ある家の前を通りかかると、中年の男が玄関ドアすれすれに、直立不動で怒鳴り声を上げていた。
「居るぞ!居るぞ!居るぞ!…」
あそこは…空き家だ。
見ぬふりをして通り過ぎようとした時、ピタッと声が止んだので、ふと、顔を向けてしまった。
目の前に顔があった。
「視えてんだろ!!」
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