバス停であるとが分かり、住民たちは乗降場を変えるよう役所やバス会社に変更を求めたが、これはさすがに解せぬ。
#呟怖 https://t.co/qXWQsgMjet

曇天の空を仰ぎ見る。
頭上に走る幾つもの架線は、白紙の五線譜に見えた。
脳に交響曲が流れ、五線譜には様々な音符が彩られる。
(くそっ……まただ)
俺は聴こえない耳を両手で押さえた。
荘厳な交響曲は、頭のなかで何度も煩く流れ続ける。
これが音楽家の宿命か。
巻き毛の髪を掻きむしった。
#呟怖 https://t.co/kGfUZlVo9G

私には理解できない。

なぜ地球には数多の問題があるのか。

殺人、窃盗、差別、貧困、堕胎、不倫、そして戦争……

皆、なぜ私のように出来ないのだ。

私は七日で地球を作りあけだのだ。この物事の早さ。なぜ誰も倣おうとしない。

いや……違う。

もしかしたら。

“それ”が間違いだった。
#呟怖 https://t.co/j40OxRpGS0

目にハンディキャップを持つ人の為に設置された音響式信号機。これがあれば、いつ信号が青に変わったかが、単調な音によって知ることができる。
ただ、この信号機の脇につけられたスピーカー。人気のない深夜に、ひとりでにピヨピヨと鳴り出すことがある。そして、その音の色は……。

#呟怖 https://t.co/sR4a6LvdCF

「今日未明。日本自然推進団体は、いわゆる蟻地獄から成虫した昆虫である“●●●●●●●”を、自然ブックリストから修正する意向を固めました。今後はより清潔で、気品ある名前をつける方針とみられ……」

淡々と語るニュースリポーター。

私はそれを観ながら小さく呟く。

「薄馬鹿下朗」

#呟怖 https://t.co/yRDiAhm1EM

#呟怖

わたしがこの世に生を受け70余年になるが、ついにこの街の電信柱が撤去する姿を見たことはなかった。それどころか、わたしの記憶が正しければ、昨日まで何もなかった道路の脇から、不意に一本の黒い電信柱が我が物顔で生えてきているような気さえする……。

「記憶」 https://t.co/UAq7x9dnyk

目が覚めて布団から起きると、ボクの枕元には沢山のプレゼントの山があった。
箱の中身は最新のゲーム機だった。他にも、自転車や洋服、ぬいぐるみ、お菓子の詰め合わせなどがある……。
「サンタさん、全然違うよ……」
ボクはそう呟き、誘拐犯と一緒に寝ている部屋で、声も出さずに泣いた。
#呟怖 https://t.co/XJesVZz06A

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