呟怖.ORG | 呟怖

呟怖は、Twitterでハッシュタグ『#呟怖』をつけてツイートすれば誰でも参加、投稿できる140文字以内の創作・実話の怖い話です。呟怖.ORGには、日々投稿される呟怖から転載または朗読やイラストなど二次利用を許可されたものが集まっています。作品の二次利用に関する約束は掲載作品の転載、二次利用についてをご覧ください。自分の呟怖作品も、他の掲載作品同様に読んでいいよ・描いていいよという方は、ぜひ参加ボタンから呟怖作家としてご参加ください。その他ご不明なことはガイドをご覧ください。

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夜寝てて、何かが飛んできて、私の唇に着地した。なんじゃと驚いてとっさにつかむとつかめたので握りしめたまま起きて明かりを点けた。手を開くと生きのいいゴキブリが飛翔していった。…どこに行ったか知らん。すぐ洗面所に走って顔を洗い口をゆすいだから。
#実話
#呟怖

雨の夜、外で音がした。雨がうるさいかと思ったが窓辺を見ると一匹子猫がいる。ずぶぬれだがタオルで拭いて寝床に入れた。布団が濡れた。翌日猫はいなかった。仕事にゆくと捨て猫が何匹がダンボールで鳴いてた。誰ももらわないやつがいたらもらうよ。というわけでうちにきたのが「なんぎ」です。
#呟怖

うちの猫「なんぎ」は、引っ越ししたのについてきた。死んでるし、ちゃんと昔の家の庭に埋めたのになあ。なんぎは夫婦喧嘩してると間に立って困った顔して鳴く。こどもが寝ないとこどもに寄り添って眠る。それはいいけど、尻尾が二本あるのと右半身の毛がないのは気になる…(写真は生前
#呟怖 http://pic.twitter.com/Tb1rnTZ1m5

その画家はいつも赤い絵を描いた。死の直前に描かれた絵の男には目がない。男の後ろに這いつくばるヒトガタには顔がない。画家は「私の首を落としてくれ」と遺言し、自分の目をくり抜いた。最後のその絵を見た人は赤い夢を見るという。確実に見る。たぶん害はない。私まだ生きてるしね。
#呟怖 https://twitter.com/astrono77153462/status/1037328247195721729 

橋から川を見下ろすといつもそれがある。肉塊のようにも魚のようにも見える。目玉はぎょろりとこちらを見返す。でもね、私は知ってる。子守唄を歌うとそれは眠るのだ。目を閉じてゆらゆらとうっとりと眠る。それが何か身に覚えがあるけど私は橋から立ち去る。ばいばい、私の、生まれなかった子。
#呟怖 https://twitter.com/yosituguo/status/1035733209865043968 

洋館の高い窓からいつもそのひとは見下ろしていた。淋しげに見えた。それから何年も経って大人になった僕は洋館が売りに出されたと知り、不動産屋に内見を申し込んだ。ドアを開けると玄関ホールは吹き抜けで、高い窓がひとつ。あのひとが見下ろしていた窓だ。

#呟怖

外はいつも闇だ。楽しげな声が聞こえても、出ていかれない。カーテンを少し開けてあるのは戒めのためだ。出れば、ああなる。知性の欠けた獣の顔。でも、ずっと閉じ込められているよりは。どこにも行けず飼われているよりは。窓を開ける。闇が這入ってくる。
#呟怖 https://twitter.com/astrono77153462/status/1037328529300512768 

ときどき本棚から本がすとんと落ちる。一冊だけ落ちる。『坊っちゃん』が落ちたときは隣の赤ん坊が死んだ。『ボートの三人男』が落ちたときは近所の火事で三人死んだ。今日は免疫学の教科書が落ちたんだけど…まさかね。まさか免疫が死んだりはしないよね?
#呟怖

