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手早くテントを張り終えたまでは良かった。

広げた新品の寝袋から羽根が落ちた。骨付きの。
確かに安かった。
寝袋をつまむと指先に無数の骨を感じる。力を入れるとポキポキと嫌な音を立てた。

陽が山の端に消え、急に寒さを覚える。
今夜はここで寝るしかないようだ。この寝袋にくるまって。
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幽霊船すくい、と書かれた屋台。
動きの遅い船を狙い、僕はポイを滑らせた。

「すくえたよ!」
おじさんが船を両手で包み込むと、指の隙間から光が漏れる。
再び開かれた手は、空っぽだった。

「おじさん、船は?」
「ありがとう坊や。あの船は救われたよ。」
微笑んでりんご飴を一つくれた。

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口ひげを撫でながら懐かしそうに男が見上げる。

そう、ここさ。屋上には毛むくじゃらの巨漢がいてね。俺の恋人を拉致した奴だ。
連れ帰るため階段を登るだろ?上から樽を落としてくるんだ。

マンマミーア!避けきれず何度もぶつかった。なのに野次馬はもう一度って叫ぶ…無茶な時代だったよ。

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「お先によろしいですか?」
いつの間にやってきたのか、紳士が靴を指さしていてね。

意味も分からず頷くと、彼は腰掛け、靴を脱いだ。
ベンチの靴に履き替え、高そうな靴を置いて軽快に立ち去ったよ。
次は私だ、なぜかそう思った。履き替えた。だから今がある!

社長は酔うとこの話をする。

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「発表会まで時間がないので、先生ちょっと細工したの。
使わない鍵盤を間違って弾いてしまっても音はでません。その代わり、蓋が落ちてきます。
指、気をつけてね。ぐちゃってなっちゃう。」

「ひ、弾く順番を間違えたら…?」

「先生が蓋を落とすわ。」
鍵盤蓋に手をかけ、にっこり笑った。

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力自慢の熊が何頭も並び、分厚い手でスポークを払う。猪たちは回し車の要領でリング内部を駆ける。

そうしてゆっくりと観覧車は回り始める。

リスや狐は見下ろす世界の大きさを知り、ムササビは小窓から滑空していく。

削られた森の中、打ち捨てられた観覧車は、動物達に力と知恵を与えた。

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住人の帰宅を待ち構えていたようにインターホンが鳴る。

「冷蔵便の集荷です」
集荷?
郵便物をテーブルに投げ出し、玄関を開けた。

もう誰も戻らない部屋には「プレゼント係」と宛名書きされた大量のハガキが散らばっている。
「胃 祖母が病で」「着払い可 右目」「陰茎 大小不問」……

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あの話?
私たちは手をつないで立ってただけ。水色の素敵なドレスを着て、セットは花柄。ディズニー映画かなにかだと思ってたわ。カメラを見て、笑わずに我慢して。

劇場公開を楽しみにしていたのに、ママが観るなって。
知らないうちにホラー映画のアイコンだなんて呼ばれて、失礼しちゃう。

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自己紹介はとても緊張した。

パチパチ…
まばらにだが拍手があがる。いいクラスかも。

「ねえメガネ君、うちのteacherちょっとcoolでしょ」
世話焼きっぽい女子が声をかけてくれた。

僕より小柄なteacherはずいぶん若そうだ。無言のまま、黒板の前にすっと立って凛々しい顔をしている。

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子供たちが鳥居の前に並び、社へ向かって歩き出す
手に火花散る線香花火ひとつ

大抵は数歩で、長くても数mで火種を落とす
だが何年かに一度、社にたどり着く子供がいた年は、豊作が約束される

今ではもう、頭を割られる子供もいない
それに見立てた西瓜が振る舞われるだけだ

夏祭りが終わる

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まだ小学校にあがる前、近所に湧き水を見つけたことがある。
こんこんと溢れる水は透明で、ふわんと持ち上げられては落ちる砂が綺麗だった。

蟹かな、魚かな。
ぽっかりと開いた湧き出し口に、指を一本そっと入れてみた。

カチカチッ

慌ててひっこめた僕の指の先、白い歯が4本噛んで消えた。

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見つけた。
ブランコがひとりでに揺れている。
そっと下に潜り込み、仰向けになる。

今夜も視えてくる。立ち漕ぎする少女。スカートが風圧ではためく。もうちょっと…

「見ぃえたぁぁ」
俺の歓喜の声に恐怖の表情を浮かべて少女は消え、ブランコはゆっくり止まった。

逃げたって無駄なのにね

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釣り竿だけを片手に旅する男がいた。

「水があれば魚がいる。魚がいれば釣って食う。だから俺は水場から水場へどこへでも行ける。」
「どんな水にも魚が?」
「どんな水にも。流れのない井戸にも。」

きっと本当なんだろう。井戸のように深く濁った白目がちの眼で、彼は僕を見つめてくる。
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トンッ
壁から音がした

俺の振り向き方がお気に召したか、音はリズミカルに続く
トトトトン トトトトン…

ちょうど一曲いきたかったとこだ
残ったストゼロを呷り、リズムに合わせて歌い始める

〽︎人生楽ありゃ苦もあるさ
〽︎涙の後には虹も…

カーン

悲しげに缶が鳴り、俺は1人に戻った

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その部屋にたどり着いた4人は互いに名乗りあった。こうして生きているのが不思議なぐらいだが、とにかく生き残った。

「君は過去 とある事件」
壁の告発文を見ても、自分達こそが私刑のターゲットであることに気づきはしなかった。
敢えて残された4人だということに。

キミハカコトアルジケン

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あの夏、僕らは10歳だった
君はこの遊具が好きで、でも誰かと争うのが嫌いで、僕と2人の時だけ幸せそうにここを占拠した

