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呟怖.ORGと参加について

大寒の冷えが身に染みる夜。月明りに照らされた君が優しく笑う。手を伸ばし、私を呼ぶ。
私の冷えた右手が、大きく暖かい手に触れる。誘われるように、君の腕の中へ。
君の胸に抱かれて幸せだよ。

――咲いた花は、いつか散る
ぽとり、と私の首が椿のように落ちた。
君の右手には血塗れの鎌。

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「電車に注意」
看板が点いた。田舎町の電車にあいにく乗り遅れてしまい、気長に待とうとした矢先である。目に入る古ぼけた時刻表に、今の時刻は書かれていない。臨時列車か。

電車が風を切り到着した。古風なSLから降りるのは、死装束を着た青白い顔ばかり。
私は次の電車を待つことにした。

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買い物の道すがら、人だかりができている。興味を惹いたので少し寄ってみた。
集まる野次馬の中、どこかを見る子供。子供は右手を伸ばし、一点を指さす。
見ると、小さな黒い影。小学生くらいのような。
驚いて子供を見ると、もういない。周囲から声がする。
「小学生がいなくなったって……」

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闇が濃い早朝から駅のホームでため息をつく。
自分がどれだけ働いているのかなんて考えたくもない。電車の来る音がする。
口から自然と言葉が出た。

「いっそ生まれて来なければよかった」

衝撃。体は線路に落ちた。
振り返ると、不敵に笑う男。彼の口が動く。

「生まれてくれてありがとう」

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アパートの屋上に佇む俺の頬に、だいぶ冷え込んできた風が当たる。
傾いた陽が照らす暁と暗闇の狭間を覗き込むと、Nと生前語らった記憶がよぎった。

「太陽が死ぬ時は、太陽系の星がすべてなくなる時だ」

俺の横にはNの両親、妹、友人、担任、彼女……
俺たちは一斉に靴を脱ぎ、柵を超えた。

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今日は君を乗せてドライブ。
行先は告げず、目を瞑らせる。

「えー、どこ行くの?」
「良いところだよ」

結婚を反対されている僕らが幸せになれる、唯一の手段。
目の前には僕らの門出を祝福する青空。
アクセルを全開にし、勢いよく飛び出した。

車体と僕らの身体が、重力に引かれていく。

#呟怖

幼い頃、私と妹の間で、ある映画のシーンを再現するのにハマったことがある。
少しだけ居間の引き戸を開き、部屋の中を恨めしそうに覗くのだ。

その日も妹が、炬燵に座る私を扉の隙間から覗いていた。
何やってんの、と言いかけた時。

炬燵の陰から妹がキャハハと笑い転げ、私の足を蹴った。

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ぎい、ぎい。
コンビニ帰りにある公園の前、ブランコの軋む音がした。

ぎい、ぎい。
先刻の雨で、ブランコの真下には大きな水たまりができていた。

ふと、小さな違和感を覚えた俺はそっとその場を離れた。
水たまりに不自然な波紋が見えたのだ。まるで、ブランコから足を伸ばし蹴るような−−

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「久しぶり」
声を掛けられ、足を止めた。
彼の顔には、見覚えのある穏やかな笑いと口元のほくろ。

「ああ、久しぶり」
笑う彼につられて笑顔になる。

「元気してたかい」
「でなければここにいないだろ?」
そう言ってこの場を茶化す。

「それはよかった」
彼の姿は、風に流され消えた。

#呟怖

最近は体温計を失くすことが増えた。置き場を決めているが、毎日使ううち無意識に動かしているようだ。

今日も体温計が見当たらない。と、不意に電子音が響く。音源を探ると、そこに体温計があった。
電源を入れ、初期表示と前回の検温結果が出る。

「37.5℃」

私の昨日の体温は36.3℃だ。

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まただ。今日もまた、あの子がいる。

空いたはずの病室。並んだベッドの上に、あの子は立っている。
だが、あの部屋で子供が亡くなった記録はない。

意を決し、カラカラになった喉の奥から声を絞り出す。
「あなたは…誰?」

振り向く彼女は、白く濁る目としわくちゃの顔でニタリと笑った。

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「お歳暮です」
懇意にしている業者の男が来た。
だが、不思議なことに彼は手ぶらだった。

「何も持っていないのに?」
私が疑問を呈すると、男は玄関の扉を大きく開けた。
「ほら、ここに」

そこには、私の名が刻まれた大きな墓石があった。
「お生墓です」

そういえば、この男は、先月……

#呟怖

俺が人生に絶望した日のこと。飛び降りで有名な近所の橋に来た。
張られたフェンス、足元の壁には染みついた顔のような汚れが無数に。
「もう、いいや」
柵を乗り越え、足を突き出す。下を覗くと、壁の裏側がちらりと見えた。

たくさんの染みが、俺を見ながらニヤニヤと口の端を歪ませていた。

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ギュギュッ、と雪を踏む音がして目覚めた。窓の外を見ると、黒い防寒着に白い面を付けた者が徘徊している。目が合った途端、そいつは窓へ駆け寄り…