浜には大きなバッタがいると噂だった。網を持ってでかけた。草むらにバッタがいた。ぼくの足より大きい。30cmあったかも。つかまえて学校に持ってくと先生が捨ててしまった。「いいか、こいつは昔からいるんだ。原発のせいじゃない。昔からいるんだ」ぼくは今もバッタが怖い。
#呟怖
#ご近所の都市伝説

彼岸花がつくつくと伸び始めている。まだ咲かない。まだ彼岸ではない。深呼吸してチューハイを飲み干す。風が吹いてなにかをさらってゆく。伸びをする。ああそうだ。誰だって、そのときはひとりだ。いまがそうなのか。気づかなかった。ひょいと踏み出す。さよなら。
#呟怖

緑の馬に乗って駆けつけた。闇の中あかるく光る火に喜んで玄関に走ったが、父も母もいない。知っている人が誰もいない。さみしくて誰か知っている人がくるのをずっと待ってたけど、もう秋風が吹いて。さみしいから、あなたを連れてくよ。紫の牛はゆっくり歩く。

#呟怖

うめき声が聞こえる。見にゆくとベッドに老女。額に角が生えて頬には鱗。知らぬ人と思うが老女の隣に父が寝ている。おむつを替え褥瘡に薬を塗り、自分の寝室に戻り、古いアルバムを開く。優しく賢かった母の面影を探して。しかし古い写真の中で、角と鱗のあの老女が幼い私を抱いている。

#呟怖

眠る子の額に浮かぶ「死」の文字が

井戸の底より招く手を握る

蛇踏んで蛇のいのちを負う羽目に

カミソリを握れ汗ばむその指に

滴る血おきてが廃墟にはあって

#呟怖
#怪奇川柳

回転ベッドは上がり下がりしながらぐるぐる回った。もう全然動かないけど。割れたガラスを踏みつけてももう傷まない足が不思議で、あたしはホテルの部屋をあちらこちら動きまわる。焼香の匂いがして逃げる。あたしここにいたいの。追い出さないで。ねえここにいようよ。
#呟怖

盆過ぎに河童の話はするものでないと祖母は言った。でもうちのキュウリはなりすぎるし、河童がいたらいい、と思う私は夫もこどももほったらかして瀞に佇み青い水をつつく。まだ8月だってば。でておいでよ。するる、と何か滑る。何か落とした。なんだっけ。私は瀞に身を踊らせる。家に帰ろ。
#呟怖

アレサ・フランクリンが死んだ夜にYoutibeをさまよう。私、黒人になりたかった。かっこいい黒人の女に。気づけば私の視界は闇。そうかおまえは黒人だな。鎖が私の手足を縛める。これが黒人ということなのか? 私はまだ知らない。明日からの恐ろしい労働を。

#呟怖
#アレサ・フランクリン追悼

水子から鋭き糸の伸びゆきてとある男の首に巻き付き

#呟怖
#怪談短歌https://twitter.com/shugyousha/status/1029268834962702336 

中学生のとき、友人の家まで自転車で行ったんですよ。帰り道のゆるい坂で衝撃を感じて転びました。わけがわからない。怪我もなかったんですが、自転車のフォークがぐんにゃり曲がっていました。自転車を引きずって自転車屋まで行ったら「こんなになるわけがない」と理不尽に怒られました。

#呟怖

割に涼しい夜だがエアコンをかけた。シャワーを浴びたばかりの肌に風が冷たい。幽霊でもいいのに。嘆きながら目を閉じる。…ふと目覚めるとドアの向こうから声が聞こえる。幽霊でもいいのに。ドアノブを回す。開かない。どうしても開かない。幽霊でもいいのに。誰の嘆きだ。誰の。

#呟怖
#幽霊の日

#呟怖
夜更け、アコーディオンの音が聞こえた。駐車場として使わせてもらっている寺。なぜ、と思いながら耳をすます。「くそっうまく弾けない」という声がする。練習しているらしい。本殿の扉を開けると「うわっやめろよ」と声が響いた。誰もいない。…義姉が言うには昔そこで歌声喫茶があったのだと。

