雨降り落つ夕暮。水溜まりを避けて歩く家路。自転車が飛沫を跳ねる。スカートが濡れ不快な顔を向けると、自転車が、底なし沼のように水溜まりに沈んでいく。
「助けて……」
乗っていた青年は、苦しい声を残して水面に沈み、自転車もすっぽりと消えていった。
それから、水溜まりを踏めない。
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