そこで目覚めた。嫌な汗がつう、と背を伝う。
息を整え、窓を見た。

夢に出た仮面と同じ形をした白い脂の跡が、べったりと張り付いていた。

#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1302564067068977153 

娘が二階で元気に跳ね回り大声で笑っているが、俺は独身。

#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1295236210344882179 

ーーこの人もまた、僕の理想の「母」になってくれなかった。

拐ってきた女の首に手を掛け、全体重を乗せる。暴れないよう縛っておいた体が身悶えし、力を失っていく。

まだ生温かい女の首から手を離す。顔を上げると、母になれなかった、既に体を失ったはずの女たちが僕の視界に立っていた。

#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1297173837075775489 

美術館で「呪われた絵」という作品を見た。
長い黒髪に白い服、顔は不自然に塗り潰され、異様に細い右手を後頭部に回している。

「変な絵だな」と呟きそこを離れると
「素晴らしい!」後ろの客が大声を上げた。
「絶世の美女じゃないか、ぜひ譲ってくれ!」

彼の目には、何が映っているのか。

#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1283948729637072896 

学校にある占いの本に書いてあった。「ケサランパサランが棲みついたら幸せが訪れる」
学校の校舎内。帰り道の公園。探して探してやっと見つけた。
私はそれを小瓶に入れて大切に窓際へ置いた。

次の日。窓際のそれを見ると、
瓶は無残にも割れ、山と積まれた白い綿毛の塊が、そこにはあった。

#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1287754415873507328 

じっとりと湿る空気とコンクリートの臭い。まとわりつく不快感とは正反対の刺すような音色が辺りに響く。傘もささずに長い黒髪を顔に貼りつかせ、赤いコートの女は二階の窓際に佇む俺を昏い目で見つめていた。

#雨という文字を使わずに雨が降るを文学的に表現してみろ
#呟怖

「月が綺麗ですね」
窓の外を見る貴方が言う。つられて見ると、濃紺の空にぽっかり浮かび煌々と照る満月。私の口から感嘆が漏れ出る。

貴方のほうへ目をやると、薄明るく照らされた横顔に涙が零れた。
「僕達の知る”月”は、もうないんだ」

”月”が一瞬、砂嵐のようにちらついた、気がした。

#呟怖

「家で踊ろう」
そんな言葉が巷を席巻している、というニュースが連日報道されている。

ソファの後ろでひとりぐにゃぐにゃと踊り狂う得体の知れない女に、私はいまだ気付かないふりをしながら、ただただ興味もないニュースを流し続ける。

今日も、会社は休みだ。

#呟怖

私が死んだら水葬に、と
遺言へ記す母の亡骸に
餞別のフラワーシャワー

甘酸っぱい香りを纏い
彼女は漆黒へ溶けゆく
静謐と沈黙の水底へと

#呟怖 #呟怖寫眞
#創作スル脛擦http://pic.twitter.com/o1mcDGdNHs

帰り道、
「にゃあ」と鳴いた黒猫の声が
先日転校した×××君に
似ていた、気がした。

#呟怖 #呟怖寫眞
#創作スル脛擦http://pic.twitter.com/fORC5PY7eg

澄み切った青空の下。向日葵畑の中、白いワンピースに白い日傘を掲げ佇む少女。君を一目見て、僕は心奪われてしまった。

今日も、君は向日葵畑に佇む。あれから20年経った今日も、何一つ変わらない姿で。

僕のベッドの横にいる君は、とうに骨の髄まで白くなってしまったというのに。

#呟怖 https://twitter.com/marinegumi/status/1234777055398526977 

ここにはかつて祠があった、と小5の時に担任の先生から聞いた。校庭を作るためにそれは取り壊され、祀られなくなった神はその処遇に怒り、今もなお自分の居場所を探している、と。

今日もまた、夜な夜な彷徨う。あれから25年経った今も、先生は白髪交じりの短髪を振り乱しながら。

#呟怖 https://twitter.com/kwaidanbattle/status/1208276801434181632 

ぐるぐると回る世界。お前は誰だ。広がり続ける宇宙。お前は誰だ。無数の可能性と希望。お前は誰だ。全ては拡散、全ては収束。お前は誰だ。全ては偶然、全ては必然。お前は誰だ。輪廻に従う生命の掟。お前は誰だ。お前は誰だ。お前は誰だ。

眠る私の耳元で囁き続ける、私と同じ顔の人間。

#呟怖

猫は液体。液体とはどんなものにも形を変えられるし、猫も時間を掛ければどんな形にもなれる。
ほら、あなたの足元に広がるその赤い水溜りだって、猫でできているでしょう?

言われて足元を覗くと、足元に広がる赤い水溜りの中に、輝く翡翠色の目玉が無造作にごろりと転がっていた。

#呟怖

「あのう、落し物ですよ」
私の後ろで、男の声がした。
くるりと振り向こうとしたが、思い留まる。

私の背から差す夕日が照らし出した長い影は、私ひとりのものしかなかった。

「あのう、」
「あのう、落し物ですよ」

先ほどとまったく同じ声色で繰り返される男の声は、ひどく無機質だった。

#呟怖 https://twitter.com/moon04cat/status/1187991175560482817 

「最近は花が増えたなあ」
庭先に咲いた赤い花を見て呟くと、隣の家の近藤さんが洗濯物を干しながら言う。
「昨今はいつまでも美しくありたい女性が増えたからなあ。そういう世の中なのかも知れないな」
なるほど、と私は頷いた。

庭に立つ妻の口から咲き誇る赤い花は、とても麗しかった。

#呟怖 https://twitter.com/sa_tsumi/status/1183926463818395649 

血液クレンジング、とやらをやってみた。どす黒い血が赤い血になる様子は快感だった。
もっと綺麗にしたい。私は毎日通った。しかし、採れる血は一向にどす黒いまま。しびれを切らした私は頸動脈に包丁を当て、一気に切った。首から鮮血が迸る。

ーーああ、私の血は最初から綺麗だったのね。

#呟怖

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