#呟怖 #実話
暗い雰囲気のホテルで。寝ようとしたら壁に人影がある。エアコンと壁の隙間の狭いところに細い男の人が挟まっている。怖いから目をつぶって無理やり寝て。それから何年も経ってまたそこに行ったの。もうホテルはなくて。近くの店で「あのホテルは」と尋ねると言葉を濁された。
(義理姉談)

#呟怖 #実話
海辺の街を歩いていたら知らない路地に迷い込んだ。六月なのに桜が咲いていた。線路とプラットフォームがあり、乱雑に大小さまざまな靴やサンダルが脱ぎ捨ててある。不思議に思いながら歩いていると知っている道に出た。あとで父から、むかしその近くを軽便鉄道が通っていたと聴いた。

#呟怖 #実話
私の父は私鉄で車掌をしていた。時折線路でマグロを拾うことがあった。マグロが何かは聞かないでほしい。バケツに拾い集めて休憩していると線路のほうで呻き声がする。見に行っても誰もいない。しかし足元に肉片があった。それを拾ってバケツにおさめ、線香をあげた。呻き声は消えた。

祖母の初盆である。朝からキリキリ舞い。茶を振る舞い、酒を出し、つまみを出し、料理の残りを片付け、飲み残しの酒を捨て、うんざりしながら生ぬるいビールを飲むと祖母の声がした。「私も同じことをした。おまえもだ。おまえの子もそうなる」…バカな呪いはやめてほしい。仏壇を粉砕した。

#呟怖

希望されるものとしては珍しい部位である。しかし彼の場合は不思議もない。弦を押さえ、ピックをはさんだ指を10本、丁寧に切り取る。味付けは最低限の塩のみ、最高級の備長炭であぶり焼きにすべきであろう。肉汁の一滴すらもったいない。たくさんの人を泣かせた指を私は口に含む。

#呟怖 https://twitter.com/tsubukowa/status/1001862409575780352 

レバーは好物だ。豚の血のプディングもおいしかった。でもこれはなあ。話には聞いたが実際臭い、牛乳で洗ってみる。ニンニクと生姜をきかせて、しばし考えて中華風に揚げ煮にする。うむ。食えないことはない。面倒なやつだったなあ。遺言なんですよ。なので、殺して食いました。男の象徴を。

#呟怖 https://twitter.com/tsubukowa/status/1001862409575780352 

梯子を探している。こんな日ならあるはずなのだ。おまえを失った日と同じような、明るい日差しが雲間から漏れる、こんな日に濁流がお前を飲んだ。手も伸ばせなかった。梯子はどこだ。おまえへの梯子は。

あーあ、おっちゃんまた昼間から寝てるよ。ほっとけよ。狐雨の日はあかるいよ。

#呟怖 http://pic.twitter.com/1g5Pc1Wehh

呟怖に使えそうで使えないお空写真みっつです。気が向いたらおつかいくださいませ。著作権は放棄しますのでもう勝手にどうぞ、私は光の怪談が読みたいのでございます。

#呟怖 http://pic.twitter.com/ZL167dg0tE

明るくて見えないの、というと眼鏡をくれました。でも虹がまぶしい、というと片目をつぶりました。これ以上は無理だからがまんして。きらきらさんはそれから鋭いナイフを突きました。そのうちおかあさんが迎えに来て、私をみつけて驚くと思います。

#呟怖 http://pic.twitter.com/NIR3tPMBM1

午後のマリーナで風力発電の風車を見ていた。無風である。誰もいないのが不思議で石を投げると肩に手を置かれた。「ダメだろう、マリーナは俺のものだ」…振り向こうとしても身体が動かない。「忘れたのか。おまえも、俺のものだ」…手を置かれた側の腕が指先からさらさらと砂になってゆく。

#呟怖 http://pic.twitter.com/ib8jxNm7di

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