君の捜索に加われなかった僕は20歳になった
念願の土木課に転属も許された
真っ先に提出した遊具の保全申請
規制テープは僕が巻いた

全部そろったよ。君は帰ってくるかな

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少年は高い所に登るときまって眼下に父を探した
これだけの人がいるなら……

だが父は既に地上にいない
もっと高い場所から少年を見つめている

父は少年に伝えたかった
いつでも見守っていると

彼は親交のあった画家の枕元で訴えた
自分の視点で絵を描いて欲しい。もう下を見なくて済むよう

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ある日の閉館時刻
退館を促すピアノが流れる中、女の子が消えた。
広い図書館のことだ。代わりに増えた1冊の蔵書は誰にも気づかれない。

いつも硬い表情だった女の子は本の中で微笑んでる。
タイトルはない。探すなら著者名がヒントだね。
職員は本と静寂の味方だから、聞いても無駄なんだ。

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としょかんにおいで
たくさんのごほんがむかえてあげる

どうぶつがすきならどうぶつのおはなし
おかしがすきならおかしのおはなし
やさしいママやすてきなパパ
たのしいおともだちも
ごほんがぜんぶあなたにあげる

かえりたくなければごほんにおなり
ここにはたくさんそうしたごほんがいるよ

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「そろそろ起きヤー」
ひた ひた ひた

……まだ夜じゃないか、誰だ?

ばあちゃんの声
猫のような何かが
布団の周りを歩いてるのに気づく

「きび焼いちょるヨー」
そうか可愛がっていたあの猫も、ばあちゃんの後を追うように亡くなったんだっけ

「すいか切ろカー」
歓迎はされているらしい

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一面の黄色を抜けてバス停に向かう。
川の向こうまで送ってくれるいつものバスはもう来ている。

でも何年ぶりだろう?
もうここに家はない。
裸足の裏には土がつき、菜の花の香りは息苦しい。

懐かしい運転手が会釈してくる。
そうだ、私はこのバスで行くのだった。
お願いします、彼岸まで。

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きつねうどんからお揚げをこっそり奪う、というイタズラ。
僕は2枚、彼女は素うどん。ふふっ。1枚食べて証拠隠滅。

「おまたせ、お腹すいたー」ぺりっ
「えっ!?」青ざめた彼女は再び電話をかけはじめた

「先生こっちでも!お揚げです!決まりですね?…狐か」
やばい。彼女やばい仕事してる…

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黙って座ればピタリと最適な飲み物が、と噂の喫茶店を訪れると、妻には苦い珈琲、私には甘い紅茶が出された

「どうしてこれを?」妻が尋ねた
「肩に黒い影が見える。祓うにはそれだ」店主はクールに目をやった

「どうしてこれを?」僕も期待して尋ねると
「…甘いのが好きそうだったんで」

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ひとり蕎麦をすすりながら、離れて暮らす子を想う

お前が生まれたのは平成21年
それがもう1児の父か。おめでとう
俺は50歳にして早くもじいじだな

孫に会わせてもらえず写真もない。3枚の硬貨は仲良く並ぶ3世代に見えた…

毎度あり!はいおつり20円!
店主の手で3世代はレジに放り込まれた。

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堤防の赤い灯台は入港路の右端を示す
これより左を通り入港すべし。船乗りなら誰でも知ってる

それを逆手にとった罠がある
見えるかな、灯台の左は隠れた岩礁
航行すれば尖った無数の岩。座礁は免れない
地元の船はしれっと右を通ってく

小さな漁村にこんな罠。何を隠しておきたいんだろうね

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確かに俺は願った
ついてない人生の最期
あの子の部屋で蜘蛛になりたい

誤算は2つ
予想よりずっと俺デカい
あの子わりと容赦ない

俺を見つけたあの子、舌打ちして殺虫剤を撒き始めた
必死に隠れる

さらに舌打ち、煙が部屋に満ちていく
ダメだ蚊取り線香だ

神様
次は人のいない世界で生ま…

#呟怖 https://t.co/zgAJDcUGCR

空を写してtweetした
いつも通り❤️が点かない写真はTLの底に沈んで…

いや点いた。見知らぬアカウント
途端バズった
RTが始まり、更に拡散された

言われて気付いたが世界的なキャラそっくりの雲が浮かんでいた

あのアカウントにお礼を、そう思って遡ったが、もう見つけることはできなかった

#呟怖 https://t.co/PugeQDm9c3

土蔵ってのは日本の実用建築の極みだ
壁が厚くて室温は安定。戸を閉めれば火にも強いし湿気は逃がす構造だ

ではこの土蔵、夜中になぜ戸を開けている?

かつて厳しい飢饉があった
飢えた住民が食糧を求め、土蔵に押し寄せ力尽きていった
いまだに戸を閉め切ると、その声が聞こえるんだそうだよ

#呟怖 https://t.co/jQWOseSgQU

息苦しさに目を覚ますと、胸のうえにキューピーがいた

「先祖代々マヨネーズは味の素じゃ!嫌ならこれでも食ってろ!」
そう投げつけられた顔のまま、お好み焼きソースの奥の目で僕をにらんでくる

あの時の彼女も今では妻になった
思い出として、キューピーはずっとこの顔のままとってある

#呟怖 https://t.co/Ow9mDrlbyz

「ええそうです先日の。お選びいただいた窓フィルム、乱反射の。回収になりましてね。有害物質が検出されて。ええ、ですから今日ははがしに。夜分なんで手短にやりますんで、もう一人はいっても?…ええ、どうもー!」
部屋に向かいながら男は連れに言った
「俺が説明してる間に後ろから、な」

#呟怖 https://t.co/8D5PjVkIhP

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